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先ほどドイツ連邦統計局から、倒産件数(企業+個人の合計)の発表があり、先行指標(赤線)も含めて低位横ばい推移であることが確認できました。 (青:公式統計~2022年11月まで、赤:受付ベースの先行指標~2023年1月まで) 企業倒産件数は長期的に見ても2003年をピークに低下トレンドが続いています。 ちなみに、倒産とは直接関係ありませんが、オンライン求人件数(赤線)とレストラン予約件数(青線)は結構強い感じでの推移が続いています(共に日次リアルタイムデータ)。
ドイツの産業なくしてユーロなし Michael Hudson 2022年10月4日(火)9月26日(月)、Nord Stream 1と2のパイプラインのうち、4か所で妨害行為が行われたことに対する反応は、誰がやったのか、NATOはその答えを発見するために真剣に取り組むのか、という憶測が中心になっている。しかし、パニックになるどころか、外交的には大きな安堵のため息がもれ、冷静ささえ感じられる。前週、ドイツで制裁の解除とエネルギー不足解消のためのNord Stream 2の稼働を求める大規模なデモが行われ、危機的状況に陥りかけた米・NATO外交官の不安と心配は、パイプラインの稼働停止によって一掃さ…
20230211 ショルツ政権「Zeitenwende(ターニングポイント)」進捗状況
今週のWirtschaftswoche の特集記事(掲題)の内容をごく簡単にまとめておきます。非常に厳しい評価となっています。 ①戦争 ショルツ首相はプーチンのウクライナ侵攻前に外交でいろいろ奔走したものの、結局止められなかった。 ウクライナ戦争勃発後「ターニングポイント」宣言で、軍事積極方針に転換。 大きな予算はつけたもののうまく使われておらず、ウクライナへの武器提供の影響もあって、ドイツ国防軍の防衛力はボロボロの状態。 レオパルト2でブレークスルーを実現して好評のピストリウス新国防相の手腕に期待するしかない。 ずっと昔からEUは域内共通の外交と防衛の実現を目指しているが、全く機能していない…
20230210 昨年のドイツ観光関連宿泊件数、コロナ前の9割まで回復
(上から、①ホテル・ペンション、②長期休暇用宿泊施設、③キャンプ場、④その他) https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_055_45412.html 先ほどドイツ連邦統計局から観光関連宿泊件数統計が発表され、 2022年通年:4億5,080万件、2021年比+45.3%、2019年(コロナ前)比▲9.1% 2022 年12 月:2,750 万件、前年同月比+57.0%、2019年12月比▲11.2% となっていました。 上図の上から3番目、キャンプ場での宿泊(赤が2022年)はコロナをきっかけに人気化し…
「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)でみると、ドイツは日本の半分くらい(ドイツ95人、日本194人)。 呼吸器系疾患(ARE)全体としては昨年ピークを迎えた後、安定的に推移(赤線が今冬分の7日間指数、このうちコロナとインフルが足元各約1割、インフルは「流行終了宣言」済)。 変異種としてはBQ.1.1とXBB.1.5が増えてきているものの、いずれも毒性が強いものではなく、特段懸念なし。 ただし、実効再生産数(橙線)は最近ずっと1.0を上回っており、沈静化はまだまだ先になりそう。 ドイツでは昨日から(長距離近距離とも)電車・バス内でのマスク着用義務が全国で完全に撤廃されてい…
(紺:輸入全体に占める中国の割合、灰:同輸出、黄:対中貿易赤字年額~10億EUR) ドイツ経済研究所 (IW、経営者団体傘下、@ケルン) の推計(公式統計は未発表)によると、ドイツの対中貿易赤字は昨年841億ユーロ(GDPの2%強)に急拡大し、これは中国への過度の依存であり台湾有事の際に極めて危険と警鐘を鳴らしています。 2021年に既に対中赤字は394 億ユーロに達しており、危険視されていましたが、昨年はその2倍を超える規模に急拡大しています。世界有数の輸出競争力を誇る輸出大国ドイツですらこのような赤字になってしまうわけですから、尋常な状況ではありません。 ちなみに日本の昨年の対中赤字は5.…
