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4月1日 月曜日かつおさんはいぶきの森の草野マネージャーに電話をかけた。先日、綿子さんから電話がかかってきたことを伝えるためだ。2度も携帯電話からかかってきたんだからやっぱり伝えておくべきだと思ったからだ。 ※電話がかかってきた時の話はこちら ※1回目はこち
そうそう、高野山といえば思い出すのが 、綿子さんの「このしきびはわたしが高野山で買ってきて植えたのに!」というセリフだ。昨年のお正月休みに畑の隅で大きくなり過ぎていたしきびの剪定をしたら、このセリフを何度も何度も言われたのを思い出す。高野山に来たらこの時の
3月29日 金曜日今日からかつおさんと一泊二日の旅行へ。一番の目的は高野山だが、それは二日目。まずは大阪へ向かう。向かっている道中かつおさんが「そうや!言うの忘れとったけど昨日また、ばあさんから電話がかかってきたんや」と言い出した。か「いや~昨日は突然花さん
昨日の続き綿子さんをホールに送り届けた草野マネージャーが戻って来た。わたしはさっきの話をぶつけてみた。好「綿子さんがお金を持って来てくれって言うんです」草「えっ?お金ですか?」好「はい。なんでも今月末に帰国するスタッフに世話になったからみんなでお金を渡す
昨日の続き重い空気に耐えかねてこっそり時計を見た。既に10分経っている。えっ?どういう事?なんでタイマー鳴らないんだ?もしかしてスタートボタンを押せてないんじゃ?どうしようと考えあぐねていたら草野マネージャーがやって来た。助かったー。草野マネージャーもなか
昨日の続きしばらく沈黙が続いた後、それを破ったのは綿子さんだった。綿「ところで私、3月31日で退院しようと思うんや」はあ!?また寝ぼけたことを!相変わらず退院って言うてるけどそれを言うなら退所やん。けどそんなことどっちでもいいからスルーする。慌ててかつおさん
昨日の続き綿「おう、そうや!お前に電話しようと思っとったんや。電話してお金を持って来てもらおうと思っとったんや」はあ?!お金?嫌な予感がする。 ※嫌な予感の根拠となる過去のいきさつです (この後も入院するたびいろいろありました)か「お金
3月23日 土曜日11時、かつおさんと綿子さんの面会に行った。昨日電話で話をつけていたのでわたしたちが行くと草野マネージャーがすぐ綿子さんをパーテーションの外に連れてきてくれた。前回同様、面会時間は10分間だ。草野マネージャーがタイマーのスイッチを入れホールに戻
3月22日 金曜日今日、改めて草野マネージャに電話して、明日の綿子さんの面会場所等について尋ねた。昨日事務員さんに聞いた通り、入浴日は10時半ごろ皆が1階のホールに降りてきてそこで昼食を食べ、その後交代で入浴し、その間におやつを食べ、全員の入浴が終わる4時過ぎま
3月21日 木曜日この週末の土曜日は久しぶりに綿子さんの面会に行かなくては。さすがに1カ月半も開いてしまったのでどうしているか気になるし。けれど前回のようにホールの端っこで面会するのは避けたい。ホールにいる人は皆さん入浴を終えたばかりで疲れているのか、ほとんど
昨日の続きそしておばさんは「ところで綿子さんは大分悪いんな?まだ帰って来れんの?」と言った。好「いえ、体の方はすっかり良くなってるんですけど、痴呆の方が進んでるんで、入院していた佐藤病院からそのままいぶきの森に入所したんです。なのでもう帰っては来ないんで
3月9日 土曜日今日は土曜日。綿子さんの面会可能日だ。前回の面会からちょうど1ヶ月。あまり気は進まないけど、さすがに行かなきゃなと思っていた。が、かつおさんの出張が伸びて帰宅が今日の夜になってしまった。ということで今回も面会は見送りとなった。さすがにわたし一
