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今年もまた春はきて、すべての歯車が戸惑いもなくゆっくりと動き始める
この、冬から春へと季節が移り変わる頃だなぜだかこの時期心穏やかでない自分がいることに気付いたのはここ数年のことだ不安というか落ち着かないというかまあそんな感じだ風が強い日が続いてついには季節を逆行させるかのような冷たい風が一瞬吹き込むと次の刹那、激しい雷鳴がとどろきこの所在なさげな不安な気持ちにその春雷の一撃がとどめとなり気付けばもう一瞬にして春の中にいるのだ桜が開いたとか開かないだとか霞んだ空にツバメの姿を探したりとかもうそんな候なのだそれでもそんな陽気にちょっと浮かれながら山へ行ってみると寒冷渦を伴った低気圧が降らせた名残り雪がまだ解けきらずに残っていて驚く山間のワインディングに淀む空気はまだかじかむ冷たさでああ、まだ冬がここにいたんだ、と少しほっとしてしまう自分がやはりいて自然と笑みがこぼれたそんな...今年もまた春はきて、すべての歯車が戸惑いもなくゆっくりと動き始める
大寒に、あまり寒くなかった、と書いたら途端にものすごく寒くなった気候・気象とはそもそもがそういうものだろうだって大寒なのだから寒くて良いに決まっているボクの住む三河地方は気圧配置の微妙な加減で風向きがわずかに西に寄ったため薄っすらとした積雪で済んだ三重の北部なんかが大雪になるとこの三河もただでは済まないがJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)のシッポの振り方次第で結果は多いに異なるのだ冬になると停めておいたクルマやオートバイはそのすべてが外気温に等しく冷えていくガレージの中であってもビックリするほど冷たくなっていてちょっと驚くほどだ車体だけでなくエンジンもオイルもみんなみんな冷たく凍えてしまうそんな状態でエンジンを始動させると一気に機関の温度が上昇してマフラーの中は云うに及ばずエンジン内にも水蒸気が発生してテー...「機関維持」と云いながらそんなにも走る理由が必要かとも思う
昨年の長い夏のあと遅い秋、あたたかな秋そして暮れから年明けにかけてのちょっと早くて強い寒波予報によると今年の寒さは大寒を前にもう底を打ったらしい寒い時には寒さを感じたいと思うがこれは所詮世捨て人の楽しみなのだこのごろさらに天邪鬼に拍車がかかるがあまり理解されないとは云うもののお腹が冷えると途端にくだる性質なので何ともカッコ悪い話でもある日の出の前に庭に出たら野天晒しのクルマのガラスがびっしりと凍っていた雲ひとつない空は放射冷却がきびしかったようだ昨夜、明日はちょっと(オートバイで)走ろうかな、なんて考えながら床に就いたがこんな寒さ具合では腰が引けるまあ9時にもなれば状況も変わるだろうとのんびり朝食を取りテレビでどうでも良いプログラムを見てやり過ごすコーヒーを淹れようかでもコーヒーを淹れてしまうとさらに腰が...大寒の日に庭でオイル交換するいや暖かかったもんですから
新たな年が明けましたあけましておめでとうございますなんですけど、この云いまわしちょっと違和感ないですか?元旦から七日までを松の内として祝いあけて七日に七草がゆをもって日常へ戻るそれほどこの新年を大切にお祝いするにはもちろん訳があってこれは人がいつ命を落とすかわからなかった時代だからこその感覚でありこれだけ恵まれた環境境遇で生きていられる現代人にはもうすでに伝わらない価値観となっているからだろうけれど歳を重ねてすこしでも身体に不調をきたしたりすれば途端にこの「あけましておめでとう」が胸に沁みてくるはずだ楽しみに待たれよいずれはだれの身にも訪れる境地なのださて世の中にはいろいろな人がいてそして各々にそれぞれの考えがあるものだから最近では個人、個性を尊重しようという風潮が強いしかし人間には、というか人間社会には...2025年年頭所感など
来年のことを云うと鬼が笑うそうですよ ならばやはりここは今年の恥をしっかり胸に刻みましょう
