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「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)でみると、ドイツは日本をやや下回る程度(上:ドイツ106人、下:日本130人)。 呼吸器系疾患(ARE)全体としては昨年ピークを迎えた後、安定的に推移(赤線が今冬分の7日間指数、このうちコロナとインフルが足元各約1割、インフルは「流行終了宣言」済)。 変異種としてはBQ.1.1とXBB.1.5が増えてきているものの、いずれも毒性が強いものではなく、特段懸念なし。 ただし、実効再生産数(橙線)は最近ずっと1.0を上回っており、沈静化はまだまだ先になりそう。 ドイツでは今月から行動規制がほぼ全てなくなっています(日本からドイツへ入国の際も…
20230217 ドイツ製造業受注残、昨年末時点で月商の7.4か月分と高水準
今朝のドイツ連邦統計局発表によると、昨年12月の製造業受注残(実質/インフレ勘案後)は 前月比▲0.4%、前年同月比+1.2%(赤:総合、黒:国内、青:海外) 月商(直近12ケ月平均)の7.4ヶ月分(投資財10.6、中間財3.8、消費財3.4ヶ月分) と引き続き高水準が維持されていました。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_067_421.html 製造業受注(青)は下図の通り最近非常に冴えない状況が続いているのですが、生産(赤)がほとんど落ちないのは、受注残がこのように積み上がっているためです。…
20230217 本日コメルツ銀行のDAX40への復帰が決まる見込み
掲題関連情報のドイツでの各種報道のまとめです。 ドイツ証券取引所は、米国での単独上場にシフトするためDAX40から離脱するリンデの代わりになる新たな構成銘柄を2月17日の引け後に発表する予定(実際の組み入れは2月27日から)。 2月16日に好決算を発表し、DAX40構成要件をしっかり満たしていることが確認できたコメルツ銀行(ティッカーCBK)のDAX復帰が最有力(ほぼ確実)。 2022年決算では、通期純利益が14億3500万ユーロと前年の4億3000万ユーロから大幅増加。市場予想の約13億5900万ユーロも上回った。 DAX40への復帰がほぼ確実になったことから、それを好感した買いでコメルツ株…
https://www.ecb.europa.eu/pub/economic-bulletin/html/eb202301.en.html ドイツ経済分析のベースとなるユーロ圏の経済状況についてのECBの直近評価を本日リリースされた「Economic Bulletin」でざっと確認しておきます。 ユーロ圏2022Q4GDPは前期比プラス0.1%と、12月のECBスタッフ予測を上回ったが、2022 年半ば以降の顕著な経済減速であることに変わりなし。 エネルギー関連支援策は協調してうまくロールバックしないと(需要を喚起しすぎて)インフレ圧力となり、金融政策でより強い対応が必要になりうる。(ロールバ…
今日は「Rote Bete」というドイツで売られている野菜のお話です。 お医者さんから勧められて、食べるようになりました。 今回は、真空パックになっているすでに調理済みの物と自分で調理する用のフレッシュなものを買ってみました。 「Rote Bete」とは? ドイツのスーパーマーケットでよく見かける、Rote Beteは、食べる血液と呼ばれることがあるくらいに栄養豊富です。ビタミンB、カリウム、鉄、葉酸が入っており、高血圧や新陳代謝、貧血予防にも効果的です。 どのように食べるの? 調理方法はいろいろあります。サラダにしたり、スープにしたりして食べます。 Rote Beteそのものを購入した場合 …
20230216 昨年ウクライナ人約100万人がドイツに流入
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_N010_12411.html 先ほどドイツ連邦統計局から昨年のウクライナ移民(大半は難民)についての統計が発表されましたので、そのエッセンスを整理しておきます。 ●2022年ウクライナからドイツへの流入110万人、流出14万人で、ネット流入96万人。 ●【トップの図】流入のピークは3~5月(3月43万人、4月20万人、5月12万人)。 最近は月3万人ペースまで低下。 ●【2段目の図】流入の約1/3が18歳未満の子供(濃い色)で男女半々。 全体としては女性(赤系色…
