明治時代以降次第に解禁されていったようですが、それまでの社寺や霊山などでは 「女人禁制」、つまり女性に対する入山禁止を原則としていました。 そこには、現代における「女性差別」とか「女性蔑視」とはいささか意味合いの 異なる「信仰上の理由」があったとされています。 そうしたとこ...
明治時代以降次第に解禁されていったようですが、それまでの社寺や霊山などでは 「女人禁制」、つまり女性に対する入山禁止を原則としていました。 そこには、現代における「女性差別」とか「女性蔑視」とはいささか意味合いの 異なる「信仰上の理由」があったとされています。 そうしたとこ...
重さや長さなどを表わす「単位」は、当然ながら日本史にもいろいろな形で 登場しています。 では、そうした単位のうちに「速度(スピード)」を表すものあったものでしょうか? 現代でいう「時速〇km」といった類の単位のことです。 それを表すために必要な要素、「距離」と「時間」につい...
「隠密」(おんみつ)とは、こう説明されています。 ~主君などの密命を受けて秘かに情報収集などに従事する者~ 要するに「隠れてヒッソリ秘密裏に」ということですから、現代風にいうなら 「スパイ稼業」、つまり秘密諜報員/地下工作員/産業スパイもどきのイメージに なるのでしょうか...
今までそのすぐ目の前を割合よく往き来していたのに、これまでとんと無関心で 無頓着にやり過ごしていた場所が、なんと「史跡」とされていることを知って ちょいとばかり驚いた次第です。 ~へぇ、こんな狭っ苦しい場所が史跡だってか~ さて、その場所は、国道一号線を跨いで熱田神宮の南西...
いつもの通り、お話は古今東西いろいろに飛び散ることになりますが、 さてこんな説明にぶつかりました。 ~(革命とは、)被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、 政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。 また漢語の「革命」の語源は「天命が改まる」の意味で、王朝交...
面白いから読め読めとの、ちょいとした強要をひょんなことから受けるハメに なりました。 それが井原忠政著『三河雑兵心得』シリーズ(双葉文庫)であって、そうした経緯から 今回のそのうちの「拾四/豊臣仁義」のなかの一文から話題をつまみ出して みることにした次第です。 ともかく、シ...
とある選挙の開票結果を伝えるTV画面をぼんやり眺めていました。 当選が決まるや、その選挙事務所に集まった支持者たちと万歳を繰り返す光景は、 相も変わらずというところでしたが、ところが昔はお約束のように行われていた 達磨に目を入れるパフォーマンスはありませんでした。 そういえ...
~野見宿禰(のみのすくね)は、土師氏の祖として『日本書紀』などに登場する 古墳時代の豪族である~ ひょっこりのこと、Wikipediaにこう説明されているのをみつけました。 しかしちょっと待てヨ、この名前、どこかで聞いた覚えがあるゾ。 ということで、その「野見宿禰」なる...
筆者の生息地・尾張にはこんな言葉があります。 「尾張名古屋は城で持つ」 こんな意味合いだと説明されています。 ~江戸時代に流行した俗謡の一節で、名古屋城を自慢する言葉~ その名古屋城本丸は周りを堀で囲まれており、もう少し丁寧に眺めると、その堀の 外側の位置にニケ所の「金シャ...
「神も仏もない」 これは世の無情、たとえば、大きな不運や不幸に見舞われたりしたことを嘆くときに、 よく使われる言葉です。 要するに、 ~この世の中に、慈悲深い神サマや仏サマが確かに存在してくれているのなら、 これほどまでの不運・不幸に見舞われることはないはずだ~ こうした...
徳川幕府歴代15人の将軍には、正室の他にもそれなりの人数の側室がいました。 その歴代分の全部を合算すると一体何人になるのかは知りませんが、その中に たった一人だけ、極めて異例で「例外」的な扱いを受けた女性がいます。 二代将軍・秀忠(1579-1632年)の正室・お江サン(1...
拙宅からトボトボ歩いて15分ほどの場所に「七里の渡し」(宮の渡し)跡があります。 さて「七里の渡し」とは、その昔の街道である東海道五十三次の第41番目の、 ここ「宮宿」から次の第42番目「桑名宿」までの概ね七里(28km)の距離を船で渡る、 東海道唯一の海路を指しており、そ...
今回のお話の主はオギュー・ソライ。 ちょっと聞いただけだと、あたかもフランス人あたりの名のようにも感じられますが、 実は歴とした日本人の名前で、漢字で表すなら 荻生徂徠(おぎゅう・そらい/1666-1728年)となります。 どんな人物なのか。 ~江戸時代中期の儒学者・思想家...
なにげに手に取った本にこんな一節がありました。 ~特に宝暦四年(一七五四)、六角獄舎前で古医方の医師・山脇東洋たちが 行った国内初の人体解剖は、漢方医学の誤りを糺し、洋書の正しさを 証明した画期的事跡~ 澤田瞳子・短編「人待ちの冬」 ところが、うすらボンヤリながらもそれ...
播磨国赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(1667-1701年)が、江戸城松之大廊下において、 高家旗本(高家肝入)・吉良上野介吉央(1641-1703年)に斬りかかるという 由々しき事件を引き起こしたのは元禄14年3月14日(1701年4月21日)のことでした。 当日の江戸城が朝廷...
江戸時代の作家・俳諧師である井原西鶴(1642-1693年)には、俳諧を 短時間・大量創作することに挑んだ時期があって、1677年には一昼夜でなんと 1600句という記録を打ち立てたとされています。 ところが、どんな分野にもそうした記録に対抗心を燃やす者は出現するもので、 ...
さて皆様は歴史に登場する言葉それぞれの違いについてよくご承知でしょうか。 例えば、よく似た文字が並ぶ以下の言葉です。 〇公家(くげ) 〇公卿(くぎょう) 〇公暁(くぎょう/こうきょう/こうぎょう) えぇ、かく申す筆者自身はかなりのオタオタ状況に陥ってしまうほどの、いわば...