今年の冬は厳しそうな気配だいやいや天候、気候なんてものは気まぐれもいいところだからじきに調子っぱずれのような具合になるのかもしれないがまあそれにしても年末に向けての今日この頃はしっかりと寒い寒い日々が続いているSR400が車検から帰ってきたと思ったらクロ介(R100RS擬き)が壊れたクリスマスに向けて冬型が強まり次々と強い寒気が南下してくるようなので風もなくよく晴れたその朝クロ介を引っ張り出して今年最後の「巡回」に出掛けるつもりだった毎年寒くなってくるとやや始動に危うさを感じるがそれでも少し長めにセルモーターを回すくらいで「困難」と云うほどのものではなかったこの日は冷え込んで9時を過ぎてもまだ3℃程の気温だった昨日一日充電器に繋いでおいたのでセルはグルングルン回ったなのにクロ介が始動する気配が無いバッテリ...来年のことを云うと鬼が笑うそうですよならばやはりここは今年の恥をしっかり胸に刻みましょう
ボクが住んでいるのは県内にあっては寒い方だけれど所詮、太平洋側なので真冬でもまあそれほどでもない雪も降るけど、積もっても夕方にはほとんど消えてしまうことが多いいつもオートバイで散歩しに行くのはここよりもっと山の方で15分も走れば標高も500mを越えてしまうので冬には常に路面凍結の不安がある12月はまだギリギリなんだけど一日中陽の差さない山影や渓流沿いの道路あとやっぱり橋の上はどこも危ないいつもは作手(つくで)まで行ってそこから日によってさらに北の段戸山へ向かったり三河湖の北側を山越えしたりするんだけどもうそろそろ作手から先はかなり(路面状況が)怪しくなってきた千万町(ぜまんぢょう)の先の峠道は一日中ずーっとウエットだし峠付近の路面は乾いてるような体(てい)だが黒々と鈍く光ってかなり怪しげこんな状況で気温が...今年も冬は訪れて、また春を待つ日々が始まるのだ
深い森の中を行く県道でおっさんは感謝の気持ちで一杯になったのだよ
台風崩れの低気圧が通過していくといよいよ秋も深まって、となんとなく誰もが考えていたはずだが今年はちょいと様子が違っていてなかなか寒さも極まっていかないようだそれでも朝晩はそれなりに冷え込むので着るモノの選択がむずかしーねーアメダスの岐阜県の観測点の中では1,2を争う低気温の「六厩」地区きのう(11/4)の最低気温は1.7℃だったが最高気温は16.2℃もあったそして今朝(11/5)出かける前に調べた最低気温はなんと6.7℃だったそうなるといらぬ心配も出てくるわけだ途中で通過する「せせらぎ街道」の紅葉が終わってないかも、なので平日ではあるが相当な交通量と人手なのかもしれぬまあ、それ以外のルートは多分カーナビでは対応しないような道ばかりなのでノロノロの観光地ドライバーに閉口させられたり何台も連ねて走るバイクの群...深い森の中を行く県道でおっさんは感謝の気持ちで一杯になったのだよ
浮気性というより単なる「阿呆」なのでしょう オートバイ複数台所有の謎に迫る
自分が浮気性であるとの認識は正直ない好き嫌いも割とはっきりしているので意識してはいないが自分の気持ちにブレはない方だと思うけれどもそれと同時にボクには執着心というものがほぼない欲しいと云われるとそれが何であれ、とにかくあげたくなるし逆にひとのモノを羨ましく思うこともないそうだ、勝ち負けに対する執着心なんて皆無だあるとすれば「こうあるべき」という思いが強いくらいかだから頑固と云われるのだだのにこと「オートバイ」に関してだけは浮気性なのか、免許を取って以来大小合わせて32台ものオートバイをとっかえひっかえしてきた社会人になってからは複数台所有が当たり前でクルマも必要だったので一度に多くのローンを抱えていたこともあった馬鹿なのか、と自分でもあきれる程なので周囲の人はきっと気味が悪かっただろう最初に「サブ(sub...浮気性というより単なる「阿呆」なのでしょうオートバイ複数台所有の謎に迫る
クラッチレバーの角度を調整したことないヤツなんて信用できねェ
「暑さ寒さも彼岸まで」むかしから言い慣わされたたくさんの言葉の中でも群を抜く納得感がある彼岸花の開花の正確さ精密さも手伝って彼岸に暑さがスーッと引くと毎年のことながら変に感動してしまうほど腑に落ちてくる現にこれを書いている彼岸明けの今日は日差しこそ少し強いが湿度が低く丁度良い気温の過ごしやすさだし夜になれば寝室の空気もひんやりとして布団をしっかりとかぶって寝られる幸せな日々が戻った夏の終わりに富山県の有峰湖へ行ってみようと考えていたが行き場を失って西日本を彷徨う「来る来る詐欺」台風にタイミングを失くしまあ、まだまだ暑さも真夏並みの日々が続いていたのでもう少し涼しくなったら行えばいいだけのことかと何となくこの彼岸すぎくらいかな、と感じていたけれどその後の秋雨前線の南下と崩れた台風の残骸が重なり信じがたい災害...クラッチレバーの角度を調整したことないヤツなんて信用できねェ