3月6日 水曜日今日は綿子さんの洗濯物を回収してきた。早速、納屋の軒下の洗濯機で洗濯を。洗濯物の入ったナイロン袋を開けて驚いた。なんとまたもダウンベストが入っていたのだ。それもつい先日洗って届けたものだ。洗ったのが28日の水曜日で、届けたのが3月2日の土曜日だ。
3月2日 土曜日今日は土曜日、綿子さんの面会が可能な日だ。前に面会したのが2月10日。来週でちょうど1カ月になる。当初は月に2回ぐらいは面会に行こうかと考えていた。が、前回面会に行った翌週、綿子さんから「退院しようと思うんや」という電話がかかってきた。それ以来、
2月28日 水曜日今日は綿子さんの入浴日。仕事からの帰りにいぶきの森によって洗濯物を回収し、家に戻ると早速洗濯に取り掛かった。袋を開けるとなんとダウンベストが出てきた。やっとかー!!このベスト、12月の佐藤病院へ入院した頃から着ていて、一度も洗濯に出してくれな
2月18日 日曜日朝9時前、かつおさんの携帯電話が鳴った。見ると知らない番号だ。どうも携帯からのようだ。誰だろう?とりあえず出てみた。すると電話の相手はなんと綿子さんだった。綿「かつお、わたしもう退院しようと思うんや~」かつおさんは目を白黒させている。まさかの
2月12日 月曜日土曜日の面会時、綿子さんに基礎化粧品を持って行くと約束したので、届けに行こうと綿子さんちに取りに行った。エリクシールの化粧水と乳液とナイトクリームの3点だ。鏡台の前に並んでいた。化粧水と乳液はボトルの半分ほど残っていた。ナイトクリームは蓋を開
昨日の続き好「ところで服は足りとる?あれを持って来て欲しいとかある?」綿「これ着とったら温いから大丈夫や」今日は茶色のダウンのベストを着ていた。好「他にもグレーのベストやフリースもあるやろ。交代で着て、洗濯に出してよ」綿「これ着とったら温いんや」話がかみ
昨日の続き綿「今日は3時に人が来るって言われて、誰が来るんやろ?って思うとったんや。かつお達やったんやなぁ」いやいや、絶対わたし達が来るって伝えられていたはずだ。ま、ええけど。綿「じいさんも一緒にって言われたけど断ったんやんや。私がここに居るって知ったら何
2月10日 土曜日3時前、かつおさんといぶきの森へ綿子さんの面会に行った。いぶきの森は玄関を抜けるとロビーがありその横に受付兼事務所がある。その奥に階段とエレベーターがあり、そのまだ奥に広いホールがある。ちなみに洗濯物置き場は階段の下のスペースだ。そしてホール
昨日の続き電話がなかなかつながらず、畑田さんと直接話をするまで長い時間がかかったが、その間になんとか茂造さんも面会できるように苦心してくれていたそうだ。土曜日の綿子さんの面会時に一緒に茂造さんもと考えてくれたそうだ。そこで綿子さんに「土曜日に息子さんが会
2月9日 金曜日この週末は土、日、月と3連休だ。月曜日が休日という事は茂造さんに会いに行けるじゃん。去年の暮れからインフルエンザが流行ったり、新型コロナが流行りつつあったりしたせいで、いぶきの森では外出禁止がずーーっと続いている。なので家に連れて帰れていない
2月3日 土曜日かつおさんは昨日からまた出張だ。なのでこの週末は不在。けれど綿子さんが入所したので全然へっちゃらだ。洗濯物を取りに行くミッションはあるが、そのくらいはどうってことない。と言いつつも何気に面倒くさいが。今日も綿子さんの洗濯物は少なかった。トップ
昨日の続きいぶきの森へ着くと綿子さんはスタッフさんに付き添われ4階へ戻って行った。かつおさんはそれを見送った後、草野マネージャーからここ一週間の綿子さんの様子を聞いた。草野さんの話によると、綿子さんは「家に帰りたい」とは言わず、穏やかに過ごしているそうだ。
ひき続き30日のことところでこの日、かつおさんはCT検査を受けた後、綿子さんを連れて郵便局へ向かった。綿子さん名義の定期預金を普通預金口座に移すためだ。移しておかないといざお金が必要になった時に出金できなくて困る。茂造さんが入所する前にも同じように定期預金