山車つきの大パレードで盛り上がるカーニバルの最高潮:「バラの月曜日」(今年は2月20日) の前の週の木曜日(2月16日)は「女性カーニバルの日」(Weiberfastnacht:ヴァイバーファストナハト)という特別な日です。 「ネクタイを狩られ」ますので出張者などは特に注意して下さい。 <Weiberfastnachtとは> ドイツの一部地域(ライン川流域など西部)で女性の無礼講が許される日。 その典型が「ネクタイ狩り」(男性のネクタイをはさみで切ってしまうこと)。 昔権力がなかった女性が、男性の権力の象徴とされる「ネクタイ」をはさみで切ることで、一日だけ主導権を握るという意味合いで発展してき…
20230215 ドイツの帝王切開率:30.9%(2021年)
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_N009_231.html 今朝の連邦統計局から以下の発表がありました。 ●2021 年のドイツの帝王切開率は 30.9% で、1991 年の 2 倍 (15.3%) 。●件数では78万人のうち23.7万人。●産科のある病院は全病院の3分の1に過ぎず、1991 年のほぼ半分から減少。 ●州別に見ると、ザールラント州、ハンブルク州で高く、 ザクセン州とブランデンブルク州で低い。 ●ドイツの3割強という水準は国際比較においてはやや高め。 高いのは、①メキシコ 58.6…
今年のドイツの通年GDPは、最近マイナス圏からの上方修正が相次ぎ、現時点では+0.2%程度の予測が中心になっていますが、以下のドイツ景気先行指標類を見ていると、もう少し上方修正されてくるような気がしています。 ①コメルツ銀行のEarlybird景気バロメータ:悪化が止まって底打ち (短期実質金利、ユーロ実質実効為替レート、PMIなどから合成されたもの) <掲載しているWirtschaftsWoche誌の解説> 実体経済に6~9 か月先行する当バロメーター(1月分)は、2022年4月以来初めて上昇。0.07 ポイントでゼロラインをわずかに上回った。 下げ止まりの原因は、世界経済見通しの改善。特に…
フランクフルトでのバンカー不足問題について、今朝のフランクフルターアルゲマイネ紙に興味深い解説記事(下添リンク)があったのでそのエッセンスをご紹介します。 www.faz.net ●BREXIT後、フランクフルトはますます金融センターとして重要になっている(ECBとドイツ連銀もここにある)。 ●ドイツの銀行セクターでは雇用が長期的トレンドとして減少している(下図赤線)が、フランクフルトでは逆に増えている(青線)。 ●銀行セクターの従業員数の中でフランクフルトが占めるシェアは、10年前の9%に対して、現在は11%に増えている。今後もフランクフルトへの集中は続く見込み。 ●Helaba(州立銀行)…
economy-finance.ec.europa.eu 先ほどEU委員会のユーロ圏経済見通しがアップデートされ、 ●GDPは今年+0.9%(昨秋予測+0.3%から上方修正、多少ぶれてもマイナスにはならないレベル)、来年+1.5% ●インフレ(HICP)は今年来年+5.6%(昨秋予測+6.1%から下方修正)、来年+2.5% となっていました(当面はベーシス効果による急低下を目のあたりにする局面)。 ●全体としては、インフレが下がって実質GDPが押し上げられるという良好な内容の修正となっています。しかもリスクは上下にバランスしているという評価です(但し来冬に向けたガス不足と金融引き締めによる予想…
先ほどドイツ連邦統計局から、倒産件数(企業+個人の合計)の発表があり、先行指標(赤線)も含めて低位横ばい推移であることが確認できました。 (青:公式統計~2022年11月まで、赤:受付ベースの先行指標~2023年1月まで) 企業倒産件数は長期的に見ても2003年をピークに低下トレンドが続いています。 ちなみに、倒産とは直接関係ありませんが、オンライン求人件数(赤線)とレストラン予約件数(青線)は結構強い感じでの推移が続いています(共に日次リアルタイムデータ)。
20230213 ベルリン州(特別市)議会やり直し選挙結果について
得票率は、①CDU28.2%、②SPD18.4%、③Green18.4%、④Linke(左派党)12.2%、⑤AfD(極右)9.1%、⑥FDP4.6%の着地となり、10%以上得票率を伸ばした野党CDUの圧勝(ほぼ一人勝ち)となりました。 最終議席配分結果は以下の通り(全159議席、過半数80議席)となりました。FDPは5%状況による足切りで議席を失っています。 過半数を確保できる連立組み合わせ3つがいずれも不人気(左側の「支持しない」が優勢)となっており、連立交渉は相当難航することが予想されます。 現与党の赤緑赤(SPD+Green+Linke)は、SPDが第2党に転落した上、今回の選挙で大き…
