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日本的な雰囲気を再現してカフェとショップに【大目降文化園区】@新化(台南市)
大目降文化園区は、日本統治時代の警察官の武道場(新化武徳殿)、元警察官舎群、旧新化郡役所宿舎群をリノベーションし、2012年にオープンした園区(パーク)である。 新化武徳殿は、1936年(昭和11年)に完成した警察官が剣道や柔道を練習する武道場をリノベした。その東側にあった公務員の日式住宅は1920年から1945年の間に建設されたもので、現在は、新化の歴史や文化を紹介する大目降故事館や、カフェ、飲食店やショップなどが入居する施設群となっている。(訪問年月:2024年8月) 文化資産登録名称:新化武德殿 文化資産分類:歴史建築 建物種類:其他設施 指定登録年月:2006年6月 リノベ設計:竇國昌…
埔心故事館は、日本統治時代の1907年に建てられた楊梅茶業改良場の職員宿舎だった日式住宅(日本家屋)のリノベーションと新築施設からなる茶與埔心地方文化園区である。 埔心は日本統治時代に台湾の重要なお茶生産地であり、この日式住宅はその役割から、2014年に歴史的建造物として登録されている。その後この施設は、これらの歴史をを伝える展示、茶文化の教育や研修、講演、体験ができる学びの場として2019年にオープンした。リノベされた日式住宅には、製茶試験場や製茶改良場としての歴史が展示されている。 △日式住宅の正面の外観。 △側面の外観。 △日式住宅の裏側の様子。裏側にウイングのように建物がでている。 △…
靜心苑は、日本統治時代に設立された日式住宅(日本家屋)である「松山療養所」の所長官舎をリノベーションし、レストラン・ショップとして2020年にオープンした。元の建物は1935年(昭和10年)に建てられ、約150㎡の床面積で、当時の和洋折衷の建築様式やデザインが取り入れられている。リノベにあたっては、それらが保存されている。 松山療養所は、1915年(大正4年)に台湾で最も早く設立された結核療養所であり、台湾の結核治療の先駆けであり、台湾における結核対策の拠点として、約30年間日本人の所長が勤めていた。 この建物は、学校、企業、団体向が、授業、美術展、交流活動、各種講演会などでレンタルすることも…
日本家屋を山岳をテーマにカフェ・ショップも楽しめる【0km山物所】@台北
0km山物所は、1930年代に日本統治時代に建てられた総督府山林研究員の宿舎(日式住宅)をリノベーションし2004年にオープンした。ここは、台湾における山林との共生をテーマにした複合商業施設である。これらの日式銃学は2006年に台北市が歴史建築に登録し、リノベには農業部林業及自然保育署が約1億台湾元を投じた。 リノベのコンセプトは、台湾の山岳や森林の探求である。それらは、施設全体の空間、ランドスケープ、ビジュアルデザイン、店舗イベントに至るまで浸透し、古木10本の保護に加え、台湾原生種や絶滅危惧種を含む数百種類の植物で森林景観で演出している。 施設の中には、サステナブルなテーマを掲げたセレクト…
さすがの官邸跡で虎尾の文化と歴史を味わう【雲林故事館】@虎尾
雲林故事館は、日本統治時代の1920~23年に建てられた日式住宅(日本家屋)であった虎尾郡守官邸をリノベーションして2006年11月にオープンした。当時は郡守の官邸であったが、1996年に廃止され、2001年には雲林県の歴史建築に登録されている。 この施設では、地元の生活、芸術、教育、文化を展示して、地元作家の文学作品の収蔵や地域文化の保存と教育を進めている。また、カフェも併設されていて、文化創意の体験もできる。 2025年、台湾文化部の「選定百大文化基地」に選定されている。(訪問年月:2019年11月、2025年2月) 文化資産登録名称:虎尾郡守官邸 文化資産分類:歴史建築 建物種類:其他設…
旅人書店は、羅東にある独立系書店で、1927年(昭和2年)に建てられた日式住宅(日本家屋)をリノベして2020年にオープンしている。当時は、羅東成功国小の旧校長宿舎で、2003年に歴史建築として登録されている。 店内には、地域の文化や歴史に関する書籍や、地元クリエーターによる手作りのアイテムが並んでいる。 また、定期的に展示会や読書会、マルシェなどのイベントも開催されている。(訪問年月:2025年3月) 文化資産登録名称:羅東鎮成功國小校長宿舍 文化資産分類:歴史建築 建物種類:其他設施 指定登録年月:2003年10月 リノベ設計:詹益忠建築師事務所 △旅人書店の外観。 △もう一方の方からの外…