立秋を過ぎても連日の暑さもちろんボクたちオートバイ乗りは知っている日陰に秋の空気が淀んでいることを信号待ちでジリジリと聞こえてくるような日差しに焙られてもボクたちはこの瞬間を味わいたくてじっと夏に耐えて走るのだもう秋は目の前に来ているまたメジャーリーガーの話なんだけど大谷翔平がドジャースに移籍が決まったころ高校時代のエピソードとして目標達成シート(マンダラチャート)が話題になっていた本人の発想だったのか周囲の助言だったのか彼の目標「ドラフト1位指名を8球団から」に対して一般的にアスリートに必要だとされる「心・技・体」を網羅した8個の題目とその題目ごとにそれぞれ8個の具体的な行動目標が書き込まれていた球速160キロ、コントロール、キレといったピッチャーの本質に関わる事だけでなくドラフトでより多くの指名をもら...あまつさえ「運」ですら何とかなると考える、人の傲慢さよ
クセもの「ミシュラン ロードクラシック」を手懐けるための一計を案ずる
オートバイは基本的には雪や氷の路面はむずかしいので冬には走りに行く場所が限られてしまっていてなんとなく「オフシーズン」みたいな感じになるけど逆に夏は夏で、どこへだって行けるんだけど日中は暑くてとてもじゃないけど長い距離は遠慮したいねアタマをすっぽりヘルメットで包み足には革の分厚いブーツとくれば狂気の沙汰にも見える剥き出しのエンジンやマフラーからは容赦なく熱が襲い水冷オートバイなんてことになると渋滞で嵌まっている時にかぎって冷却ファンが止まらない股間をマジで火傷することがある走っていられれば良いのだけれどねおよそ市街地を炎天下に走ることは避けたいけれど見方を変えれば夏の暑い時期に太陽に焙られながらオートバイで走るのも実はそう悪くない(でた!アマノジャック!)走り出した瞬間の涼しさは格別で「ああ、夏だ」と実感...クセもの「ミシュランロードクラシック」を手懐けるための一計を案ずる
レクティファイヤーかローターコイルなのか、はたまたステーターか、いやワンチャン球切れもあり?
雨の季節に入ったようだね田んぼの稲たちもこれまでは疎らで頼りない葉を風に揺らしていたがここに来てずいぶん株がしっかりとしてきたように見えるねむの木に鮮やかな桃色の花が咲き夏の野草も次々と花をつけている路傍にこんなでかい実をつける木を発見なんだと思う?これ、クルミだってさ硬いタネは馴染みがあるけどこいつは知らなかったそれにしても梅雨とはいえオートバイで走ると風の涼しさが際立ってさわやかな心地がする夏の入口列島に横たわる梅雨前線の位置を見ればいまの空気が爽やかなのかジメジメモワーんなのかすぐにわかるそう、今日は前線の北側にいるんだね雨の合間を縫って少しでも走っておこうと天気が回復すればすぐに山へ向かうのだがもちろん雨のすぐ後は実はあまり楽しくはない山陰(やまかげ)や森の中は路面が乾ききらず落ちた枯れ枝や流れ出...レクティファイヤーかローターコイルなのか、はたまたステーターか、いやワンチャン球切れもあり?
開かないのかと思ったら一斉に咲きだして咲き始めたと思ったら春の嵐に一気に散ってしまった今年のサクラは本当にあっという間に通り過ぎて行った山を見渡せばすでに木々は萌黄色の芽を吹き一年でいちばん気持ちの良い時期に入った北海道へ行く準備をぼつぼつ始めようかと思うがフェリーの予約をしてしまうともう他にあまりやることはない大まかなルートは決めてみたけど一日に300kmか400kmと考えるとなかなかにしっかりとした工程は組めないものだね前にも書いたけど野付半島の道道950号線と神威岬には行きたいあとタウシュベツの橋梁がもう崩れそうなので見ておきたいそうだな、あと食い損ねた豚丼は帯広辺りで泊まれば食いに行くか雨のことは考えても仕方ないけど(カッパを着るだけ)時期的にまだ寒いんじゃないかという心配はあるまあ都市部にはイオ...とりとめもなく桜の下で悪態をつくイヤなひと
いくら安いからと云って2か月後の予定を立てるなんて、どうかしてる
