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二階。コの字型に切り取られた空間に沿ってテーブルが並ぶ。一階客席の中空がそのまま三階、つまり四階の床まで吹き抜けになっている。ステージ正面を見下ろす並びは一段落ち窪んでバーのカウンターを思わせる一人のみの席、左右に抜ける細い通路の奥まった位置に隣との視界を遮断する豪華なボックス席。熊田が登ってきた階段近く、ステージを横から眺める側面の席は、二人が座るソファ席が用意されていた。二人席は空席が目立ち、一人席は二つ空いていて、残りはすべて埋まる。人でごった返す会場に足を運び、無差別な歓声に飲まれてまで演奏を聴きたい、という欲求はこれまで膨らんだためしがない。わずかに一人席ならば、と熊田は会場に赴く姿…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…14
え~っ、何でだよ、じいちゃん!どうやらじいちゃんは、本気のようだ。裕太はそのことに気が付くと、はぁとため息をつく。「おい、ジュンペイ! 今はおとなしく、じい…
Dream18.眠れるリュイの妻2 「みんな……心配してるのかな」 涙が止まった代わりに、そんな言葉が無意識に口を衝つく。 「してんじゃねぇの?」 誰もいないと思っていた背後から声を掛けられて、驚いた私は振り返ると同時に身構えた。 が
「ずっと、そう考えていて……だけど夢を諦めてしまうようで、なかなか君に言い出せなかった」 照れながらはにかむアシュリーにケイトは何度も頷きながら、彼の頬を両手で優しく包んだ。 「やっぱり私の好きな青は、この瞳とブライトンの海ね」 そう囁き、彼の唇に優しくキスをしたケイトは、もう無理に明るく振る舞う必要もなさそうだ。 二人が抱き合う姿を背に静かにドアを開けると、レイチェルの瞳から涙がこぼれた。僕は彼女の肩を支えて、そっと声をかけた。 「3度目のチャンスを待つ?」 レイチェルは肩を竦め、お互い小さく微笑みながら部屋を後にした。 ◆ ◆ ◆ アシュリーがレイチェルを送りに行っている間、僕とケイトは彼…
「何をしている?さっさと行くぞ」 ルークが焦れたように、二人を待ちかまえている。「わかったわ」アキもカガリも、やはり男の子のことが気にかかるけれど、仕方なく背…
こんばんは!暇人です。急に寒くなりましたねぇ。ダンナはついに耐えられず、コタツにコードをつけて、昨日からコタツ守りになっています。ついつい入ったら、もう出られ…
「失礼します」 所長会議を終え、最後の挨拶に訪れた社長室を後にする。社長の態度はそっけなく、もはや誠一郎への興味を完全に失っているようだった。 「代わりはいくらでもいるしな」 背中に投げかけられた独り言のような言葉が、わずかに耳に残る。 本
体育大会の午後の部が始まる。俺の出番は、大会最後の男女混合リレーだ。昼休憩が終わり、校庭に出た。「緒川くん。」「山本さんじゃん!」「100m惜しかったねぇ。」「見とったん?」「見とったよ。」同じ陸上部でありながら、こんなかわいい女子がいることを知らなかった。
【小説紹介・感想】せっかくTS転生したのに能力が【触手】だったけども、それはそれとして私(幸薄系美少女)は幸福を目指すお話【異能バトル・逃避行】
被験者ⅩさんのWeb小説「せっかくTS転生したのに能力が【触手】だったけども、それはそれとして私(幸薄系美少女)は幸福を目指すお話」の感想紹介を記事にしました。異世界TS転生したら触手系能力に覚醒してしまって隔離施設に収納されてしまったTS主人公が逃亡するお話。(・ω・)ノ
ファンタジー戦記ですのでキャラのセリフを多めに設定してます、感情移入させよう取扱説明書のような長々した地の文を用意すると今の若者は離脱します テンポ重視
「エレベーターはどちらに」死体に見入っていた給仕係が一拍遅れて、ステージ袖を指差す。歌手が登場した場所とはステージを挟んで反対側。ほぼステージの正面であるこの角度から、出入り口は全容を確認できない。「料理に携わるスタッフのあなたを含めた人数は?」熊田はきいた。 「四人です。一階に二人、二階に二人です」 「三階は?」 「飲食の提供は各自お客様が受付で軽食を購入するシステムですので」 「では、もう一人の方をここへ呼んでもらえますか?」 「あ、は、はい」給仕係を見送り、熊田は振り返る。 「種田!」 「はい」緊張感を感じさせる歯切れのいい種田の返答。 「二階を見てくる。誰も動かすな」 「マイクを借りら…