鍾肇政文学生活園区は、日本統治時代の1920年代に建てられた日式住宅(日本家屋)群で、リノベーションされ2015年にオープンした。当時は龍潭小学校の教員宿舎として利用されていたが、1990年代に使用が廃止され、2012年には桃園市の歴史建築に登録されている。 園区内の日式住宅は3棟あり、一つは1世帯で1棟、残りの2棟は2世帯で1棟になる(2戸1タイプ)もので、道路側に街並みをつくっている。元々の住戸が狭小だったため、時代とともに増築されていったが、リノベの際に増築部分は取り除かれ、オリジナルな形に復元された。 この施設全体は文学生活園区と位置づけられ、台湾文学の父ともいわれる鍾肇政の文学的足跡…
多田栄吉故居は、日本統治時代の1934年に建てられた日式住宅(日本家屋)で、リノベーションされ2016年にオープンした。当時は淡水街の街長官舎であったが、戦後は国民党政府のものとなり、2005年には新北市市定古蹟に登録されている。多田栄吉は、日本統治時代に淡水街長を務めた人物で、淡水での水道の導入や都市の近代化に大きく貢献したことで知られている。この日式住宅も、台湾で初期に水道設備を備えた住宅の一つである。 この施設では、多田栄吉の業績や当時の淡水の暮らしを紹介する展示がなされている。また、淡水河を見下ろす高台に建っていて、室内からもその眺めを味わえる窓構成になっている。(訪問年月:2025年…
淡水日本警官宿舎は、日本統治時代の1914年に建てられた警察官宿舎で、リノベーションされ2019年にオープンした。当時は淡水郡役所警察課長の宿舎であったが、戦後に国民党政府に引き継がれ、2007年に歴史建築に登録されている。 この建物は、和洋折衷の様式で、伝統的な和室と続き間、幅が広い縁側、西洋式応接室があることに特徴があって、当時の物品の展示もあり、日本家屋の暮らしを体験できる。(訪問年月:2025年3月) 文化資産登録名称:淡水日本警察宿舎 文化資産分類:歴史建築 建物種類:宅第 指定登録年月:2007年12月 リノベ設計:不明 △和洋折衷の全体外観。敷地が狭くて超広角で撮っているので、若…
淡水一滴水紀念館は、日本統治時代の1915年に福井県大飯町で建てられた木造の古民家2009年に日本から移築し再建した。 この住宅は作家水上勉の父である水上覚治の住居であったが、1995年の阪神・淡路大震災を経て一時的に避難所としても使われてもいた。2009年7月に日本で解体され、同年12月に台湾で再建された。総移動距離は3,000km、1,300人以上にのぼる台湾と日本のボランティアがこの移築事業に関わった。 この住宅は、釘を一本も使わずに600本以上の梁と柱を組み上げ、20以上のほぞ接合を用いた日本の伝統的な木造建築技術であった。台湾で日本統治時代に建てられた日式住宅(日本家屋)は、台湾の気…
化龍一村は、日本統治時代の1920年代に建てられた軍医や憲兵の宿舎で、リノベーションされ2020年にオープンした。戦後は国民党政府により軍官宿舎として使用された。1990年代に軍事施設としての役割を終え、2015年に歴史建築に登録されている。 園内では、1920年代に建設された日式住宅(木造家屋)と、戦後の住宅不足を背景に新たに建てられたレンガ造やコンクリート造の建物が混在している。木造宿舎の方は日本の伝統的な建築様式を色濃く残している。 この施設には、児童向けの図書室、市民向けの図書室、劇団の施設が設けられている。(訪問年月:2025年3月) 文化資産登録名称:化龍一村眷舍群 文化資産分類:…
売捌所は、日本統治時代の1938年に建設され、当初は煙草の卸売販売所として機能していた。戦後は公務員宿舎として利用され、2003年に県定古蹟に登録された。その後、リノベされ2009年にオープンしている。 この建物はめずらしい二階建ての木造住宅で、伝統的な間取りや中庭も残され、木造の架構や細部装飾に往時の雰囲気がよく残されている。 現在、この施設の1階にはカフェ、ショップ、展示スペースが設けられ、2階はフリースペースとなっていて、週末にはイベントが開催されるなど、交流の場としても活用されている。 文化資産登録名称:舊宜蘭菸酒賣捌所 文化資産分類:縣(市)定古蹟 建物種類:其他設施 指定…
地元食材ベジタリアン料理が楽しめる日本家屋【上善豆家宜蘭店】@宜蘭