明日2月13日が「世界ラジオの日」だということでしたので、 World Radio Day - Wikipedia ドイツでのラジオの状況をちょっと調べてみたところ、意外にも大人気であることが判明しました。 まずラジオ放送局(Podcastその他のオーディオストリーミングサービスを含む)がここ10年で激増しています。 ドイツの放送局数 2000年:261社(うち公営61社)⇒2022年:459社(同83社) 意外な多さに驚いたのですが、ドイツでは人口(8,300万人)の3/4がラジオへのアクセスを有し、3,350万人(人口の4割)が毎日ラジオを聴き、その人たちは1日平均185分(3時間以上!)…
20230211 ショルツ政権「Zeitenwende(ターニングポイント)」進捗状況
今週のWirtschaftswoche の特集記事(掲題)の内容をごく簡単にまとめておきます。非常に厳しい評価となっています。 ①戦争 ショルツ首相はプーチンのウクライナ侵攻前に外交でいろいろ奔走したものの、結局止められなかった。 ウクライナ戦争勃発後「ターニングポイント」宣言で、軍事積極方針に転換。 大きな予算はつけたもののうまく使われておらず、ウクライナへの武器提供の影響もあって、ドイツ国防軍の防衛力はボロボロの状態。 レオパルト2でブレークスルーを実現して好評のピストリウス新国防相の手腕に期待するしかない。 ずっと昔からEUは域内共通の外交と防衛の実現を目指しているが、全く機能していない…
20230210 昨年のドイツ観光関連宿泊件数、コロナ前の9割まで回復
(上から、①ホテル・ペンション、②長期休暇用宿泊施設、③キャンプ場、④その他) https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_055_45412.html 先ほどドイツ連邦統計局から観光関連宿泊件数統計が発表され、 2022年通年:4億5,080万件、2021年比+45.3%、2019年(コロナ前)比▲9.1% 2022 年12 月:2,750 万件、前年同月比+57.0%、2019年12月比▲11.2% となっていました。 上図の上から3番目、キャンプ場での宿泊(赤が2022年)はコロナをきっかけに人気化し…
「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)でみると、ドイツは日本の半分くらい(ドイツ95人、日本194人)。 呼吸器系疾患(ARE)全体としては昨年ピークを迎えた後、安定的に推移(赤線が今冬分の7日間指数、このうちコロナとインフルが足元各約1割、インフルは「流行終了宣言」済)。 変異種としてはBQ.1.1とXBB.1.5が増えてきているものの、いずれも毒性が強いものではなく、特段懸念なし。 ただし、実効再生産数(橙線)は最近ずっと1.0を上回っており、沈静化はまだまだ先になりそう。 ドイツでは昨日から(長距離近距離とも)電車・バス内でのマスク着用義務が全国で完全に撤廃されてい…
(紺:輸入全体に占める中国の割合、灰:同輸出、黄:対中貿易赤字年額~10億EUR) ドイツ経済研究所 (IW、経営者団体傘下、@ケルン) の推計(公式統計は未発表)によると、ドイツの対中貿易赤字は昨年841億ユーロ(GDPの2%強)に急拡大し、これは中国への過度の依存であり台湾有事の際に極めて危険と警鐘を鳴らしています。 2021年に既に対中赤字は394 億ユーロに達しており、危険視されていましたが、昨年はその2倍を超える規模に急拡大しています。世界有数の輸出競争力を誇る輸出大国ドイツですらこのような赤字になってしまうわけですから、尋常な状況ではありません。 ちなみに日本の昨年の対中赤字は5.…
<Japanese> 失業は一部の人の不幸にとどまるが、インフレは全員を不幸にすると言います。インフレで生活に必要なコストが年10%も押し上げられれば、低所得層を中心に多くの人々をたちまち生活苦に陥れ、ひいては「Cost of Living Crisis」という形の社会不安にもつながりかねません。 ドイツのインフレは、昨年10月に前年同月比+10.4%でピークを付け、2022年平均は+7.9%で着地しました。今年は政府によるエネルギーコスト肩代わり施策などによって、インフレが2%程度押し下げられるにも関わらず、それでも年平均で+6~7%と高止まりしそうなため、生活苦は一段と進む見込みです。足元…
