『修羅の門 第弐門』は、どうしてあそこまでつまらなくなってしまったのか(4)。
さて、話は戻って、『修羅の門』のラストで、レオン・グラシエーロとの戦いを、相手を殺す結末で終えた作者は、「人殺しを英雄とするとは何事だ」という読者からの批判的な手紙にショックを受け、筆をおいた(と、あとがきに書いている)。 この批判が当たっているかどうかはともかく、「どうして作者は、レオンを殺したのか。殺す必要はあったのか」という点については、筆者も疑問を抱いている。 というのも、レオンに対する九十九の戦い方が、あまりに相手を舐めた、納得できないものであったからだ。 最初に九十九は、何の工夫もせずに、レオンの得意な組み技を仕掛けている。 「相手の実力をすべて出させずにはいられない」という、厄介…
2024/12/06 18:26