上善豆家宜蘭店は、日本統治時代の1906年に建てられた日式住宅(日本家屋)で、リノベーションされ2018年にオープンした。当時は宜蘭廳庶務課長官舍として使用されていたが、戦後は宜蘭県政府主任秘書の官舎となり、1997年に廃止され、2001年には歴史建築に登録されている。 切妻の瓦屋根や伝統的な木造構造が大胆にデザインリノベされている。現在ここでは、地元食材をつかったベジタリアン料理を提供するレストランエリアとなっている。(訪問年月:2025年3月) 文化資産登録名称:舊主秘公館 文化資産分類:歴史建築 建物種類:其他設施 指定登録年月:2001年6月 リノベ設計:大藏聯合建築師事務所 △正面入…
宜蘭文学館は、日本統治時代の1906年に建てられた日式住宅(日本家屋)で、リノベーションされ2004年に文学館としてオープンした。1926年からは農林学校校長官舎として使われていたが、廃止されて2001年に歴史建築として登録されている。 ここは、台湾文学や宜蘭にゆかりのある作家の作品を展示するスペースがカフェの中に設けられている。(訪問年月:2025年3月) 文化資産登録名称:舊農校校長宿舍 文化資産分類:歴史建築 建物種類:其他設施 指定登録年月:2001年6月 リノベ設計:大藏聯合建築師事務所 △台湾文学館の側面の外観。 △門扉からの外観。 △出窓のある外観。 △縁側側の外観。 △カフェス…
宜蘭設治紀念館は、日本統治時代の1906年に建てられた和洋折衷様式の木造官邸で、リノベーションされ1997年に一般公開された。当時は宜蘭庁長官の官邸として使用され、歴代の庁長や郡守、県長が居住し、行政上の重要な会議や来賓接待の場として利用されていた。官邸は戦後の行政改革に伴い廃止され、2001年に歴史建築に登録された。 日本家屋の木造、寄棟造り屋根が基本であるが、両端の洋風部分は、白色の外壁で、視覚的な変化と趣も味わえる。また、敷地内には池を配した日本庭園(枯山水)があり、樹齢100年を超えるクスノキが歴史的風格を添えている。 この施設には、宜蘭の行政や地域発展の歴史が展示されている。(訪問年…
製糖工場を支えた日本人のための家屋群【虎尾製糖工場の日式宿舎群】@虎尾
虎尾製糖工場の日式宿舎(日本家屋)群は、1916年(大正5年)に建設されている。工場の西側一帯に、工場長の宿舎、幹部職員や社員の宿舎、独身寮、ゲストハウスがあった。すでに解体されたものが多いが、比較的保存状態がよい3棟がそれぞれ、そして11棟の宿舎群がまとめて縣市定古蹟として登録されている。 戦後、副工場長の宿舎やゲストハウスとして用いられた第三公差宿舎(2009年に縣市定古蹟登録)が「雲林記憶Cool二館」にリノベされている。また、高級ゲストハウスの第一公差宿舎(2009年登録)が現在リノベ中である。(訪問年月:2025年2月) 文化資産登録名称:虎尾糖廠宿舍群 文化資産分類:縣(市)定古蹟…
街区の真ん中にある隠れ家スポット【虎尾出張所所長宿舎】@虎尾
虎尾出張所所長宿舎は、日本統治時代の1921年に建てられた日式住宅(日本家屋)の官舎で、リノベーションが2024年に完了した。当時は、臺南地方法院虎尾出張所の所長宿舎であったが、1980年代に廃止され、2021年には雲林県の歴史建築に登録されている。リノベでは、当時の日式住宅の建築様式が忠実に再現されている。 2025年1月から3月まで「漆映和風:日本古物生活之美」展が開催され、300点以上の日本の漆器が展示された。今後、この施設は青年文化創意園区として活用される計画である。 この宿舎の元住民であった所長が働いた虎尾出張所は、この敷地に隣接する道路側の歴史カフェ「雲林記憶Cool」となっている…
雲林記憶Coolは、日本統治時代の1921年に建てられた台南地方法院虎尾出張所で、リノベーションされ2018年にオープンした。当時は不動産登記所(通称:虎尾登記所)であったが、1980年代に廃止され、2012年には歴史建築に登録されている。 この施設は、かき氷や伝統的な茶文化を体験ができるカフェで、雲林の歴史や文化に関する文献や資料を閲覧できるスペースが設けられている。また、不定期であるが企画展やワークショップが開催される。(訪問年月:2025年2月) 文化資産登録名称:虎尾登記所 文化資産分類:歴史建築 建物種類:衙署 指定登録年月:2012年11月 リノベ設計:林志成建築師事務所 △アプロ…
日本のグッドデザイン賞も受賞した日本家屋群リノベ【嘉義旧監獄宿舎群】@嘉義