週末からブンデスリーガの後半戦が再開していますが、会員(ファン)数を調べてみたところ、以下のことが判明しました。 ドイツの常勝クラブ:バイエルンミュンヘンは、約30万人のファンを抱えてダントツ(常に)トップ。 現在1部リーグ最下位で低迷するシャルケはドルトムントを上回る2位につけている(この2-3位争いはいつも激烈)。 ライプチヒは強豪(現在5位/全18チーム)チームであるにもかかわらず会員数が1000人未満と極端に少ないのは、チームオーナー(レッドブル)の経営方針として、資金調達をファンではなくスポンサーに求めているため(ドイツでは異質で批判も多い)。 <本日時点での順位表(1部リーグ)> …
<Japanese> 失業は一部の人の不幸にとどまるが、インフレは全員を不幸にすると言います。インフレで生活に必要なコストが年10%も押し上げられれば、低所得層を中心に多くの人々をたちまち生活苦に陥れ、ひいては「Cost of Living Crisis」という形の社会不安にもつながりかねません。 ドイツのインフレは、昨年10月に前年同月比+10.4%でピークを付け、2022年平均は+7.9%で着地しました。今年は政府によるエネルギーコスト肩代わり施策などによって、インフレが2%程度押し下げられるにも関わらず、それでも年平均で+6~7%と高止まりしそうなため、生活苦は一段と進む見込みです。足元…
先ほどドイツ連邦統計局から1月CPI速報の発表があり、 ドイツ国内(CPI)ベース : 前月比+1.0%/前年同月比+8.7% ユーロ圏共通(HICP)ベース : 前月比+0.5%/前年同月比+9.2% と、高水準ながらも市場予想は若干下回る内容となっていました。 速報では内訳が判らないので推察しかできませんが、12月の暖房費を1ヶ月だけ政府が一括肩代わりした反動と年初の料金改定(値上げ)幅が恐れていたほどではなかったということかと思われます。 近年のインフレの元凶であるエネルギー価格(CPI内のウェート約1割)も最近は落ち着いており、前月比を押し上げる要因にはなっていません。 現時点で最も権…
ドイツ政府の公式経済予測によると、今年、来年と失業率はほどんど上がらず、マクロベースで5%程度の賃金上昇が続くという見立てになっています。 ifoが昨年末人事担当責任者にとったアンケートによると、今年は全産業平均で5.5%程度の賃上げを覚悟しているとのことでした。 (全体:5.5%、製造業:5.0%、商業:5.9%、サービス業:5.6%。 水色の74~86%は各業態で賃金上昇を覚悟している人の割合) 月次で確認できる求人数は(最近やや減ったものの)過去最高レベルにありますし。。。: 日次で確認できるオンライン求人数は(青線)も高水準を維持しており、就業者数(赤線)の過去最高更新継続をサポートし…
20230120 ドイツの対中戦略見直し、落としどころ見えず前途多難
こちら↓のリンクから無料入手できるドイツ取引所新聞年末特集号の中の、ドイツ対中戦略見直し関連の記事(P45)のエッセンスを(いつものように私なりの言葉にかみ砕いて)ご紹介します。 https://daten.boersen-zeitung.de/download_jsa.php?variant=bz 万一中国が台湾に侵攻すれば、ロシア同様の制裁発動により、ドイツが高度に依存している中国から、販売市場としても調達源としても一気に切り離される。 しかし、自動車(中国は最大の海外市場)、機械(年170億ドルを中国に輸出)、電機(スマート部品の7-8割を中国に依存)、化学(海外売上の半分が中国)といっ…
20230120 ドイツ賃金交渉状況一覧表(2022年実績/2023年予定)
2022年以降のドイツの主な賃金交渉妥結結果と2023年の主な交渉予定は以下の通りです。今後も随時アップデートしていきます。 上記(主要なもの)以外のものを含むより詳細な交渉日程についてはこちらをご覧ください。 https://www.boeckler.de/pdf/pm_ta_2022_11_29.pdf
20230121 ドイツの3リスク定点観測(現時点では3つとも懸念小)
以下3つはドイツ現法におけるリスク管理の観点から、時々チェックしておいた方が良いと思いますので、リンクと併せてご参考まで。 ①気温/ガス備蓄~心配なし ここ数日かなり寒いですが、2月中旬までは 平年をやや上回る気温で推移する見込み(但し気象庁の自信度はやや低下) https://www.dwd.de/DE/leistungen/kvhs_de/1_basic_de/week_de/weekly_node.html ガス備蓄は引き続きベストシナリオを上回る水準 https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-s…
