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ヒマワリの花は太陽の方向を向くと言われています。私の好きなギムノカリキウムの花は花茎が短く球体に貼り付くように咲きますから、花の向きなどは気にしたことはありませんでした。しかし、花はアレオーレから出ますが、すべての稜(rib)に万遍なく蕾がつくのでしょうか?調
先日、ケファロケレウスは現在何種類あるのと言う記事を上げました。これはケファロケレウスを調べていた際のある種の副産物で、本来は本日の記事に入れ込むつもりでしたが、ボリューム的に無理なので独立した記事にしたと言う経緯があります。さて、いくつかの論文をサッと
アロエの論文を探していた時に、たまたまアロエを用いた土地の浄化についての論文を見つけました。土壌汚染地域に植物を植えて、植物に汚染物質を吸収させると言う話はたまに聞きます。しかし、実際の結果については聞いたことがありませんでした。しかも、浄化する植物にア
ここ数年、コピアポアが人気なようでよく目にします。多肉植物のイベントではサボテンはすっかり日陰者であまり見かけませんが、必ずといっていいほどコピアポアはあったりします。さて、そんなコピアポアですが、分類学上の立ち位置は長らく不明でした。しかし、近年では遺
去年の3月にソテツにつくカイガラムシが沖縄に侵入したと言う記事を挙げました。すっかり忘れていたのですが、最近になり奄美大島でカイガラムシが猛威をふるっていると言うニュースを目にしました。すでに、かなり危機的な状況のようです。調べて見ると、世界中でこのカイ
ベンケイソウ科植物の中にオロスタキス属(Orostachys)と言う分類群があります。多肉植物として一般的に栽培されますが、国内にもイワレンゲやツメレンゲなど自生するオロスタキスがあります。さて、このオロスタキスですが、その名前を命名したのは一体誰なのか、何やら議論
過去のサボテンの遺伝子解析の結果をまとめたPablo C. Guerreroらの2018年の論文、『Phylogenetic Relationship and Evolutionary Trends in the Cactus Family』を参照として、サボテン科植物の系統関係を見ています。本日で最後になります。サボテン科の進化と分子系統①
過去のサボテンの遺伝子解析の結果をまとめたPablo C. Guerreroらの2018年の論文、『Phylogenetic Relationship and Evolutionary Trends in the Cactus Family』を参照として、サボテン科植物の系統関係を見ています。昨日は原始的なサボテンであるコノハサボテンやウチワサ
サボテンはサボテン科(Cactaceae)に分類されますが、大変種類が多く非常に多様です。樹木状のサボテンに見えないサボテンであるPereskiaなどは原始的な特徴を残しているのだろうと何となく予想しますが、柱サボテンや玉サボテンの関係などはまったく分かりません。現在、サボ
日本では「菊水」の名前でお馴染みのStrombocactus disciformisは渋いサボテンですが、今でも人気種です。今ではすっかり普及種となっていますから、育てておられる方も多いでしょう。このS. disciformisの由来は古く、はじめて命名されたのは1828年のことで、Mammillaria di
2014年に金鯱(Echinocactus grusonii)がエキノカクタスから独立し、新属であるKroenleinia属に分類されました。つまり、Kroenleinia grusoniiです。しかし、2018年に行われたホマロケファラとエキノカクタス、フェロカクタスの遺伝的解析の結果では意外な事実が明らかとなっ
多肉植物は水分を溜め込んでおり、大変みずみずしいので、一見して食べられそうな気もします。実際にウチワサボテンやアロエ、アイスプラントなどは食べられています。しかし、EuphorbiaやBoophone(=Boophane)には毒性があり注意が必要です。また、Pachypodiumはキョウチク
