日々詠む駄句を日記的雑文ととともに綴るメモ代わりのブログです。下手な写真は枯文字山のにぎわいにと。
Author:渡邊むく 男性。岩手県生まれ宮城県育ち。約10年間の海外生活を除き首都圏の各地を転々。商社勤務の後、産業技術英語通訳・翻訳者。現在はほぼ引退し、愛妻ガンコちゃんと二人暮らし。主な発信地は山梨県山中湖村。俳句は2000年から。
1件〜100件
気まぐれに花入れ求む秋ごころ /むく (きまぐれにはないれもとむ あきごころ) ますほの芒 (2020.08.14 山中湖村:山梨県) 糖尿病と外耳炎 左耳の中に炎症が出来た。 少し熱っぽくなり、リンパ腺も腫れた感じがしてきたので、インターネットで耳鼻咽喉科を探し、診てもらいに行った。 「外耳道炎だな。 耳の掻き過ぎだね。 ぜったいに耳を掻かないこと。 耳掻き棒も綿棒もダメ。 耳に触...
階段口前に打ち水どなたやら /むく (かいだんぐちまえにうちみず どなたやら) 風は秋 (2019.08.14 山中湖村:山梨県) 打ち水 季題は夏に戻って打ち水。 ネット通販の前払い金を支払いに郵便局へ。 Pay Easyは不慣れ。 「お支払い手続きのご案内」というメールに「確認番号の他に収納機関番号の入力も必要です」と書いてあったので、メモって行った。 郵便局のATMのガイダンスに従って、まず...
挨拶を交はして朝の爽やかに /むく (あいさつをかわして あさのさわやかに) ひまわり (2019.08.13 山中湖村:山梨県) 早朝散歩 早朝なのに人によく出遇う秦野での散歩。 歩く人も走る人も、少しでも涼しいうちにと思う気持は誰も同じようだ。 貸農園で畑の手入れをしている人の姿も見掛ける。 秦野に来てからは初めて、今朝はガンコちゃんと一緒に散歩に出た。 丘の上の散策路を、寓居か...
丹沢も箱根も富士も澄みて秋 /むく (たんざわもはこねもふじもすみて あき) 秦野市街と丹沢山塊 (2019.08.11 山中湖村:山梨県) 丘の家 この丘に居を構えたのは、諸々の事由を考慮しての妥協ではあったが、眺望はまずまず。 連日の猛暑ではあるが、無理して秋と。 俳句は都合がいいもの。 日の出の時刻ならば少しは涼しいかと思って散歩に出たが、小一時間歩いたら、帰りは全身汗だくにな...
子ら来るとカレーを作る秋暑し /むく (こらくるとかれーをつくる あきあつし) 桔梗 (2019.07.29 山中湖村:山梨県) ポークカレーにはパイナップルを 当たり前だが、子供たちもそれぞれに忙しい。 娘は夏休みを分散して取るため、家に来るのは明々後日になるらしい。 ガンコちゃんも、それまで横浜で過ごすという。 気合を入れてポークカレーを作ったが、それまで冷凍庫に入れて置くことに...
東京と富士山の真ん中秋暑し /むく (とうきょうとふじのまんなか あきあつし) 玄関 (2019.08.08 秦野市:神奈川県) 盆休み 生活にすぐ必要なものの荷ほどきを、やっと終えたところ。 片付かないものは、空いている洋室にとりあえず押し込めてある。 家具などの調度品はこれからゆっくり揃えてゆく予定。 一年でいちばん暑い季節の転居。 山中湖の涼しさにすっかり慣れ切った身には応える...
子らへ継ぐための片付け避暑の家 /むく (こらへつぐためのかたづけ ひしょのいえ) 咲き始めたシシウドの花 (2019.07.19 山中湖村:山梨県) 終の棲家へ 久しぶりに朝富士を拝した。 自画自賛ながら、門出を祝ぐような晴天の富士。 引っ越し業者が来るのは午後から。 秦野は暑いだろうな。 エアコンは先に設置しておいたが。 どんな暮らしになることやら。 今朝の富士 (2019.08.04 山中...
むらさきの濃き擬宝珠も霧がくれ /むく (むらさきのこきぎぼうしも きりがくれ) 葉が細く花も小振りのギボウシ (2019.07.31 山中湖村:山梨県) 引渡し 長かった今年の梅雨もどうやら明けた気配。 秦野の新居のリフォーム工事完了・引渡し日は八月四日の予定。 そのまま新居に泊り、翌朝配送される引っ越し荷物の到着を待つことにする。 施工違いがあって大工工事を一部やり直し、工期が遅...
バーベキュー小刀で刻む夏野菜 /むく (ばーべきゅー ないふできざむなつやさい) 句はトルコでのバーベキューを思い出して。 トルコの人も、バーベキューは炭火焼きが一番だと言う。 歳時記によってはバーベキューも夏の季語に加わったらしい。 キビタキの幼鳥 (2017.07.16 山中湖村:山梨県) 夏季休暇 一昨日からの四連休も雨。 降り通しではないが、とにかくよく降る。 それでも、避暑...
夏うぐゐす口笛吹けば応ふるよ /むく (なつうぐいす くちぶえふけばこたうるよ) カワラナデシコ (2017.07.19 山中湖村:山梨県) しばらく前の句。 風雲 引っ越しは八月五日という予定になった。 いろいろと慌ただしくなってきた。 早めにインターネットの契約を変更したために、昨日今日はネット接続もままならなくなった。 山中湖は電波事情が良くないので、そのせいもあるが早く変更し...
露涼し富士に天女の領巾なびき /むく (つゆすずし ふじにてんにょのひれなびき) 天女の領巾 (2017.07.10 御殿場市:静岡県) 夏土用 去年の暮に横須賀のヤマダ電機でエアコンを買って、サービスに鰻の蒲焼を頂いた。 一昨日、秦野のヤマダ電機に行って、またエアコンを買った。 サービスは付いていたが、鰻の蒲焼はなかった 二台も買ったのに。 残念…と、帰りに鰻を食べた。 まだ梅雨明け...
