救急搬送からの緊急入院〜ザンジバル島編〜
ウーウーウーウー 救急車の中に響き渡るサイレンは脳をつんざくような爆音で、目の前の車やバジャージ(3輪オート)、バイクを跳ね飛ばさんとするスピードで疾走している。 日本では「緊急車両が通ります、道を開けてください」とアナウンスしながら交差点に進入するが、ここではアナウンスなどなく爆音でサイレンを鳴らし、目の前の車両を蹴散らしながら病院に向かう。 もちろん、その運転の余波を患者や家族も受けるわけだが何しろ掴まるところがない。 ロマを広いスペースに座らせ、私と母は揺れるたびに吹っ飛ばされそうになりながら固い椅子にかじり付く。横に置いたスーツケースとバックパックは生き物のように跳ねている。 医療器具…
2024/10/16 13:19