昨日の続きわたしは結果がずっと気になっていたのに、かつおさんから連絡ないのでそわそわしながら待っていた。午後になって「良好!異常なし」というLINEが届いてホッとした。仕事から戻り早速かつおさんに詳しいことを聞いた。好「なんでもなくてよかったなぁ」か「ほれみ
1月30日 火曜日今日はいよいよ綿子さんがCT検査を受ける日だ。綿子さんを検査に連れて行くのはもちろんかつおさんだ。9時の予約なので8時半前にはいぶきの森へ迎えに行くことになっていた。が、契約書やらシルバーカーやら届ける物が色々あるので少し早めに行った。それら
1月27日 土曜日夕方、いぶきの森へ綿子さんの洗濯物を取りに行った。かつおさんは出張中で不在だし、まだ入所したばっかりなので今回は面会はしないでおこう。なので4時半過ぎに行った。いぶきの森はもうひっそりしていた。普段、茂造さんの洗濯物を取りに行くのは平日なので
1月24日 水曜日今日は初めて水曜日にいぶきの森を訪問する。綿子さんの洗濯物を回収するためだ。昨日、草野マネージャーから電話をもらっていたので忘れずに下着を持参した。4階の入所者用の箱へ入れる。そして4階の入所者用の洗濯物入れの箱から綿子さんの物を探す。白いレ
昨日の続き草「それと」えっ!まだあるんかい!草「この間、シルバーカーをお持ちだとおっしゃってたじゃないですか。良かったらそれをお持ちいただけませんか?ここの施設には結構長い廊下があるんです。50mはあるんじゃないかな。そこを運動がてら歩くことがあるんですが
1月23日 火曜日夕方、いぶきの森から携帯に電話がかかってきた。が、ちょうど仕事が忙しくてとれなかった。折り返したら事務員さんが出た。「先ほど電話をもらった〇〇(苗字)ですが」と伝えると「利用者さんの下のお名前を教えていただけますか?」と言われた。えっ?一瞬
昨日の続き草「先日、病室へお邪魔して綿子さんにお会いして話をしたんです」好「そうなんですね」草「来週から移るあちらの施設の担当の草野ですって挨拶したんですが、よく分かってらっしゃらなくて。この間息子さんが来てあちらに移るって話したでしょう?って言ったんで
昨日の続き草「ところで近いうちに綿子さんのお家を見せていただきたいのですが」か「はあ」草「お家に戻った時に危ない箇所の確認などをして計画書を作るんです」そう言えば茂造さんが入所した時も同じように見に来られたっけ。か「ああ、以前もじいさんの時に来られました
引き続き1月20日のこと佐藤病院で田中先生との面談を終えるとまたいぶきの森へ戻った。しばらく待つと綿子さんの担当になったという草野マネージャーがやってきた。草野マネージャーは4階フロアの担当マネージャーなんだそうだ。そう、いぶきの森では各フロアごとに担当マネ
1月19日 金曜日午前中、かつおさんからLINEが届いた。見ると「ばあさん1月24日(水)いぶきの森に入所。付き添いは要らない。(行けないと説明)明日20日12時にいぶきの森に契約に行く、その時に準備物等の説明がある」と書いてあった。とうとう決まったのか。これで一安心だ
1月13日 土曜日今日の午前中、かつおさんは茂造さんと綿子さんの12月分の利用料の支払いに行った。いぶきの森とさくら苑と佐藤病院の3か所を回って来たそうだ。3か所と言ってもどれも近くにあるのでそう大変ではない。まずはいぶきの森へ茂造さんの分の支払いし、その次にさ
昨日の続き綿子さんの承諾を取り付けるという目的を達成したので、気が変わらないうちに綿子さんを病室に戻そうと看護師さんとソーシャルワーカーの方が目配せした。看「それじゃあ綿子さん部屋に戻るんな」すると綿子さんは両手で顔を抑えて泣き始めた。綿「久しぶりに息子