蒼きあり紅きもありて土用の芽 /むく (あおきありあかきもありて どようのめ) 土用芽、コナラかな? (2020.07.14 山中湖村:山梨県) 土用芽 広辞苑によれば、土用芽とは「植物の芽の、夏の土用のころに出るもの」とある。 春から盛夏までの気候の変わり方は毎年同じではない。 だから、土用芽も毎年同じように出るわけではないのだろう。 土用芽が出る条件はいろいろあるかもしれないが、...
好漢や刈らずに行きし文字摺草 /むく (こうかんや からずにゆきしもじずりそう) ネジバナ (2020.07.15 山中湖村:山梨県) 捩花 文字摺草はネジバナのこと。 ピントを合わせて撮った花は螺旋が右巻きだが、そばに咲いている草丈の小さな花の幾つかは左巻き。 右巻き、左巻きの比率はおおよそ半々ということだ。 公園の芝生の中に生えているものを多く見てきたせいか、標高が千メートルもあ...
夏つばめ湖にぎやかになる兆し /むく (なつつばめ うみにぎやかになるきざし) ツバメ (2020.06.07 山中湖村:山梨県) 夏燕 ひと月余り前に撮ったツバメ。 飛んでいるところをと思って湖畔に出たのだったが、あいにく。 ツバメはたくさん舞っていたのだが。 ちょうど、湖畔の飲食店も営業を再開する店が増え始めた頃だった。 昼食をと、「ほうとう」が看板の贔屓の店に入った。 普段は夜...
のつしりと見えぬ富士負ひ梅雨深し /むく (のっしりとみえぬふじおい つゆふかし) 梅雨の富士 (2019.07.12 山中湖村:山梨県) 鯖火 鯖火燃ゆ平家滅びし沖あたり /向田貴子 鯖は秋の季語かと思っていたが夏だという。 いい加減だ。 私が、である。 今夜の肴は〆鯖。 昨日スーパーで見ていたら食べたくなって、真空パックのを買ってきた。 去年四月に亡くなられた風人子先生が...
黄釣舟どの一輪も傘を差し /むく (きつりふね どのいちりんもかさをさし) キツリフネ (2019.06.29 山中湖村:山梨県) ツリフネソウ キツリフネはツリフネソウの近縁種と分類されている。 私が観察してきた限り、キツリフネと赤いツリフネソウは、それぞれ離れた場所に群咲いていることが多いというのが印象のだが、どうだろう。 もちろん例外もあるが。 キツリフネもツリフネソウもうつむ...
彼女髪短くなりし夏料理 /むく (かのじょかみみじかくなりし なつりょうり) カラスアゲハ (2019.06.29 山中湖村:山梨県) カラスアゲハ 蝶は春の季語だが揚羽は夏蝶。 山中湖では、このところカラスアゲハをよく見かけるようになった。 御殿場でよく見かけたクロアゲハは、私が観察してきた限り、山中湖ではあまり見かけない。 なぜだろう?と疑問が湧いて、少し調べてみた。 ともに幼虫...
かぶとむし頭の薄毛に止まりけり (かぶとむし つむのうすげにとまりけり) かぶとむし森へと返す朝まだき /むく (かぶとむし もりへとかえすあさまだき) アオゲラ (2019.06.27 山中湖村:山梨県) カブトムシ Part-2 ぼんやりと目が覚めると何か音が聞こえる。 一つは除湿器の作動音だ。 点けっぱなしで押入の前に置いて寝た。 気になったのはもう一つの音。 ガ...
湖畔の灯点り初めて夏料理 /むく (こはんのひともりはじめて なつりょうり) 梅雨晴れ間 (2019.06.17 山中湖村:山梨県) 送別句会 転居先の秦野のマンションのリフォーム工事は着々と進んでいる。 当初の予定からだいぶ遅くはなったが、七月中には転居出来そうな目途が立ってきた。 引渡しが完了し次第転居する予定。 湿気の多い季節は特に、住居に風を通しておくことが大事。 他にも転居...
仰向けは摘みにくいよ兜虫 /むく (あおむけはつまみにくいよ かぶとむし) トーチカ (2019.07.05 山中湖村:山梨県) カブトムシ 朝起きて窓を開けると、バルコニーに仰向けで宙を掻いているカブトムシが。 昨夜灯に迷って飛んできたのだろうか。 窓に衝突して昏倒したのかもしれない。 可哀そうに。 助かるものなら助けてやらねば。 まずは指で摘まんでプラスチックの植木鉢の皿に入れ、...
リア王となりけり霧の大夏野 /むく (りあおうとなりけり きりのおおなつの) トーチカ (2019.07.05 山中湖村:山梨県) 梅雨出水 今年もまた豪雨の被害。 日本の温帯モンスーン気候が亜熱帯かしているのだろうか。 「従来の常識」は気象に関しては通用しなくなったようだ。 尊い命を奪われた方々の冥福を祈るとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 まだひと山ふた山ありそう...
半夏雨すずめ蜂の巣見てゐたり /むく (はんげあめ すずめばちのすみていたり) スズメバチの巣 (2019.6.27 山中湖村:山梨県) スズメバチ 最上階の五階にある寓居の玄関扉前の中庭に面した廊下の角に蜂が巣を造った。 気が付いたのはガンコちゃん。 蜂が出入りしていたというので、念のために私も見に行った。 素焼きの徳利を逆さまにしたような巣を見て、スズメバチに違いないと思った。 ...
窓庇涅槃仏めく三尺寝 /むく (まどびさし ねはんぶつめくさんじゃくね) 沙羅の花 (2019.6.20 山中湖村:山梨県) 三尺寝。 句はインドで。 二〇〇三年の詠。 「三尺寝」とは、身体を折るようにして狭いところで寝ること。 インドではいたるところで目にする光景。 インド人の特技かもしれない。 日本の駅のホームで三尺寝をしたというトルコの友人がいる。 私がトルコでお会いしたときの...
梅雨の星富士には灯なき今年 /むく (つゆのほし ふじにはあかりなきことし) 梅雨晴れ間 (2019.6.27 山中湖村:山梨県) 山開き 昨日七月一日は富士山の一番早い山開きの日。 しかし、今年は五合目より上は登山禁止となった。 静岡県側からも山梨県側からも登ることは出来ない。 寂しい限りではあるが、新型コロナウィルス感染防止策の一環として止むを得ない措置と受け入れなくてはならない...