明治時代に入る以前のこと、熱田神宮の東方には「精進川」が南北に流れていました。 明治初期頃のその姿は、このように記録(1879年/明治12)されています。 ~精進川 村(3村合併の常盤村)ノ西方ニアリ 常水二尺(水深約60cm) 幅二間半(約406m) 緩流ニシテ清且淡...
新年おめでとうございます・・・今年もよろしくお願いいたします。 お約束のご挨拶はこれくらいとして、さて、新春ということもあって、 本年最初の話題として、めでたいテーマを選びました。 ズバリ「宝船」と今年の干支である「蛇」と、そして「七福神」です。 ええ、どれも年賀状イラスト...
時折耳にする~日本の常識は世界の非常識~という感覚は、何とはなく信仰の面にも 当てはまる気がします。 たとえば、キリスト教やイスラム教などのいわゆる「一神教」に対して、日本の場合は、 「八百万神」と言われる数多の神々を祀っています。 「一神教」の世界からしたら、こうした日本...
とんと知りませんでしたが、こうした講演会が地元で開催される旨のお知らせが ひょっこりLINEに入りました。 〇講師・講演/千田嘉博 「桶狭間の戦いと大高城」 〇日時・会場/2024年12月21日㈯ 13:00→15:30 名古屋市教育センター講堂 〇申込・定員/定員800名...
筆者の生息地・熱田では、地元の熱田についてもっとよく知ろう、もっとよく 知って貰おうとの趣旨のイベントがこ数年続けて開催されています。 うっかりすると噛みそうなタイトルですが、「あったか!あつた魅力発見市」と 銘打っています。 もっとも、こうした地元の啓発・情報発信という...
たまたまの用事でとある超長老宅へ伺った時のこと、床の間の掛け軸にひょいと 目が留まりました。 そんな折に、たまたまのことWikipedia記事に同じ図柄を見つけたのです。 そうした御縁もあって、すこぶる安易な姿勢でなんとも申し訳ないのですが、 それを今回のテーマに取り上げる...
ひょんなことから、いわゆる「子孫」に対する呼び方を探ってみることになりました。 「自分自身」を基準の「0世代」として眺めた場合、1世代下るごとにそれぞれが どんな呼び方になるかということです。 1世代目=子/2世代目=孫/3世代目=曽孫/4世代目=玄孫(げんそん やしゃご)...
組織のトップに征夷大将軍を据える形の「幕府」という政治方式を採用した 武家政権は、日本の歴史上に三つ登場しています。 しかも、そうした幕府の名称がそのまんま日本史の時代区分の名称にも採用されて いるわけですから、このことはかなり重大な意義を持つものと思われます。 念のため...
最初にこのお話を知ったときには、てっきりよくある歴史ヨタ話の類かと思いました。 しかしどうやら然にあらずで、逆に歴とした史実ということです。 そこで幾分の前説を加えながら、そのお話を取り上げてみた次第です。 さて奈良時代以降の天皇の命令には「詔」とか「勅」があって、それらの...
10月のアメリカ大統領選挙に続き、11月に入ってからは国内の衆議院選挙、 さらには、その経緯が話題になった兵庫県知事選挙、ついでのことに筆者の 生息地での名古屋市長選挙と、このところあれこれの選挙が慌ただしく続きました。 そして結果といえば、アメリカ大統領選は事前予想されて...
日本人が一番好きな演劇は、最大公約数的になら「忠臣蔵」に落ち着くのかも しれません。 その源泉を辿ってみると、実際に起こったいわゆる「赤穂事件」(1701-1703年)を 題材にした芝居「仮名手本忠臣蔵」がメッチャの大人気を博したことに行き当たり そうです。 始まりは人形浄...
江戸幕府第二代将軍である父・秀忠(1579-1632年)とともに上洛(1623年)した 徳川家光(1604-1651年)は、朝廷より,将軍宣下を受けました。 第三代将軍の誕生です。 そして二年後、大御所だった秀忠が死去した際には再びの上洛を果たしました。 その大きな目的の...
前回の「信長塀」に続いて今回も話題は熱田神宮の境内散策になります。 しかし、どうやら以前にも同じようなテーマを扱ったことがあったようですが、 書き終わるまでてんで気が付かなかったという為体でしたから、まあそこは ゴメンナサイよ。 で、前回の「信長塀」の場所から北を向いてみま...
筆者のお散歩コースのひとつに熱田神宮があります。 鬱蒼とした杜になった境内を散策するものですが、実はこの場所は歴史あるいは 伝承などの宝庫でもあるのです。 そんな中から、今回は「信長塀」取り上げることにしてみました。 その名称にある「信長」とは、もちろん戦国時代の大英傑であ...
用事があってふらっと自転車でお出かけしてみると、普段は通過するだけの商店街の雰囲気が いつもとはちょいと違っていました。 目立つ場所に「〇〇(商店街名)まつり」のポスターがあって、ついそれに 目が移ったのです。 「魔が差す」って、こういうことを言うのかもしれません。 そこに...
江戸幕府第三代将軍・徳川家光(1604-1651年)のエピソードには割合ユニークに 感じられるものも少なくありません。 たとえば、将軍職に就任した際に諸大名に発したこんな言葉。 ~余は生まれながらの将軍である~ 将軍になる人自体が非常に稀である上に、そこに「生まれながらの...
異国の宗教である「キリスト教」が初めて日本に伝わったのは戦国時代のことと されています。 ~1549年にカトリック教会の修道会であるイエズス会のフランシスコ・ザビエルに よる布教~ これが最初だとされ、教科書などもこの内容をもって定説としているようです。 これを逆に言うなら...