20230123 ドイツの液化天然ガスターミナル整備、順調に進捗
ドイツでは以下6つのLNGターミナル設置が進められており、そのうち現在3つ(上半分)が稼働し始めています。 この6つがフル稼働するようになれば、ロシアから調達していた分の半分くらい/需要全体の1/3くらいを補うことができる見込みです。 6つなんて多すぎる、という批判も根強いですが、将来的には水素利用に切り替えるので、目先はともかく長期的には脱炭素に直結しており、突貫で強行した投資も無駄にはならないということになっています。 但し足元の供給におけるLNGの貢献はまだまだ微々たるもので(右最下段)、本格稼働は来冬以降ということになっています。 足元やや寒い日々が続いているので、家庭の暖房需要(ガス…
20230123 戦争による2023年ドイツ経済損失はGDPの4.5%(IW研試算)
https://www.iwkoeln.de/presse/iw-nachrichten/michael-groemling-der-krieg-kostet-die-deutsche-wirtschaft-in-diesem-jahr-175-milliarden-euro.html 先ほど経営者団体傘下のシンクタンクIW(@ケルン)から以下のような興味深い試算結果の発表がありました。 仮に戦争がなく、エネルギー価格高騰や供給ボトルネックといった問題が存在しなかった場合と比較すると、2023 年のドイツ経済の損失は付加価値ベースで約 1,750 億ユーロ(GDP の約 4.5% 相当、国民 …
20230124 ドイツ連銀月報の経済分析部分のエッセンスと週次ナウキャスト結果
先ほど今年最初のドイツ連銀月報がリリースされ、その経済分析部分をチェックしましたのでポイントをごく簡潔にご紹介します。 https://www.bundesbank.de/resource/blob/903314/8080f3e8eacb602143769da5de2c378c/mL/2023-01-monatsbericht-data.pdf 2022年第4四半期GDPは前期比ほぼ横ばいとなった感触で、予想(マイナスを覚悟していた)比上振れ。PHV, EVへの補助金圧縮前の駆け込み需要がかなりあった模様(販売、生産とも押上げ)。 (グローバル経済減速を背景に)最近は海外受注を中心に、製造業受…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2023/IW-Report_2023-Abh%C3%A4ngikeit-von-China.pdf ドイツ産業界のシンクタンクIW(@ケルン)から、ドイツ製造業の個別セクターの対中依存度を分析した興味深いデータが発表されています。調達(輸入)、販売(輸出)、雇用の3つの側面(評価が困難な直投は含まず)から分析したものです。 ポイントを以下簡潔にご紹介します。 ドイツ製造のサプライチェーン内における中間財調達の観点(最終財は除く)で見ると、 ・海外調達分中に占める中国…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2023/01/20230125-jahreswirtschaftsbericht-2023-wohlstand-erneuern.html https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Publikationen/Wirtschaft/jahreswirtschaftsbericht-2023.html 先ほどドイツ政府(経済省)から政府年次経済報告が発表され、ヘッドラインは以下の通りとなっていました。 2022年 2023年 2024年 実質GDP 1.9% 0.2%…
本日ifoから発表された「ifo輸出期待指数」がプラス圏にしっかりと回復してきています。最近ずっと悲観的だった化学業界で見通しが好転しているとのことです。恐らく、 ①海外経済の減速が恐れていたほどひどいものではなく(中国ゼロコロナ撤廃の影響も大きい)、 ②厳しい冬の到来によるエネルギー不足や価格高騰といった足かせも当面回避できそうだ、 ということがセンチメント改善につながっているものと思われます。 https://www.ifo.de/fakten/2023-01-26/ifo-exporterwartungen-gestiegen-januar-2023 コロナ後は同指数(赤)と実際の輸出(…