嘉義旧監獄宿舎群は、日本統治時代の1919年に建てられた刑務所職員の日式住宅の宿舎で、リノベーションされた。当時は、刑務所職員とその家族の住居であったが、1994年の嘉義刑務所が他の場所に移転した後は、多くの住戸が空き家となり、老朽化が進んでいた。この宿舎群の一角が2015年に歴史建築に、2021年にはこの宿舎群全体が集落建築群として登録された。 嘉義市政府は、2016年にこの地で「木都2.0工作聚落」プロジェクトを開始した。民間の資源と技術を導入し、空き家だった日式住宅を、徐々に木工のワークショップを行うスペース、アーティストや職人のアトリエ、展示スペースなどにリノベし現在の姿にしている。ま…
府東創意森林は、日本統治時代の1923年に建てられた台南州立農事試験場の宿舎群であり、リノベーションを経て2022年にオープンした。 当時は農業技術者の官舎として使用されていたが、1990年代に試験場の機能が移転し、2004年には台南市の市定古蹟に登録されている。8,777㎡の敷地内に、場長官舎、丙種官舎(A棟・B棟)、丁種官舎など、それぞれ異なる職位の職員向けの日式住宅が5棟保存されリノベされている。 この施設には、文化・創作活動を行うギャラリ、抹茶カフェ、和文化体験ができるスペース、地域コミュニティが交流するゾーンが設けられている。また、庭園や中庭を活かしマルシェも開催される。(訪問年月:…
嘉芸点水道頭文創聚落は、日本統治時代の1930年代につくられた水道供給関連の日本人職員、技術者宿舎の日式住宅(日本家屋)群のリノベーションである。 この日式住宅群のは、日本統治時代の1933年に建設された水道配水塔を中心とする近代的な浄水・水道供給の拠点として機能していたエリアに隣接している。名称の「水道頭」は当時の浄水・水道供給場を示す言葉である。この水道配水塔は県定古蹟に、浄水・水道供給場が文化景観に登録されている。 ここの日式住宅群は7棟が残されていて、戦後も台湾人の住居や公共施設として利用されてきたが、文化的価値が見直され、嘉義縣初の文化創意空間としてリノベされた。現在、この文創聚落の…
東門町1923は、1923年(大正12年)に建てられた嘉義警察署東門町警察官吏派出所をリノベーションし、2024年にオープンした。 1930年の地震により倒壊したが再建され、戦後は東門派出所として1987年まで使用された。その後1996年~2000年は村役場として使われ、2010年には歴史建築として登録されている。2017年からリノベが開始されたが、その最中に清朝時代の建築遺構や玉器などが発見されたため、設計変更されながら進められた。 敷地内には、元々の派出所、所長宿舎、2階建ての警察官宿舎であった3棟が中庭を囲むように配置され、真ん中には樹木が保存されている。派出所は和洋折衷様式、宿舎は日式…
虎尾涌翠閣は、日本統治時代の1939年に、高級ゲストハウスと建てられた日式住宅のリノベーションで、2017年にオープンしている。 当時、虎尾郡知事だった田中鉄太郎が、政府高官や軍関係者の接待に用いるためにこの格式ある場をつくった。台湾総督府は太平洋戦争に向けて虎尾飛行基地を設置していて、涌翠閣はこの時期の経済的繁栄と時代の特徴を象徴する建築でもあった。 戦後には、涌翠閣は虎尾地方法院(地方裁判所)の宿舎として利用された。1947年の二・二八事件では、虎尾義民軍が虎尾空軍基地への攻撃を決定した場所としても知られている。2010年、雲林県の県定古蹟(県指定史跡)に登録されている。 建物は格式のある…
工芸交流館は、日本統治時代に建てられた日式住宅の警察宿舎がリノベーションされ、工芸交流館として2021年にオープンした。戦後は大渓支部の警察宿舎として使用され、2012年には周辺の警察宿舎と合わせて歴史建築として登録されている。 警察宿舎群の中では、寄棟と切妻の2タイプの屋根が組み合わされたユニークなもので、間取りも他の日式住宅とは異なっている。リノベの際には、戦後に増築された壁の痕跡や建築本来の特徴が保存されている。 現在、この工芸交流館では、さまざまなクリエーターによる生活工芸品が展示され、地元木工芸、多様な工芸品による木工芸産業とのつながりをつくり出している。(訪問年月:2024年11月…