織田信長>鳴かぬなら・殺してしまえ・ほととぎす 豊臣秀吉>鳴かぬなら・鳴かせてみせよう・ほととぎす 徳川家康>鳴かぬなら・鳴くまで待とう・ほととぎす ホントに御本人が詠ったかものかどうか、そこいらへんはいささか怪しく感じられる ところもありますが、戦国の英傑とされる御三方の...
あれこれの異説もあるようですが、通説に従えば初代・神武天皇から第44代・元正天皇 までの歴代天皇の諡号は、淡海三船なる人物が一括で付けたものとされています。 とはいうものの、第39代・弘文天皇はその中に含まれていません。 それはある意味当然なことで、明治時代になるまでその「...
まっこと突然ですが、漢字「殿」の読み方を幾つご存知でしょうか? ネット上のgoo辞書で確認してみると、こんな説明になっています。 〇音読み/デン・ テン 〇訓読み/との・ どの これらはどちらも一般的な読み方で、特段のビックリはありません。 ところが例外的な訓読みもあって...
筆者の生息地・名古屋において少し先に「相国寺展」なる催しが予定されていることを つい先日の地元新聞の日曜版(2024・09・24)特集記事で知りました。 よく見ると主催者の一覧にその地元新聞社の名もあったので、ある種の「宣伝記事」 ということかもしれません。 この記事の総タ...
筆者が常の生息地としている「名古屋市熱田区」の地で有名な場所と言えば 「熱田神宮」を挙げる人も少なくありません。 なにせ、この国の始まりの始まりである「天孫降臨」の際にアマテラス(天照大神)が 孫のニニギ(瓊瓊杵尊、邇邇芸命)に授けた三種類の宝物、いわゆる「三種の神器」の ...
現在の「令和」とか、さらにその前の「平成」や「昭和」など、年を示すのに用いる 名前を「元号」(げんごう)と称しています。 他にも、「和暦」(われき)とか「年号」(ねんごう)との言い方もあるようですが、 では、最初の「元号」はいつ始まったものでしょうか? この事件が起こったこ...
先日昼メシに入ったお店の屋号が誘い水となって、今回の話題をなんと 「三八式歩兵銃」にした次第です。 臨機応変というべきか行き当たりばったりというべきか、そのへんのところはよく わからないのですが、まあ毎度のことでもありますので各位様におかれましては 今回も気持ちを強く持って...
江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜が政権返上を明治天皇へ奏上し勅許された、いわゆる 「大政奉還」がなされたのは1867年のことでした。 歴史区分の説明なら「江戸時代が終わって明治時代が始まった」という表現になる のでしょうか。 「太平の眠り」の中で「黒船来航」(1853年)に遭...
「赤いキツネと緑のたぬき」との名称を持つ和風カップ麺商品があります。 製造販売元は「東洋水産」で、正式名称は頭にブランド名「丸ちゃん」を冠した、 「マルちゃん 赤いきつねうどん」、「マルちゃん 緑のたぬき天そば」となるとの ことです。 普段はあまり思い出すこともない、この「...
あまり楽しい話題ではないので、好みに合わないと感じた場合は、迷わず ちゃっちゃとスルーしちゃってください。 かく申す筆者自身もまた、そうした箇所ははハナからスルーすることにしています から、気兼ねはとんと無用に願います。 さて、今回取り上げる話題は「極刑」ということで、こん...
これまでまったく無頓着だったのですが、ひょんなことから「戦国時代の三大梟雄」 なんて見方があることを知りました。 でもなんですか? その聞き慣れない「梟雄」(きょうゆう)って? 文字通りに「梟」(ふくろう)の「雄」(オス)のことかと思いきや、実はこんな 説明になっていました...
日本史的にはあまり有名ではなさそうですが、江戸期にこんな人物が登場しています。 志摩国・鳥羽藩の第二代藩主・内藤忠政(1615-1673年)。 子供たち数多く儲けたようで、諸情報を整理してみるとこのくらいになっています。 〇長男・忠次(1645-1704年) 後に病気により...
鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147-1199年)が開催した富士の巻狩り(1193年)の際に、 工藤祐経(1147?1154?-1193年)を父親の仇として討ったのは、曾我十郎・五郎の 兄弟でした。 「ちなみに」を補足をするなら、そこで催された「巻狩り」とはこんなことでした。...
ネットであちらこちらを徘徊していたところ、たまたまのこと、いわゆる 「三種の神器」についての案内に出くわしました。 ~天皇の践祚に際し、この神器のうち、八尺瓊勾玉ならびに鏡と剣の形代を所持する ことが皇室の正統たる帝の証しであるとされ、皇位継承と同時に継承される~ この「...
合戦頻発という乱世の最中ということもあって、こんな身体つきになっていたようです。 ~片目の上に、顔には多数のキズ痕、片足や手指も創傷によって欠損していた~ 度重なる参戦による「名誉の負傷」ということでしょうが、ちょっとばかり迫力を 感じさせる容姿・風貌です。 その持ち主は、...
昔々の大和民族は太陽を特別な存在として崇め、なおかつそれに対する篤い信仰心を 備えていたように、筆者は考えています。 なぜなら「天照大神」、分かりやすい言葉なら「天空を照らす」太陽を最高の神と して位置付けているからです。 その太陽は、よほど特殊な事情がない限り東から上って...
~沖の暗いのに白帆が見ゆる、あれは紀ノ国ミカン船~ このとき「舅の高松河内から大金を借りてミカンを買い集め、家に残ったぼろい大船を 直し、荒くれの船乗り達を説得し命懸けで嵐の太平洋に船出した」とされる 紀伊国屋文左衛門の様子はこう唄われました。 では、なんでまたそんな「命懸...
