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多肉植物には有毒なものもあります。しかし、毒性があると言うことは、人体に対して生理作用を及ぼすと言うことでもあり、民間薬として利用される可能性があります。毒性と言えばまずユーフォルビアが思いつきますが、実はBoophoneと言う巨大な球根植物も有毒であり、民間で
ソテツは海外では希少で、その保護が強く叫ばれています。しかし、日本においてソテツはあまりに身近な存在ですから、そう言われてもピンと来ないかも知れません。日本に生えるソテツであるCycas revolutaは耐寒性が強いため、多少の降雪がある地域でも庭に植栽が可能です。
サボテンのトゲは鋭いので、うっかり触ってしまいトゲが手に刺さってしまうこともあります。普通は簡単に抜けますし、細かいトゲならとげ抜き、バニーカクタスならガムテープを使った方が早いかも知れません。しかし、これは我々趣味家がちょっとだけ、ホンの数本、バニーカ
アフリカの乾燥地にはアフリカゾウやクロサイなど、巨大な草食動物が分布します。クロサイは柱サボテン状のユーフォルビアを食べるためになぎ倒してしまうため、クロサイを保護するために導入した地域ではユーフォルビアが激減しています。アフリカゾウも木をなぎ倒してしま
Hoodia騒動 〜多肉植物とダイエット〜(1997-2007年)
多肉植物は様々なグループがありますが、高度に多肉化した植物はサボテンやユーフォルビアなど限られたものグループだけです。私が育てていないグループでは、旧ガガイモ科(今はキョウチクトウ科)の多肉植物があります。旧ガガイモ科は詳しくないため、とりあえず思いついたH
多肉植物は葉挿しで増やすことが出来るものが多くあります。葉挿しする時に、エケベリアなどは用土に挿さないでそのまま置いておくだけで発根したりします。この時に、霧吹きで湿らすこともありますが、葉の表面から水分を吸収するのだと言う人もいます。個人的空中には発根
基本的に植物は受粉のために花粉媒介者を必要とします。しかし、共通する花粉媒介者に頼った場合、花粉媒介者が競合してしまう可能性があります。しかし、ある論文では3種類の開花期の異なるサボテンが、上手く花粉媒介者の競合を避け、花粉媒介者に1年中資源を提供し支えて
Portulacaria(Ceraria)の見分け方(2014)
昨日の記事で、Ceraria属がPoutulacaria属に吸収されて消滅したという論文をご紹介しました。Poutulacariaは2種に旧Ceraria5種が加わり、合計7種となりました。その見分けが論文にまとめられていたのでご紹介します。昨日に引き続き2014年の論文、『Phylogenetic relationshi
近年、小型のコーデックスであるCeraria pygmaeaが結構人気があるようです。見た感じからして、いかにもスベリヒユ科ですが、その後整理されディディエレア科ポルツラカリア亜科とされています。これは、Alluaudia、Didierea、Poutulacaria、Ceraria、Decaryaなどが非常に近
多肉植物の受粉に関する研究を度々ご紹介してきました。その中で気になったのはタイヨウチョウの存在です。タイヨウチョウはアフリカに分布する花蜜専門の鳥です。しかし、過去にご紹介した論文では、タイヨウチョウが花に訪れても受粉に寄与せず、ただの蜜泥棒になっている
最近、般若(Astrophytum ornatum)の受粉に関する論文をご紹介しました。論文では般若の受粉率は低く、同じ時期に咲き、共通した花粉媒介者を持つ他の種類のサボテンと競合している可能性を指摘していました。実際にそのようなことがあるのか気になったので、関連する論文を探
多肉植物のみならず植物を栽培するに際して、日照や灌水に並ぶ重要な要素は用土でしょう。多肉植物の培養土は市販品もありますが、自身で配合するという方もおられるでしょう。多肉植物の用土の組み合わせはどのようなものご良いのでしょうか? 本日は多肉植物の培養土の組み
