蒸気鉄道の魅力・堺田峠、分水嶺を越える
峠を越えるとは言っても、平坦な地形からいきなり山に入るわけではありません。汽車の引く列車の周囲に山裾の丘陵が迫り地形は中山間地になって行きます。山あいに作られた田園の中の鉄路は緩やかな登り勾配となって、蒸気機関車牽引の列車は少しずつ高度を稼ぐのでした。 陸羽東線の分水嶺・堺田峠は奥羽山脈を横断するための峠としては500メートル少々と最も標高が低く、鉄道線路のもまた最急勾配が20‰と奥羽本線や東北本線の勾配区間よりも緩やかでした。陸羽東線は日本海の重要な港湾である酒田港と太平洋の石巻港・女川港を結ぶ重要路線で、更には奥羽本線不通時に秋田県山形県連絡列車の迂回ルートとしても考えられて、温泉湧出地帯…
2025/04/23 18:03