ifo Beschäftigungsbarometer gestiegen (Januar 2023) Fakten ifo Institut 先ほどifoから1月の「雇用バロメータ」が発表され、改善が続いていました。 業種別にみると、以下のような感触になっているようです。①製造業(左上)では、機械と電子中心に強気化②サービス業(右上)では、ITサービスで大手で解雇された人材を中小が積極採用③商業(左下)では、強気と弱気がほぼ拮抗④建設業(右下)では、業況が厳しい割には人手不足の方がまだ深刻 採用意欲を示している同バロメータは求人数(赤)の先行/同時指標になりますので、求人数が高水準で…
20230127 ドイツコロナ/インフル状況アップデート(インフルは終息)
7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)でみると ドイツ(青):79,日本(黄):389と日本の約1/5で落ち着いた状態です。 但し、死者数(人口100万人あたり直近)は引き続きやや多め(ドイツ9人、日本20人)です。 再生産数も最近再び1.0を上回ってきており、2月からマスク着用義務と隔離義務がほぼ撤廃されるだけに、かえって警戒が必要です。 再生産数の急上昇の背景に、中国初の変異種があるとまずいので、念のためRKI変異種分析レポートを確認しましたが、今のところ危険な変異種が増えてきている兆候はないもようです。変異種リスクについては、当面しっかり見張っていくつもりです。 ひとつ…
(赤:鳥肉、黒:豚肉、青:牛肉、2000年の生産量=100とするインデックス) https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_051_413.html 先ほどドイツ連邦統計局から2022年食肉生産統計が発表され、 豚肉(グラフ黒、シェア64%):4.5百万トン 前年比▲9.8% 牛肉(グラフ青、シェア14%):1.0百万トン 前年比▲8.2% 鳥肉(グラフ赤、シェア21%):1.5百万トン 前年比▲2.9% となっていました。 食肉生産は2017年頃から減少に転じており、これは環境意識や動物愛護意識の高まりに…
20230208 ドイツでもやや寒い日が続いていますが、急に厳冬に襲われることはなさそうです
最近平年並みに寒い日が続いています(下図黒線が平年比の気温)ので、予想外の厳冬到来でガス不足に陥るリスクが高まっていないかどうか、念のためチェックしておきました。 https://www.bundesnetzagentur.de/DE/Gasversorgung/aktuelle_gasversorgung/_svg/Indikator1_Temperaturprognose/Indikator_Temperaturprognose.html;jsessionid=C1FCD25AA695F4028CE28B7802DC13AB?nn=1077982 ドイツ気象庁のこちらの予測を見る限り、 2…
20230128 ドイツ経済省GDPナウキャスト、やや低下もまだ高水準
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter/2023/02/11-konjunktur-BIP-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=8 毎月下旬に発表される掲題ナウキャストは先月発表分からやや低下し、 昨年第4四半期:前期比プラス0.1%(前回比▲0.3%ポイント) 今年第1四半期:前期比プラス0.4%(同▲0.1%ポイント) となっていました。 今週発表されたばかりの同省年次経済報告(政府公式経済予測)ではこちらのチャートのような軌道(Q4フラット、Q1スモール…
<Japanese> ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、ドイツでも日本でも、企業の対中戦略が急ピッチで見直されています。今のように厳しい低成長環境下で、中国市場を自ら捨てる余裕など普通ありませんが、万一中国が台湾に侵攻すれば、ロシア同様の制裁発動により、販売市場としても調達源としても中国は一気に切り離されることになります。 あくまで私見ですが、企業の対中戦略見直しにおいては、①原材料・部品調達における中国依存をできるだけ引き下げる、②輸送ルートも含めて、サプライチェーンにおける中国リスクをできるだけ引き下げる、③中国での売上がなくなっても耐えられる財務体力を確保する、といった観点が最も重要な…