鳳飛飛故事館は、日本統治時代に日式住宅として建てられた「大渓県庁警察署長官邸」をリノベーションし、2017年からは工芸品の交流センターとしてオープンした。 2012年には周辺の警察宿舎と合わせて歴史建築として登録されているが、2015年までは、歴代の大渓警察署長がここに住んでいた。 2017年にオープン後は、工芸品の交流センターとして生活工芸の応用と体験をテーマとして国内外の交流をおこなってきたが、2021年、大溪出身の偉大な歌姫である鳳飛飛を記念する鳳飛飛故事館(ストーリーハウス)にリノベされた。鳳飛飛は1960年代に中華圏で活躍した歌姫で、この故事館には、生涯や活躍の様子の展示の他、往年の…
まちじゅう博物館の「大渓木藝生態博物館」を構成する芸師館は、日本統治時代の1941年頃に警察の独身寮として建てられた日式住宅がイノベーションされた。この日式住宅は2世帯で一つの住宅形式であったが、リノベの際には一体的な博物館となっている。 大溪では、清末期に中国本土から木工職人が多く移住し、木工芸産業を発展させてきた。地元では木工職人が次々と木工芸品店を設けてきた。日本統治時代から戦後にかけては、台湾北部の伝統的な木工芸産業の中心地となった。 この芸師館では、このような大溪の木工職人の精神と職人の発展過程が紹介されている。(訪問年月:2024年11月) 文化資産登録名称:大溪警察局宿舍群 文化…
山河のパノラマでくつろぐ、カフェと特産品の【物産小舗】@大溪
物産小舗は、日本統治時代の1937年頃に建てられた警察官宿舎群の一つがカフェバーと特産品ショップになったもの。大溪の河と山々のパノラマ景観を楽しめる席や、テラス席などで楽しめる。夜にはバーとなったり、木工関係の教室の場となることもある。 ここのデザインは、エリア全体が博物館の大渓木藝生態博物館の中では、最もスタイリッシュでカッコよく、なちなかを歩いた後、くつろぐためにぜひ立ち寄りたい場所でもある。(訪問年月:2024年11月) 文化資産登録名称:大溪警察局宿舍群 文化資産分類:桃園市歴史建築 建物種類:宅第(住宅) 指定登録年月:2012年8月 ▽大渓木藝生態博物館についてはこちら。 www.…
工藝(工芸)基地は、日本統治時代の1937年頃に建てられた警察官宿舎「六連棟」を活用し、リノベーションを経て2021年にオープンした。当時は警察官の宿舎として利用されていたが、戦後は眷村(軍人やその家族の集落)として使われ、2012年に桃園市の歴史建築として登録されている。 工芸基地は、エリア全体が博物館である大渓木藝生態博物館の構成施設の一つでもある。建物は、6つの住戸が連なる日本家屋の長屋形式が特徴。この施設には、伝統工芸士の空間、工芸教室、木工場、工芸伝承室が設けられ、木工技術を学習、体験できる場が提供されている。(訪問年月:2024年11月) 文化資産登録名称:大溪警察局宿舍群 文化資…
最新の日本家屋リノベーションで賑わう【花連将軍府1936】@花連
花連将軍府1936は、日本統治時代、花蓮港陸軍兵事部の中村大佐や幹部クラスの日式住宅(日本家屋)の宿舎だった。それら住宅群は、1936年(昭和11年)に建てられ、戦後は国民党軍の住居となり、大佐の住宅は将軍府(将軍の家)と呼ばれた。2005年に、中村大佐の住宅とその周りの7棟の日本家屋が花蓮県の歴史的建造物に指定される。2010年にはリノベーション後、一時的に環境教育の拠点としてオープンしていたが、その後、運営方針や維持費の問題などから一度閉鎖された。 敷地面積約1.5haの中の計8棟の日本家屋は約12億円をかけリノベーションされ、2024年4月に、最新の日式住宅のリノベスポットとしてオープン…
この建物は、日本統治時代の1930年代後半に建てられた日式住宅(日本家屋)で、大渓百年警察宿舎のリノベーションである。2012年に桃園市の歴史建築として登録され、2016年に「大渓の人々・生活と歴史」展の常設展示スペースとしてオープンした。 もともと4世帯分の住宅に分かれていた空間がリノベによって一体となり、ゲストが元の建築レイアウトと機能を理解できるように、壁、4つのドア、家番号、木製部品などが取り外さず保存されている。 展示は、この大溪の地域文化や生活文化、木工産業など歴史的、地理的発展が分かるほか、古い家に残る生活の痕跡や住人の思い出が再現されている。(訪問年月:2024年11月) 文化…
最新の日本家屋リノベーションで賑わう【花連将軍府1936】@花連
花連将軍府1936は、日本統治時代、花蓮港陸軍兵事部の中村大佐や幹部クラスの日式住宅(日本家屋)の宿舎だった。それら住宅群は、1936年(昭和11年)に建てられ、戦後は国民党軍の住居となり、大佐の住宅は将軍府(将軍の家)と呼ばれた。2005年に、中村大佐の住宅とその周りの7棟の日本家屋が花蓮県の歴史的建造物に指定される。2010年にはリノベーション後、一時的に環境教育の拠点としてオープンしていたが、その後、運営方針や維持費の問題などから一度閉鎖された。 敷地面積約1.5haの中の計8棟の日本家屋は約12億円をかけリノベーションされ、2024年4月に、最新の日式住宅のリノベスポットとしてオープン…