青梅雨や鶴千代君とむせぶ鳥 /むく (あおづゆや つるちよぎみとむせぶとり) センダイムシクイ (2019.5.17 山中湖村:山梨県) センダイムシクイ 去年は寓居のバルコニーからもたくさん撮れたセンダイムシクイ。 今年は一枚も撮れていない。 声はいつも聞こえているのだが。 「ツルチヨギミー」はこのセンダイムシクイの聞きなしの一つ。 伊達騒動を題材にした浄瑠璃・歌舞伎の演目『伽蘿先...
ほととぎすどの唐松のてっぺんか /むく (ほととぎす どのからまつのてっぺんか) 夏至の富士 (2020.6.27 山中湖村:山梨県) 六月尽 早いもので今日で一年の半分が終わり。 あっという間だった。 半年間何をしてきたんだろう。 新型コロナウィルス騒ぎに振り回された、とは言うまい。 光陰矢のごとしとは老いゆく日々のことか。 ともあれ月末。 転居の準備もいろいろ。 いわしの山椒煮...
青山椒飲み過ぎなさるなとは無理 /むく (あおさんしょう のみすぎるなとはむり) 青山椒摘 (2020.6.21 山中湖村:山梨県) 佃煮 演習場の芒原へ向かう林道で山椒が花咲いているのを見つけたのは五月。 高さが三メートル近くある木だった。 山椒の木はいたるところに生えているが、雌木が少ないのか、花はなかなか目に付かない。 青山椒(実)を見つけることができたのは、その木の在り処をし...
花イリス木橋を渡る驢馬の馬車 /むく (はないりす きばしをわたるろばのばしゃ) 野あやめ (2020.6.21 山中湖村:山梨県) 野あやめ 演習場も青い芒原になってきた。 先週の日曜はまずまずの天気だったが、今週は怪しい。 昼までは雨かもしれない。 写真は咲き残っていた野あやめ。 アイリス、イリス、オリスとも。 思いは昔日のアナトリアへと。 バラの花から花精油を採る古い蒸留所の入...
山をだまき富士を目前の湖の村 (やまおだまき ふじをまさかのうみのむら) 糸繰草いにしへのこと母のこと /むく (いとくりそう いにしえのことははのこと) ヤマオダマキ (2020.6.20 山中湖村:山梨県) 苧環 糸繰草は苧環の別名。 上の画像の赤紫色の距(きょ)を持つ花はヤマオダマキ。 下の画像の花も距も薄い黄色の花はキバナヤマオダマキ(だと思う)。 山中湖...
山をだまき燈りて深む杣の梅雨 /むく (やまおだまきともりてふかむ そまのつゆ) ヤマオダマキ (2020.6.20 山中湖村:山梨県) 山苧環 (やまおだまき) 待ちかねていたヤマオダマキの花。 山中湖でも日照条件の良い場所では五月にちらほらと咲いたところもあった。 が、大方は六月になり梅雨に入ってから。 園芸種と思われるミヤマオダマキが咲いた五月初めぐらいから、ずっと注意して観て...
盆栽のごとく繍線菊熔岩の上 /むく (ぼんさいのごとくしもつけ らばのうえ) シモツケの花 (2020.6.21 山中湖村:山梨県) しもつけ 写真はあまり盆栽のように見えないが…。 花に限らず、人は何かを出来事とともに記憶する。 たとえば、ある音楽を聴くと、その音楽に大きく感情を動かされたときのことを思い出すことがある。 嬉しかった思い出、楽しかった思い出が蘇る。 悲しかった思い出...
老ゆるとは泰山木の花見上げ /むく (おゆるとは たいざんぼくのはなみあげ) 泰山木の花 (2020.6.23 秦野市:神奈川県) いよいよ… 昨日は朝から転居予定の秦野の団地へ。 やっとリフォーム工事が始まり、解体作業がほぼ終わった。 リフォーム会社と細部の打合せ。 工期はお盆休み前まで。 そんなにかかるとは思わないが、催促はしないことにする。 職人さんたち急かせるのは良くない…と思...
ドアに挿す新聞の音明易し /むく (どあにさすしんぶんのおと あけやすし) 落栗花雲 (2020.6.16 山中湖村:山梨県) 句は兼題「音」で詠んだ旧詠。 日帰り温泉 平日で雨。 空いているだろうと、久しぶりに「紅富士の湯」へ。 二月以来。 実際に空いていた。 大きな風呂は気持がいい。 下足箱、レジ、レストラン、それぞれにソーシャルディスタンシング。 サウナ、露天風呂はまだ閉鎖した...
目高群れぶつかる気配なく泳ぐ (めだからむれ ぶつかるけはいなくおよぐ) 日本のどこにもかつて目高ゐて /むく (にっぽんのどこにも かつてめだかいて) 梅雨晴 (2020.6.17 山中湖村:山梨県) 模索 県境をまたぐ移動の自粛が解除された週末。 山中湖は、先週までとは景色が一変するほど大勢の人で溢れている。 スーパーには、バーベキューの食材を求める人の列が。...
フォスターの野外シアター蛍舞ふ /むく (ふぉすたーのやがいしあたー ほたるまう) Musical
さくらんぼペルシャの王の餐今宵 /むく (さくらんぼ ぺるしゃのおうのさんこよい) 鈴木貞雄句集『うたの禱り』:角川俳句叢書 昨日、山中湖俳句クラブで一括注文してあった句集が届いた。 『若葉』主宰鈴木貞雄先生の第六句集『うたの禱り』。 お届け下さったのはクラブの句友お二人。 茄子、胡瓜、大根、人参、黄色いパプリカと彩りの豊かな自家製のぬか漬と、旅苞(たびづと)のさくらんぼも一...
インド芝深し素足で走る朝 /むく (いんどしばふかし すあしではしるあさ) 梅雨入前 (2020.6.9 山中湖村:山梨県) 二〇〇一年、インドでの詠。 涼しい時間帯 日本では馴染の薄い球技だが、クリケットはインドで最も盛んなスポーツ。 かつて日本で野球がそうであったように、インドでは今もクリケットが国民的な球技である。 クリケットはイギリスで始まった球技。 それがインドに普及した...