当ブログでは、多肉植物の名前についての話題がちょくちょく議題に上がります。ある種が分割されたり統合されたり、属名が変更になったりと言ったことはよくあることです。しかし、それだけではなく、命名規約上の問題もあります。現在の二名式学名は1753年のCarl von Linne
チレコドン(Tylecodon)と言う多肉植物がありますが、コチレドン(Cotyledon)と名前が似ており、私個人としてはどっちだったか分からなくなったりしたこともあります。ずいぶんややこしい名前だと思っていましたが、その理由が書かれた記事を見つけました。なんでも、Tylecodon
生物は基本的にトレード・オフです。例えば、卵は大きなものほど子供の生存率が高く、小さい卵ほど子供の生存率は低くなります。これは、生まれてくる子供のサイズが異なり、卵が大きいほど1匹の子供に使われる栄養が多いことが原因です。しかし、実際のところ、大きい卵は少
多肉質なユーフォルビアの中心地はアフリカ大陸ですが、南アメリカでも多肉質なユーフォルビアを見ることが出来ます。ただし、南アメリカの多肉質なユーフォルビアは、節を重ねたような不思議な形をしています。普段、南米ユーフォルビアはあまり見かけないでしょうから、あ
モンソニアとサルコカウロン(1996, 1997, 2003, 2017)
かつて、Sarcocaulonと言う多肉植物がありました。しかし、いつの間にやらSarcocaulonはMonsoniaに吸収されてしまったといいます。ですから、ネット上のブログや販売サイトでは、Sarcocaulonだった植物はMonsoniaの名前で呼ばれています。しかし、本当にSarcocaulonとMonsoni
バハ・カリフォルニア半島はサボテンが非常に豊富なことで知られています。しかし、バハ・カリフォルニア沿岸に散在する小島にも、サボテンが沢山生えていることは、一般的にはあまり知られていないようです。さて、このような海洋に浮かぶ小島は、大抵は海鳥の繁殖地となっ
しかし、アロエと言う植物は一般的であるにも関わらず意外と奥が深いもので、調べてみると知らないことばかりで驚かされることが多々あります。多肉植物の即売会などでも、見たことがない美しいアロエが何気なく販売されており、ついつい買ってしまい置き場所がなくて困って
ユーフォルビアは世界中に分布しますが、サボテンのような多肉質な種類のものは限られた地域に分布します。その多くは乾燥地への適応です。多肉質なユーフォルビアは、南北アメリカ大陸やオーストラリア、アジア地域にも分布しますが、その中心はアフリカ大陸です。特にアフ
エキノプシスは割と庶民的なサボテンで、短毛丸などは庭先に放置された鉢でも花を咲かせていたりします。さて、どうもエキノプシスと言えばそのようなイメージだったわけですが、神代植物公園の大温室に行った時に意外な事実に遭遇しました。益荒丸と言う巨大な柱サボテンが
Trichocereus macrogonusとは何者か?(2012)
最近、トリコケレウスの誕生やその経緯について記事にしました。内容的にはSofia Albesiano & Roberto Kieslingの2012年の論文、『Identity and Neotypification of Cereus macrogonus, the Type Species of the Genus Trichocereus (Cactaceae)』を参照としました。しかし
Euphorbia knuthiiは誰に献名されたのか?(2024年2月)
Euphorbia knuthiiと言う塊根性ユーフォルビアがあります。この種小名は人名から来ているとされているみたいです。いわゆる献名ですね。本日はE. knuthiiの名前に関する話ですが、その前にE. knuthiiの簡単な紹介をしましょう。Euphorbia knuthii Pax.狗奴子キリンと言う名前
以前、トリコケレウスを調べていた時に、その立ち位置の微妙さであるとか、分類の混乱を感じました。果たしてトリコケレウスとは何者なのか、調べてもよく分からないのが現状です。本日は、トリコケレウス属のタイプであるTrichocereus macrogonusの歴史を少し見て見ましょう
本日は少し緩い話をします。当ブログでは今まで250本を超える学術論文の要約を記事にしてきました。しかし、一般に論文を読むことは、かなりハードルが高いようにも思われています。論文のほとんどは英語で書かれていますから、外国語の苦手な日本人には向いていないと言う面