先ほどドイツ連邦統計局から1月CPI速報の発表があり、 ドイツ国内(CPI)ベース : 前月比+1.0%/前年同月比+8.7% ユーロ圏共通(HICP)ベース : 前月比+0.5%/前年同月比+9.2% と、高水準ながらも市場予想は若干下回る内容となっていました。 速報では内訳が判らないので推察しかできませんが、12月の暖房費を1ヶ月だけ政府が一括肩代わりした反動と年初の料金改定(値上げ)幅が恐れていたほどではなかったということかと思われます。 近年のインフレの元凶であるエネルギー価格(CPI内のウェート約1割)も最近は落ち着いており、前月比を押し上げる要因にはなっていません。 現時点で最も権…
ドイツ政府の公式経済予測によると、今年、来年と失業率はほどんど上がらず、マクロベースで5%程度の賃金上昇が続くという見立てになっています。 ifoが昨年末人事担当責任者にとったアンケートによると、今年は全産業平均で5.5%程度の賃上げを覚悟しているとのことでした。 (全体:5.5%、製造業:5.0%、商業:5.9%、サービス業:5.6%。 水色の74~86%は各業態で賃金上昇を覚悟している人の割合) 月次で確認できる求人数は(最近やや減ったものの)過去最高レベルにありますし。。。: 日次で確認できるオンライン求人数は(青線)も高水準を維持しており、就業者数(赤線)の過去最高更新継続をサポートし…
ドイツ語でナスは「die Aubergine」です。 通常売られているナスは1つが大きいです。先日購入したこちら 前にも買ったときには、気が付かなかったのですが日本のナスと書かれていました。 少し細すぎる気がします。 だいたい、日本のお米などもそうですが、日本式の野菜やお米はスペインやイタリアで作られているものを見かけます。 最後までありがとうございます。 にほんブログ村 ドイツランキング (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a] function(){arguments.currentScript=c.cu…
20230120 ドイツの対中戦略見直し、落としどころ見えず前途多難
こちら↓のリンクから無料入手できるドイツ取引所新聞年末特集号の中の、ドイツ対中戦略見直し関連の記事(P45)のエッセンスを(いつものように私なりの言葉にかみ砕いて)ご紹介します。 https://daten.boersen-zeitung.de/download_jsa.php?variant=bz 万一中国が台湾に侵攻すれば、ロシア同様の制裁発動により、ドイツが高度に依存している中国から、販売市場としても調達源としても一気に切り離される。 しかし、自動車(中国は最大の海外市場)、機械(年170億ドルを中国に輸出)、電機(スマート部品の7-8割を中国に依存)、化学(海外売上の半分が中国)といっ…
20230120 ドイツ賃金交渉状況一覧表(2022年実績/2023年予定)
2022年以降のドイツの主な賃金交渉妥結結果と2023年の主な交渉予定は以下の通りです。今後も随時アップデートしていきます。 上記(主要なもの)以外のものを含むより詳細な交渉日程についてはこちらをご覧ください。 https://www.boeckler.de/pdf/pm_ta_2022_11_29.pdf
20230121 ドイツの3リスク定点観測(現時点では3つとも懸念小)
以下3つはドイツ現法におけるリスク管理の観点から、時々チェックしておいた方が良いと思いますので、リンクと併せてご参考まで。 ①気温/ガス備蓄~心配なし ここ数日かなり寒いですが、2月中旬までは 平年をやや上回る気温で推移する見込み(但し気象庁の自信度はやや低下) https://www.dwd.de/DE/leistungen/kvhs_de/1_basic_de/week_de/weekly_node.html ガス備蓄は引き続きベストシナリオを上回る水準 https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-s…
20230121 レオパルト(ドイツ主力重戦車)提供問題早わかり
ドイツ主要メディアの現時点での論調を私なりに総括すると、以下の通りになります。 ロシアの次の攻撃が迫っている+ウクライナも相応に消耗している⇒ 西側諸国からの支援も今ここでギアアップする必要がある ショルツ首相(とSPD、AfD、左派党)はドイツが先陣を切って西側の重戦車(レオパルト1/2)をウクライナに提供することに強く反対 重戦車が「ゲームチェンジャー」になる(クリミア奪還等を含む)ことによる戦争エスカレート(核攻撃開始、NATO巻き込み等を含む)を一番恐れている<他にもこまごまとした反対理由が言われているが、これが一番重要> ドイツが同時提供の条件としている米エイブラムには特殊な燃料が必…