駅の闇外寝の足に躓きし /むく (えきのやみ そとねのあしにつまづきし) 夕焼け富士 (2020.6.15 山中湖村:山梨県) 句は二〇〇〇年のインド詠。 外寝 夜の駅の暗いホームに降り、スーツケースを預けたポーターの後に付いて改札口に向かう。 ポーターは少しでも多く稼ぎたいのだろう。 頭の上に重いスーツケースを三個ぐらいは平気で乗せて歩く。 暗くてよく見えないが、ホームには南京袋の...
ようこそとビンディ―を塗る夏の宿 /むく (ようこそとびんでぃーをぬる なつのやど) オオヨシキリ (2020.6.9 山中湖村:山梨県) 句は二〇〇三年、インドで。 ビンディー (Bindi) まさか額に赤いビンディーを塗られるとは思わなかった。 それまでの定宿を変えたときのことだった。 宿を変えたのは私の仕事の依頼主である日本企業の都合である。 A事業部がXホテルに泊まるならB事業部...
早乙女のサリー鮮やか貧しくも /むく (さおとめのさりーあざやか まずしくも) ポピー (2020.6.10 山中湖村:山梨県) 二〇〇三年、インド詠。 既発表句と未発表句 このところ毎日むかしインドで詠んだ句ばかりご紹介させていただいている。 本当は今日詠んだ句を今日書いておきたい。 このブログは私の日記代わりであり、日々の俳句を書き留めておくメモと位置付けてきたから。 もともと私...
密林に喜雨満ち象の襲ふ村 /むく (みつりんにきうみち ぞうのおそうむら) カッコウ (2020.6.14 山中湖村:山梨県) インドの雨季 先日、北インドが一年でいちばん暑くなるのは五月下旬と書いた。 それが過ぎると雨季がやってくる。 毎日気温と湿度を観測していたある年、六月十日に雨季入りした。 日本の梅雨入りの時期にほぼ同じである偶然に、不思議な感慨を覚えた。 インド人に訊ねたと...
インド涼しミセスチキンカリーらと居 /むく (いんどすずし みせすちきんかりーらとい) 湖畔の駐輪場から (2020.6.9 山中湖村:山梨県) カリーリーフ インドにカレーと名が付く料理はあまりない。 が、大抵の料理はカレー味だ。 カレー味はインド味である。 日本に来た或るインド人がこう言った。 「日本の料理には味がない。」 「…?」 返答に窮して、いろいろ考えた。 そして味がない...
サンダルのペディキュア金の足指輪 /むく (サンダルのペディキュア金の足指輪) 山中湖村の花「山椒薔薇」 (2020.6.9 山中湖村:山梨県) 足指輪 二〇〇一年、インドでの詠。 北インドの或る企業城下町を、五年間で三十回ほど訪れた。 滞在した期間は延べ十二か月ほど。 ある日、街に土産を探しに行き、生地屋に入った。 どれにしようかと思案していると、声を掛けられた。 「お手伝いしま...
更くるまで豪雨の止まず水中り /むく (ふくるまでごううのやまず みずあたり) 湖畔の朝 (2020.6.9 山中湖村:山梨県) 水替わり 水中りの句はインドでの詠。 メモによれば二〇〇一年。 インドに滞在していると十中八九は水中りを経験する。 生ま水を飲まないことを初め、どんなに注意を払っても避けることは出来ない。 早い人で滞在し始めてから四五日、遅い人でも約ひと月以内には水中り...
夏サリー話上手の鼻ピアス /むく (なつさりー はなしじょうずのはなぴあす) インド (2020.6.5 山中湖村:山梨県) ギンラン メモに二〇〇三年とある。 インドへ行くようになったのは二〇〇〇年。 初めてインドの土を踏んだのはそれより何年も前。 といっても空港のターミナルビルで八時間ほど拘束されただけで、町に出た訳ではない。 先日ブログに書いたペスト騒ぎに巻き込まれた時のこと...
畏るべきヒンズーの神雹太し /むく (おそるべきひんずーのかみ ひょうふとし) キガラシの花 (2020.6.5 山中湖村:山梨県) 句はインドでの詠。 2001年頃か。 「雹一寸」を「雹太し」と推敲。 “Be sure to wear some flowers in your hair” 上の表題は1967年にヒットしたスコット・マッケンジーの歌“San Francisco”(邦題:花のサンフランシスコ)の副題。 1960年代、アメリカはベトナムの...
アナトリア朝の薔薇摘むをみなごら /むく (あなとりあ あさのばらつむおみなごら) バラ摘み (1999.5.25頃 イスパルタ:トルコ) 香水になるバラ 古いデジカメ写真。 湖沼の多いトルコのアナトリア地方のイスパルタ(Isparta)という町。 香水になる原種のバラを摘むのは主に女性。 子供も手伝う。 バラは、貧しい小農家に一年の最初の現金収入をもたらす。 五月後半の約二週間。 彼女...
藍あふぎ閉ぢて別れを惜しみけり /むく (あいおうぎとじて わかれをおしみけり) ギンラン (2020.6.4 山中湖村:山梨県) ギンラン 銀蘭が咲く梅雨入り間近のこの時季。 その銀蘭に今年は遇えることが少ないのではと心配している。 いつも散歩する林間の道沿いの、銀蘭の咲く二箇所に開発の槌が入れられた。 富士山の眺めを良くするために、佳い花を咲かせる朴の木も切り倒されてしまった。...
最古参サンダル金輪際履かず /むく(旧詠) (さいこさん さんだるこんりんざいはかず) さつき富士 (2020.6.5 山中湖村:山梨県) サンダル 八年前に作った句を焼き直した。 元の句は「サンダルは履かずに通す宮仕へ」。 履けば水虫予防に効果があろうとは思っても、職場でサンダルを履くことには若い頃から抵抗があった。 せいぜい、疲れて足にむくみを感じるような時に、机の下でそっと靴...
バナナ青かまぼこ兵舎の島の家 /むく(旧詠) (ばななあお かまぼこへいしゃのしまのいえ) バナナの花と実 (2015.7.212 山中湖村:山梨県) かまぼこ兵舎 五年ほど前に作った句を焼き直した。 横須賀にいた頃にバナナの花を見て、一九七〇年代に頻繁に訪れたグアム島を思い出して詠んだ句だった。 元の句は「バナナ実るトタン囲いの島の家」だった。 トタン囲いのバラックである「かまぼこ...