サボテンはリプサリスなど一部を除き、南北アメリカ大陸およびその周囲の島嶼部に分布します。しかし、サボテンは乾燥地に良く適応した植物であるため、世界中の乾燥地域に侵入し外来種として猛威を振るっています。もちろん、これは初めは人間が移動させたものですが、競争
Mesembryanthemum vanputteniiと言うバシオニムを保存する提案(2020)
Mesembryanthemumは由来の古い属名ですが、かつては巨大なグループでした。しかし、徐々に分割され、LampranthusやDelosperma 、Ruschiaを始めとしたグループとなり、現在は100種類程度になっているようです。私はまったくメセンに詳しくはないのですが、Mesembryanthemumの
多肉植物ブームが長く続き、即売会などでは変わった植物も見かけるようになりました。最近は乾燥地の灌木であるコミフォラもたまに見かけます。聖書に出て来る没薬とはコミフォラの樹脂を固めたものですから、分布も中東や北アフリカが中心です。流通量が少なく生長が遅いこ
Adenium multiflorumのレクトタイプ化(2008)
地球上の発見された生物には、基本的に名前がつけられています。英語名だったり、その原産地や地域での呼び名もあったりします。しかし、世界中で通じる名前は、ラテン語表記による学名です。しかし、この学名にもルールがあり、誰でも好きなように命名して良いわけではあり
乾燥地には剥き出しの岩石が見られたりしますが、岩の割れ目に多肉植物が育ったりすることは、世界中の乾燥地で知られています。通常、岩石の風化は風や雨により、それこそ万単位の時間をかけて緩やかに進行します。しかし、植物の存在により岩石は強い作用を受けることにな
多くの多肉植物は様々な要因によってその生存を脅かされ、生息数が減少し絶滅の危機に瀕しています。しかし、絶滅危惧種は動物より植物の方が圧倒的に多いにも関わらず、動物と比べると植物は保護に関わる研究・調査や保護活動のための資金は圧倒的に少なく、非常に遅れてい
Mammillaria magnimammaの特殊な受粉システム(2021)
植物は種類により様々な受粉システムをとりますが、サボテンもまた種類により様々な受粉システムがあります。しかし、サボテンの多くは雌雄同株で、1つの花に雄しべと雌しべがセットになった花を咲かせます。ところが、その常識を覆す論文を見つけました。それは、Alicia Cal
塊茎・塊根植物をコーデックスと呼びますが、近年の多肉植物ブームの一旦はコーデックスの奇妙な姿が目を引いたと言うこともあるでしょう。コーデックスでは、初期はパキポディウムが、最近はオペルクリカリアが人気のようです。そんな中、ドルステニアもメインストリームに
備忘録: Euphorbia sp. nova. somalia hordio
何時ぞやか、Euphorbia sp. nova. somalia hordioと言う名前のユーフォルビアを入手しました。「sp. nova.」は新種と言う意味ですが、実際に学術的に記載されていませんから、少し違うような気がします。また、情報が非常に乏しく、調べてもコピペみたいな文章ばかりで何も分
ここ2回に渡りIpomoea属のタイプの変更を巡る論争を記事にしてきましたが、本日で終わります。事の経緯を簡単に振り返ってみましょう。まず、2020年にEsermanらがIpomoea属のタイプを変更することを提案しました。属のタイプとはその属を代表する種を示しています。Ipomoea属
昨日はサツマイモを含むIpomoea属のタイプを変更する提案がなされたと言う話をご紹介しました。それは、将来的にIpomoea属が分割された時に、サツマイモ=Ipomoea butatasがIpomoea属でいられるようにと言うことでした。しかし、この提案には反論がなされています。反論があ
塊根植物にイポメアと言うものがあります。綴りは「Ipomoea」なので正確にはイポモエアですが、それはともかくこれは分類的にはヒルガオ科植物です。ですから、塊根性のIpomoeaも朝顔のような花を咲かせます。そして、Ipomoeaの代表種と言えば、何と言ってもSweet potato、つ