さて、お遊び半分のクイズです。 活動時期には前後100年ほどの開きがある方々ですが、以下の四人には、 共通点があります。 ではそれはなに? 〇山上憶良(660?-733年?)貴族・歌人 〇吉備真備 (695-775年)右大臣・公卿・学者 〇最澄 (766?-822年...
何年も前のことですが、とある年配者との間でこんな言葉が話題になったことが ありました。 ~武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり~ そして、その時の筆者がこんな感想を漏らしたのを、なにがキッカケだったか、 最近ひょいと思い出したのです。 ~武士って、こりゃまた凄い覚悟を持って毎日...
最近はあまり見かけない風景になっていますが、かつては願い事を叶えるための 「御百度参り」をする人も少なくありませんでした。 ところが、現代では逆に、こんなお問い合わせが出ることもありそうです。 その「御百度参り」って、いったいなんのことですか? そこは気の効く筆者ですから、...
つい最近のことですか、美術に(も)疎い筆者はこんな恥っかきをしてしまいました。 たまたま数人で雑談していた折のこと、なにがキッッカだったのか、ともかく話題が 「風神雷神」に及んだのです。 ええ、その時にお互いが揃ってイメージしたのは、いわゆる「風神雷神図」と呼ばれる 絵に描...
メタボ系との噂が囁かれている(らしい)筆者の発言としては、まことにおこがましい ものがありますが、現代日本人がすっかり失念していることの一つに、 「食べる物がなんにも無いッ!」という環境を挙げてもいいように思います。 いささか品薄傾向に陥ることはあるにせよ、それでもスーパ...
たまたま数人が集まった折のこと、その中の一人からこんな質問が。 ~ウィキペディア(Wikipedia)を日本語で言うと、どうなるんきゃあ?~ オジンギャグ好きな一人が咄嗟にこう返しました。 ~もんなもん、シンプルに「浮きペデ屋」でええんでにゃあの~ 双方が尾張言葉だったの...
真夏日当日のことでしたが、何気にTVを見ていたら、筆者には聞き慣れないこんな 言葉が耳に入ってきました。 「クールシェアスポット」・・・ 筆者がピンと来ていないことを察知したものか、TV側も補足説明のオマケです。 そのオマケを整理し直すと、 ~夏の暑さを忘れられるような、身...
たとえば、何かしらの面倒に巻き込まれそうになったときなど、日本ではこんな 言葉が使われることも珍しくありません。 ~三十六計逃げるに如かず~ 自分の形勢が不利になりそうなときは、あれやこれやの思案を巡らすよりは、 そうした局面からさっさと逃げてしまうのが得策であるといったい...
戦国三英傑の一人である徳川家康(1543-1616年)を描いた一枚の絵。 杓子定規風には『徳川家康三方ヶ原戦役画像』、また愛称風には『顰(しかみ)像』 とも呼ばれている、まあ割合に良く知られたといってもよさそうな肖像画が、 実は筆者の生息地・名古屋の「徳川美術館」に所蔵され...
ひょっこりのお誘いがあって、国史跡「斎宮跡」の見学旅行に参加してきました。 参加者数は20人チョイ弱で、行き先は筆者の生息地・愛知県のお隣である三重県、 さらに詳しくなら、多気郡明和町になるとのことです。 それはいいとしても、何ですか? そもそも、その「斎宮跡」って? 準備...
筆者はとんと知らなかったことですが、英語には「3R's」(スリーアールズ)という 用語・概念があるそうです。 でもなんですかぁその「3R's」って? ひょっとして、近年大きな関心を集めている「3R」、つまり、 /recycle(リサイクル)再資源化/reuse(リユース)...
日本史には「江戸時代の三代改革」とされる出来事があります。 ~幕藩体制の動揺という事態に対応して、18世紀以降に質素・倹約を基本にして 財政再建・農村維持・商業資本掌握などに取り組んだ幕政の改革~ 大雑把ならこのくらいの説明になりそうです。 しかし折角ですから今回多少の補...
多分ちょっとしたシャレのつもりだったのでしょうが、顔見知りのオジサンが こんなセリフを吐きました。 ~拙者の趣味は御朱印、そして生い立ちは内を隠そう、ご落胤なのだ~ 御朱印と御落胤ってかぁ。 発音が少し似ているというだけのその対比には、とてもじゃないがセンスが 感じられな...
日頃は何気に使っている言葉にも、いざその意味合いを定義せよ説明せよとなると、 ちょっと答えに詰まってしまうことも少なからずあります。 自分なりにはその概念はしっかり把握しているつもりなのに、言葉としては巧く 表せないということです。 筆者の場合なら、たとえば「高級ブランド」...
筆者が生息する地域には「熱田神宮」があります。 ええ、このように説明されることが多い由緒ある神社です。 ~三種の神器の1つである草薙剣(天叢雲剣)を祀る神社として知られる~ そして、その歴史について言えば、実はつい10年ほど前の2013年に、なんと節目に 当たる「創祀千九百...
実質的に天下の雄となった織田信長(1534-1582年)が家臣・明智光秀(1528-1582年) による謀反「本能寺の変」(1582年)であっけなく倒れたことで、その後の情勢は 信長の家臣であった羽柴秀吉(豊臣/1537-1598年)と、信長とは同盟者の立場に あった徳川家...
何物についても「日本三大◯◯」という表現はあるようで、例えば先日はなどは 「日本三大灯籠」なんてものにぶつかって、かなりマニアックな「三大」が あるものだと、ある意味感心したものです。 お話のついでに、その「三大灯籠」についてもちょっと触れておくと、それは こんな案内になっ...
数年前のことですが、生前に譲位された天皇が「上皇」となられた際にメディアは こんな案内をしました。 ~天皇が生前退位するのは約200年ぶりのこと~ そうかもしれんなぁ。 現上皇の先代である第124代・昭和天皇(1901-1989年)も、またその先代の 第123代・大正天皇...