焼たらこぽろんと転ぐ芝生青 /むく(旧詠:推敲) (やきたらこぽろんところぐ しばふあお) ホオアカ (2017.5.24 山中湖村:山梨県) 青芝 六年ほど前に作った句を焼き直した。 焼きたらこは大好きなおにぎりの具の一つ。 コンビニでは炙りたらこや明太子入りのおにぎりはあっても、焼きたらこは滅多に見かけない。 なぜだろう? 青芝の句を初めて詠んだのはインドでだった。 二十年前。...
木も草も白花多くなりて梅雨 /むく(旧詠) (きもくさもしろばなおおくなりて つゆ) 二人静 (2017.5.30 山中湖村:山梨県) 忘れ物 まだ梅雨入り宣言は出ていないようだが、スカッとしないお天気続き。 雨のこない今のうちに用事を片付けに行こう、と。 バスに乗って富士吉田警察署へ。 悪いことをしたからではない。 (良いこともしていないが。) 遺失物係へ。 先日、コンビニでコピ...
巴里に食ぶソフトクリーム橡の花 /むく(旧詠) (ぱりにたぶそふとくりーむ とちのはな) 橡の花 (2017.5.30 山中湖村:山梨県) 走り梅雨 終日小雨。 今朝の最低気温は12℃。 今日の最高気温は16℃。 夕方からエアコンを点けて暖房。 足元が冷える。 気温以上に寒く感じるのは日射しがないせいと湿度が高いせいだろうか。 六月に入った。 もう若葉寒(わかばざむ)、若葉冷(わかば...
筍の或る日信長兜なる /むく (たけのこの あるひのぶながかぶとなる) 筍 (2017.5.6 御殿場市:静岡県) とらや工房 写真はストックから。 三年前は富士山南麓の御殿場で過ごしていた。 日々の散歩コースだった「とらや工房さん」。 四季折々の花が咲く庭も竹林も大好きだったあの茶房。 コロナ禍で休業していたが、二三日前に営業を再開したようだ。 あのお嬢さん、今でもこのブログを覗...
入院中禁止のたばこ母の日に /むく (にゅういんちゅうきんしのたばこ ははのひに) ポピー (2020.05.29 山中湖村:山梨県) カーネーションではないポピー。 賞味期限切れの句ではあるがまだ五月。 没にしようと思った句だが。 月末 いろいろな〆切の重なる月末。 いかも気が付けば土日。 郵便局は大丈夫だが銀行は…。 納付期限前だから週明けでもいいか。 ガンコちゃんが居ないと雑用...
明易し鳥の朝礼午前四時 /むく (あけやすし とりのちょうれいごぜんよじ) クレマチス? (2020.05.28 山中湖村:山梨県) オンライン句会 昨夜は5月二回目のオンライン句会。 三蜜を避けるために4月から始めたオンライン句会は、今回で4回目。 来月は通常通りオフラインで開催できるだろうか。 オンライン句会も、プラスαであれば悪くはない。 オンライン句会がオンリーワン句会では寂し...
山吹草ずいずいずつころ橋渡る /むく (やまぶきそう ずいずいずっころばしわたる) ヤマブキソウ (2020.05.25 山中湖村:山梨県) ずいずいずっころばし 小学校の音楽の授業で、古くから歌われてきた童謡(わらべうた)である「ずいずいずっころばし」を輪唱した。 ずいずいずっころばし 胡麻味噌ずい 茶壷に追われて とっぴんしゃん 抜けたら どんどこしょ 俵の...
リラの花ヘップバーンのとこしなへ /むく (りらのはな へっぷばーんのとこしなえ) 五月富士 (2020.05.25 山中湖村:山梨県) リラの花 リラの花咲く湖畔の道を少し遠くまで歩いて、去年サンコウチョウ(三光鳥)を見た場所へ。 前日に続いてカメラ三脚を背負って。 しばらく待ったが、サンコウチョウは声もなく。 毎年同じ場所に来て営巣すると言うのだが。 帰りの道端で、思いがけなくヤマ...
松蟬や山湖俄かに活気づく (まつぜみや さんこににわかにかっきづく) ふるさとや春夏秋の蟬の声 /むく (ふるさとや はるなつあきのせみのこえ) 五葉あけびの花 (2020.05.25 山中湖村:山梨県) ハルゼミ マツゼミ(松蝉)はハルゼミ(春蝉)のこと。 ナワシロゼミ(苗代蝉)、タウエゼミ(田植蝉)など、地方によっていろいろな呼び名があるようだ。 子供の頃、直ぐ...
Gパンの腿にも煤や蕨狩 (じーぱんのすそにもすすや わらびがり) 母いつも真剣なりし蕨採り /むく (ははいつもしんけんなりし わらびとり) 焼け芒も少し伸びて (2020.05.24 山中湖村:山梨県) 蕨狩り?蕨採り? 村のあちらこちらの家の庭でミヤマオダマキを見かけるので、ヤマオダマキも咲いているかと、去年見た草原へ。 探し歩きながら、だんだん自分の愚かさに気...
山に棲み深山をだまき藍深し /むく (やまにすみ みやまおだまきあいふかし)ミヤマオダマキ (2020.05.22 山中湖村:山梨県) オダマキ 名前はミヤマオダマキでも園芸種もあるようだ。 杣の人の住まいの石垣に植えてあったのを撮った。 野生種か園芸種かは分からない。 富士山には野生種のミヤマオダマキがあると聞くが、標高二千メートルぐらいのところだと言う。 ヤマオダマキなら、標高約...
春マスク / 寄居虫(やどかり) / 雪解富士(ゆきげふじ) / 蝸牛(かたつむり) / 豆の飯
老いけらし転ばぬ先の春マスク (おいけらし ころばぬさきのはるますく) やどかりや吾は最後の転居なり (やどかりや われはさいごのてんきょなり) いまごろは傘の骨かも雪解富士 (いまごろはかさのほねかも ゆきげふじ) その殻を脱ぐではないぞ蝸牛 (そのからをぬぐではないぞ かたつむり) かたつむり海の恋しとこの...
