メインカテゴリーを選択しなおす
昨日はアロエの命名について調査した、Estrela Figueiredo & Gideon F. Smithの2010年の論文、『What's in name: epithets in Aloe L. (Asphodelaceae) and what to call the next new species』をご紹介しました。その中では、末尾にアロエの種小名の一覧があり、名前の由来
サボテンや多肉植物だけではなく、生物の分類やすべての研究分野において、学名というものは非常に重要なものです。野放図に各々が命名してしまえば、いったい何について研究しているのか誰にも分からなくなってしまいます。それは、我々趣味家も同じです。サボテンや多肉植
2024年に楽しんだ花、木、風景の記録です。右側の説明は和名、撮影日、撮影場所、韓国語名、英名、エスペラント名、学名の順になっています。サザンカ(山茶花)...
アメフクラガエルのことがもっと知りたい そんなあなたのために、アメフクラガエルについて解説します。 こんにちはふくら博士(自称)です。 僕はフクラガエルが好きすぎて、20年ほどフクラガエルの調査をしています。 このブログでは、おそらく日本で
【GWの娯楽に】クイズ・この恐竜の名前の由来、なんでSHOW?
こんにちは! DIT井上です! さてさて、ゴールデンウィーク後半が始まりました。 お子さんはどんな予定を立てていらっしゃるのでしょうか? 映画? 旅行? バーベキュー? もしかして、博物館へ恐竜を見に行くなんて方もいるのかもしれませんね。 ですが、色々忙しくて、あまりどこにも行けない方もいるでしょうし、家でのんびりと過ごす方もいることと思います。 さて、そんなあなたに。 クイズを出題します。 さあ、あなたは何問分かるでしょうか? ミッション・スタートです。 恐竜の名前の由来について クイズ・この恐竜の名前の由来、なんでSHOW? 第一問 第二問 第三問 一から三の答え 第四問 第五問 第六問 …
一般的に「滝の白糸」と呼ばれているアガヴェがあります。葉縁から糸状の繊維を出す美しい植物で、国内でも昔から栽培されています。私はアガヴェは積極的に集めてはしていませんが、イベントに行った折にオマケでアガヴェの抜き苗をいただきました。名札には「Agave leopold
先日、ケファロケレウスは現在何種類あるのと言う記事を上げました。これはケファロケレウスを調べていた際のある種の副産物で、本来は本日の記事に入れ込むつもりでしたが、ボリューム的に無理なので独立した記事にしたと言う経緯があります。さて、いくつかの論文をサッと
最近、ケファロケレウスについて少し調べていたところ、まあ色々な種類が出てくるわけです。では、現在認められているケファロケレウスは何種類あるのでしょうか? と、その前にケファロケレウス属自体について見てみましょう。ケファロケレウス属ケファロケレウス属は、正確
ここ数年、コピアポアが人気なようでよく目にします。多肉植物のイベントではサボテンはすっかり日陰者であまり見かけませんが、必ずといっていいほどコピアポアはあったりします。さて、そんなコピアポアですが、分類学上の立ち位置は長らく不明でした。しかし、近年では遺
ベンケイソウ科植物の中にオロスタキス属(Orostachys)と言う分類群があります。多肉植物として一般的に栽培されますが、国内にもイワレンゲやツメレンゲなど自生するオロスタキスがあります。さて、このオロスタキスですが、その名前を命名したのは一体誰なのか、何やら議論
日本では「菊水」の名前でお馴染みのStrombocactus disciformisは渋いサボテンですが、今でも人気種です。今ではすっかり普及種となっていますから、育てておられる方も多いでしょう。このS. disciformisの由来は古く、はじめて命名されたのは1828年のことで、Mammillaria di
当ブログでは、多肉植物の名前についての話題がちょくちょく議題に上がります。ある種が分割されたり統合されたり、属名が変更になったりと言ったことはよくあることです。しかし、それだけではなく、命名規約上の問題もあります。現在の二名式学名は1753年のCarl von Linne
多肉質なユーフォルビアの中心地はアフリカ大陸ですが、南アメリカでも多肉質なユーフォルビアを見ることが出来ます。ただし、南アメリカの多肉質なユーフォルビアは、節を重ねたような不思議な形をしています。普段、南米ユーフォルビアはあまり見かけないでしょうから、あ
モンソニアとサルコカウロン(1996, 1997, 2003, 2017)
