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旧暦9月の別名を「長月」という。その由来について、以下のような説明が知られている。◎九月和名と長月と云は、夜やうやうながきゆへに夜長月といふ略せるよし、奥義抄にしるせり。「江府年行事」、三田村鳶魚編『江戸年中行事』中公文庫・昭和56年、50頁以上である。確かに、かつて夏至は旧暦5月であり、そこから4ヶ月が過ぎつつあるわけで、9月は夜の長さが理解される季節であったため、「夜長月」となり、そこから「長月」が生まれたとされている。ところで、「江府年行事」の作者は、その見解を『奥義抄』という文献から得たとしている。この『奥義抄(または、奥儀抄)』とは、平安時代後期の歌学書で、藤原清輔の著である。全3巻で、天治元年(1124)~天養元年(1144)の間に成立し、崇徳天皇に献上された後も増補されたという(そのため、各...「長月」一考
「初秋の水瀬」 此石に秋の光陰矢の如し ( 川端 茅舎 )和歌三首 御仏に額づく朝に息を吐く 音の鏡の妙なる色へと ぬばたまの夜の彼方で泣く人の 昨日のゆくへは誰も知らない 残る蝉生きろ生きろと叫びたり 曼荼羅模様の開き廻りて俳句七句 白帝と色なき水瀬に立ち尽くす 白き水掬えずにいる素秋かな 秋始め湖畔に立ちし友の笑み 八月の水瀬に流れて再誕す 秋立つや瓶の蟻にも明日が...
「泣き続ける蝉」 野の秋へ鈴ふるように花の咲き ( 岩津 厚子 )和歌三首 幽窓の母の微笑をおろがみて 万民豊楽いのる朝焼け 秋蝉は情報弱者の耳に沁む 踊らされても夜明けは来るかと 赤とんぼ自転車の前飛びたるは 氏神様への道の朝時俳句七句 勾玉の音さやかなる素秋かな 魚屋のオヤジが睨む秋の昼 稲妻は草ぐさの夢ひらきたり 秋の園老女の瞳の奥底に 終戦忌78年泣き続ける蝉 ...
「秋霖の耳内に香る」 物いえば唇寒し秋の風 ( 松尾 芭蕉 )和歌三首 冥界の父の祈りに守られて 吾が歌の業一線を弾く ぬばたまの秋の夜には虫の声 恋なき天地の無きを奏でて 大宇宙始まりしより途切れなく 我らに連なる生命の謎俳句七句 新秋の風の香りの謎を聴く 八月や禅寺に座す地蔵尊 残暑かなゴーヤ選びし老女の手 天高しカラスが見下ろす我は誰 水澄めど歴史に暗き少女の眼 秋霖...
「天球の一指」 わがおもひ空の煙となりぬれば 雲居ながらもなほ尋ねけむ (新古今和歌集 1007 貫之)和歌三首 夢世より零れ落ちたる吾が身なら 久遠の色を焼き付けて去る 天帝の御宝なりし我らなり 慈愛ならざる時もなかりし 入道雲はるかに眺め歩むれば 昨日の泪忘れたる明日俳句七句 嘘と真を誰も知らない秋に入る 色の無き水だけが知る宇宙の愛 沈黙の歌の満ちたる...
「紫陽花も眠る」 大仏の鼻梁真夏の黒びかり ( 高室 有子 )和歌三首 老鶯の歌のびやかに坂道を 自転車で下る朝の楽しさ 麗人の微笑あかるき街角に 昨日の昏き人の足並み ベビーカー押したる母を拝すれば 国の明日の幸を乞い祈む俳句七句 欠けたれば満ちたる明日の晩夏光 どのシャツも汗を知りたる半夏生 紫陽花も星を仰ぎてまた眠る 音の無き風を探して青田波 鎌倉の男も泣きて夏怒...
「夏燕が風を切る」 別々にゐるくらがりの涼みかな ( 白 雄 )和歌三首 夏燕の風切る街を我ゆかば 人の仰ぎし雲の大きさ 夏燕のひととき降りし水たまり 写りし空の蒼の深さよ 天涙を想ひて朝の窓をあけ さやけし鳥の声を呑みこむ俳句七句 江の電から海風を見るサングラス 暗き顔あかるき顔に夏灯 眼を閉じて三十年前の滝の音 夏雲の父と相撲をしたのかな ジリジリと溶けたる如き夏の...