ドイツには下添リンク(テーマ:「重戦車提供を政府はなぜ渋るのか」)のような高品質の公開ライブディスカッション番組がたくさんあり、この上なく勉強になりますし、こういった理路整然とした議論を整斉とかつ冷静に展開する能力こそ、我々日本人に最も欠けているものだと痛感します。 Pistorius und die Panzer-Frage: Warum zögert die Bundesregierung? - Sendungen - Presseclub - Das Erste 当該番組と、その他のドイツで見聞きできる各種議論を踏まえ上で論点を私なりに整理すると以下のようになります。 ウクライナを心の底…
週末からブンデスリーガの後半戦が再開していますが、会員(ファン)数を調べてみたところ、以下のことが判明しました。 ドイツの常勝クラブ:バイエルンミュンヘンは、約30万人のファンを抱えてダントツ(常に)トップ。 現在1部リーグ最下位で低迷するシャルケはドルトムントを上回る2位につけている(この2-3位争いはいつも激烈)。 ライプチヒは強豪(現在5位/全18チーム)チームであるにもかかわらず会員数が1000人未満と極端に少ないのは、チームオーナー(レッドブル)の経営方針として、資金調達をファンではなくスポンサーに求めているため(ドイツでは異質で批判も多い)。 <本日時点での順位表(1部リーグ)> …
20230123 ドイツの液化天然ガスターミナル整備、順調に進捗
ドイツでは以下6つのLNGターミナル設置が進められており、そのうち現在3つ(上半分)が稼働し始めています。 この6つがフル稼働するようになれば、ロシアから調達していた分の半分くらい/需要全体の1/3くらいを補うことができる見込みです。 6つなんて多すぎる、という批判も根強いですが、将来的には水素利用に切り替えるので、目先はともかく長期的には脱炭素に直結しており、突貫で強行した投資も無駄にはならないということになっています。 但し足元の供給におけるLNGの貢献はまだまだ微々たるもので(右最下段)、本格稼働は来冬以降ということになっています。 足元やや寒い日々が続いているので、家庭の暖房需要(ガス…
20230123 戦争による2023年ドイツ経済損失はGDPの4.5%(IW研試算)
https://www.iwkoeln.de/presse/iw-nachrichten/michael-groemling-der-krieg-kostet-die-deutsche-wirtschaft-in-diesem-jahr-175-milliarden-euro.html 先ほど経営者団体傘下のシンクタンクIW(@ケルン)から以下のような興味深い試算結果の発表がありました。 仮に戦争がなく、エネルギー価格高騰や供給ボトルネックといった問題が存在しなかった場合と比較すると、2023 年のドイツ経済の損失は付加価値ベースで約 1,750 億ユーロ(GDP の約 4.5% 相当、国民 …
20230124 ドイツ連銀月報の経済分析部分のエッセンスと週次ナウキャスト結果
先ほど今年最初のドイツ連銀月報がリリースされ、その経済分析部分をチェックしましたのでポイントをごく簡潔にご紹介します。 https://www.bundesbank.de/resource/blob/903314/8080f3e8eacb602143769da5de2c378c/mL/2023-01-monatsbericht-data.pdf 2022年第4四半期GDPは前期比ほぼ横ばいとなった感触で、予想(マイナスを覚悟していた)比上振れ。PHV, EVへの補助金圧縮前の駆け込み需要がかなりあった模様(販売、生産とも押上げ)。 (グローバル経済減速を背景に)最近は海外受注を中心に、製造業受…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2023/IW-Report_2023-Abh%C3%A4ngikeit-von-China.pdf ドイツ産業界のシンクタンクIW(@ケルン)から、ドイツ製造業の個別セクターの対中依存度を分析した興味深いデータが発表されています。調達(輸入)、販売(輸出)、雇用の3つの側面(評価が困難な直投は含まず)から分析したものです。 