「和」を説き、さらには「仏教」を保護したという事跡を承知しているせいか、 少なからずの人が、「聖徳太子」(574-622年)の人柄には、平和で穏やかという イメージを持っています。 しかし反面で、政治家としての太子が厳しい「軍事的決断」を迫られる場面に遭遇した ことも、当然...
この国では長い間、天皇が至高の存在とされてきました。 現代日本人の意識はともかくとして、民族の歴史的な信仰心という点ではそのように 表現しても構わないのでしょう。 なぜなら、その信仰心は~天皇とは天から降臨された天照大神の御子孫である~と しているからです しかも、この国の...
戦国群雄の世を最終的に把握した徳川家康(1543-1616年)には高齢になってから 儲けた三人の男子がありました。 長幼の順にこうなります。 〇九男・義直(1601-1650年)/尾張名古屋藩の初代藩主。 〇十男・頼宣(1602-1671年)/紀伊和歌山藩の初代藩主。 ...
世界的にはほとんどが「丸い形」をしている金貨ですが、大判・小判と呼ばれる 日本の金貨はなぜか「楕円形」をしています。 もっとも正確に「真・楕円形」なのか言えば、実はそうでもありません。 これは精密な計測をしなくても一目瞭然で判断できるところです。 では表現を変えて、長方形の...
昨今の日本の漁業環境には大きな変化が見られるそうで、その原因のひとつに 考えられているのが“海の温暖化”のことです。 たとえば過去30年を比較した場合、なんでも海水温が2~4℃ほども高い海域がグンと 増えて、しかもこうした傾向がここ5年ほど続いているとされています。 そのた...
戦国の世では、いざ戦さともなれば普段は農作業に従事している農民たちが 「徴収兵士」として駆り出されました。 「専業兵士」という存在がまだない時代ということもあって、これは領国を維持・ 保全するためには止むを得ない方法でした。 しかしその場合には、いささかの不都合もありました...
長さを示す一対の言葉として最初に思い浮かべるのは、やはり「長/短」になります。 ところがこれには例外もあるようで、たとえば衣料系などは「長/半」になることが あります。 たとえば、シャツの「長袖/半袖」がそうですし、最近はあまり使われなくなった 言葉とはいえ、「長ズボン/半...
いわゆる「天孫降臨」は、一般的にはこのくらいに説明されるようです。 ~皇室の御先祖が高天原から天降り、この国を豊かにそして平和に治められていく 様子を語り伝えるもの~ そしてこの際に天照大神から弟の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト/以下ニニギ)に 授けられたとされるのが「三種神器...
いまさらの感がありますが、いくつかのTV時代劇を観て、ひょいと気が付きました。 ~戦国時代と江戸時代の武士の座り方には違いがあるゾ~ もっともソファーに腰を下ろすシーンはあまり見かけませんから、つまりは 正座(せいざ)と胡坐(あぐら)のことになります。 「正座」というからに...
自らが創業して以来、長きにわたってワンマン体制で臨んできた初代社長は、 二代目以降の後継社長について、こんな腹積りを持っていたようです。 ~弱肉強食の時代も終わってのだから、ワシのようなワンマン経営はもう必要が なくなった。 だからして、次代以降の社長たちは経営実務を...
世界の中でも、これほど「太陽/お日サマ」にこだわりを持つ民族はそうそういない のではないでしょうか。 えぇ、この列島に棲んでいる、いわゆる「日本民族」のことです。 まず、その国の名前からしてが、「日本」(日の本)にしているという厳然たる事実が あります。 そして、この「日」...
つい最近のこと、思いがけない出来事が重なる経験をしました。 「重なる」という以上は、複数の出来事がほぼ同時に起きなくてはなりません。 筆者の場合だと、その一つ目がまずDVD映画で、二つ目がWikipediaでした。 普段はまずしないことなのですが、身の回りの片付け物に精を出...
「現代日本人」が「昔の女性の生活ぶり」を知る方法は、結局のところ書物・絵画 などの史料や、映画やTVドラマなどの作り物を通じてであり、これは仮想体験とは 言えても、決して実体験ではありません。 ですから、知った気分になっているだけだとも言えそうです。 その上に、江戸時代やそ...
最近はあまり耳にする機会がありませんでしたが、ぼんやりTVニュースを眺めて いた時についつい思い出した言葉があります。 「あぶくぜに」・・・漢字なら「泡銭」と書きます。 そして、その意味は、 ~働かずに、または正当な労働によらないで、あるいは不正な手段によって得た金銭~ 勘...
~古典文学『太平記』の名場面のひとつで、国語・修身・国史の教科書に必ず載っていた 逸話であり、いわゆる戦前教育を受けた者には大変有名な話であった~ こんな説明に接したとしても、その「戦前教育を受けた者」になる方々が今や 絶滅危惧種?並みの現在では、その「大変有名な話」の有...
随分と迂闊なことですが、つい最近になって、日本と外国との相互間の、いわば 「歴史の同時性」という面で、筆者には随分と疎い面があることに気付いた次第です。 何を言いたいの? たとえば、こういうことです。 海の向こうでかのシェークスピアが活躍をしていたその時代に、日本国内では一...
(一応は)平和な環境にある21世紀の現代日本には、20世紀に親しまれた軍歌や 戦時歌謡曲がほぼほぼタブー視されているような雰囲気があります。 確かにその点には微妙なものがあるようで、誰かがついうっかり「ボクは軍歌が 大好きです」なんて漏らそうものなら、もうそれだけで「戦争好...
~武士Aが従弟であり同僚の武士Bの妻Cに横恋慕し、その挙句に殺人を犯した~ 現代なら、さほどに珍しいとも思われないお話ですが、「武士」が登場している のですから、お話は昔の昔のことに違いありません。 その辺にいささかの興味を覚え、今回ちょっと首を突っ込んでみることにしたもの...