20230129 ビッグマック指数WEBサイトでユーロの有難み(対円)確認
www.economist.com 毎年1月と7月の下旬に、英エコノミスト誌がビッグマック指数を公表しています。WEBサイトに非常に便利なインタラクティブツールが提供されているので、大変便利です。出ているのに気づいたら、ちょっとだけでも自分いじってみることをお勧めします(上の画像のタイトル部分がリンクになっています)。 私はドイツで生活しているので、見ようによっては常にユーロ円の大きな為替ポジションを抱えていることになります。生活費でユーロを全額使いきっているならあまり気にする必要ありませんが、余資運用分の規模と帰国想定時期によっては、レパトリ送金が必要になるかも知れません。私はこの指数が出る…
今朝がたドイツ連邦統計局から掲題のような発表があり、弱目に見えますが、第3四半期が0.1%上方修正されているので、均せば事前予想の「ほぼフラット」と整合的内容でした。 とはいえ、Q3のプラス+0.5%からQ4のマイナス0.2%への落差は、モメンタムを相当失ってしまったことを意味しています。 今年第1四半期は結構厳しめのマイナス成長に陥る可能性があり(市場予想は▲0.5%程度)、3月に向けて成長モメンタムをしっかり見張っておく必要があります。 当ブログで定点観測している以下二つのナウキャストはその成長モメンタムが比較的堅調そうであることを示しています。 ①ドイツ経済省が毎月下旬に発表(下図は1/…
20230130 昨年ドイツで見つかったニセ札270万ユーロ(44千枚、昨年比+5.2%)
先ほどドイツ連銀から掲題のようなアナウンスがありました。 https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/mehr-falschgeld-im-umlauf-903742 コロナが落ち着いてきたので、各種イベントや市(いち)などが復活し、現金が使われる機会が増えることを狙ってきたものと思われます。 (グラフ横軸は半年刻み) ユーロ圏でも同様に前年比微増(枚数)となっています。 なお、100ユーロ札以上の高額紙幣は普段あまり使われず、ちょっとした異変でも気づかれやすいので、あまり意識せず頻繁に使われる50ユーロ札と20ユーロ札が最も狙われています。
つい先ほどドイツ連邦雇用庁から1月分のドイツ雇用統計が発表されました。 市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、▲15千人と市場予想(+5千人)比非常に強い内容でした。 本ブログで時々ご紹介しているオンライン求人数(青線)が絶好調であることと整合的です。ドイツ製造業がイマイチな中でもサービス業が健闘(赤線:サービス業売上)している一因となっています。 昨年6月からウクライナ難民を失業者カウント対象としたため少し押し上げられていた失業率も、上昇が完全に止まっています。 就業者数(1か月遅れなので12月分まで。上が総数、下が社会保険対象)は、10月+40千人、11月+36千人、12月+2…
20230201 昨年のドイツビール売上、前年比実質+2.7%
先ほどドイツ連邦統計局から掲題のような発表があり、「ついにビールが盛り返し始めたか?」と期待したのですが、やはり長期的な年間売上減少傾向は続いているようです(過去 10 年間で▲7.4%)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_042_799.html 以下インタラクティブチャートでは、各年の月次売上(単位:ヘクトリットルなので実質ベース)が1993年まで30年遡って確認できるようになっています。 やはり気温が高い5~8月の売上が自然と上がるようです(青色が濃い)。今年のカタールW杯は冬でしたし、人…
30年来の友人であり、心から尊敬するドイツ人エコノミストであり、私が現在住んでいるアパートの大家さんでもある、Dr. Wermuth のコメントをご紹介します。 ちなみに奥様は統計学のProfessorで、家事の多くは彼が引き受けているそうです。 wermutham.com ●ドイツでのEV普及は、北欧にはやや見劣りするものの、日本よりはるかに進んでいる。 ●インフレによる値上がり(電気代を含む)に加えて、今年から補助金が大きく削減され、EC価格が11~33%高くなるため、新車登録においては今年・来年と反動減が出る。 <台数> <シェア> EVで生き残りたければ、世界の過半を占める中国市場の特…