ポイントを以下簡潔にご紹介します。 ドイツ製造のサプライチェーン内における中間財調達の観点(最終財は除く)で見ると、 ・海外調達分中に占める中国…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2023/01/20230125-jahreswirtschaftsbericht-2023-wohlstand-erneuern.html https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Publikationen/Wirtschaft/jahreswirtschaftsbericht-2023.html 先ほどドイツ政府(経済省)から政府年次経済報告が発表され、ヘッドラインは以下の通りとなっていました。 2022年 2023年 2024年 実質GDP 1.9% 0.2%…
本日ifoから発表された「ifo輸出期待指数」がプラス圏にしっかりと回復してきています。最近ずっと悲観的だった化学業界で見通しが好転しているとのことです。恐らく、 ①海外経済の減速が恐れていたほどひどいものではなく(中国ゼロコロナ撤廃の影響も大きい)、 ②厳しい冬の到来によるエネルギー不足や価格高騰といった足かせも当面回避できそうだ、 ということがセンチメント改善につながっているものと思われます。 https://www.ifo.de/fakten/2023-01-26/ifo-exporterwartungen-gestiegen-januar-2023 コロナ後は同指数(赤)と実際の輸出(…
ifo Beschäftigungsbarometer gestiegen (Januar 2023) Fakten ifo Institut 先ほどifoから1月の「雇用バロメータ」が発表され、改善が続いていました。 業種別にみると、以下のような感触になっているようです。①製造業(左上)では、機械と電子中心に強気化②サービス業(右上)では、ITサービスで大手で解雇された人材を中小が積極採用③商業(左下)では、強気と弱気がほぼ拮抗④建設業(右下)では、業況が厳しい割には人手不足の方がまだ深刻 採用意欲を示している同バロメータは求人数(赤)の先行/同時指標になりますので、求人数が高水準で…
20230127 ドイツコロナ/インフル状況アップデート(インフルは終息)
7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)でみると ドイツ(青):79,日本(黄):389と日本の約1/5で落ち着いた状態です。 但し、死者数(人口100万人あたり直近)は引き続きやや多め(ドイツ9人、日本20人)です。 再生産数も最近再び1.0を上回ってきており、2月からマスク着用義務と隔離義務がほぼ撤廃されるだけに、かえって警戒が必要です。 再生産数の急上昇の背景に、中国初の変異種があるとまずいので、念のためRKI変異種分析レポートを確認しましたが、今のところ危険な変異種が増えてきている兆候はないもようです。変異種リスクについては、当面しっかり見張っていくつもりです。 ひとつ…
(赤:鳥肉、黒:豚肉、青:牛肉、2000年の生産量=100とするインデックス) https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_051_413.html 先ほどドイツ連邦統計局から2022年食肉生産統計が発表され、 豚肉(グラフ黒、シェア64%):4.5百万トン 前年比▲9.8% 牛肉(グラフ青、シェア14%):1.0百万トン 前年比▲8.2% 鳥肉(グラフ赤、シェア21%):1.5百万トン 前年比▲2.9% となっていました。 食肉生産は2017年頃から減少に転じており、これは環境意識や動物愛護意識の高まりに…
20230208 ドイツでもやや寒い日が続いていますが、急に厳冬に襲われることはなさそうです
最近平年並みに寒い日が続いています(下図黒線が平年比の気温)ので、予想外の厳冬到来でガス不足に陥るリスクが高まっていないかどうか、念のためチェックしておきました。 https://www.bundesnetzagentur.de/DE/Gasversorgung/aktuelle_gasversorgung/_svg/Indikator1_Temperaturprognose/Indikator_Temperaturprognose.html;jsessionid=C1FCD25AA695F4028CE28B7802DC13AB?nn=1077982 ドイツ気象庁のこちらの予測を見る限り、 2…