朝、外へ出てみるとゼンマイをギリリッと巻くような特徴的な鳴き声が聞こえた反射的に空を見上げるとはたしてそれは南国から帰ってきたツバメたちだったまだ冷たい早春の空気を切り裂いて3羽のツバメが滑るように飛び回っていたいよいよ、春ださーて、今年はどこへ走りに行こうかな?それにしても3月の半ばを過ぎて思いの外寒い日が続いた結局最近ではいちばん春がのんびりに見えるふくらみ始めた桜のツボミも少しこれには様子見一足先に咲き揃ったモクレンやコブシも少し花付きが悪く見えるつまりはそういう年もあるということかどんなに気象予報にスーパーコンピュータを用いようとも「自然」は、当たり前だけどそれを顧みないそれが「自然」というものだもともとボクたち日本人はそのことをよく知っているはずの民族だから古来から自然やその営みを畏れ崇めてきた...いくら安いからと云って2か月後の予定を立てるなんて、どうかしてる
このところの暖かさに驚いたのは雲雀たちどいつもこいつも慌てふためき我先にと競いあっては花粉交じりの空へ昇っていくおかげで長閑な冬枯れの田畑にはそこいら中でけたたましい囀りが響き渡ることになるそれはもう大騒ぎそういう人間様の方だって予想外のこんな陽気何とはなしにホッとした気持ちにもなるもんだ雲雀たちも人間も同じ国に暮らす朋輩ということか私事で云えばこの冬に新しいオートバイを手に入れたりしたもんだからいつもの冬よりマシマシで春を心待ちにしているだからこんな陽気ならもう山へ行っても良いかもと、途端にそわそわざわつき始める今日この頃だ走り出してみるとまだまだ路面には乾ききらずにウェットパッチが残るそれでも気温はこの時期としては異様に高くフリース素材のスウェットに綿のスイングトップを羽織っただけだ首元を抜けていく風...突然の春の陽気に誘われて山へ踏み込んでみた
何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し年が明けて元旦が穏やかに開けるといつもこの啄木の歌を口ずさんで深呼吸するそして本当にそうであれば良いのになと、少し切なくもなる夕べ遅くに降っていた雨もすっかり上がって空はすっきりと晴れ渡った今年の元旦今年はどんな一年になるのかないやいや今年はどんな一年にしようかな、で過ごすことにしようでもね「よい事」なんて普通はあまり訪れない第一、よい事に出会うようなそんな生活してないしねだから毎日淡々と暮らせればそして毎日淡々と勤しんでいければ他に何もいらないのだとも思う他人ごとに期待して落胆するほど暇じゃあない悪いことにもたまにはお目にかかるだろうそんな時こそいつもどおりにやれば良い禍福は糾える縄のごときものだし人間万事塞翁が馬なのだそして、とどの詰まりは人間到...2024年年頭所感など
ともあれ、明日が来ると信じて生きていく、それしかできないのだから
今年初めての本格的な寒波がやってきた北から吹き付ける強い風は凍える冷たさで改めて冬のつらさを思い知らされるガレージのシャッターを上げるとクロ介(BMWR100Trad)に冬の朝陽が差し込んだカバーを外しタンクに掛けた毛布を剥ぐとクロ介の金属のボディをゆっくりと解すように光が包む左右の燃料コックを開けてチョークを一杯に引きセルを回す点火の微妙な兆候を察知してそれをスロットルで掬い上げてやると1000ccのフラットツインは容易く目覚める真冬はこのまましばらく暖機運転するヘルメットをかぶりグローブをはめながらクロ介の周りをゆっくり一周して機体をチェックしていくミラーやメーターの曇りやスイッチの動作パーツの取り付き具合とか灯火の具合とかオイル漏れ、タイヤのトレッドの様子そんなところかアイドリングが上がり始めたらチ...ともあれ、明日が来ると信じて生きていく、それしかできないのだから
里に秋が下りる頃昨日まで晩秋の低い日差しに透けて輝いていた櫨の真っ赤な葉が今日は色を失って枯れていた一日中強く吹き荒れる木枯らしに葉っぱたちはひとたまりもなく抱かれる、というより無残に風に舞い散っていくもうこうなるとボクには何の太刀打ちも出来ない冷たい冬がゆっくりと確実に里に根付くのをただただ受け入れるしかないジョウビタキの姿を庭に見つけると冬の訪れは確実で羽根がキレイなかわいい小鳥なのに「もう来たのかい?」とちょっと悪態もつきたくなるのだそして深い溜息とともに山へ踏み込めるのも今日が最後かもしれないと強く感じるのだそう思う焦りからか晴れた日には時間を惜しんであちこち走り回るのだがその度に逆に寂しさも込み上げる始末だもうこの歳になると死がいつも隣に佇んでいるような気配を感じる決して死ぬことを恐れているわけ...冬が来る前に木枯らしに抱かれてジタバタあがくこの頃