「動かないでっ!」種田がいち早く立ち上がり、周囲の動作を停止させた。左手に、引き抜いた警察手帳。動揺し現状を確かめようと立ち上がる観客を一人一人有無を言わせない圧力で種田の動物的な視線が射止める。対照的に熊田は時間が止まる会場を悠々歩いて、現場と目される騒ぎのテーブルへ。 テーブルはステージ向かって最前列、中央から右に二つ目の席。対面の席は空席なのか、熊田は残り数歩のところで、立ち止まり観察。テーブルに突っ伏する女性が、眠りこけたみたいに、たとえれば授業中の居眠りが適切だろうか。とにかく、生命活動に終わりを告げた者が突如として、ライブ会場に表出してしまったのだ。しかも、確実に見覚えのある人物が…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…13
ジュンペイも、颯太の反応に、まんざらでもなさそうだ。「おまえ…頭がいいんだってな」珍しく興味を持ったようだ。「そんなことは、ないよぉ」照れたように返すと、颯…
「何をしているの?」 アキの様子に気が付き、カガリがアキに尋ねる。「えっ?いや…ゼペットさんは?」さっき、助けてくれたはず…なのに!それなのに、姿が見えない。…
本日はこちら。イヤミスの女王真梨幸子さんの作品。テーマは老後と死!タイトルはもちろん「姥捨て」から。 『ウバステ』読みました。 ウバステAmazon(アマゾ…
勤労、ご苦労様!お姫様とハッピーデート!キミをさがして…第4章 秘密のかくれんぼ…56
こんばんは!暇人です。今日はいつもより、かなり冷えたのですが~心が暖かいと寒くない?( *´艸`)娘とデートしてきました。でもね、予想外の出来事がまずは最寄…
【小説紹介・感想】異世界で無双すればハーレムが作れるって本当ですか!?!?【勘違い・異世界ファンタジー】
純愛を尊ぶ者さんのWeb小説「異世界で無双すればハーレムが作れるって本当ですか!?!?」の感想紹介を記事にしました。顔も性格も良くなかったけど強かったから女子にモテモテだった父親に憧れて、女の子とハーレムしたいという野望を持つ現地人主人公の冒険者モノです。(・ω・)ノ
11月の朝は、まだ暗い。空気は澄んでいて、息が白く凍る。公園の木々は紅葉しており、落ち葉が地面を薄く覆っていた。その中に、一輪また一輪と、遅咲きの冬桜が可憐な花を咲かせている。 誠一郎は年長の誠一郎と共に、その公園を走っていた。引越し先を決
退職まであと一ヶ月。誠一郎の新しい生活の舞台が決まった。 郊外の一戸建て。4LDK、築29年。庭にはプレハブの小屋があり、車も余裕で停められる。家賃は月5万5千円。古い家だが、その分だけ思い出を刻む余白が大きいような気がした。 「礼金なしで
軽快だけど正確なストローク。でも、時折ミス、音をはずす。それがライブ、生の音。彼女の曲は、他社との共有、一時の統一を味合わせてくれる。シンクロ、鏡よりも身近で水面よりも儚い。それが彼女そのもの。 私は一人、席に着く。受付で相手を待つ人が数人いた。雪で遅れた相手と一緒に入るつもりなのか。私は最後まで一人だ。料理、透明な皿に四つの島が浮かんでいるみたいに、前菜が盛られた一品目がテーブルに置かれた。給仕係が会釈。ウエルカムドリンクを傾ける。少量でもアルコールの度数は高い。成功者の飲み物とされる液体。たんにそれは、高額価格帯であり、私たち庶民でも買える値段である。しかし、毎晩の晩酌に食卓を飾れない、だ…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…12
「へぇ~」 もしかしたら、繊細な颯太のことだ。ショックを受けたのか、と心配して、裕太は颯太を見る。「すごいなぁ~ こんな生き物まで、ここにいるんだなぁ」どうや…
「とにかくキミたちは、滝へ向かう。 その裏側に、キミたちが最も必要とするものがあるはずだ」 なぜか急いでいるように、早口で男の子はそう告げる。「滝に?」「この…