エリア博物館がここから始まる情報ステーション【壱號館】@大溪
桃園市大溪にある壱號館は、もともとは日本統治時代の日式住宅が大溪小学校の校長の宿舎として使われたもので、リノベーションされ2015年にオープンした。 2007年には歴史建築として登録されている。 この宿舎には 2001 年まで大溪中学校の英語教師である陳茂林と家族が住み、彼の妻がここで裁縫を教えていた形跡も残されている。 この施設は、エリア全体で博物館を構成する「大渓木藝生態博物館」の最初に公開されたことから「壱號館」と名付けられた。また、そのまちなか博物館の壁の入り口部分として情報ステーションとしても機能している。(訪問年月:2024年11月) 文化資産登録名称:大溪國小日式宿舍 文化資産分…
人気のショップ、カフェが集まる刑務所職員宿舎跡のリノベ【榕錦時光生活園区】@台北
榕錦時光生活園区は、かつての「台北刑務所官舎」の職員宿舎をリノベーションし、複合商業施設として2022年9月にオープンした。5,355㎡の敷地の中では、リノベーションされた22棟の日式住宅に、台湾で人気の飲食店や雑貨店など15店舗が入居し、人気のスポットとなっている。また、介護福祉施設、歴史展示空間、文化体験施設、ビジターセンターも併設され、コミュニティ活動が展開されるなど、世代を超えて利用できる地域共生施設となっている。 もともとこの場所は、清朝時代には刑務所として使用され、日本統治時代には「台北刑務所」として機能していたが、1963年に刑務所が移転した後、長らく放置されていた。台北市による…
当時の暮らしを再現する【再見捌捌陸(台湾眷村文化園区)】@高雄
再見捌捌陸(台湾眷村文化園区)は、日本統治時代に建設された旧日本海軍の軍官宿舎を戦後に眷村として再利用した施設で、リノベーションされ2018年に文化施設としてオープンした。戦後は中華民国政府が国共内戦後に移住した国民党軍人とその家族の住宅として機能していたが、1990年代に眷村としての役割を終え、その後文化資産として保存されることとなった。 日本統治時代の日式住宅(日本家屋)に台湾的要素を加えた独特の外観となっている。この施設には、眷村文化を再現する展示や、ギャラリースペースが設けられている。(訪問年月:2024年8月) △園区全体の入り口。 △門扉のデザインもきれい。 △建物と囲まれたランド…
今も小学校校庭内に残る当時の教員宿舎【新街国民小学藝文館】@桃園
新街国民小学藝文館は、日本統治時代の昭和初期に建てられた日式住宅(日本家屋)の教員宿舎をリノベーションし、2014年にオープンした。2003年には歴史建築物に登録されている。今も小学校の敷地内にある。(訪問年月:2024年2月) ↑台湾ランキングに参加中!
団地の壁面が大きなキャンバスとなるアートエリア【衛武迷迷村】@高雄
衛武迷迷村は、台湾高雄市に位置するストリートアートを活用した地域再生プロジェクトである。2015年に高雄市政府の主導で始まったこのプロジェクトは、国内外のアーティストを招き、多くの建物の壁面をカラフルで個性的な壁画で彩ることで、平凡な住宅地をアートの発信地へと変貌させた。 このプロジェクトは、アートの力を用いて地域の魅力を引き出し地域経済を活性化するとともに、住民が地域に誇りを持てるようにすることを目的としている。地元コミュニティと行政の協力による都市再生の一つのモデルである。(訪問年月:2019年7月) ↑台湾ランキングに参加中!
木造駅舎と日式住宅の関連施設のリノベ【林鳳営故事館(林鳳営車站道班房宿舎)】@台南
林鳳営故事館は、日本統治時代の1933年に建てられた鉄道職員宿舎(林鳳営車站道班房宿舎)と駅舎に関連する詰所であったものがリノベーションされ、2017年にオープンした。日式住宅(日本家屋)の職員宿舎は、2005年に歴史建築として登録されている。 ここでは、鉄道の歴史や地域文化に関する展示があり、当時の雰囲気を感じながら学ぶことができる。(訪問年月:2019年12月) △リノベされた職員宿舎。 △職員宿舎の裏側は、個性あるデコレーションが。 △隣接する駅舎。 △提灯デコレーション。 ↑台湾ランキングに参加中!