紅葉なんてどこでも見られるけど、こんなワインディングはここにしかない
性格というものは後天的なモノだというのが一般的な見方だが当の本人にとってはそんなのハナハだ迷惑な話だ先祖の誰それからの悪い遺伝に相違ないさそんな風に思えられれば気も楽だろうにそれがまさかこんなにもイヤな性分が自分自身で作り上げたモノだったなんてまさに悪い冗談くらいにしか思えなかったりする「性格」と云うだけあって頑固に凝り固まっていて自分ではもはやどうすることも出来ない状態だから逆に「ひとごと」のように感じるという部分もあるそう云えば毎日の晩酌の当てに刺身の二切れ三切れが決まりだったボクのジィさんは台風なんかでバァちゃんが買いモンに出られなくても食卓に刺身が無いと信じられないくらい不機嫌になるような人だったイヤなジジィだなとその時は思っていたけど実はジィさんもそんな自分のダメさ加減を分かっていたのかもしれな...紅葉なんてどこでも見られるけど、こんなワインディングはここにしかない
昨夜の雨でたっぷりと湿った土から甘い芳香臭が漂ってくる頬を撫でて吹き過ぎる風とてやや冷たくもあるが今年はいつまでも温かく昼は過ごしやすい秋だところどころに残る雲は見る間に姿を変化させて上空にはまだ水蒸気が多いと教えてくれるそれでも晴れ上がった空の色はすっきりと青くその中に柿の実の橙が鮮やかに映ったのんびりとアルコールストーブで湯を沸かし珈琲を淹れる背後の桜の枝ではさっきから百舌鳥が甲高いさえずりを上げている子育て真っ最中のカラスたちが集まってはガーガー喚く月見バーガーも三角チョコパイもいらないけどやっぱり秋は格別だそれよりも程なく訪れる容赦ない冬を前に夏を過ごした枝を離れ地上へ舞い降りやがて土へと還っていく夥しい葉っぱたちばかりが目に映るまだ色や艶を残すものもあれば葉脈だけを残して朽ちてしまったものまで数...「生きてるってより、死んでないだけだ」と婆様は吐き捨てた
この季節、午後も4時を回れば頼りなげな秋の日差しはすでに西の山の端にかかりその反対側には長い影を作り出す飯田からずっとワインディングを走り抜けようやくいつもの我がベースキャンプ「涼風の里」にたどり着いた多分タイヤの空気圧が低い急に寒くなったのに確認を怠っていたいや、後回しにしていて忘れたのだせっかくの山道なのにオートバイの動きと自分の感覚との間にわずかな齟齬があったその所為でいつもより余計に疲れていたタイヤの空気圧は走りに直結するバンキングに合わせてフロントタイヤがリニアに反応する従順さが消え結果的にオーバースピードで進入してしまったかのような反応だったこれでは全くオートバイを信用できない疲れはその所為だそれはつまり空気圧の所為だから結局はボクの所為かこの時刻の「涼風」はひと気がなくとても静かだ日本製の空...まるで針のようなカラマツの落ち葉が顔にあたるとき秋を感じる
彼岸の声を聞いた途端に秋はにわかに姿を見せた曼殊沙華は今年も示し合わせて花を開き里には少し頼りなげな風が吹き始めた読書の秋なんて言われなくともことさら読書に励みたくなるような気候だ天気が安定してきたので遠乗りしてきた大好きなクネクネ道を走る新東名静岡SA平日の午前8時なのになぜか2輪駐車スペースは一杯だ「今日はすっきりしない天気」とお天気お姉さんは云っていたけどなかなかどうしてカラッと晴れ渡る光長閑けき秋の空だ中に来ていたロングTシャツを脱いでスマートICから下へ降りる安部川の支流の藁科川をたどっていく今日走る静岡県県道60号線はその源流まで続いている「南アルプス高原線」などと旅情を掻き立てる名前が付けられているけどその実、かなりの悪路ちょっと覚悟がいるいくつもの山筋を乗り越えながらゆるゆると進み井川ダム...彼はあの時確かに手に持つ白い旗でボクに通るよう促した
秋風が吹き始めるころツバメたちには南へ帰る日が近づいてくる忙しく飛び回っては小虫を一杯に頬張るしっかり食べて蓄えておかないと厳しい長旅に耐えられないのだそして、いよいよ、という日になると決まってみんな揃って別れの挨拶にやってくる何をイタいこと云ってやがるのかと思う向きもあるかもしれないが毎日外の様子を眺めていれば自然とそれに気づくのだふと足元を見ればそこには萩のかわいらしい赤紫の花伸び放題の草むらからは虫の音稲刈りが終わりひこばえが伸びる田んぼ示し合わせたかのように落葉を始めた川沿いの桜並木みんなが教えてくれる――もう秋だよ、とどんなに強烈な夏だったとしても地球が回れば必ず秋になる電線に並んで止まって、風を読むツバメたち「気をつけて、そしてまた春に会おう」ボクは心の中で彼らに別れを告げツバメたちを見送る今...そぞろ神のモノにつきて心ソワソワ