江戸幕府の第三代将軍となった徳川家光(1604-1651年)の政治姿勢を眺めると、 少なからず「上から目線」であることに気が付きます。 家光の祖父である初代将軍・家康(1543-1616年)も、また父である二代将軍・ 秀忠(1579-1632年)も、かつては諸大名らと共に...
七世紀半ばから八世紀末に至る間に在位した歴代天皇の方々に、その代数順に 並んでいただくと以下のようになります。(数字は代数/女性天皇は女帝と表記) ~38・天智-39・弘文-40・天武-41・持統女帝-42・文武-43・元明女帝- 44・元正女帝-45・聖武-46・孝謙女...
ある種の原則、あるいはい通過儀礼と言っていいのかもしれませんが、歴史には ~新権力者は必ず旧権力者を悪く言う~ こうした性癖が厳として存在しています。 いささかみみっちい感じがしないでもありませんが、そうすることによって、つまり 「悪者を成敗した・失脚させた」という理屈由...
~犯罪などで被疑者・被告人が犯行に関わっていないことを推認させる間接事実の 一つが「アリバイ」( alibi)で、「現場(げんじょう)不在証明」とも訳される~ これが、犯罪ドラマなどによく登場する「アリバイ」という言葉の意味です。 さらに詳しく迫るなら、 ~犯行が行われた...
とあるヒマ人(実は筆者のこと)がネット徘徊していたら、筆者の生息地域にある 小さな神社に触れた記事に遭遇したと思ってください。 その神社はさほど有名でもない・・・というよりは、むしろまったく無名と 言った方が適切な印象です。 ただ筆者は以前からその神社の名称が珍しいこと、...
国民作家・司馬遼太郎(1923-1998年)による紀行文集『街道をゆく』は、 著者本人の逝去によって43冊目の「濃尾参州記」を最後に絶筆(未完)となりました。 それを読んだわけでもないのでよく知りませんが、タイトルはおそらく、 美濃国・尾張国・三河国を指しているのでしょう。...
日本で一番古い歴史書は「古事記」(こじき)だと、学校の授業で初めて教わった とき、筆者はその語感りから「乞食」(こじき)を連想してしまったものです。 今思えば、まことに不謹慎な所業でした。 もっとも、この「乞食」という言葉自体もあまり歓迎されるものではなかったようで、 後に...
日本人メジャーリーガーとして超人的な活躍を続ける大谷翔平選手(1994年生)が、 日本全国の全小学校と特別支援学校約2万校に対し3個づつ、総数約6万個の ジュニア用グローブを寄贈するというお話がつい先頃(2023年11月)ニュースに なっていました。 その折に添えられた大谷...
唐突な話題で恐縮ですが、いわゆる「天一坊事件」の経緯を簡単に示すなら 以下のような説明になるようです。 ~江戸時代中期、山伏の天一坊改行が、江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の落胤を 称して浪人を集め、捕らえられ獄門になった事件~ ここに登場している文言にも少し触れておくなら、こ...
去る11月19日の日曜日のこと、筆者の生息地である名古屋市熱田区において 恒例のイベントが開催されました。 その名称は~あったか!あつた魅力発見市2023~ おそらくは地域名称「熱田」の韻を踏んで「あったか!あつた」としたのでしょうが、 ダジャレの域を脱していないという辛辣...
何の因果か片付け作業に手を出したまでは良かったのですが、こんな場面で棚の 隅っこからひょっこり文庫本が姿を現しました。 ひっくり返してタイトルをあらためてみると、恐ろしいことに、それは十年以上も 前に出版された小石房子著『日本史有名事件の女50人』(新人物文庫)でした。 一...
ぼんやりTVを眺めていたら、こんなニュースが流れました。 ~願い事などを書いて神社に奉納する「絵馬」にシールを貼るケースが 出てきています~ これを耳にしたとき、筆者は反射的にこんな連想をしたのです。 ~なるほどなぁ、屋外に飾る絵馬だから、やっぱり雨雪などから文字の劣化を...
日本神話の一つに「国生み/国産み」と呼ばれる物語があります。 「大八島/大八洲」(おおやしま)」、要するに、現在日本列島と呼ばれている 島々の創造過程のお話のことで、『古事記』では、その大事業の経緯はこのような 説明になっている・・・とのことです。 ~伊邪那岐(イザナギ)、...
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明治時代以降次第に解禁されていったようですが、それまでの社寺や霊山などでは 「女人禁制」、つまり女性に対する入山禁止を原則としていました。 そこには、現代における「女性差別」とか「女性蔑視」とはいささか意味合いの 異なる「信仰上の理由」があったとされています。 そうしたとこ...
重さや長さなどを表わす「単位」は、当然ながら日本史にもいろいろな形で 登場しています。 では、そうした単位のうちに「速度(スピード)」を表すものあったものでしょうか? 現代でいう「時速〇km」といった類の単位のことです。 それを表すために必要な要素、「距離」と「時間」につい...
「隠密」(おんみつ)とは、こう説明されています。 ~主君などの密命を受けて秘かに情報収集などに従事する者~ 要するに「隠れてヒッソリ秘密裏に」ということですから、現代風にいうなら 「スパイ稼業」、つまり秘密諜報員/地下工作員/産業スパイもどきのイメージに なるのでしょうか...
今までそのすぐ目の前を割合よく往き来していたのに、これまでとんと無関心で 無頓着にやり過ごしていた場所が、なんと「史跡」とされていることを知って ちょいとばかり驚いた次第です。 ~へぇ、こんな狭っ苦しい場所が史跡だってか~ さて、その場所は、国道一号線を跨いで熱田神宮の南西...
いつもの通り、お話は古今東西いろいろに飛び散ることになりますが、 さてこんな説明にぶつかりました。 ~(革命とは、)被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、 政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。 また漢語の「革命」の語源は「天命が改まる」の意味で、王朝交...