昨日の続き看「いぶきの森に入所したらご主人の茂造さんも居らっしゃるから、会えるようになるし、ちょうどいいですね」ゲッ!何を言うんだ!かつおさんは焦ったそうだ。か「いえ、会いたくないそうなので別のフロアにして欲しいと頼んでいるんです」すると綿子さんが綿「じ
昨日の続きソ「ところで息子さん、お歳は?」か「57歳です」ソ「それでは定年まではまだありますね」か「定年を過ぎてもせめて65歳までは勤めに行かないとと思ってるんです」ソ「奥様は?お仕事はされてるんですか?」か「はい」ソ「フルタイムですか?」か「そうです。嫁さ
1月9日 火曜日午前11時過ぎ、かつおさんは佐藤病院を訪問した。先日「綿子さんの今後について話し合いたいのでお越しください」と連絡をもらったからだ。今更、何の話だろう?とは思いつつ、行かないわけにもいかず。何の話かドキドキする。わたしは同席しないので、どういう
1月7日 日曜日今日はかつおさんと茂造家の庭の木の剪定をした。前回、剪定をしたのは11月26日。そう、綿子さんが買い物に出かけ、転んだ日だ。あれからバタバタして、結局、剪定はほったらかしになっていた。正月休みはのんびりするぞと心に決めていたので、時間はあったが手
1月6日 土曜日今年のお正月は本当にのんびりできた。1日は日付が変わってすぐの夜中に初詣に行き、おみくじを引いたり、家族でマージャン大会をしたりと楽しく過ごした。マージャン大会では数くんがなんと国士無双であがり、みんなを驚かせた。わたしも現実で見るのは初めて
12月30日 土曜日今日からわたしもかつおさんも正月休みに入った。結局、茂造さんも綿子さんもいないので親せきが来ることもなくなった。それに典さんも帰省予定だったんだけど、とりやめた。なのでこの休みはビックリするくらい暇になってしまった。予定が入っているのは、今
昨日の続きそして話題は綿子さんのボケっぷりに移っていった。かつおさんが「何回ケガをしても養生や用心が出来んのや。去年はデイサービスに行くようになってちょっとマシになったけど、一昨年は年間300日くらい入院しとったんや」と言うとかっちゃんもゆきちゃんも驚いてい
12月21日 木曜日昨日、数くんから綿子さんがずい分元気になったようだと聞いた時は、驚いて明日にでも戻って来るんじゃないかと恐怖に震えたが、よく考えてみるとやっぱり大丈夫じゃないかという気がしてきた。綿子さんは痛い痛いと言いつつもじっと出来ず、動き回って本人も
12月19日 火曜日かつおさんは綿子さんをいぶきの森に入所させるために申し込みに行った。約束の11時に間に合うよう、仕事を抜けて行ったそうだ。本当に何かというと平日の昼間なので仕事を休まないといけない。この3年間、何回有休を取った事やら。サラリーマンにはとてもキ
12月16日 土曜日綿子さんが佐藤病院に入院して1週間がたった。洗濯物を取りに行かなくては。かつおさんが病院に電話をかけてシステムを問い合わせた。佐藤病院はまだまだ面会も制限があり、病棟には入れないので、夜間入り口にあるチャイムを押して、洗濯物を取りに来たこと
12月14日 木曜日かつおさんは昨日の夜、出張から戻って来た。今日は早速、綿子さんをいぶきの森へ入所させるために動き出した。まずは入所の申し込みをしなくてはならない。先日、みどり整形で入院を断られ、ショートステイも断られ絶望した時、もう入所させようと決意した。
12月10日 日曜日今日は朝から気持ちがいい。綿子さんの襲来がないと思うと開放感が半端ない。カーテンも全開だ。けれどかつおさんはまだまだ慣れないようだ。ちょっと外で音がするたびに綿子さんか!と思ってしまい、ドキッと心臓が締め付けられるそうだ。どれだけストレスだ
昨日の続き茂造さんをいぶきの森に送り届けた後、佐藤病院の夜間入り口へ。チャイムを押して「今日こちらに入院した綿子の家の者です。荷物を持ってきました」と告げると、病棟の看護師さんが来てくれた。パジャマや替えの下着やタオル、そして紙パンツとライナー、洗面用具