どんなことでもみんな大抵おんなじなんだけどまだ見ぬモノやまだ得ぬモノにけしからん想像をしてしまうのは人の世の常なのだろう人はその秀でた頭脳を使ってアレコレと思いを巡らせることが大の得意だでもそのほとんどはサル知恵浅はかで取るに足らないことのほうが多いと思うがどうだろう未知なモノに対するとき人はそれまでの経験や知識をフルに活かして自分なりの何らかのイメージを作り出すけれどその根拠の一つとなる記憶の曖昧さといったらマジ、最低なのだ死ぬほど暑い夏にうんざりしていても冬になれば誰しも「やっぱ夏の方がマシだな」と考える何度経験しても夏のリアルを忘れてしまうからだろうそれは人が忘れないと次へ進めない生き物だからだ親しい人との別れを持ち出すまでもなくこれ以上ないと思うような喜びやまた悲しみもその記憶を持ち続けていては新...忘れられぬ恋は叶わぬ恋SRラプソティ
むかしも夏は暑かったしかもエアコンなんてないし扇風機だって一家に一台だった夜は夕食を終えるとみんな揃って外に出て縁台で涼む近所の人もみんな一緒だ男は男で女たちは女たちでそして子供らは花火をしたり星を眺めたりして過ごす蚊取り線香の煙の臭いやアンタレスの真っ赤な心臓の輝き9時も過ぎればお開きで家に戻ってパタパタと団扇をはたいて蚊帳に入るうちは母子家庭で母は毎日仕事に出ていた女が正規の社員として働く環境は厳しく子供が(と云っても大抵ボクだけど)風邪で熱が出ても母は休まず出勤した朝出がけに作っておいてくれた「おじや」を温めなおして食べろというが熱でフラフラするから絶対無理でいつも冷め切った冷たいおじやを食べていたでも、もっと悲しいのは夏だ夏休みもちろん母は仕事で兄貴が中学生になってからはひとりで留守番していた夕べ...探しても青い鳥は見つからないよ、もう持ってるからね
夏は圧倒的だすべてをあまねく夏に変えてしまう朝、カーテンを開けるとすでに鋭くて大量の夏の太陽光線が差し込んでいた近くで、遠くで、蝉たちは一斉に命の雄叫びを上げる日本の夏は暑い暑いから夏とも云える暑くてこその夏なのだ日陰に入ってアイスキャンディに噛り付きそれでも流れ落ちる止めどない汗を手の甲で拭うそして、あっちーっと呻く山の木々は黄味の強い緑から青味の強い緑に葉の色を変えて里にはムクゲやカンナが咲き揃う電線のカラスは風上にカシラを向けて僅かに口を開くあんな真っ黒な羽ではさぞかし暑かろう真っ黒な舌をちょっと覗かせて浅く速い呼吸で身体を冷却する「かー」と投げ掛けると「カーァ」と返すやっぱり知り合いのカラスだったそこへカラスがもう一羽今度は向こうから先に「カーァ」とくるちょっと掠れた声低く「かー」と返すとすぐに飛...暑さにやられたのか「いい人」になりたいと柄にもなく願う夏
早朝、花冷えの空気の中伊勢道を南下していた大袈裟かな、と思ったけどライトダウンを着てきたのにサブいあのちゃんSA正確には安濃サービスエリア朝食に外のベンチでサンドイッチをつまんでいたら震えがくるくらい身体が冷えて仕方なくもう一度中へ行ってアツアツのコーヒーを一杯それでもちょっとマシかレベルだ経験上走ってるほうがサブくない気がするので走り出すことにするそれにしてもサクラだ松阪IC辺りのすごいサクラ並木を皮切りに今日はどこもかしこもサクラの大渋滞だ熱烈歓迎桜花爛漫サクラ絵巻の走馬灯を見ているようだもうエエねん、ってくらいのサクラだ日本人のサクラに対する情念を思い知らされる過ぎたるはナンチャラ、ちょっとうんざりするなんて贅沢なボヤキも出そうだ勢和多気ICで高速を降りて国道166号線を西進する参宮街道とも呼ばれて...いくら天邪鬼でも満開のサクラにうんざりだなんて言うな