『英語で読む百人一首』(ピーター・マクミラン、あとがきの訳=小山太一、文藝春秋)
『One Hundred Poets, One Poem Each』(Peter MacMillan)著者はアイルランド出身の日本文学研究者・翻訳家・詩人...
「大隅国の郡司、和歌を読みし語」 『今昔物語』巻二十四第五十五
今は昔、大隅の守なにがしという者がいた。ある日、部下の官吏がけしからぬことをしでかしたという報告が入ってきた。守は人々に命じてそのけしからぬ官吏を引っ張っ...
「藤原惟規、和歌を読みて免されし語」 『今昔物語』巻二十四第五十七
옛날 옛날에, 카모신사의 齋院(사이인)에서 봉사하고 있던 무라카미-천황의 황녀는 와카를 잘 지었다. 어느 밤 후지와라 노부노리라고하는 남...
『今昔物語』巻二十四第五十六今は昔、高階の為家朝臣が播磨の守だったとき、大したことのない侍がいた。名前はわからず、主の播磨の守もただ「佐太(サタ)」と呼...
(『今昔物語』巻二十四第五十六)佐太が手紙を開いてみると われが身は 竹の林にあらねども さたがころもを ぬぎかくるかな(この身は竹の林ではないのにサタ(...
今は昔、ある大納言注1に仕えていた内舎人注2が、大納言の美しい姫君に恋い焦がれるあまり、姫君をかき抱いて屋敷を抜け出した。姫君を馬に乗せて昼も夜も旅を続け...
有名な『伊勢物語』の第6段です。 昔、男がいた。手に入れることができそうにない女に何年も求婚し続けたが、やっとのことで盗み出して、夜の真っ暗闇の中をやって来た…
「サイダーの泡」 サイダー瓶全山の青透き通る ( 三好 潤子 )和歌三首 浄智寺の苔に影さす昼下がり 合掌したる女と風 キラキラと鎌倉路地の水音は 何を流して何を運ぶか 空っぽのグラスに沁むる夏の陽は 過ぎたる春の残り香を知る俳句七句 夏きたる淡き雲ゆく空の色 午後四時の薔薇の疲れを見つめいる 父の幽ともに喰らいしシラス丼 陽の音をパラソルに乗せ女がゆく ...
「爽風のゆくへ」 夏きざす屋上に飼う兎にも ( 児玉 輝代 )和歌三首 人の幸こふる祈りの真夜中に 心耳にのこる水音の妙 涼やかな森の葉ずれの音ききて 言葉を捨てる息を吐き出す 雨つぶの草打つ時を想いなば 遊女の夢の滝のまぼろし俳句七句 爽風のゆくへ明るき夏きたる 自転車の影も回りて清和かな 大風に宇宙の音の滲む夏 夏暁や記憶うつろう雨の音 朝涼やカラスが...
今回はブックオフで昨年12月ごろに買おうかと思いながら、買わなくて忘れていた1冊『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベソス、ゲイツが選ぶ100冊』があったの…
「おみくじを引いてみたけれど、今の自分に当てはまらない」 そう思ったことはありませんか。私も、ついこの間までそうでした。おみくじからのメッセージを受け取るコツについてお伝えします。 必ず引きます 神社
~古池や 蛙飛び込む 水の音~~一戸建て まわりを見ると 一戸だけ~上の二つの詩は両方とも五・七・五の十七音から成っているが、ジャンルで分ければ別物の扱いになる。文芸オンチの定評がある姫隊員でもさすがに判断がつくと思うが、前の「古池や・・・」は「俳句」であり
『今昔物語』巻三十の第十四 人の妻化して弓となり、後に鳥となりて飛び失せし語
ある男の妻が弓に変じ、後には白鳥に変じて飛び去った話今は昔、□□の国□□の郡に住んでいる男がいた。その妻は美しく、すばらしい姿をしていた。ある日、男の夢の...