コロナ禍当時(2020年)の統計にはなりますが、先ほどドイツ連邦統計局からドイツ人の海外大学留学生数に関する統計が発表されました。 2020年は計133千人のドイツ人学生が海外の大学で留学(オンライン含む)。ドイツ大学生全体の約5%が海外で学んでいる格好。 コロナにもかかわらず、前年比の減少は比較的緩やか(前年比▲3.3%) 中国 (-4,700人、▲57.9%) と米国 (-3,900人、▲42.0%) で大きく減少 オーストリア (+3,600人、+11.9%) とオランダ (+2,100人、+9.2%) で増加 ドイツ人の海外留学人気トップ3は、オーストリア (34千人)、オランダ (2…
20230203 ドイツ経済の輸出・中国依存型ビジネスモデル、修正の方向性
掲題テーマに関するバイエルン州立銀行/調査会社Prognosの分析・提言のエッセンスを以下ご紹介します(メアド提供と引き換えにpdf入手可能)。 https://www.prognos.com/de/geschaeftsmodell-deutschland2023?mtm_campaign=GeschaeftsmodellDeutschland2023&mtm_content=button ●ウクライナ戦争、米中対立激化、パンデミックをきっかけに、グローバリゼーション逆流のリスクが高まっている。グローバリゼーションのメリットをフルに享受してきたドイツにとっては試練の時。 ●ドイツの財輸出はGD…
20230204 日本とドイツの銀行が今後目指すべき方向性について
<Japanese> ドイツのトップバンクであるドイツ銀行が先週決算を発表し、昨年通期の株主純利益が50億ユーロ(7,100億円相当)と2007年以来の高水準を記録しました。うち14億ユーロが税効果によるものだったとはいえ、長年のリストラが奏効し、ようやくしっかりとした黒字基調に戻ってきた恰好です。一方、日本のトップバンクであるMUFGは、円金利正常化の追い風もあり業績堅調で、2023年3月期は1兆円強の株主純利益を確保する見込みです。MUFGの先週末時点での時価総額は約12兆円で、ドイツ銀行の3.4倍もあります。それでもPBR(株価純資産倍率)でみると、MUFGで0.67倍、ドイツ銀で0.3…
●ガス備蓄は引き続きほぼベストシナリオ並みの高水準を維持 ●気温は3/5まで平年を数度上回る(厳冬にはならない)見込み ●とはいえ、最近結構寒かったので、節約度合いは大幅に低下 ●欧州近隣諸国でもガス需給状況は安定的 ●欧州天然ガス国際価格(TTF)は、危機前(2021年)比まだ3.3倍と高いながら、前年同期比では▲27%まで低下 ●ドイツ国内小売価格も同様に、危機前(2021年)比まだ2.6倍と高いながら、前年同期比では▲11%まで低下(CPIに占めるガスのウェートは1.4%) <データソース> ZEIT ONLINE Lesen Sie zeit.de mit Werbung oder…
20230206 中国偵察気球問題についてのドイツメディアの報道ぶり
ここ数日私が見聞きしているドイツ主要メディアでの報道ぶり(論点)をざっとご紹介します。今朝のハンデルスブラット(上図)が1面中央に写真入りで掲載している通り、(その後トルコの大地震などもありますが、ほぼ)トップニュースとして扱われています。 米中間の対話が始まろうとしていた矢先に起こった大変残念な事件。中国は内政問題から目をそらすために必要以上に対外強硬に出そう。 バイデン政権に対しても国内外の反中国勢力からの圧力が高まりやすい(「もっと早く撃墜すべきだった」という米国民の意見が多いことも紹介)。 従って予測不可能なエスカレーションのリスクが大変心配である。 米中対立の一層の激化はもはや不可避…
インフレと金利上昇のダブルパンチでドイツの建設受注が急減しています。 直近2022年11月分はインフレ調整後実質ベースで、前月比▲5.6%/前年比▲12.7%となっています。 ドイツ建設業協会(ZDB)は連日のように以下のような悲鳴を上げています。 ①建設全般(2/1) www.zdb.de エネルギー危機のため、建築資材価格が急騰。特に鋼材類は前年比4割増。 建設費高騰分は価格転嫁せざるを得ず、その結果、例えば2022年の新築住宅価格は前年比で年平均16.4%と1958年の調査開始以来最大の上昇。 価格が上がれば当然需要は減少するが、このままだと供給側が生産能力削減を強いられる。 そうなると…