トーチカの上で手庇のびたき観る (とーちかのうえでてびさし のびたきみる) のびたきや拠りどころなき焼け芒 /むく (のびたきや よりどころなきやけすすき)ノビタキ♂ (2020.05.17 山中湖村:山梨県) ノビタキ ノビタキは夏鳥。 その名が示すように草原の鳥である。 勿論、それ以外の場所にもいるだろうが、写真を撮ろうということになると、ロケーションにも少しは...
日照り雨二重の虹のなかに富士 /むく (ひでりあめ ふたえのにじのなかにふじ)キビタキ♂ (2020.05.17 山中湖村:山梨県) 虹の富士山 日照雨には「ひでりあめ」のほか、「そばえ」の読み方もある。 いわゆるお天気雨で、狐の嫁入りと言ったりするのも同じ現象かと思う。 二重の虹がかかった富士山を見たのは私ではない。 去年の五月に初めて山中湖の寓居を訪ねた娘。 一人で過ごしたいと言う...
若葉冷わが豚汁の具だくさん (わかばびえ わがとんじるのぐだくさん) イズムなど持たずに生きて小椋鳥 /むく (いずむなどもたずにいきて こむくどり)コムクドリ (2020.05.17 山中湖村:山梨県) 卯の花腐し この五日ほどの間で雨が降らなかったのは日曜日だけ。 富士山はほとんど顔を見せていない。 が、「霧しぐれ富士を見ぬ日ぞ面白き」と芭蕉が言ったように、富...
風のなき或る日末黒の野となりし /むく (かぜのなきあるひ すぐろののとなりし)新緑の山中湖 (2020.05.17 山中湖村:山梨県) 末黒野へ 山菜取りの季節。 立入り日の昨日、北富士演習場に野鳥を観に。 蕨採りではないところが私流♪ 入会地の野焼きが行われたのはたしか四月の上旬。 もう芒の青い剣に覆われて。 もっと早く来てみるつもりもあったが、蕨採りもせず、ただの焼け野原を見ても...
よもぎ餅山菜摘に振舞はる /むく (よもぎもち さんさいつみにふるまわる)アオゲラ♂ (2020.05.11 山中湖村:山梨県) 木の芽採り この一週間ほど、どこに行っても山椒の葉を摘んでいる人に出合う。 岳麓には山椒が多い。 熔岩流の土壌が好きなのだろうか。 いや、そういう土壌も意に介しない植物なのだろうか。 サンショウバラという植物もある。 別名をハコネバラとも言うようだ。 そろそ...
バルコンに水盤ひとつ愛鳥日 /むく (ばるこんにすいばんひとつ あいちょうび)キビタキ♂ (2020.05.13 山中湖村:山梨県)♂の近くにキビタキ♀も (2020.05.13 山中湖村:山梨県)巣材を咥えたキビタキ♀ (2020.05.13 山中湖村:山梨県) 愛鳥週間 五月十日から今日五月十六日までが愛鳥週間(バードウィーク)。 今日は雨で探鳥には出られず。 バードウィーク鳥観るための家探し...
朴若葉してきましたと目瞑りて /むく (ほおわかばしてきましたと めつむりて)朴若葉 (2020.05.14 山中湖村:山梨県) LINEで句会 5月の1回目の句会。 通算3回目のLINE句会。 私も含めて慣れていないこともあるかもしれないが、どうも勝手が違う。 我慢するしかない。 句会を出来ることだけでありがたいと思うことに。 これまでいろいろな所をご案内くださった地元の皆さんのご親切に、...
初郭公二羽か三羽か谺しつ /むく (はつかっこう にわかさんばかこだましつ) 葉を見つけてから半月余り、蕾を見つけてから一週間あまり。 やっと咲いたヤマシャクヤク。 でも、一週間と咲いていないんだよね。 もう会えないかもしれないと思うと、ひとしお愛しい。ヤマシャクヤク (2020.05.14 山中湖村:山梨県) (2020年5月14日 山中湖にて) ご訪問ありがとうございました。ブ...
スーパーに出張研ぎ師風五月 /むく (すーぱーにしゅっちょうとぎし かぜごがつ)コムクドリ (2020.05.2 山中湖村:山梨県) 小椋鳥 ムクドリとコムクドリ、“コ”が付くだけで俄然可愛らしく思える。 事実、てるてる坊主の頬に紅を注して目をまん丸く塗りつぶしたようなコムクドリの顔は可愛いい。 一方のムクドリのほうは…まぁ、容姿のことは言うまい。 夕方になると何百羽が群れて街路樹の...
外出の予断ゆるさず若葉寒 /むく (がいしゅつのよだんゆるさず わかばさむ)キビタキ (2020.05.10 山中湖村:山梨県) 所用で御殿場へ。 たった二年前の景色が懐かしい。 早苗田となった棚田、箱根道からの雪解富士、帰りに寄った水が塚からの至近の富士山。 人生とは思い出ならずや、と。キビタキ (2020.05.10 山中湖村:山梨県) (2020年5月12日 山中湖にて) ご訪問ありが...
母の日を子の家に妻居踏ん張る /むく (ははのひを このいえにつまいふんばる)アカゲラ (2020.05.09 山中湖村:山梨県) アカゲラ 人によって好きな野鳥も違うようだ。 タカなどの猛禽類が好きな人、コガラ、エナガといった小さな鳥が好きな人。 私は後者のほう。 キツツキという名の鳥はいない。 アカゲラ、アオゲラ、コゲラ、クマゲラ、ヤマゲラなど、木の幹を突く鳥を総称してキツツキ...
聖五月子を案じゐる或る日ふと /むく (せいごがつ こをあんじいるあるひふと)ヤマガラ (2020.04.29 山中湖村:山梨県) ヤマガラ 野鳥に餌を与えることはひと冬で止めた。 定住している人は少ないリゾートマンションとは言え、 周囲に糞害などの迷惑をかける惧れがあるので。 ヤマガラは人懐っこい鳥だ。 餌のない窓辺に来ては 水を飲み、浴びてゆく。 ヤマガラは賢い鳥だ。 かつては...