「……カルディナ……?」 そしてそっとその名を呼ぶ。 返事は無かった。 てっきり自分の姿を見て掴つかみかかって来るとばかり思って内心身構えていたエルフェリスは、反応を見せない声の主を訝いぶかしんで、回廊を照らす小さな松明たいまつを手に
とりつかれちゃった?魔法の扉 第3章 信じる者は救われる?…16
こんばんは!daisysackyです。今朝は寒かったのですが…段々とポカポカ陽気になりました。 小雪というんですか?どうやら、これから本格的に冬に向かっていく…
すっ ピタ 間にジンホウが入ると寸前で拳が止まる「ちょっとは期待したんですが、やはり無理ですね」ジンホウを見るインは目を見開き、体が震え出す「どう言う事だ…」 〈この辺ボロボロ…〉〈プリセプス、中にはまだ入らぬ方がいい〉 れいりとディックが場内へ入って来ると、腐食した床を踏まない様にして皆の所へやって来た
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…11
(えっ?なんだ、これ…) じいちゃんに、何にも聞いていないぞ、と裕太は思う。「ほら、あそこ!何か見えてこないか?」裕太の気持ちを知ってか、知らないでか、じいち…
「えっ?」「わかったら、ボクの言うことを聞いて! あの魔王を倒すには、特別な剣が必要なんだ」「特別な剣?」「どんな剣?」 アキとカガリが口をそろえて、男の子に…
歌っている、あの人が、私が歌えているの。ギターは、そう、いつもの相棒だ。前のモデルは絶対に駄目、不釣合い。この日を何ヶ月待ちわびたか、手帳の罰印を書き込むたび、私が眺めるあの人の歌う姿に近づけるのだと言い聞かせ、今日まで生きてきた。本来なら、もうとっくに見限りを付けていたはず。都会の生活はどうも私の体質には合わないのだと、気づいてから数年。しかし、帰る家は私が働いて私に提供する、それが唯一の方法。それでも世界を離れなかったのは、あの人と出会いが、私を引き戻したと言っても言い過ぎではない、それほど私は助けられていた。 一日の締めくくりにあの人の曲を私は覚えているはずなのに、何度も繰り返し、それこ…
こんばんは!暇人です。今朝は寒かったのですが…昼間はホカホカの陽気でした。そろそろ紅葉していないかなぁ、とちょっと足を伸ばして、見に行ったら~少し赤くなってき…
本日はこちら。演劇専門女子校で事件発生!それは事故か自殺か、それとも。 『少女マクベス』読みました。 少女マクベスAmazon(アマゾン) 出典:http…
◆第271位 『永遠の夫』評価:065点/著者:M・F・ドストエフスキー/巻数:全1巻/ジャンル:露文学/1870年 ◆第272位 『江戸開城』評価:065点…
十分。 スタッフがステージ袖に案内、彼に続く。廊下、見守る眼差し、広げた手のひらに不本意ならがら手を合わせた。 うつむいて歩く。スニーカーのまま。 ナツを呼ぶ。彼女はしっかり背の低いヒールをぶら下げて、私を後を追っていた。 感謝。 ステージ袖。音楽が流れている。打ち寄せる波の音。靴を履き替えた。水を一口、口に含む。ざわめき。虫の声は一様に聞こえるのだから、聞いていても疲れない。方や人間は好き勝手に話す。聞いてなどいられない。悪態。いつもの私だ。 開演時刻。ブザーを鳴らす。スタッフと目配せ、足を進める、光、淡い紫のステージ。歓声、拍手、人、テーブル、料理、空席、二階、三階、左右、マイクスタンド、…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…10
「時間がないって、どういうこと?」「さっぱり、わかんないんだけど」「おい、説明しろよ」 ジュンペイが、じいちゃんに詰め寄ろうとする。だがじいちゃんは、信じられ…
アイスランドの警察を舞台にした「エーレンデュル捜査官」シリーズの7作目です。今回は、これまで主人公だったレイキャヴィク警察犯罪捜査官のエーレンデュルは登場せず、同僚の女性捜査官、エリンボルクの物語です。レイキャヴィクで、喉を切り裂かれた若い男の死体が発見された。この犯罪を担当した女性捜査官が地道に犯人に迫ってゆくのですが、併せて、彼女の3人の子供たちの教育、アイスランドの首都と地方との経済的な格差...