花は甘い蜜を分泌しミツバチなどの花粉媒介者を引き寄せ、受粉し結実します。しかし、世界には苦い花蜜も存在すると言うのです。非常に不思議です。なぜ、苦い蜜を出すのでしょうか? さらに気になるのは、その苦い蜜を訪れる花粉媒介者とは何者なのでしょうか?本日はSteven
般若(Astrophytum ornatum)は、Astrophytumの中でも大型のサボテンです。野生のAstrophytumは減少していますが、それは般若も同じことのようです。希少生物の保護を考える場合、まずは現在の分布と個体数の調査に加えて、その生態を詳しく知る必要があります。例えば、人工的
地球規模の気候変動が問題となっています。原因の1つとされる大気中の二酸化炭素の増加による地球温暖化については異論もあるようです。しかし、その原因はともかくとして、現実問題として様々な異常がおきている事実は覆すことは出来ません。さて、気候変動は多肉植物が自生
植物にとって花は繁殖のための非常に重要な器官です。さらに、植物の分類は花の形式を基準に発展してきました。ですから、植物にとっても学者にとっても花は重要なものと言えます。花の受粉は植物と花粉媒介者との相互作用により成立しています。植物の種類ごとに受粉形式は
Fockea属はアフリカに6種類分布するキョウチクトウ科の植物です。塊根や塊茎と落葉するツルを持ち、火星人(Fockea edulis)に代表されます。4種類は南アフリカとナミビアにのみ分布しますが、F. multifloraとF. angustifoliaはアフリカ南部から東アフリカまで広く分布します。
実はサボテンや多肉植物も、毎年のように新種が発見されています。地球上のすべての土地が調査し尽くされているわけではないため、未踏の場所を調査したら新種は見つかるもののようです。さらに、詳しく研究されず、似た種類を1種類にまとめてしまっていたりもします。そのよ
多肉植物を増やす方法はいくつかあります。種子を採ったり、株分けしたり、挿し木したりというのは何も多肉植物に限った話ではなく、他の植物でも出来なくはないでしょう。しかし、葉挿しに関しては多肉植物特有の増やし方と言えます。例えば、エケベリアやカランコエ、ハウ
Euphorbia brevitortaの受粉生物学(2010)
植物にとって花を咲かせることは、受粉し種子を作るために重要です。しかも、受粉は非常に多様で様々な工夫があり、植物の進化を考える上でも非常に面白い対象です。さらに、受粉について調べることは、希少植物の生態を理解し、保護のための基礎知識を与えます。ですから、
以前、テレビを見ていたら、アフリカの砂漠に謎の円形の模様が沢山出来る不思議な現象に迫っていました。この、通称「フェアリーサークル」は、シロアリが形成しているもののようです。しかし、謎のサークルは必ずしもシロアリが原因とは言えないようです。「フェアリーサー
新種の記載や訂正、種を分けたり統合したりと、分類学により植物は命名され分類されます。近年では遺伝子解析が盛んに行われ、思わぬ植物同士が近縁だったり、外見上はそっくりで見分けがつかない隠蔽種が明らかとなったりと、分類学は非常に隆盛を極める分野となっています
Aloe marlothiiの種子散布と貯蔵種子(2011)
植物の繁殖にとって花は重要です。しかも、花の受粉様式は非常に多様で、花粉媒介者どの相互作用など非常に複雑なメカニズムが存在し、その全容が明らかとなっているとは言えません。さらに、受粉後の種子散布については、それ以上に調べられていないように感じられます。最
多肉植物の生息地は、開発によりその生息が脅かされています。多肉植物は分布が狭く、特殊な環境にのみ生えるものも多いことから、多くの多肉植物が絶滅の危機に瀕しています。保護活動によりこれらの多肉植物を救うことは出来るのでしょうか?本日は希少な多肉植物を救うた
サボテンは古い根元の方が褐色になり硬くなってしまいます。これは、太陽光が原因で樹皮が形成されているということのようです。ただ、樹皮形成はサボテンにはよろしくないことのようで、樹皮形成が多くなり過ぎるとサボテンは枯れてしまいます。この太陽光による樹皮形成は
