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令和6年3月28日(木) 【旧 二月一九日 友引】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花 ~飛鳥瑠璃 『永遠に届かぬ愛する人へ』 私が楼蘭《ろうらん》という地名を初めて耳にしたのは1980年に放送されていたNHK特集『シルクロー
#4080 牕の外は師走八日の朝の霜この夜のねぶり難かりしかも
令和5年12月8日(金) 【旧 一〇月二六日 大安】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)十二月八日の霜の屋根幾万 ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:窓の結露 ~photoAC(カメラ日和さん) 12月8日は今年の農事などの雑用をしまう「事納め」の日。地方によってはこの日に「
#4009 庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり
令和5年9月28日(木) 【旧 八月一四日 先負】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2160 雑歌庭草ににわか雨が降ってコオロギの鳴く声を聞けば秋の訪れを感じます。Photo:雨の中、秋
#3922 むしあつき梅雨あがり日を風邪ひきて汗ながしつつ庭木見てをる
令和5年7月3日(月) 【旧 五月一六日 友引】・夏至・半夏生(はんげしょうず)夏の風邪半月傾《かし》ぎゐたりけり ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:毎日新聞(2019年7月23日) 加藤楸邨は明治38年、現在の東京都大田区に生まれた俳人。30年前の今日、1993(平成5)年6月26日
私は加藤楸邨の俳句に惹かれる。表現される世界は多様で多彩で、俳句特有の俳味に溢れる句も少なくない。 くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手 「吹越」 円空が彫った精神性に富む仏に、子猫の手がじゃれている。親しみを含んだ笑いが広がるが、謹厳な仏が、「くすぐったいぞ」と実際に子猫に向かって口にしているようで、まるで加藤楸邨が仏になり代わったかのようだ。「すべての物の中にひそんでゐ声は、こちらが聞きとめる心の耳を持ちさえすれば、かならずきこえてくるはずのものである」と楸邨は書いている。 梨食ふと目鼻片づけこの乙女 同前 梨に少女が無中になってかぶりついていて、その大きく開けた口だけが眼に止まる。目や鼻などは…
令和4年9月18日(日) 【旧 八月二三日 赤口】・白露・玄鳥去(つばめさる)巣を恋ふる心よいかにつばくらめかへる野中の秋の夕風 ~藤原良経 『秋篠月清集』巣を懐かしく思う気持ちは如何ばかりであろうか、帰ってゆく野中に秋の夕風が吹いている。Photo:平城宮跡・ツバメの
令和4年7月21日(木) 【旧 六月二三日 仏滅】・小暑・鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)腹むなしグラジオラスは咲きのぼり ~加藤楸邨(1905-1993)Photo:グラジオラス ~@niftyニュース グラジオラスの原産地はアフリカや地中海沿岸。アヤメ科の植物ですが日本には自
令和4年6月4日(土) 【旧 五月六日 仏滅】・小満・麦秋至(むぎのときいたる)道の辺の草深百合の後《ゆり》もと言ふ妹が命を我れ知らめやも ~作者未詳(柿本人麻呂歌集)『万葉集』 巻11-2467 寄物陳思道の辺の草むらに咲いている百合ではないが、後には必ずと言ってくれた
www.youtube.com 東京からようやくキャンプ場に着く。友人Kの小さなワンボックスカーのカーナビが不調で、長野県に入ったあたりか、ディスプレイのマップが突然真っ白になる。道案内の標識を誤読して大回りする羽目になり、夕方遅くになってやっとテントにたどり着く。 あたりはすでに薄暗い。夜が迫っていて、目の前の池も月を浮かべて鈍い銀色だ。釣りはもうできない。北アルプス連峰はすでに姿を消している。四方の低山が黒々と盛り上がり、豚の背に見える。峠近くの冷気が肌を通して浸みてくる。周りのサイトに人はいない。東西南北の方位がわからない。見上げると、夏の主役の白鳥座が天の川の上に大きな翼を広げている。…