面白いから読め読めとの、ちょいとした強要をひょんなことから受けるハメに なりました。 それが井原忠政著『三河雑兵心得』シリーズ(双葉文庫)であって、そうした経緯から 今回のそのうちの「拾四/豊臣仁義」のなかの一文から話題をつまみ出して みることにした次第です。 ともかく、シ...
とある選挙の開票結果を伝えるTV画面をぼんやり眺めていました。 当選が決まるや、その選挙事務所に集まった支持者たちと万歳を繰り返す光景は、 相も変わらずというところでしたが、ところが昔はお約束のように行われていた 達磨に目を入れるパフォーマンスはありませんでした。 そういえ...
~野見宿禰(のみのすくね)は、土師氏の祖として『日本書紀』などに登場する 古墳時代の豪族である~ ひょっこりのこと、Wikipediaにこう説明されているのをみつけました。 しかしちょっと待てヨ、この名前、どこかで聞いた覚えがあるゾ。 ということで、その「野見宿禰」なる...
筆者の生息地・尾張にはこんな言葉があります。 「尾張名古屋は城で持つ」 こんな意味合いだと説明されています。 ~江戸時代に流行した俗謡の一節で、名古屋城を自慢する言葉~ その名古屋城本丸は周りを堀で囲まれており、もう少し丁寧に眺めると、その堀の 外側の位置にニケ所の「金シャ...
「神も仏もない」 これは世の無情、たとえば、大きな不運や不幸に見舞われたりしたことを嘆くときに、 よく使われる言葉です。 要するに、 ~この世の中に、慈悲深い神サマや仏サマが確かに存在してくれているのなら、 これほどまでの不運・不幸に見舞われることはないはずだ~ こうした...
徳川幕府歴代15人の将軍には、正室の他にもそれなりの人数の側室がいました。 その歴代分の全部を合算すると一体何人になるのかは知りませんが、その中に たった一人だけ、極めて異例で「例外」的な扱いを受けた女性がいます。 二代将軍・秀忠(1579-1632年)の正室・お江サン(1...
拙宅からトボトボ歩いて15分ほどの場所に「七里の渡し」(宮の渡し)跡があります。 さて「七里の渡し」とは、その昔の街道である東海道五十三次の第41番目の、 ここ「宮宿」から次の第42番目「桑名宿」までの概ね七里(28km)の距離を船で渡る、 東海道唯一の海路を指しており、そ...
今回のお話の主はオギュー・ソライ。 ちょっと聞いただけだと、あたかもフランス人あたりの名のようにも感じられますが、 実は歴とした日本人の名前で、漢字で表すなら 荻生徂徠(おぎゅう・そらい/1666-1728年)となります。 どんな人物なのか。 ~江戸時代中期の儒学者・思想家...
なにげに手に取った本にこんな一節がありました。 ~特に宝暦四年(一七五四)、六角獄舎前で古医方の医師・山脇東洋たちが 行った国内初の人体解剖は、漢方医学の誤りを糺し、洋書の正しさを 証明した画期的事跡~ 澤田瞳子・短編「人待ちの冬」 ところが、うすらボンヤリながらもそれ...
播磨国赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(1667-1701年)が、江戸城松之大廊下において、 高家旗本(高家肝入)・吉良上野介吉央(1641-1703年)に斬りかかるという 由々しき事件を引き起こしたのは元禄14年3月14日(1701年4月21日)のことでした。 当日の江戸城が朝廷...
江戸時代の作家・俳諧師である井原西鶴(1642-1693年)には、俳諧を 短時間・大量創作することに挑んだ時期があって、1677年には一昼夜でなんと 1600句という記録を打ち立てたとされています。 ところが、どんな分野にもそうした記録に対抗心を燃やす者は出現するもので、 ...
さて皆様は歴史に登場する言葉それぞれの違いについてよくご承知でしょうか。 例えば、よく似た文字が並ぶ以下の言葉です。 〇公家(くげ) 〇公卿(くぎょう) 〇公暁(くぎょう/こうきょう/こうぎょう) えぇ、かく申す筆者自身はかなりのオタオタ状況に陥ってしまうほどの、いわば...
明治時代に入る以前のこと、熱田神宮の東方には「精進川」が南北に流れていました。 明治初期頃のその姿は、このように記録(1879年/明治12)されています。 ~精進川 村(3村合併の常盤村)ノ西方ニアリ 常水二尺(水深約60cm) 幅二間半(約406m) 緩流ニシテ清且淡...
新年おめでとうございます・・・今年もよろしくお願いいたします。 お約束のご挨拶はこれくらいとして、さて、新春ということもあって、 本年最初の話題として、めでたいテーマを選びました。 ズバリ「宝船」と今年の干支である「蛇」と、そして「七福神」です。 ええ、どれも年賀状イラスト...
時折耳にする~日本の常識は世界の非常識~という感覚は、何とはなく信仰の面にも 当てはまる気がします。 たとえば、キリスト教やイスラム教などのいわゆる「一神教」に対して、日本の場合は、 「八百万神」と言われる数多の神々を祀っています。 「一神教」の世界からしたら、こうした日本...
日頃は何気に使っている言葉にも、いざその意味合いを定義せよ説明せよとなると、 ちょっと答えに詰まってしまうことも少なからずあります。 自分なりにはその概念はしっかり把握しているつもりなのに、言葉としては巧く 表せないということです。 筆者の場合なら、たとえば「高級ブランド」...
筆者が生息する地域には「熱田神宮」があります。 ええ、このように説明されることが多い由緒ある神社です。 ~三種の神器の1つである草薙剣(天叢雲剣)を祀る神社として知られる~ そして、その歴史について言えば、実はつい10年ほど前の2013年に、なんと節目に 当たる「創祀千九百...