余花として生れし小桜いとしめり /むく (よかとしてあれしこざくら いとしめり)ホオジロ (2020.05.08 山中湖村:山梨県) 銀輪 久しぶりに自転車に乗った。 まずはタイヤに空気入れ。 コンビニまでは下りでスイスイ。 でも帰りはなぁ…などと思いつつ。 高低差は50メートルぐらい。 笑われそうだが、帰りは途中で降りて自転車を押して歩いたり。 マスクのせいか、息が切れるのは。 子に...
戦ひしことも忘れて袋角 /むく (たたかいしこともわすれて ふくろづの) 袋角 (2020.05.07 山中湖村:山梨県) 袋角 角がある鹿は雄で、雌は角を持たない。 つい先日落し角を見たと思ったら、もう袋角がこんなに大きく。 袋角とは春から初夏の頃の生え変った若角のこと。 出はじめはもっと丸くて文字通り袋型をしていて柔らかい。 袋角のいちばん外側は毛の生えた皮膚で覆われているとい...
跳ねるなよ柵飛び越へるなよ孕み鹿 /むく (はねるなよさくとびこえるなよ はらみじか) 孕み鹿 (2020.05.04 山中湖村:山梨県) 火急 よりによってこんな時にではあるが、親として万止むを得ない事情から、昨日、一昨日と二日間仙台へ。 ガラガラに空いてはいるが車内販売もない列車での旅。 山中湖に帰った昨夜は、どっと疲れが出た。 ガンコちゃんは横浜の娘のところへ。 しばらく居続...
遊船の舫綱軋めき春暮るる /むく (ゆうせんのもやいきしめき はるくれる) イカル (2020.04.30 山中湖村:山梨県) 余花の雨久しぶりの雨。 二三日前から、林の中の窓に一番近い富士桜が咲き始めた。 建物に日射しを遮られる場所なので、殊に開花が遅い木のようだ。 花の数も少なめ。 余花として生まれて来たと思うと一入いとおしい。 落葉松がすっかり芽が吹いて、窓の景色が変わった。...
余花落花茶屋の段なる坂の道 /むく (よからっか ちゃやのだんなるさかのみち) キビタキ (2020.05.03 山中湖村:山梨県) 茶屋の段 私が住むリゾートマンションは山中湖村山中字姥ノ懐というところにある。 痺れるほど杣めいた字名だ。 むかし平家の落武者が…などという話が山里にはよくあるものだが、そういう話を山中湖村で聞いたことはない。 鎌倉往還があるので、早くから通行・軍事の要...
あかときの樹海あまねく囀れり /むく (あかときのじゅかい あまねくさえずれり) キビタキ (2020.05.02 山中湖村:山梨県) リフォーム工事 開始出来ないでいた秦野の転居先のマンションのリフォーム工事を、やっと始められそうになってきた。 なかなか始められなかった一番の理由は、やはり新型コロナウィルス問題。 ほぼ全面リフォームなので、いろいろな設備や建築材料が要る。 住宅設備...
どつと人流れ来る日か雪解富士 /むく (どっとひとながれくるひか ゆきげふじ) 流れ来しふたしかなもの雪解川 /むく (どっとひとながれくるひか ゆきげふじ) 雪解富士 (2020.05.01 山中湖村:山梨県) 雪解富士 一般的に雪解け(雪融け)は春の季語だが、「雪解富士」は夏の季語。 地球温暖化の影響で雪解けも年々少しづつ早くなっているのかもしれないが、それで...
朝もやに濡るる物音孕み鹿 /むく (あさもやにぬるるものおと はらみじか) 靄の朝 (2020.04.29 山中湖:山梨県) 〆切 月末で投句、原稿の締切り日。 記事は改めて。 新樹晴れ (2020.04.29 山中湖:山梨県) (2020年4月30日 山中湖にて) ご訪問ありがとうございました。ブログランキング: 日本ブログ村 FC2...
天空は神の領域花吹雪 /小島一慶 (てんくううはかみのりょういき はなふぶき) 花満つ (2020.04.05 笛吹市:山梨県) 小島一慶さん 名アナウンサーとして活躍された小島一慶(こじま・かずよし)さんが4月23日に亡くなられた。 享年75歳。 お名前はもっぱら「いっけい」さんで親しまれた。 生前は面識もなく、華やぎに満ちた一慶さんの人生は私のそれとは程遠いのだが、昨年、句集『入...
太陽の色を纏ひて黄鶲来 /むく (たいようのいろをまといて きびたきく) ナミテントウムシ (2020.04.03 山中湖村:山梨県) テントウムシ 物の芽に二つ星のテントウムシが。 ナミテントウムシと言うらしい。 益虫とされている。 幸運をもたらしてくれるのだとか。 野焼きの季節だったので、野焼きの芒原から逃げてきたのだろうかと思ったが、写真を撮ったのは4月3日。 北富士演習場内の...
釘煮来る単身赴任の男らへ /むく (くぎにくる たんしんふにんのおとこらへ) メジロ (2020.04.24 山中湖村:山梨県) 消毒用エタノール 酒を飲むとはアルコールを飲むことだが、どんなアルコールでも飲める訳ではない。 飲めるのはエチルアルコール(=エタノール)だけである。 しかし、エチルアルコールだからといって、「消毒用エタノール」を飲んではならない。 消毒・殺菌用のエタノー...
山賤の蓬髪の身に日永し /むく (やまがつのほうはつのみに ひながし) 270mmレンズで撮ったアカゲラ (2020.04.22 山中湖村:山梨県) 夏鳥 目が覚めるといの一番に窓を開けてバルコニーに出る。 数日前は氷点下の朝もあったが、今朝は7℃。 耳を澄ますと遠くからツツドリのくぐもった鳴き声が。 アカゲラ、コサメビタキ、キクイタガキ…。 今朝は聞こえなかったがクロツグミも鳴きはじめた...
春田道ふるさとに来てゐるやうな /むく (はるたみち ふるさとにきているような) ばっこやなぎ (2020.04.19 山中湖村:山梨県) 春の風邪 少し風邪っけ気。 朝、二時間ほど散歩したらポケッティッシュが一袋なくなった。 時節柄、風邪にも怪我にも用心しなくては。 たんぽぽ (2020.04.16 富士吉田市:山梨県) (2020年4月25日 山中湖にて) ご訪問ありがとうございました。ブロ...