花、というと花言葉だ。 いろいろな意味に結びつけては 一喜一憂する。 しかしトシのせいか、 最近しっくりくるのは「和歌」だ。 数日前、和歌とは結びつかない人物が、 ふと和歌を口にしたので衝撃を受けた。 それであわてて和歌の意味や エピソードを調べた。 無学を恥じた若き日の太田道灌の気持ちが 少しわかった気がした。
先週出されたオランダ語教室の’書く’ 宿題が『子供の頃の遊び』でした。 で、日本らしい物、、、と考えて🤔『百人一首』にしました。 勿論、そんな知的な子供だったわけではなく(笑)'坊主めくり' 専門です🤣 『百人一首』をオランダ語で説明するのは かなり難でしたが、、、😆...
(自分の)命はだれのもの? と問われたらどう答えるでしょうか そもそもこういった何というか深い「問い」哲学的問いは、基本的に話のタネになりません。 ただ、十…
安倍保名:連夜説教 第八席 保名義父に対面す ならびに子別れの和歌のこと
基本情報 『安倍保名:連夜説教』とは 題名 安倍保名:連夜説教 著者 三浦浦三 編 出版社 其中堂 出版年月日 明30.6 情節 恋しくば 尋ね来てみよ 和泉なる 信田の森の うらみ葛の葉 さて、前回
安倍保名:連夜説教 現代語訳 第二席 安倍仲麿入唐ならびに凌雲閣酒宴のこと
基本情報 『安倍保名:連夜説教』とは 題名 安倍保名:連夜説教 著者 三浦浦三 編 出版社 其中堂 出版年月日 明30.6 情節 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出し月かも 何れも早々と
天満宮に朝参りにいきました。 本殿でご挨拶して参道の途中くらいまで帰ったときに、 娘のプリンちゃんが急に本殿に引き返しました。 なにをしているのだろう? なん…
よもぎ餅焼いて食べたらもろともに 歯の詰め物も飲み込んでいた おやつには餅やせんべい我こそは 「スイーツ」嫌いの国粋主義者よ 左目がシパシパ物も見えずらい 物もらいかと診てもらう朝 きょう眼医者きのうは歯医者あてどなき お医者めぐりの明日はいずこに 人気ブログランキング ←応援クリックを是非とも!にほんブログ村 ←人気投票、上下ふたつともどうかよろしく! ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
まだ呼ばれてないけどA宮夫妻に決まったイギリス王の戴冠式出席。秀吉も招待でモメていた(◎_◎;)
ニューヨークのmコちゃまが何が何でもこの秋ぜってー(絶対)kkと結婚するし!これもう決定事項だし!!と宣言した、あのカラスウリの和歌のように・・ 今年の歌会…
前回、歌道の派閥についてまとめました。その中でも触れた、源俊頼と藤原基俊の対立について書かれている『無名抄』の記事です。 ↑は前回も載せた系図です。 源俊頼…
様々なジャンルに「流派」というものが存在します。 茶道⇒表千家/裏千家 など華道⇒池坊/草月流/小原流 など剣術⇒柳生新陰流/一刀流/示現流 など 和歌の道、…
大寒にはいって、いよいよ1年でもっとも寒い時期です。嫌じゃ嫌じゃ。 朝、車に乗ろうとするとフロントガラスに氷が張っていることも多くなります。溶かそうと思って熱…
第17回 『伊勢物語』を読むために その4 『和歌のルール』を読む
日本の古典『伊勢物語』を読むために、歌物語ともいわれており、その和歌に関する知識が私には全然ないので、まずはその和歌の知識のために副読本として読んでいます。 …
令和5年、今年も皇族方による歌会始めの儀が行われました。残念ながら敬宮愛子さまは学業優先のためご欠席でしたが、和歌はお詠みになられ発表されております。ちな...
「細き手に年新た」 高き屋にのぼりて見れば煙たつ 民のかまどはにぎはいにけり (新古今和歌集、賀歌、仁徳天皇御製歌、707、)和歌三首 行く雲のちぎれて軽ろき光あり スズメ集いて歌う声にも 神前に祈る朝の静けさに 一年の謎歩き始める また一人友は苦しみ脱ぎ捨てり 生きる喜び新たに賜り俳句七句 細き手に影うつろいて年新た 神やしろ少女微笑の花の春 正月に人の仰ぎし空の蒼 初富...