日本家屋リノベの外側にでている小物たちがおしゃれ【雲中街文創聚落】@斗六
雲中街文創聚落は、日本統治時代の1937年に建てられた日式住宅(日本家屋)の警察官の宿舎で、リノベーションされて2014年にオープンした。1994年には、歴史的建築物として登録されている。 宿舎群は全部で8棟あり、そのうち6棟がすでにリノベされオープンしている。リノベ後は、カフェ、アート工房、雑貨店などが入居し、伝統工芸の体験ワークショップなど多彩な文化体験を提供し、地域の文化観光スポットとして機能している。 そして2024年末から、残り2棟の宿舎のリノベーションが始まっていて、文化観光スポットとしての魅力向上が楽しみである。(訪問年月:2020年2月、入居テナントが更新されている) △さまざ…
中平路故事館は、日本統治時代の1930年に建てられた公務員宿舎で、リノベーションされて歴史館として2015年にオープンした。2010年には歴史建築に登録されている。 この施設は、当時の生活様式や地域の歴史を紹介する展示スペースであり、ワークショップや文化交流イベントが開催されている。(訪問年月:2024年2月) △カフェのテラス席の提灯デコと入り口部分。 △日式住宅の正面外観。 △テラス席。 △道路側から施設全体の様子。 △門扉からの様子。 ↑台湾ランキングに参加中!
台静農(臺靜農)人文会館は、日本統治時代の1931年に建てられた国立台湾大学の教職員宿舎で、台静農が晩年を過ごした日式住宅(日本家屋)のリノベーション。2024年にオープンした。台静農は、台湾大学中文系(中国文学科)の主任であり、詩人であった。台静農の居住後、2020年には台北市の紀念建築に登録されている。 この会館では、国立台湾大学が、台静農の文学的遺産を展示し、台湾文学や人文学に関する研究活動を行っている。また、台静農が執筆活動を行った「龍坡丈室」が再現されている。(訪問年月:2024年11月) 文化資産登録名称:臺靜農故居 文化資産分類:紀念建築 建物種類:宅第(住宅) 指定登録年月:2…
大院子は、日本統治時代の1931年に建てられた日本海軍の招待所(クラブ)で、リノベーションされて2019年にオープンした。戦後は台湾大学の教職員宿舎となり、2012年に台北市の歴史建築に登録されている。 現在は、展示ギャラリーや歴史的資料を展示スペースが設けられていて、アーティストの作品などを販売するショップもある。また、庭園を望むガラス張りのカフェ・レストランもあり、自然光が差し込む開放的な空間で食事を楽しめる。(訪問年月:2024年11月) △街路からみた大院子のゲート。 △大院子の全体像。 △アーチ窓が印象的な大院子の側面。 △裏側も存在感のあるデザイン。 △カフェレストランと大院子のコ…
さすがの日本式超高級旅館のリノベ、想像超える【北投文物館】@北投
北投文物館は、日本統治時代の1921年に建てられた高級温泉旅館「佳山旅館」のリノベーションで、2008年ににオープンした。1984年に「台湾民芸文物之家」として一般公開され、1987年に「北投文物館」と改名された。1998年には台北市の市定古跡に指定されている。 現在は、台湾と日本の文化交流や北投温泉の歴史を紹介する展示スペースが設けられているほか、茶道体験や伝統文化イベント、カフェ・レストランが併設されている。訪問年月:2024年4月) △建物のアプローチからの全体外観。玄関脇には枯山水の庭園。 △入り口のデザイン。日本瓦が存在感を。 △当時の壮麗な場の雰囲気(想像)を駆り立てる。 △もう一…
猫を愛した台湾教授が住んだ日本家屋のリノベ【梁實秋故居】@台北
梁實秋故居は、日本統治時代の1933年に建てられた日式住宅(日本家屋)をリノベーションし、2014年にオープンした。梁實秋(1903年~1987年)は、台湾出身の文学者、翻訳家、評論家で、シェイクスピア全集の翻訳やエッセイを通じて文学界に大きな影響を与えた人物である。この施設は、その梁實秋がかつて生活した住居で、玄関や応接室などの洋式の接待空間と、座敷、寝室、茶室、炊事場、押入れ、浴室などの日本伝統の空間が組み合わされている。 この住宅は、もともと台北高等学校(現国立台湾師範大学)の英語教授であった富田義介の住居として使用され、1952年には梁實秋が台湾師範学院の英文学教授としてここに移り住み…
日本人にとって「台湾の面白さ、興味は、文化創意産業が根付いているから」と気づいてから、2ヶ月に一度、台湾全土の文化創意とリノベスポットを回っています。日本人が失ってしまった伝統や文化、地域のDNAを大事にする精神が台湾人に広がっています。 そして、それらの情報を探すことにとても苦労したことから、ブログ形式を借りてこの情報ポータルサイトで発信しています。 ことしも2ヶ月に一度回って、発信していきますので、よろしくお願いいたします。 ↑台湾ランキングに参加中!