かつて、Sarcocaulonと言う多肉植物がありました。しかし、いつの間にやらSarcocaulonはMonsoniaに吸収されてしまったといいます。ですから、ネット上のブログや販売サイトでは、Sarcocaulonだった植物はMonsoniaの名前で呼ばれています。しかし、本当にSarcocaulonとMonsoni
あれは去年の秋のことでした。鶴仙園で行われたPlant's Workとのコラボイベントに行った時のことです。「Astroloba aspera」と言う名前の美しい多肉植物を購入しました。外見的にはアストロロバですが、どうも聞いたことがない名前です。どのような植物なのか、少し調べてみ
エキノプシスは割と庶民的なサボテンで、短毛丸などは庭先に放置された鉢でも花を咲かせていたりします。さて、どうもエキノプシスと言えばそのようなイメージだったわけですが、神代植物公園の大温室に行った時に意外な事実に遭遇しました。益荒丸と言う巨大な柱サボテンが
Trichocereus macrogonusとは何者か?(2012)
最近、トリコケレウスの誕生やその経緯について記事にしました。内容的にはSofia Albesiano & Roberto Kieslingの2012年の論文、『Identity and Neotypification of Cereus macrogonus, the Type Species of the Genus Trichocereus (Cactaceae)』を参照としました。しかし
【梅の学名と特徴を解き明かそう】梅の魅惑的な世界を発見してください
梅(うめ) 梅(うめ)の基礎知識 科・属バラ科・サクラ属 学名Prunus mume 和名梅(うめ) 英名Hydrang
以前、トリコケレウスを調べていた時に、その立ち位置の微妙さであるとか、分類の混乱を感じました。果たしてトリコケレウスとは何者なのか、調べてもよく分からないのが現状です。本日は、トリコケレウス属のタイプであるTrichocereus macrogonusの歴史を少し見て見ましょう
関東にも雪が降り、だいぶ冷え込みました。室内の最低気温も一桁だったかも知れません。窓際の多肉植物たちはさぞ寒かろうと思います。さて、そんな寒さの中ですが、本日も我が家の多肉植物たちを少々ご紹介しましょう。Pachypodium horombenseホロムベンセは葉は落ちてはい
Mesembryanthemum vanputteniiと言うバシオニムを保存する提案(2020)
Mesembryanthemumは由来の古い属名ですが、かつては巨大なグループでした。しかし、徐々に分割され、LampranthusやDelosperma 、Ruschiaを始めとしたグループとなり、現在は100種類程度になっているようです。私はまったくメセンに詳しくはないのですが、Mesembryanthemumの
Adenium multiflorumのレクトタイプ化(2008)
地球上の発見された生物には、基本的に名前がつけられています。英語名だったり、その原産地や地域での呼び名もあったりします。しかし、世界中で通じる名前は、ラテン語表記による学名です。しかし、この学名にもルールがあり、誰でも好きなように命名して良いわけではあり
朝晩は大部冷え込むようになりました。パキポディウムも葉を落とすものが増えています。冬なので代わり映えしない多肉植物も多いのですが、本日も我が家の多肉植物をご紹介します。奇怪ヶ島 Euphorbia suquarrosa奇怪ヶ島は塊根から枝を伸ばすタイプのユーフォルビアです。ま
ここ2回に渡りIpomoea属のタイプの変更を巡る論争を記事にしてきましたが、本日で終わります。事の経緯を簡単に振り返ってみましょう。まず、2020年にEsermanらがIpomoea属のタイプを変更することを提案しました。属のタイプとはその属を代表する種を示しています。Ipomoea属
昨日はサツマイモを含むIpomoea属のタイプを変更する提案がなされたと言う話をご紹介しました。それは、将来的にIpomoea属が分割された時に、サツマイモ=Ipomoea butatasがIpomoea属でいられるようにと言うことでした。しかし、この提案には反論がなされています。反論があ
塊根植物にイポメアと言うものがあります。綴りは「Ipomoea」なので正確にはイポモエアですが、それはともかくこれは分類的にはヒルガオ科植物です。ですから、塊根性のIpomoeaも朝顔のような花を咲かせます。そして、Ipomoeaの代表種と言えば、何と言ってもSweet potato、つ
2023年に楽しんだ花、木、風景の記録です。河津桜(カワヅザクラ)3月4日近隣の公園にて카와즈 자쿠라英名なしCerasus lannesiana 'Ka...