以前、Gymnocalycium esperanzaeを調べていた時に、論文に面白いことが書かれていました。G. esperanzaeは、G. castellanosiiとG. bodenbenderianumとの自然交雑種である可能性があるというのです。その時の記事は以下のリンクをご参照下さい。問題はG. esperanzaeは一時的
ソテツは地球上で最も危機に瀕している植物グループと言われます。しかし、日本では国内産のソテツ(Cycas revoluta)が庭木や鉢植えとして一般的に利用されていますから、珍しいという感覚は持ちにくいかも知れませんが、海外では自生地の都市開発や違法採取によりソテツは急
サボテンの新属Leuenbergeriaについて(2019)
Pereskia属はサボテンらしからぬ姿のサボテンで、通常の樹木状で葉があり、全体的に特に多肉質ではありません。ただ、強い棘と美しい花がサボテンとの繋がりを感じさせます。Pereskiaは一般的には杢キリンだとかコノハサボテンと呼ばれますが、サボテン愛好家にもあまり人気
マミラリアの種子の「Serotiny」とは何か?(2009)
最近は基本的にサボテンと多肉植物の論文をご紹介してきましたが、花と受粉に関する話題に興味があり積極的に取り上げてきました。しかし、最近は種子の行方にも興味が出て来ました。論文を漁っていたところ、「Serotiny」なる用語に出会いました。「Serotiny」とは、成熟し
近年、プラスチックごみの残留が環境問題となっています。特にマイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチックが動物に大量に摂取されており、その影響が心配されています。環境問題に関心がなくても、マイクロプラスチックを食べた動物を食べているであろう我々人類への
サボテンの宝庫であるCaatingaのアリによる種子散布(2007)
Elaiosomeとは種子についた栄養分のことですが、その栄養分を目的にアリが種子を巣穴に運ぶことが知られています。このようなアリにより拡散される種子を、Myrmecochory種子と呼びます。このような、MyrmecochoryやElaiosomeについて興味があったのですが、中々良い論文が見
最近、とても気になっていることがあります。以前購入したOperculicarya borealisの実生苗ですが、それが本当にO. borealisであるか良くわからなかったのです。ネットで検索すると何やらそれらしい情報は出てきますが、個人ブログの情報がどこまで正しいか良く分かりません。
近年、海外のソテツが販売されているのを、たまに目にします。よく見るのは、メキシコ周辺に分布するZamiaやDioonです。しかし、多肉植物の即売会ではEncephalartosも販売されていたりすることもあります。Encephalartosは希少かつ高額で、販売に制限があり、取引には国の許
メロカクタスは育てたことはありませんが、発達した花座が非常に特徴的なため、ひと目見たら忘れられないサボテンです。私もそれなりに興味があり、メロカクタスの論文を記事にしたことがあります。その論文では、地面に落ちたメロカクタスの果実は、アリが巣に運んだりと、
Sedumは丈夫で育てやすく、寄植えやグランドカバーなど用途の幅も広く、その種類も非常に沢山あります。しかも、近年に至っても沢山の新種が発見されています。新たな調査により発見される場合もありますが、近年の特徴は遺伝子解析による新種の発見でしょう。産地ごとの微妙
サボテンの外敵とはなんでしょうか? ほとんどのサボテンはトゲに覆われており、簡単には草食動物に食べられることはないでしょう。アフリカでは、トゲだらけのアカシアの枝をキリンが食べたり、やはりトゲだらけのユーフォルビアをサイが食べたりしています。しかし、アメリ
ここ数年、日本ではAgaveがブームとなっています。多肉植物の販売イベントでも、今やAgaveはあちこちのブースで取り扱われるマストアイテムと化しているようです。何が流行るか分からないものです。私は多肉植物の販売イベントで、おまけにもらったAgaveを2種類育てているく
Aloe florenceaeと花粉媒介者の謎(2023年10月)