サクラの開花が話題となる平和な国のこの頃賃上げとは無関係なボクの春だけど少子化や海の向こうの戦争とも無関係なおっさんの春だ社会に住まう以上、無縁ではなかろうよ、と云われそうだが春の穏やかな日差しだけは人類共通の喜びとして有難く頂こう新東名新城ICから国道257号線で豊川をたどっていくと思わず満開のサクラに迎えられた正に文字通りの満開山里の厳しい冬の寒さの向こうにまた巡ってきた春木々や花々、鳥や獣たちの弾むような喜びに満ちていた百花繚乱とは云え奥三河の春はまだ浅く寒い茶臼山では残雪でスキーをする人たち標高1,000mを超える高原には冬の冷たい風が吹きつけて腹が冷える日差しを受けていれば暖かいので椅子に座って日向ぼっこコーヒーが旨いお菓子のパックがパンパンの高原バイクブームと云われているようだけどなるほど平日...君が去った後も記憶は残るだろう春がボクにそう云った
今年の冬も去年と同じような傾向だったので今年もまた春の訪れが早いのだろうと思っていたらきのう開花している桜の木を見てしまった全体的にはまだ2週間くらいかかりそうだけど日当たりとか風当たりとかの関係で一足先にパッカンする花もあるまあ寒いより暖かいの方が良い春はウェルカムだよ週の頭に家人と恵那の山間にある風呂を訪ねた県境の峠は路傍の残雪も無ければ路面の凍結も(気配すら)無かったとなれば、入院(腰上の整備)明けのクロ介がだまちゃいない車庫に行くたび「行くのか?」と散歩を待ち詫びるバカ犬のように見つめ返してくる天気予報士どもが「春の陽気」と口を揃えるその日さっそく「涼風」まであいさつに出掛ける走り出してみると奴等が云うほど暖かい訳ではなくうっすらと北の風を孕み、寒いの方が感覚的には勝つでも、それはそれ、もう真冬の...降りそそぐスギの花粉を蹴散らして春の山へ行く
案外トシ喰ってるんですよね、こいつ艶有のまっ黒いオートバイなんて21世紀には絶滅した種族1990年4月生まれ午年の33歳距離は走っていないけど時間だけは容赦なく経っていてやっぱりゴムやらプラスチックやらの劣化がでる手に入れてから2年経ったけど14年間店頭で放置されていたクロ介を徐々に走らせて、走らせながら未だに不具合をつぶす日々だ今回は今シーズンの開幕に向けて大きな修理をしたOHVエンジンなのでプッシュロッドがクランクケースから突き出るんだけどそのロッドケースの取り付けパッキングが劣化してオイルを吹いているのともう最初からなんだけどニュートラルスイッチのオイル漏れの対応対応って云ってもスイッチの交換だシリンダー外すついでに燃焼室内の点検とカーボン取り吸気経路のスリーブ(ゴム製)も交換してもらうヘッドが開い...オートバイに乗ってニヤついてるジジイはボクです、たぶん
春に向かうときウソみたいに暖かな日と真逆の「マジか!」レベルの寒い日が交互に繰り返すようになるむかしからそんな気象状況を「三寒四温」と云ったりするがこれは本来の三寒四温とはちょっと違う本来は寒気団の強弱で出現する寒暖の繰り返しなので真冬の現象だ日本では春に向かうと移動性の高気圧と低気圧が本州南岸辺りを交互に通過するようになるので冬の末期に少しずつ暖かい日と寒い日が繰り返すこれを「三寒四温」と勝手に呼ぶようになったらしいでもいまでは春を予感させるワードとしてはメジャーで春一番と同じくらい耳にする今週は特に朝の冷え込みがきつかったねボクの家では暖房に石油ファンヒーターを使っているんだけど石油ファンヒーターがただの石油ストーブより優れている点の一つに「タイマー機能」がある電気が無いと動かないかわりに電気仕掛けを...石油ファンヒーターのタイマーセットを忘れた朝
暦というのは良く出来ていて季節の事象だったり、人の体感だったりにぴったり嵌まっていることに感心する正確な測定器や観測のデータベースなどなくてもヒトの感覚器は気候の変化をつぶさに嗅ぎ分けてしまうということかボクがいくつになっても毎年「寒」のキビしさなどすっかり忘れてしまってもその中に仄かな春の息吹を感じ取れるのは人並みにも春を待ちわびる切実な心の為す技なのかもしれない「春は名のみの風の寒さや」と歌われるとおり微かな気温の温みを一網打尽にするような北西の風はまだまだ強烈に冷たい今日来たのは見事な堰提を持つ水溜まり「とよおか湖」だ蒲郡市北部の高台に位置しているので堤の上から三河湾の眺望が利く蒲郡は地元なのであまり意識しないが国定公園にも指定されていて実は風光明媚なところだ凪いだ三河湾はまだ高度の低い冬の太陽に全...「そういうの、信じる?」と確認されたことを思い出す
むかし有料道路だったところを無意識に迂回するロートル単車乗り
