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斉召南『水道提綱』巻二十四「大長島」を読む(2=完)―樺太東海岸編
中国文献から樺太地理を読み取るべく、斉召南『水道提綱』巻二十四「大長島」にあたる箇所を読んできました。今回は樺太東海岸の記述にについて、地名抽出や解説を入れたいと思います。青枠内は白文、赤枠内は書き下し分です。また、白文地名にはピンインも併記しています。東海岸の地勢について(郭多和以北)▲樺太東海岸・郭多和以北の地図(入力地名は推定箇所を指したもの)東流入海者有九。自白和必河源而東隔山為郭多和(Guo...
斉召南『水道提綱』巻二十四「大長島」を読む(1)―樺太西海岸編
ロシアによる実効支配が続く北方領土「樺太」について、今日の日本人が知る機会はごく限られています。かりに知る機会があったとしても、それはたいていロシア寄りのバイアスがかかったものでしょう。なおかつ政府が領土問題を実質棚上げしているため、そこで問題意識が問われることは殆どありません。あたかも、ロシア(当時のソ連)が正当な手段で樺太南部を獲得したかのように思わせる、ミスリードを誘発する情報が氾濫していま...