20230128 ドイツ経済省GDPナウキャスト、やや低下もまだ高水準
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter/2023/02/11-konjunktur-BIP-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=8 毎月下旬に発表される掲題ナウキャストは先月発表分からやや低下し、 昨年第4四半期:前期比プラス0.1%(前回比▲0.3%ポイント) 今年第1四半期:前期比プラス0.4%(同▲0.1%ポイント) となっていました。 今週発表されたばかりの同省年次経済報告(政府公式経済予測)ではこちらのチャートのような軌道(Q4フラット、Q1スモール…
<Japanese> ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、ドイツでも日本でも、企業の対中戦略が急ピッチで見直されています。今のように厳しい低成長環境下で、中国市場を自ら捨てる余裕など普通ありませんが、万一中国が台湾に侵攻すれば、ロシア同様の制裁発動により、販売市場としても調達源としても中国は一気に切り離されることになります。 あくまで私見ですが、企業の対中戦略見直しにおいては、①原材料・部品調達における中国依存をできるだけ引き下げる、②輸送ルートも含めて、サプライチェーンにおける中国リスクをできるだけ引き下げる、③中国での売上がなくなっても耐えられる財務体力を確保する、といった観点が最も重要な…
20230129 ビッグマック指数WEBサイトでユーロの有難み(対円)確認
www.economist.com 毎年1月と7月の下旬に、英エコノミスト誌がビッグマック指数を公表しています。WEBサイトに非常に便利なインタラクティブツールが提供されているので、大変便利です。出ているのに気づいたら、ちょっとだけでも自分いじってみることをお勧めします(上の画像のタイトル部分がリンクになっています)。 私はドイツで生活しているので、見ようによっては常にユーロ円の大きな為替ポジションを抱えていることになります。生活費でユーロを全額使いきっているならあまり気にする必要ありませんが、余資運用分の規模と帰国想定時期によっては、レパトリ送金が必要になるかも知れません。私はこの指数が出る…
今朝がたドイツ連邦統計局から掲題のような発表があり、弱目に見えますが、第3四半期が0.1%上方修正されているので、均せば事前予想の「ほぼフラット」と整合的内容でした。 とはいえ、Q3のプラス+0.5%からQ4のマイナス0.2%への落差は、モメンタムを相当失ってしまったことを意味しています。 今年第1四半期は結構厳しめのマイナス成長に陥る可能性があり(市場予想は▲0.5%程度)、3月に向けて成長モメンタムをしっかり見張っておく必要があります。 当ブログで定点観測している以下二つのナウキャストはその成長モメンタムが比較的堅調そうであることを示しています。 ①ドイツ経済省が毎月下旬に発表(下図は1/…
20230130 昨年ドイツで見つかったニセ札270万ユーロ(44千枚、昨年比+5.2%)
先ほどドイツ連銀から掲題のようなアナウンスがありました。 https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/mehr-falschgeld-im-umlauf-903742 コロナが落ち着いてきたので、各種イベントや市(いち)などが復活し、現金が使われる機会が増えることを狙ってきたものと思われます。 (グラフ横軸は半年刻み) ユーロ圏でも同様に前年比微増(枚数)となっています。 なお、100ユーロ札以上の高額紙幣は普段あまり使われず、ちょっとした異変でも気づかれやすいので、あまり意識せず頻繁に使われる50ユーロ札と20ユーロ札が最も狙われています。
つい先ほどドイツ連邦雇用庁から1月分のドイツ雇用統計が発表されました。 市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、▲15千人と市場予想(+5千人)比非常に強い内容でした。 本ブログで時々ご紹介しているオンライン求人数(青線)が絶好調であることと整合的です。ドイツ製造業がイマイチな中でもサービス業が健闘(赤線:サービス業売上)している一因となっています。 昨年6月からウクライナ難民を失業者カウント対象としたため少し押し上げられていた失業率も、上昇が完全に止まっています。 就業者数(1か月遅れなので12月分まで。上が総数、下が社会保険対象)は、10月+40千人、11月+36千人、12月+2…