豊橋市街をぐるっとバイパスは迂回して進み丘陵地帯を緩やかに上り下りしていると間もなく県境を過ぎ、潮見トンネルに入るこのトンネルは下り勾配になっていて前方出口の向こうに紺碧の太平洋が覗けてみえるトンネルを抜けると世界は一変見渡す限り続く遠州灘黒潮の太平洋は真冬の低い太陽に照らされて波頭が無数に輝き上空には冴え渡った空がどこまでも続く今日は風もなく彼方に見える浜名大橋の向こうにアメリカまで見えそうな程クリアだ馬郡ICでバイパスを離れる宇布見橋を経て中州へ渡り、緩やかに湾曲する浜名湖大橋を経て舘山寺へ以前、浜名湖は有料道路だらけで料金所に引っかからないように抜け道ばかり走っていたそのころのクセが抜けないのか、つい脇道に逸れてしまう貧乏性だけれどその方が湖に沿って走れることが多くて気持ちいいんだけどね天気が良くて...むかし有料道路だったところを無意識に迂回するロートル単車乗り
年が改まって何となく去年のあれやこれやがリセットされたような気になるとそれほど真面目な性分でなくともさー今年はどんな一年にしようかな、と考えたりするボクは性格が悪いので大抵は性格的なことを反省して今年はもうちょっとまともな人になりたいな、なんて考えるああそうか普通はスケジュール的なことを考えるのかでもね、こちとら毎日暇だからその気になればなんだってできるし、どこへでも行かれるそれと予定をたてるのが嫌いだからもともと計画もしないそれに明日生きていられると思ったら大間違い朝、パチンとスイッチが入ったらその日一日をただ生ききるそして夜誰にともなく、おやすみまた明日、と云ってふとんに入るいかに生きて、いかに死すべきかなんて馬鹿云っちゃあいけない巡り来る一日一日のほうが大事だ人類の科学は、こうすればああなる、で組み...2023年頭所感など
早いもので今年も終わりですねなーんて、これっぽっちも思ってやしないんだけど何となく口にしてみると人並みに一生懸命生きているような気になれる今年の秋は暖かい日が多くて12月に入っても道路に凍結の気配すらなかったがここへきて一気に季節は冬先週末に降った雪は未だ溶け残り日当たりの悪い場所はツルツルに凍っているでもね風さへ収まれば日差しは暖かく「いけるんじゃないの?」なんて誘惑に負けることになる千万町の集落を抜けるころから路面が怪しくなる路肩には雪が残り路面は黒々として判断が難しい圧雪されてアイスバーンになったところが2か所息を殺してやり過ごすもちろんこの場合息を殺したからと云って何とかなる訳ではない垂直荷重を維持してトルク変動のない駆動を心がけるまあそうすると自然に息が止まるんだけどね国道に出るとさらにヤバいブ...春になったらまたくるよ、必ずね
弱い寒気が流れ込んで高い空にまっ黒い雲が広がるところどころ晴れ間も見えているし北の風に流される雲の動きもが速いのでまあ大丈夫だろう、とクロ介を連れ出す路面はまだ大丈夫気温はそこそこだけど今日は風が冷たい雲で陽がさえぎられるとすごく寒いおまけにいつもの「涼風」に着くころには時雨れてきた濡れるという程でもないくらいの雨粒だしばらく軒先で待っていたら、すぐに時雨は止んだコーヒーでも淹れて温まろうとストーブに火を入れて沸騰するのを待っていたが今度は北の風がいっそう強く吹きつけた熱いコーヒーを啜りながらスマートフォンを取り出して青空文庫を開く著作権の切れたかつての文豪たちの作品をポツリポツリと読み進めるのが楽しみだ最近は太宰にはまっている勿論、太宰は生涯にわたって何度も読み返した作家だけど社会からドロップアウトした...北風の中太宰を読む
朝、テレビを付けたら気象予報士の女が「今日は立冬です」と、きやがった「けれど今日の日中は気温が上がるので、冬はまだ座っているでしょう」だとクソ面白くもない事をニコニコしながら云いやがる彼女の予報どおり太陽高度が上がるにつれて気温もどんどん上昇している先週車検から帰ってきたクロ介を引っ張り出して暖機させるチョークをいっぱいに引いて始動させストッパーを締めこんでスロットルを3000rpmくらいに固定する「何を云っているかわからない」だろ?ティクラーをカチカチさせてー、が無いだけマシだがなハーフチョークで走り出す県道への合流点でクラッチを切るとまだストールの気配があるスロットルをやや開けたまま止まり交差道路の安全を確認エンストさせないように長めのミートで合流する今週末いつもの散歩コースはラリージャパンのSSのコ...ラリージャパンがいつもの散歩ルートにやってくる