Portulacaria(Ceraria)の見分け方(2014)
昨日の記事で、Ceraria属がPoutulacaria属に吸収されて消滅したという論文をご紹介しました。Poutulacariaは2種に旧Ceraria5種が加わり、合計7種となりました。その見分けが論文にまとめられていたのでご紹介します。昨日に引き続き2014年の論文、『Phylogenetic relationshi
近年、小型のコーデックスであるCeraria pygmaeaが結構人気があるようです。見た感じからして、いかにもスベリヒユ科ですが、その後整理されディディエレア科ポルツラカリア亜科とされています。これは、Alluaudia、Didierea、Poutulacaria、Ceraria、Decaryaなどが非常に近
実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのよ
近年、多肉植物で最も盛り上がっているのはAgaveでしょう。「サボテン・多肉植物のビッグバザール」でも、Agaveの専門店が出店するようになり、あちこちでAgaveを出しています。多肉植物に強い園芸店でもAgaveはコーデックスに代わる目玉となっています。いつまでAgaveブーム
サボテンの新属Leuenbergeriaについて(2019)
Pereskia属はサボテンらしからぬ姿のサボテンで、通常の樹木状で葉があり、全体的に特に多肉質ではありません。ただ、強い棘と美しい花がサボテンとの繋がりを感じさせます。Pereskiaは一般的には杢キリンだとかコノハサボテンと呼ばれますが、サボテン愛好家にもあまり人気
最近、とても気になっていることがあります。以前購入したOperculicarya borealisの実生苗ですが、それが本当にO. borealisであるか良くわからなかったのです。ネットで検索すると何やらそれらしい情報は出てきますが、個人ブログの情報がどこまで正しいか良く分かりません。
Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙
ここ数年、日本ではAgaveがブームとなっています。多肉植物の販売イベントでも、今やAgaveはあちこちのブースで取り扱われるマストアイテムと化しているようです。何が流行るか分からないものです。私は多肉植物の販売イベントで、おまけにもらったAgaveを2種類育てているく
サボテンは強烈な日照や厳しい乾燥など、様々な環境ストレスに耐え忍んでいます。しかし、その特徴や仕組みについては、意外にもあまり研究されていないようです。そんな中、ギムノカリキウムの環境ストレスへの耐性についての、今年出たばかりの論文を見つけました。それは
Euphorbia hedyotoidesの特徴とは?(1992)
先日開催された「9月のサボテン・多肉植物のビッグバザール」にて、Euphorbia hedyotoidesという塊根植物を入手しました。私が入手したのは非常に小さな実生苗ですが、育つと塊根から伸びる細長い枝と、細長い葉が面白い多肉植物です。E. hedyotoidesを詳しく調べてみようと
アロエ属は2010年代前半に大幅な改訂が順次行われました。アロエ属からの分離と、アロエ属に近縁な仲間のアロエ属への統合という出来事が行われ、ハウォルチアやガステリアも絡めて整理されたのです。しかし、名前が変わってしまうと、過去に様々な文書に書かれた植物名と矛
サボテンに限らずですが、育てている鉢植えの植物の名前というものは、我々趣味家を悩ませるものです。札落ちで名前が分からないという悩みだけではなく、純血種か雑種かすら判別が難しいことがあります。ギムノカリキウムなどは、雑種が蔓延しすぎて国内の種や品種が信頼出
Rhipsalisというサボテンがありますが、サボテンファンにはあまり人気がないかも知れません。Rhipsalisは熱帯性のサボテンで、多湿な環境で樹木に着生して垂れ下がるように育ったりします。栽培環境からすると、洋蘭や食虫植物の栽培と相性が良いかも知れません。私も沢山の
なんでも、スペインには野生化したアロエが生えているそうです。当然、外来種ということになります。今まではAloe feroxであると言われてきたそうですが、実は違うのではないかという話があります。それはPere Aymerich & Jordi Lopez-Pujolの2023年の論文、『On the presen
C. platygonusに対してH. adscendensという名前を保存する提案(2015)
Harrisia属は森林性サボテンで、細長く紐状に伸び月下美人のように大きな花を咲かせます。そのうちの1種であるHarrisia adscendensの名前には、何やら一悶着あった模様です。ということで、本日はAlan R. Franckの2015年の論文、『Proposal to conserve the name Cereus adsc
以前、サボテンの地理的二分法仮説をご紹介しました。地理的二分法仮説とは、熱帯のサボテンはサボテンの花を専門とする特定の少ない種類の花粉媒介者により受粉し、温帯のサボテンは様々な花を訪れる沢山の種類の花粉媒介者により受粉するというものでした。その関連で、亜
Wigginsiaのサイズは種子の品質と相関するか?(2022)
種子を作るのは植物にとって体力を消費する行為です。植物が小さいうちは沢山の種子は作れませんが、大きくなれば養分を種子生産により多く割り当てることが可能になります。しかし、その種子の品質はどうでしょうか? 植物が大きくなると、種子あたりに注ぎ込める養分も増え
非常に沢山の稜があるサボテンとして、縮玉や千波万波などを含むEchinofossulocactusが有名です。しかし、いつの頃からかStenocactusと呼ぶようになりました。少し気になって軽く学名を検索したところ、非常に面倒くさい話であることを察したため、その時は見なかったことに
Echinocactus acanthodesの名前を拒否する提案(2011)
フェロカクタス(Ferocactus)はそのトゲの強さから強棘類などと呼ばれていますが、始めはエキノカクタス(Echinocactus)に含まれていました。エキノカクタスも強棘類に含まれて呼ばれたりしますが、実際にフェロカクタスとエキノカクタスは近縁な仲間です。何とはなしにフェロ
今週、「おお!」と喜びの声が上がったのは 寿恵子であり、寿恵子の影響を受けたといえる聡子。 新しい女性の姿を前面に出している。 つーか、単純にカッコイイよね、2人共! その分、男たちが小さく見える
Weberbauerocereus属を保存する提案(2020)
Weberbauerocereusはペルーとボリビア原産の中型の柱サボテンです。なにやら、このWeberbauerocereusはHaageocereusの異名であるという意見もあるそうです。しかし、その意見に対して反対し、Weberbauerocereusの名前を保存する提案が提出されています。それは、Paul Hoxey