実質的に天下の雄となった織田信長(1534-1582年)が家臣・明智光秀(1528-1582年) による謀反「本能寺の変」(1582年)であっけなく倒れたことで、その後の情勢は 信長の家臣であった羽柴秀吉(豊臣/1537-1598年)と、信長とは同盟者の立場に あった徳川家...
何物についても「日本三大◯◯」という表現はあるようで、例えば先日はなどは 「日本三大灯籠」なんてものにぶつかって、かなりマニアックな「三大」が あるものだと、ある意味感心したものです。 お話のついでに、その「三大灯籠」についてもちょっと触れておくと、それは こんな案内になっ...
数年前のことですが、生前に譲位された天皇が「上皇」となられた際にメディアは こんな案内をしました。 ~天皇が生前退位するのは約200年ぶりのこと~ そうかもしれんなぁ。 現上皇の先代である第124代・昭和天皇(1901-1989年)も、またその先代の 第123代・大正天皇...
「和」を説き、さらには「仏教」を保護したという事跡を承知しているせいか、 少なからずの人が、「聖徳太子」(574-622年)の人柄には、平和で穏やかという イメージを持っています。 しかし反面で、政治家としての太子が厳しい「軍事的決断」を迫られる場面に遭遇した ことも、当然...
この国では長い間、天皇が至高の存在とされてきました。 現代日本人の意識はともかくとして、民族の歴史的な信仰心という点ではそのように 表現しても構わないのでしょう。 なぜなら、その信仰心は~天皇とは天から降臨された天照大神の御子孫である~と しているからです しかも、この国の...
戦国群雄の世を最終的に把握した徳川家康(1543-1616年)には高齢になってから 儲けた三人の男子がありました。 長幼の順にこうなります。 〇九男・義直(1601-1650年)/尾張名古屋藩の初代藩主。 〇十男・頼宣(1602-1671年)/紀伊和歌山藩の初代藩主。 ...
世界的にはほとんどが「丸い形」をしている金貨ですが、大判・小判と呼ばれる 日本の金貨はなぜか「楕円形」をしています。 もっとも正確に「真・楕円形」なのか言えば、実はそうでもありません。 これは精密な計測をしなくても一目瞭然で判断できるところです。 では表現を変えて、長方形の...
昨今の日本の漁業環境には大きな変化が見られるそうで、その原因のひとつに 考えられているのが“海の温暖化”のことです。 たとえば過去30年を比較した場合、なんでも海水温が2~4℃ほども高い海域がグンと 増えて、しかもこうした傾向がここ5年ほど続いているとされています。 そのた...
戦国の世では、いざ戦さともなれば普段は農作業に従事している農民たちが 「徴収兵士」として駆り出されました。 「専業兵士」という存在がまだない時代ということもあって、これは領国を維持・ 保全するためには止むを得ない方法でした。 しかしその場合には、いささかの不都合もありました...
長さを示す一対の言葉として最初に思い浮かべるのは、やはり「長/短」になります。 ところがこれには例外もあるようで、たとえば衣料系などは「長/半」になることが あります。 たとえば、シャツの「長袖/半袖」がそうですし、最近はあまり使われなくなった 言葉とはいえ、「長ズボン/半...
いわゆる「天孫降臨」は、一般的にはこのくらいに説明されるようです。 ~皇室の御先祖が高天原から天降り、この国を豊かにそして平和に治められていく 様子を語り伝えるもの~ そしてこの際に天照大神から弟の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト/以下ニニギ)に 授けられたとされるのが「三種神器...
いまさらの感がありますが、いくつかのTV時代劇を観て、ひょいと気が付きました。 ~戦国時代と江戸時代の武士の座り方には違いがあるゾ~ もっともソファーに腰を下ろすシーンはあまり見かけませんから、つまりは 正座(せいざ)と胡坐(あぐら)のことになります。 「正座」というからに...
自らが創業して以来、長きにわたってワンマン体制で臨んできた初代社長は、 二代目以降の後継社長について、こんな腹積りを持っていたようです。 ~弱肉強食の時代も終わってのだから、ワシのようなワンマン経営はもう必要が なくなった。 だからして、次代以降の社長たちは経営実務を...
世界の中でも、これほど「太陽/お日サマ」にこだわりを持つ民族はそうそういない のではないでしょうか。 えぇ、この列島に棲んでいる、いわゆる「日本民族」のことです。 まず、その国の名前からしてが、「日本」(日の本)にしているという厳然たる事実が あります。 そして、この「日」...
つい最近のこと、思いがけない出来事が重なる経験をしました。 「重なる」という以上は、複数の出来事がほぼ同時に起きなくてはなりません。 筆者の場合だと、その一つ目がまずDVD映画で、二つ目がWikipediaでした。 普段はまずしないことなのですが、身の回りの片付け物に精を出...
「現代日本人」が「昔の女性の生活ぶり」を知る方法は、結局のところ書物・絵画 などの史料や、映画やTVドラマなどの作り物を通じてであり、これは仮想体験とは 言えても、決して実体験ではありません。 ですから、知った気分になっているだけだとも言えそうです。 その上に、江戸時代やそ...
最近はあまり耳にする機会がありませんでしたが、ぼんやりTVニュースを眺めて いた時についつい思い出した言葉があります。 「あぶくぜに」・・・漢字なら「泡銭」と書きます。 そして、その意味は、 ~働かずに、または正当な労働によらないで、あるいは不正な手段によって得た金銭~ 勘...
~古典文学『太平記』の名場面のひとつで、国語・修身・国史の教科書に必ず載っていた 逸話であり、いわゆる戦前教育を受けた者には大変有名な話であった~ こんな説明に接したとしても、その「戦前教育を受けた者」になる方々が今や 絶滅危惧種?並みの現在では、その「大変有名な話」の有...