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奈良の続きである。近鉄奈良駅を出ると、とりあえず駅前の道を東に進むことになる。自分がよく奈良に通っていた頃は、それほど欧米の観光客はおらず、少なくとも溢れるほどではなかった。だから、その頃は、時折、見かける欧米人を横目に、初春や初秋の雲一つない晴天の下を歩くことが多かった。 歩いてまもなく、右手に興福寺の五重の塔が見えてくる。少し手前で右折し、興福寺の国宝館に入る。まずは中央にある千手観音立像の前に行く(その後、リニューアルがあったので、以前の配置とは異なる可能性がある)。5mほどあるこの巨大な立像の頭部には、宝冠らしきものがあり、それに使ってある玉らしきものが、瑠璃なのか鉱物なのかいつも気に…
夏の日のことである。大学の食堂で昼食を済ませ、建物から少し離れた所で、ヤマモモの実はもう終わったかな などと思いながら林を見ていると、目の前を、青いキラメキが走った。速くは無いのだが、何だろうと思い追っていくと、1つ2つとキラメキが多くなり、その頃には正体がわかっていた。それはヤマトタマムシ(Chrysochroa fulgidissima)であったのである。 飛び回るタマムシをさらに追っていくと、タマムシの行く方向にそれほど高くない木があった。そして、そこでは、圧倒的で幻想的な光景が広がっていた。木の上部の枝に大量のタマムシが連なり、一部は乱舞し、陽を反射して青緑のプラズマのようなゾーンを作…