Aloe florenceaeが開花しました。マダガスカル中部原産のアロエで、2004年に新種として記載された割と新しい種類です。 本体のサイズからしたら、花茎はとても長いですね。Aloe florenceaeの花は、花茎の先端に固まってつきます。しかし、なんとも微妙な色合いの花です。ア
サボテンは強烈な日照や厳しい乾燥など、様々な環境ストレスに耐え忍んでいます。しかし、その特徴や仕組みについては、意外にもあまり研究されていないようです。そんな中、ギムノカリキウムの環境ストレスへの耐性についての、今年出たばかりの論文を見つけました。それは
美しい花は我々を楽しませてくれますが、中には地味で奇妙な花を咲かせる植物も存在します。基本的に花は昆虫などの花粉媒介者へのアピールですから、それなりに目立つものが多いのです。では、地味は色合いの花にはどのような意味があるのでしょうか? 日があまり当たらない
Euphorbia hedyotoidesの特徴とは?(1992)
先日開催された「9月のサボテン・多肉植物のビッグバザール」にて、Euphorbia hedyotoidesという塊根植物を入手しました。私が入手したのは非常に小さな実生苗ですが、育つと塊根から伸びる細長い枝と、細長い葉が面白い多肉植物です。E. hedyotoidesを詳しく調べてみようと
アロエ属は2010年代前半に大幅な改訂が順次行われました。アロエ属からの分離と、アロエ属に近縁な仲間のアロエ属への統合という出来事が行われ、ハウォルチアやガステリアも絡めて整理されたのです。しかし、名前が変わってしまうと、過去に様々な文書に書かれた植物名と矛
Weed Wide Web: 雑草の違法オンライン取引(2023)
外来種は日本でも問題となっていますが、この問題は国内のみならず世界中で起きています。昔から木材やコンテナに紛れて害虫が侵入したり、ペットとして持ち込まれたアライグマやミシシッピアカミミガメが捨てられて野外で繁殖してしまっているケースなどがあります。しかし
植物の花は受粉し種子を作るための器官です。豊富な蜜や花粉は、花粉を運び受粉を手伝ってくれる受粉媒介者への報酬です。しかし、中には花そのものを食べてしまったりして、受粉を妨害してしまうような動物もいます。これを、とりあえず「送粉系撹乱」と呼ぶことにしましょ
最近、イベントや園芸店でウチワサボテンを以前より目にするようになりました。流通の兆しでしょうか? 思うにゲオメトリクスや武蔵野などのテフロカクタスが先鞭をつけたような気もします。しかし、ウチワサボテンの仲間はよく似ており、見分けるのは中々困難です。ただし、
常々、サボテンや多肉植物の原産地の環境を詳しく知ることができたら、栽培する上で何かしらの参考になるのではないかと考えたりもします。しかし、残念ながらサボテンや多肉植物の原産地の情報というものは、調べてもよくわからないものが多いように思われます。原産地の環
サボテンに限らずですが、育てている鉢植えの植物の名前というものは、我々趣味家を悩ませるものです。札落ちで名前が分からないという悩みだけではなく、純血種か雑種かすら判別が難しいことがあります。ギムノカリキウムなどは、雑種が蔓延しすぎて国内の種や品種が信頼出
マダガスカルと言えば、花キリンなどの固有のユーフォルビア、固有種のアロエ、パキポディウム、DidiereaやAlluaudia、着生ランなど、とにかく珍しい植物の宝庫というイメージです。しかし、一般的にマダガスカルと言えばキツネザルをイメージするかも知れません。私もDidier
サボテンは主に北米から南米まで広く分布しますが、その分布は均一ではなく、沢山の種類のサボテンが集まるホットスポットが存在します。メキシコにはホットスポットがありますが、南米にはサボテンと聞いてイメージするのとは異なる森林性サボテンのホットスポットが存在し
Rhipsalisというサボテンがありますが、サボテンファンにはあまり人気がないかも知れません。Rhipsalisは熱帯性のサボテンで、多湿な環境で樹木に着生して垂れ下がるように育ったりします。栽培環境からすると、洋蘭や食虫植物の栽培と相性が良いかも知れません。私も沢山の