温泉でゆっくりしてから、じっくり味わう【少師禅園(北投張学良軟禁旧居)】@北投
少帥禅園は、日本統治時代の1920年に建てられた温泉旅館「新高旅社」をリノベーションし、1986年に公開された施設である。当時、この建物は北投温泉地で有名な高級旅館として利用されていたが、第二次世界大戦末期には特攻隊員が出撃前に滞在する休息所として使われ、その後、1960年代には中国近代史を代表する軍人であり政治家であった張学良夫妻の軟禁場所となった。 ここでは、日本式の木造建築と庭園があり、当時の日本建築の美しさを今に伝えている。この施設には、張学良夫妻の暮らしを再現した展示エリアや、レストラン、茶房、個室温泉風呂、足湯など、歴史を感じながらくつろげる空間が整備されている。(訪問年月:202…
道禾六藝文化館は、日本統治時代の1937年に建てられた台中刑務所演武場と隣接する刑務所職員が住んでいた日式住宅(日本家屋)で、リノベーションされ2015年にオープンした。当時は刑務官や警察官の武道訓練施設であったが、戦後に役目を終え、一時的に地元の学校の体育館や倉庫で使用された後、2012年には台中市の文化資産に登録されている。 これらの施設では、六藝(礼、楽、射、御、書、数)をテーマにした展示や茶道や書道などの体験プログラムが提供されている。(訪問日時:2020年2月) 刑務所敷地内にあった職員用の日式住宅(日本家屋)のリノベーション「国家漫画博物館園区」は、すぐ隣に。 www.tjcrea…
かつての林業の記憶をめぐる日本時代のリノベ【羅東林業文化園区】@羅東
羅東林業文化園区は、日本統治時代の1921年から稼働した林業拠点で、さまざまな施設がリノベーションされ2004年にオープンした。当時は森林鉄道を利用して運ばれる木材の集積と輸送の拠点として、羅東出張所・木材集積場・貯木池・倉庫・線路・日式住宅(日本家屋)の職員宿舎などがあったが1976年に廃止され、2004年に貯木池が歴史建築に登録されてから、2012年までにこの園区内の日式住宅など5件が歴史建築に登録されている。また、2012年にはこの園区全体が文化景観に登録された。 現在、このエリアは林業の歴史を紹介する展示施設で、古い写真や資料、林業で使用された工具や機械が展示されている。また、森林鉄道…
日本統治時代の日本家屋群のおしゃれなカフェリノベ【青田茶館・青田七六(青田街)】@台北
青田街は、日本統治時代に多くの日式住宅(日本家屋)が建てられた歴史的な街区である。10を超える日本家屋がリノベーションされ2010年以降オープンしてきている。 当時は、日本人の学者や公務員が多く住んでいたことから「学者街」とも呼ばれた住宅街で、木造平屋建ての構造と、和風の庭園を活かして、カフェや茶屋、展示スペースなどにリノベされている。 青田街にあるリノベ初期の代表的なものには、台湾茶の試飲や茶道具の展示がある「青田茶館」、カフェと当時の部屋展示がある「青田七六」がある。(訪問年月:2017年3月) △青田茶館のアプローチ部分。繊細な要素が心地よい。 △日式住宅(日本家屋)がリノベされた青田茶…
製糖工場にあったレンガ建物と日本家屋のリノベ【総爺藝文中心】@台南
総爺藝文中心は、日本統治時代の1912年に建てられた明治製糖株式会社の総爺工場と本社をリノベーションしたもので2001年にオープンした。1993年に工場は閉鎖され、1999年には紅楼事務所、工場長宿舎、招待所、日式庭園、百年樟樹群などが市定古蹟に登録されている。 赤レンガ造りの事務所「紅楼」、工場長のための日式住宅(日本家屋)や和洋折衷の住宅など、さまざまな様式の建物が、リノベされ、特別展や工房、地方文化館、国際芸術村などの機能となり、芸術文化を持続、発展させる施設となっている。(訪問年月:2024年4月) 文化資産登録名称:麻豆總爺糖廠 文化資産分類:直轄市定古蹟 建物種類:産業 指定登録年…
壢小故事森林は、日本統治時代の1917年に建設された3棟の日式住宅(日本家屋)で、中壢国民小学の教職員宿舎だったものをリノベーションしたものである。2015年には、桃園市により歴史建築として登録されている。 園内の3棟は、2戸一棟の「森之學」が展示スペース、単棟の「森之閱」が親子読書室、連棟式の「森之食」が宇治抹茶専門店のカフェとして利用されている。「森之食」の屋根には展望デッキが設けられていて、3棟の空間構成、黒瓦と赤瓦が融合した屋根の景観、日式建築と台湾特有の建築様式の調和の様子がよく分かる。(訪問年月:2024年2月) △「森之學」と「森之閱」をつなぐウッドデッキから「森之食」をみる。展…