20230201 昨年のドイツビール売上、前年比実質+2.7%
先ほどドイツ連邦統計局から掲題のような発表があり、「ついにビールが盛り返し始めたか?」と期待したのですが、やはり長期的な年間売上減少傾向は続いているようです(過去 10 年間で▲7.4%)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_042_799.html 以下インタラクティブチャートでは、各年の月次売上(単位:ヘクトリットルなので実質ベース)が1993年まで30年遡って確認できるようになっています。 やはり気温が高い5~8月の売上が自然と上がるようです(青色が濃い)。今年のカタールW杯は冬でしたし、人…
30年来の友人であり、心から尊敬するドイツ人エコノミストであり、私が現在住んでいるアパートの大家さんでもある、Dr. Wermuth のコメントをご紹介します。 ちなみに奥様は統計学のProfessorで、家事の多くは彼が引き受けているそうです。 wermutham.com ●ドイツでのEV普及は、北欧にはやや見劣りするものの、日本よりはるかに進んでいる。 ●インフレによる値上がり(電気代を含む)に加えて、今年から補助金が大きく削減され、EC価格が11~33%高くなるため、新車登録においては今年・来年と反動減が出る。 <台数> <シェア> EVで生き残りたければ、世界の過半を占める中国市場の特…
コロナ禍当時(2020年)の統計にはなりますが、先ほどドイツ連邦統計局からドイツ人の海外大学留学生数に関する統計が発表されました。 2020年は計133千人のドイツ人学生が海外の大学で留学(オンライン含む)。ドイツ大学生全体の約5%が海外で学んでいる格好。 コロナにもかかわらず、前年比の減少は比較的緩やか(前年比▲3.3%) 中国 (-4,700人、▲57.9%) と米国 (-3,900人、▲42.0%) で大きく減少 オーストリア (+3,600人、+11.9%) とオランダ (+2,100人、+9.2%) で増加 ドイツ人の海外留学人気トップ3は、オーストリア (34千人)、オランダ (2…
20230203 ドイツ経済の輸出・中国依存型ビジネスモデル、修正の方向性
掲題テーマに関するバイエルン州立銀行/調査会社Prognosの分析・提言のエッセンスを以下ご紹介します(メアド提供と引き換えにpdf入手可能)。 https://www.prognos.com/de/geschaeftsmodell-deutschland2023?mtm_campaign=GeschaeftsmodellDeutschland2023&mtm_content=button ●ウクライナ戦争、米中対立激化、パンデミックをきっかけに、グローバリゼーション逆流のリスクが高まっている。グローバリゼーションのメリットをフルに享受してきたドイツにとっては試練の時。 ●ドイツの財輸出はGD…
20230204 日本とドイツの銀行が今後目指すべき方向性について
<Japanese> ドイツのトップバンクであるドイツ銀行が先週決算を発表し、昨年通期の株主純利益が50億ユーロ(7,100億円相当)と2007年以来の高水準を記録しました。うち14億ユーロが税効果によるものだったとはいえ、長年のリストラが奏効し、ようやくしっかりとした黒字基調に戻ってきた恰好です。一方、日本のトップバンクであるMUFGは、円金利正常化の追い風もあり業績堅調で、2023年3月期は1兆円強の株主純利益を確保する見込みです。MUFGの先週末時点での時価総額は約12兆円で、ドイツ銀行の3.4倍もあります。それでもPBR(株価純資産倍率)でみると、MUFGで0.67倍、ドイツ銀で0.3…
20230204 キング・カズのポルトガル移籍はドイツでも結構報じられています
Ältester Fußballprofi der Welt: Mit fast 56 - "King Kazu" wechselt nach Portugal tagesschau.de ドイツのARD(第一公共TV)に出ていたので驚いて他のドイツメディアも見てみたのですが、以下の通り、結構あちこちで報じられていました。スキージャンプの葛西選手の時もそうでしたが、ドイツではこういったスポーツ界の「レジェンド」達を高くリスペクトし、好意的に取り扱います。 de.sports.yahoo.com www.msn.com www.sport.de www.msn.com www.sportbu…