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#4581 ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる
令和7年4月20日(日) 【旧 3月23日 先勝】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる ~藤原良経 『新古今和歌集』 巻1-0066 春上とこしえに変わらぬ山の岩根にむす苔を、染めもしないのに緑を鮮やかにする春雨が降
#4471 隔てゆく世々の面影かきくらし雪とふりぬる年の暮れかな
令和6年12月31日(火) 【旧 一二月一日 赤口】 冬至・「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」年の暮によみ侍りける隔てゆく世々の面影かきくらし雪とふりぬる年の暮れかな ~藤原俊成女『新古今和歌集』 巻6-0693 冬歌年を隔てて、過ぎていった年々の思い出が降る雪ととも
伊勢神宮と仏教との関係を探る ~新古今和歌集から奈良の大仏を経て朝熊ヶ岳へ。ちょっと鎌倉初期の政治事情も。
“神風や みもすそ川の そのかみに 契りしことの 末をたがふな” ---by 藤原(九条)良経(1169-1206) from 新古今和歌集(1871) 前に何度か新古今和歌集の神祇歌をネタにしたのでもう一度。歌の作者九条良経は源頼朝と朝廷の橋渡し役を担った藤原(九条)兼実の息子です。百人一首にもこの人の歌が収録されています。 その百人一首の選者である(新古今和歌集の選者のひとりでもある)藤原定家は彼の九条家の家司的な立場にありました。この良経さん、定家からも将来を嘱望されていたようですが、満年齢37歳の若さで死去。 この歌は彼が平重衡によって焼け落ちてしまった奈良の大仏&大仏殿が無事再建され…
#4444 時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々
令和6年12月4日(水) 【旧 一一月四日 友引】 小雪・「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」時雨の雨染めかねてけり山城の常盤の杜の真木の下葉々 ~能因法師(988-1050)『新古今和歌集』 巻6-0577 冬歌しぐれの雨も木々を染めるのは難しいようだ。山城の常盤の森の葉は。P
Noteを更新しました。ご一読いただければ幸いです。 Noteの投稿は2000文字以内がいい、みたいな意見を読みました。長文投稿ばかりしている身からすると正直「2000文字程度で何が書けるんだよ」とか思ったりもするのですが😅、やってみた。 やろうと思えばできるぞ、と。70年代に長~い曲を書いていたのに売れたいがために80年代にコンパクトな曲に大転換を目指したプログレッシブ・ロックのミュージシャンみたいな気分?😆 note.com ランキング参加中神社仏閣・古墳・歴史的建造物めぐり ランキング参加中日本の歴史 ランキング参加中歴史
#4403 逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき
令和6年10月25日(金) 【旧 九月二三日 先勝】霜降・霜始降(しもはじめてふる)一条院かくれ給ひにければ、その御事をのみ恋ひ歎き給ひて、夢にほのかに見え給ひければ逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき ~藤原彰子(988-1074)『新古今和歌集』
令和6年10月18日(金) 【旧 九月一六日 赤口】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)夕月夜《ゆふづくよ》心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀《こほろぎ》鳴くも ~湯原王《ゆはらのおほきみ》 『万葉集』 巻8-1552 雑歌夕月の照る夜、心がしおれるように白露の置くこの庭に
#4336 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲がくれにし夜半の月かけ
令和6年8月19日(月) 【旧 七月一六日 仏滅】・立秋 「蒙霧升降」(ふかききりまとう)めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲がくれにし夜半の月かげ ~紫式部(970?-1041?) 『新古今和歌集』 巻16-1499 雑歌上やっとめぐり会えたと思ったのに、あなたかどうかも分か
大河ドラマ『光る君へ』に、恋に生き、恋心を詠う和泉式部が登場したので、和泉式部について知ろうと思い読んでみた恋の和歌『あかねさすーー新古今恋物語 (河出文庫)…
#4283 あふち咲く外面の木かげ露おちて五月雨はるる風わたるなり
令和6年6月28日(金) 【旧 五月二三日 先負】・夏至 菖蒲華(あやめはなさく)あふち咲く外面《そとも》の木かげ露おちて五月雨はるる風わたるなり ~藤原忠良(1164-1225)『新古今和歌集』 巻3-0234樗《あふち》の花がさいている家の外の木陰に雫が落ちて五月雨の風が吹き
#7245 埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける
令和6年6月20日(木) 【旧 五月一五日 先勝】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ)埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける ~源三位頼政(1104-1180) 『平家物語』 巻4埋れ木のように花の咲くこともなかったわが身が、このようなことになり果てるとは悲しいこ
#4267 北へゆく雁のつばさにことづてよ雲のうはがきかき絶えずして
令和6年6月12日(水) 【旧 五月七日 大安】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)北へゆく雁のつばさにことづてよ雲のうはがきかき絶えずして ~紫式部 『新古今和歌集』 巻9-0859 離別歌北へ帰る雁の翼に言付けて、遠い南の国からも私に便りを下さいよ。書き絶や
#4263 あづまぢの 野島が崎の はま風に わが紐ゆひし 妹がかほのみ 面影に見ゆ
令和6年6月8日(土) 【旧 五月三日 先勝】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)あづまぢの 野島が崎の はま風に わが紐ゆひし 妹がかほのみ 面影に見ゆ ~藤原顕輔(1090-1155)『千載和歌集』 巻18-1166 雑歌下東路の、野島が崎の浜風に吹かれていると、衣の紐を結んでくれ
#4163 春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ
令和6年2月29日(木) 【旧 一月二〇日 友引】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ ~壬生忠見 『新古今和歌集』 巻1-0012 春歌上春日野の草はすっかり緑になっている。若菜を摘もうと誰が印をつけたのだろう
#4160 知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと
令和6年2月26日(月) 【旧 一月一七日 大安】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)如月まで梅の花咲き侍らざりける年詠み侍りける知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと ~中務(912?-991?) 『新古今和歌集』 巻1-0039 春歌上(梅の花は)知っている
#4138 春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山
令和6年2月4日(日) 【旧 一二月二五日 赤口】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山 ~俊恵(1113-1191)『新古今和歌集』 巻1-0006 春歌上そうか春になったから霞んでしまったのだ。昨日まで波間ごしに淡路島の山々が
#4106 唐衣花のたもとにぬぎかへよ我こそ春の色はたちつれ
令和6年1月3日(水) 【旧 一一月二二日 友引】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)唐衣《からころも》花のたもとにぬぎかへよ我こそ春の色はたちつれ ~藤原道長(966-1027)『新古今和歌集』 巻16-1483 雑歌一私が贈った夏の衣装に着替えなさい。私は春の色の衣を着
#4040 神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人
令和5年10月29日(日) 【旧 九月一五日 大安】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人 ~相模(998?-1061?)『新古今和歌集』 巻8-0804 哀傷歌神無月の時雨が降る頃、衣はどうされていますか。仕えていた皇太后様が亡くなっ
#4032 人すまぬ不破の関屋の板廂あれにしのちはただ秋の風
令和5年10月21日(土) 【旧 九月七日 先負】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)旗じるしひしめきし野の柿日和 ~水原秋櫻子(1892-1981) 秋櫻子が「関ケ原の戦い」の古戦場を訪れた際に詠んだ句。石田三成の「大一大万大吉」や徳川家康の「三つ葉葵」の旗印が目に浮か
#4019 村雨の露もまだひぬ真木の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮れ
令和5年10月8日(日) 【旧 八月二四日 先勝】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)汲み置きの水平らかに寒露の日 ~角川照子(1928-2004)Photo:朝霧の森の木漏れ日 ~photoAC(ヒロタカ05さん) 二十四節気の17番目「寒露」。『暦便覧』には「陰寒の気に合つて露結び凝らん
#4004 秋の野をわけゆく露にうつりつつ我が衣手は花の香ぞする
令和5年9月23日(土) 【旧 八月九日 仏滅】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋の野をわけゆく露にうつりつつ我が衣手は花の香ぞする ~凡河内躬恒(859?-925?)『新古今和歌集』 巻4-0335 秋歌上秋の野を踏み分けて歩くと露がふりかかり、私の袖は花の香
#3988 遠近の風とぞ今はなりなまし かひなき物は我が身なりけり