富士ざくら熊除けの鈴鳴らしつつ (ふじざくら くまよけのすずならしつつ) からまつの間々の富士ざくら /むく (からまつのあいだあいだの ふじざくら) 富士ざくら (2020.04.16 富士吉田市:山梨県) レンズの入院 今月初めに注文したUV-C紫外線殺菌灯がやっと届いた。 まずはお金の殺菌消毒。 小さな携行用のものであるし、だいたい効果と言っても目に見えるもの...
春の山母と歩く子都会の子 /むく (はるのやま ははとあるくことかいのこ) 山猫柳 (2020.04.19 山中湖村:山梨県) 買い出し 雨の月曜日。 村のスーパーへ一週間分の買い出しに。 店内にはガンコちゃん一人で。 私は車の中で待つ。 ちょっと手持無沙汰。 週末は県外ナンバーの車が多いと考えて、買い出しにはその混雑を避けて月曜日に行くことにした。 が、駐車場は地元の車で溢れんばかり...
地野菜の棚のさびしき菜種梅雨 /むく (じやさいのたなのさびしき なたねづゆ) 斑雪山 (2020.04.16 富士吉田市:山梨県) 過剰な輸入依存 小麦の主要輸出国(上2009年、下2017年) -FAO統計より 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて石油の需要が世界的に激減していることで原油の在庫が備蓄可能容量のほぼ限界に達し、先物取引価格がマイナスになったという。 マイナス価格とは、生...
うつむいて咲けば師のこと豆ざくら (うつむいてさけばしのこと まめざくら) 穴を出てをりたる蛇のまた穴へ /むく (あなをでておりたるへびの またあなへ) 富士ざくら (2020.04.19 山中湖村:山梨県) フジザクラもマメザクラ。 みな俯いて咲く。 愁ひある如くうつむき茄子の花 /高田風人子 4月6日が風人子先生の一周忌であった。 先生が終生過ごされた横...
玄関に子供自転車チューリップ /むく (げんかんにこどもじてんしゃ ちゅーりっぷ) チューリップ (2020.04.16 富士吉田市:山梨県) ペスト (2) 古りにし旅の思い出 ――前回記事の続きです。 空港とはいえ、インドの土を踏むのはこれが初めてだ。 キャセイパシフィック航空の地上職員に誘導されてターミナルビルに入った。 ボンベイはインドの中ではヨーロッパからの旅行者が一番多いゲ...
農鳥のふたたび隠る春の雪 /むく (のうとりのふたたびかくる はるのゆき) 青踏 (2020.04.12 富士吉田市:山梨県) ペスト とある古りにし旅の思い出―― 目が覚めると機はどこかの空港に着陸していた。 まだ寝呆けている頭で、ここはどこだろう…と思い探っていると、機内アナウンスが流れた。 「ボンベイ(現ムンバイ)からご搭乗のお客様は機内持込みラゲージを全てお持ちになり、キャビン...
模擬店はみな町内会花いかだ /むく (もぎてんはみなちょうないかい はないかだ) 5年前の隅田川の桜 (2015.03.28 墨田区:東京都) 県外移動 感染拡大地域が広がり続ける事態に、緊急事態宣言は全都道府県に対いて適用されることになった。 少なくともGWが終わるまで、県外への移動の自粛が強く求められる。 術後が気になる横浜に住む娘のところへも、二か月近く様子を見に行っていない。 ...
富士ざくら靄の這ふ日を選み来し /むく (ふじざくら もやのはうひをえらみきし) 富士ざくら (2020.04.12 富士吉田市:山梨県) フジザクラとはマメザクラの別称とされている。 呼び名は土地土地によってさまざまであったりする。 マメザクラという名前だと知ったのは鎌倉だったか。 さる古刹の庭だったと記憶する。 なるほど小さい、と思った。 丹沢山塊の大山(阿夫利山)で見たマメザクラ...
山笑ふばつこやなぎに雄木と雌木 /むく (やまわらう ばっこやなぎにおぎとめぎ) 春陽 (2020.04.14 山中湖村:山梨県) 時節柄、日々の散歩もなるべく遠くまでは行かないようにしている。 うっすらと積もるほどほど降った淡雪が霙と変わり、やがて雨となって降り続いた昨日は外に出られなかったが。 その雨の中を「買い出し」に行ったガンコちゃん。 「帰る前に電話して」と言ったのに電話は来...
熔岩の道どの菫にも立ち止まり /むく (らばのみち どのすみれにもたちどまり) スミレ (2020.04.06 山中湖村:山梨県) 菫(すみれ)は好きな花だ。 ことに冬すみれのような小さな菫が好きだ。 子供の頃のことから老いてからのことまで、菫にはいろいろな思い出がある。 貝塚の埋め戻されて花すみれ /田島伸江 義母の句。 財政投融資 若い頃、少しだけ経済学を勉強した。 その頃に始...
花に人さびしき今年ウィルス禍 /むく (はなにひとさびしきことし うぃるすか) 覚えてますよ、麻生さん 麻生副総理兼財務大臣は、自らが首相であった2008年に発生したリーマンショックに対する対策として2009年に実施した定額給付金について、「二度と同じ失敗をしたくない」、「(国民に)うけなかった」、「何に使ったか誰も覚えとらんでしょ」と発言した。 自分が決断して実施した政策を「失敗だ...
元気出せとふふむや山のねこやなぎ /むく (げんきだせとふふむや やまのねこやなぎ) バッコヤナギ(ヤマネコヤナギ) (2020.04.06 山中湖村:山梨県) 作り置き 昨日の日記に「蕗・ぜんまい・筍・こんにゃく・豚肉の炊き合わせは作り置きを止めている」と書いたが、止めたのはそれだけで、作り置きを一切しなくなった訳ではない。 健康のために小食を心掛けている老夫婦二人だけの暮らしなので...
画眉鳥の鶯真似てゐるつもり /むく (がびちょうの うぐいすまねているつもり) 春光 (2020.04.04 富士吉田市:山梨県) オンライン診療 4月10日付で、厚生労働省は「初診からオンラインや電話で医師の診断を受けたり薬の処方を受けたりできる仕組み」を週明けから始めると発表した。 「初診から」ということについては、新型コロナウィルスの蔓延が収まるまでの特例中の特例としてと限定すべし...
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