去年の年末にシマムラ園芸で、Euphorbia antisyphiliticaと言うユーフォルビアを入手しました。いわゆる、キャンデリラソウと呼ばれる植物で、かつてはロウをとるために乱獲されていました。その後には、石油ベースのロウがメインになり、キャンデリラソウはお役御免となった
タイトルだけ見ると熱狂的な烏羽玉ファンの話かと勘違いしてしまいますが、残念ながら今回は異なります。烏羽玉はPeyoteと呼ばれ、宗教的に古くから利用されてきました。Peyoteにはメスカリンと言う幻覚成分が入っているからです。Peyoteの利用はその合法性を巡って、米国で
自生地のサボテンは様々な形で利用されており、コチニール色素をとるためにカイガラムシをウチワサボテンで育てたり、様々に利用しているようです。自生地ではありませんが、マダガスカルでは増えたウチワサボテンのトゲを焼いてから家畜に与えているという話を聞いたことが
ユーフォルビアは傷付くと乳液を出しますが、この乳液には毒があると言われています。しかし、実際にその毒の被害にあった人の話は聞いたことがありません。古い論文を読むと、大型の柱サボテン状になるユーフォルビアの乳液は、皮膚に着くと水膨れを引き起こすなどと書かれ
多肉植物の分布域は大抵は砂漠など、あまり人が住んでいないような場所です。しかし、近年では開発により生息地が破壊される速度が加速しています。本日はそんな開発により生息地を失った、とある多肉植物の救出作戦についてご紹介します。それは、Herta Kolbergの2014年の論
多肉植物には有毒なものもあります。しかし、毒性があると言うことは、人体に対して生理作用を及ぼすと言うことでもあり、民間薬として利用される可能性があります。毒性と言えばまずユーフォルビアが思いつきますが、実はBoophoneと言う巨大な球根植物も有毒であり、民間で
ソテツは海外では希少で、その保護が強く叫ばれています。しかし、日本においてソテツはあまりに身近な存在ですから、そう言われてもピンと来ないかも知れません。日本に生えるソテツであるCycas revolutaは耐寒性が強いため、多少の降雪がある地域でも庭に植栽が可能です。
サボテンのトゲは鋭いので、うっかり触ってしまいトゲが手に刺さってしまうこともあります。普通は簡単に抜けますし、細かいトゲならとげ抜き、バニーカクタスならガムテープを使った方が早いかも知れません。しかし、これは我々趣味家がちょっとだけ、ホンの数本、バニーカ
アフリカの乾燥地にはアフリカゾウやクロサイなど、巨大な草食動物が分布します。クロサイは柱サボテン状のユーフォルビアを食べるためになぎ倒してしまうため、クロサイを保護するために導入した地域ではユーフォルビアが激減しています。アフリカゾウも木をなぎ倒してしま
Hoodia騒動 〜多肉植物とダイエット〜(1997-2007年)
多肉植物は様々なグループがありますが、高度に多肉化した植物はサボテンやユーフォルビアなど限られたものグループだけです。私が育てていないグループでは、旧ガガイモ科(今はキョウチクトウ科)の多肉植物があります。旧ガガイモ科は詳しくないため、とりあえず思いついたH
多肉植物は葉挿しで増やすことが出来るものが多くあります。葉挿しする時に、エケベリアなどは用土に挿さないでそのまま置いておくだけで発根したりします。この時に、霧吹きで湿らすこともありますが、葉の表面から水分を吸収するのだと言う人もいます。個人的空中には発根
基本的に植物は受粉のために花粉媒介者を必要とします。しかし、共通する花粉媒介者に頼った場合、花粉媒介者が競合してしまう可能性があります。しかし、ある論文では3種類の開花期の異なるサボテンが、上手く花粉媒介者の競合を避け、花粉媒介者に1年中資源を提供し支えて
Portulacaria(Ceraria)の見分け方(2014)
昨日の記事で、Ceraria属がPoutulacaria属に吸収されて消滅したという論文をご紹介しました。Poutulacariaは2種に旧Ceraria5種が加わり、合計7種となりました。その見分けが論文にまとめられていたのでご紹介します。昨日に引き続き2014年の論文、『Phylogenetic relationshi