「正月の餅」 みよし野は山もかすみて白雲の ふりにし里に春は来にけり (新古今和歌集、春歌上、摂政太政大臣、01、)和歌三首 世の人に幸あれと祈る朝には 幽なる母の温もり憶える この町に宿無人の在りしこと 思ひて食らう正月の餅 正月の涙の人に降る朝日 柔らかく温かく冴え冴えとして俳句七句 正月の友の笑美こそ我が宝 一月の風は何処から神世から 学童の風と走りて年立ちぬ 詩よ踊...
【クシナダヒメ(奇稲田姫)】日本神話最愛のヒロイン【ヒロインレビュー第24回】
日本神話で最もかわいいお姫様キャラ。それが今回ご紹介するクシナダヒメノミコトでございます。 彼女は日本の神話の中でも群を抜いてヒロインしているザ・お姫様。いったいどんな立場なのか?正体は何だったのか? そして彼女が関係する日本最初の○○につ
第39回 読了:『和歌文学の基礎知識』~日本の古典『伊勢物語』を読むために その5
日本の古典『伊勢物語』は歌物語ともいわれております。その和歌に関する知識が私には全然ないので、まずはその和歌の知識のために副読本を何冊か読んでいます。その紹…
第40回 読了:『古典和歌入門』~日本の古典『伊勢物語』を読むために その6
日本の古典『伊勢物語』は歌物語ともいわれております。その和歌に関する知識が私には全然ないので、まずはその和歌の知識のために副読本を何冊か読んでいます。その紹…
第41回 読了:『100de名著 伊勢物語』~日本の古典『伊勢物語』を読むために その7
歌物語ともいわれる日本の古典『伊勢物語』を読むために、まずは「和歌」についての本を読んでいましたが、ようやく読もうということで、まずは定番な100de名著シ…
#49 読了:『絵で読む 伊勢物語』~日本の古典『伊勢物語』を読むために その8
歌物語ともいわれる日本の古典『伊勢物語』の理解を深めるために詠みました。 鉄心斎文庫の貴重なコレクションの絵で楽しむ『伊勢物語』 <書籍データ>著者:山本 …
#65 ”貴種”在原業平の親子関係について ~『伊勢物語』の背景その1
皇位にもつけたかもしれない貴種『伊勢物語』の主人公のモデル、在原業平についてです。『伊勢物語』を理解する上では、そのモデルとされたこの在原業平やそれをめぐる…
藤原氏全盛の中での浮かび上がれない貴族 藤原全盛で浮かび上がれない高貴なものたち 藤原氏、特に藤原北家が力を強めていく中、他氏貴族たちにとっては栄達を望…
#67 在原業平の禁断の恋と人物評 ~『伊勢物語』の背景その3
タブーな恋、許されざる恋人物評 在原業平の積極的だが禁断の二つの恋 『伊勢物語』では、モデルの在原業平と女の恋が展開されていますが、能動的なものもあれば、…
皇位も望める可能性もたたれた高貴な男その身分的な悲哀、悲恋、恋の駆け引きを男の和歌や様々な和歌をもとに編集された1冊 2022年の私の読書目標、とにかく読…
2022年11月に購入した本の第二弾 ここ最近、和歌の歴史やレトリックに関する本を読んでいます(『伊勢物語』を読むために)。 そこで知ったのが今回の書籍購入…
#70 読了:『ビジュアル版 日本の古典に親しむ12 伊勢物語』~とにかく読了”日本の古典”
様々な時代と人を経て成立した『伊勢物語』を時期ごとに分析的に読んでいく1冊 <書籍データ>著 者:中村真一郎(大正7年~平成9年)発 行:世界文化社200…
”歌碑のみち”布引三十六歌碑『伊勢物語』の舞台となった布引の滝で、在原行平・業平兄弟の和歌を味わおうと訪れると、kそこは歌碑は散策路に歌碑が点在する和歌の世…