メインカテゴリーを選択しなおす
今も鉄道は除雪作業をして運行を確保していますが、蒸気機関車時代の鉄道は沿線地域をつなぐ唯一の輸送手段でしたから、豪雪と戦い列車を運行する取り組みは鉄道関係者の総力を上げた戦いとなりました。 南岸低気圧の豪雪の後、遅れに遅れた列車を従えて矢立峠に挑むC61。谷間狭しと噴煙を吹き上げ、排気音を雪山に轟かせて走る姿には、電化による廃車が間近に迫った悲哀は欠片もありません。撒き砂とドレンを線路に叩きつけ、生命尽きるまで輸送に励んだ姿は忘れられない鉄路の歴史です。 降雪は峠の後押し補機にとっても厄介なものでした。D51型は幹線の峠越えにあちこちで使われた機関車ですが、石炭を焚べる機関助士の足場は機関車の…
ローカル線と行っても廃線問題で槍玉に上る鉄道ではなく、蒸気鉄道のローカル線は幹線へと旅客と貨物輸送をつなぐ大切な役割を担っていました。拠点間大量輸送の幹線に対して、全国の輸送体系に面の広がりを持たせたのがローカル線でした。 C56が貨物ホームに積車となった貨車を引取りに来ています。貨物ホームには丸太が山と積まれ山間の小駅にも地域産品が集められていた様子が分かります。駅を起点とした地域物流への貢献が蒸気鉄道の大きな役割であり、今は失われた鉄道輸送本来の姿でもありました。ゆったりと敷かれた駅構内の待避線や側線の数からも、地域輸送に対する鉄道の重要性が伝わります。 時は夏、高原野菜の出荷時期になりま…
峠を越える汽車は前引き後押しで、シュッシュッポッポ、なんだ坂こんな坂。 峠越えが蒸気鉄道の魅力のひとつである事は間違いありません。 後押しのD51の前に連なる、ワフ、トラ、ワラ?、窓が開けられたワフの中では車掌さんが駅で貨車を入れ換える為の解結指図書を書いているのでしょう。またトラの積荷の材木は何処の産地で、何処へ向かうのでしょうか? 後押しするD51の一葉の写真の中に込められた物語は果てしなく広がります。 混合列車の客車のデッキから鉄の肌に疲れが感じられるD51のテンダーが覗きます。D51の戦時型は粗製乱造がたたり、ボイラーの爆発事故まで起こした車両もありましたが、状態の悪いボイラーを戦後、…