令和5年9月7日(木) 【旧 七月二三日 大安】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)遠近《をちこち》の風とぞ今はなりなまし かひなき物は我が身なりけり ~朱雀天皇(923-952)『新続古今和歌集』 巻16-1559 哀傷歌あちらこちらと吹く風と今はなってしまうのか。むなしい
#3986 夏はつる扇と秋の白露といづれかまづは置かむとすらむ
令和5年9月5日(火) 【旧 七月二一日 先負】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)かまぼこをまたくさらせし残暑かな ~久保田万太郎(1889-1963)『「流寓抄」以後 久保田万太郎句集』Photo:夏の台所 ~PR TIMES 残暑見舞いを送る時期は立秋から8月31日までとよく言
#3876 花ちりし庭の木の葉もしげりあひて天照る月の影ぞまれなる
令和5年5月18日(木) 【旧 三月二九日 先勝】・立夏・竹笋生(たけのこしょうず)花ちりし庭の木の葉もしげりあひて天照る月の影ぞまれなる ~曾禰好忠 『新古今和歌集』 巻3-0186 夏歌花が散った庭の木の葉も茂って重なり合い、空に照る月の光が遮られてしまうほどだ。Photo
#3837 花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで
令和5年4月9日(日) 【旧 閏二月一九日 友引】・清明・玄鳥至(つばめきたる)花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで ~後鳥羽院宮内卿 『新古今和歌集』 巻2-0128 春歌下桜の花を誘って散らす比良山の山風が吹いたのですね。漕いでゆく船の航跡が見えるほ
令和5年1月16日(月) 【旧 一二月二五日 赤口】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)津の国の難波の春は夢なれや蘆の枯葉に風渡るなり ~西行(1118-1190)『新古今和歌集』 巻6-0625 冬歌摂津国の難波の美しい春の景色は夢のように過ぎ去ってしまい、今は蘆の枯葉に風が吹
令和5年1月10日(火) 【旧 一二月一九日 赤口】・小寒・水泉動(しみずあたたかをふくむ)三室山谷にや春の立ちぬらむ雪の下水岩たたくなり ~源国信(1069-1111)『千載和歌集』 巻1-0002 春歌上三室山の谷に春が訪れたのであろうか。雪の下で融け出した水が岩を叩いてい
#3740 年ごとに生ひそふ竹の代々を経て変らぬ色を誰とかは見む
令和5年1月2日(月) 【旧 一二月一一日 仏滅】・冬至・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)年ごとに生ひそふ竹の代々を経て変らぬ色を誰とかは見む ~紀貫之 『新古今和歌集』 巻7-0715 賀歌年ごとに生えて増えてゆく竹の、幾世代を経ても変わらないこの色をどなたのことだと
#3738 年の明けて憂き世の夢の覚むべくは暮るともけふは厭はざらまし
令和4年12月31日(土) 【旧 一二月九日 友引】・冬至・麋角解(おおしかのつのおつる)年の明けて憂き世の夢の覚むべくは暮るともけふは厭はざらまし ~慈円 『新古今和歌集』 巻6-0699 冬歌年が明けてこの世の憂さが夢から覚めるように消えてくれるのならば、年が暮れる今日
令和4年12月23日(金) 【旧 一二月一日 赤口】・冬至・乃東生(なつかれくさしょうず)花はまだつぼむ枝かとほのみえて梅初月《うめはつづき》の心色めく ~顕昭 『蔵玉集』花はまだ咲かぬが蕾のついた枝のようにかすかに見えて梅初月は心がときめくものだ。Photo:年末の雪
#3722 和射見の嶺行き過ぎて降る雪のいとひもなしと申せその子に
令和4年12月15日(木) 【旧 一一月二二日 友引】・大雪・熊蟄穴(くまあなにこもる)和射見《わざみ》の嶺行き過ぎて降る雪のいとひもなしと申せその子に ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2348 相聞歌和射見の嶺を通り過ぎる時に降る雪のように厭うことはないのだとその子に告げ
#3689 笹の葉は深山もさやにうちそよぎこほれる霜を吹くあらしかな
令和4年11月12日(土) 【旧 一〇月一九日 仏滅】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)笹の葉は深山もさやにうちそよぎこほれる霜を吹くあらしかな ~九条良経 『新古今和歌集』 巻6-0615 冬歌笹の葉は深山までもさやさやと打ちそよがせて、凍った霜を吹き払うような嵐です。Ph
令和4年10月18日(火) 【旧 九月二三日 先勝】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)きりぎりす夜寒に秋のなるままに弱るか声の遠ざかり行く ~西行 『新古今和歌集』 巻5-0472 秋歌下こおろぎは夜が寒い秋になるにつれて弱るのだろうか、声が遠ざかってゆくのだなあ。Phot
令和4年9月30日(金) 【旧 九月五日 先勝】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)秋深み恋する人の明かしかね夜を長月といふにやあるらん ~凡河内躬恒 『拾遺和歌集』 巻9-0523 雑歌下秋が深まり、恋する人は眠れずに夜を明かしてしまう。そんな夜を長月と言ったのだ