「じゃあ…一つだけ、お姉さんたちに、いいことを教えてあげる。 お姉さんたち…ジョーカーと戦うんでしょ?」 無邪気な顔をして、男の子は二人に向かって話しかける。…
髪は女の命です?キミをさがして…第4章 秘密のかくれんぼ…55
こんばんは!暇人です。今朝はかなり寒かったのですが…段々と暖かくなりました。寒暖差が大きいこんな時に、体調を崩したりするんですよね。今日はお花に行く前に、銀行…
スマートフォンの画面に、失業給付の情報が並ぶ。「給付額は離職時賃金の約六割」「支給開始は離職後三ヶ月経過後から」。数字を見つめる度に、若い誠一郎の不安は具体的な形を持ち始めた。 検索を重ねるうちに、給付制度の仕組みは理解できた。しかし、その
社長との面談から一ヶ月。後任が決まった。隣の営業所の営業マン、年齢は同じ二十九歳。ほぼ同期の彼との引き継ぎが始まっていた。 取引先への挨拶回り。膨大な資料の整理。日々の業務の説明。その合間を縫って、誠一郎は年長の誠一郎に会って問いかけていた
*小説『ザ・民間療法』全目次を見る施術の仕事を始めてからというもの、他人の人生の最期に立ち会う機会が多くなった。その度に胸が引き裂かれる思いにおそわれて、「もうこんな仕事なんかやめてしまいたい」と何度思ったか知れない。先日も、友人の近野さんのお母さんが、
ナツは部屋の隅、ソファで待機。不測の事態の備えて居座る。端末を手に指先を器用に動かしていた。 慌しく、人の出入りが活発な楽屋、アイラはテーブルに向き直り、何気に一点を見つめる。 セットリスト。 状況を端的に述べよ。 ライブ。 歌を歌う。 一人。 ギターの演奏。 ギターのチェックはまだだった、最終チェックを行うべき。 会場はかなり狭い、いつもと比べての感想。 一階と二階、三階席、上から見られてる意識が必要。 今日は雪。 会場に足を運ぶだけでも疲労は蓄積。 歌は徐々にテンポを上げる。 ミディアムに飛んで、一度逸る気持ちをテンポの速い曲で連れ去る。 そして、ミディアム、ゆったり、疾走。 終わりの二曲…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…9
「いない? いないって、来ていないってこと?」 えっ?どうして?なんで?ジュンペイの返事に、裕太はどうしても理解できない。「じいちゃん…先生たちには、伝えてい…
「魔王の一部?」 それは、なに? まただ…と、アキの代わりに、カガリが男の子に話しかける。「その黒い石の下に…埋まっているの?」 今度は、魔王のどこの部分だ?…
いきなりの寒さに慌てる女~とりつかれちゃった?魔法の扉 第3章 信じる者は救われる?…15
こんばんは!暇人です。昨日よりも、今日はかなり冷え込みました。いきなりの寒さに…かなり慌てましたが これ幸いと、断捨離をして、大きなゴミ袋2袋、さらに出てきま…
10月に私が読んだ小説が4冊、漫画が9冊。(息子と共読本含む)小5息子が読んだ絵本・児童書・漫画(私と共読本含む)が22冊、教材が6冊でした。2024年に読了した本は、私→小説33冊(息子との共読本含む・絵本は除外)、漫画が83冊。息子→230冊(漫画・読み聞かせされた絵本含む)でした。10月の読書メーター読んだ本の数:33読んだページ数:6144ナイス数:702ラーメン赤猫 3 (ジャンプコミックス)の感想ジャンプ+にて。アニメ放...
【アニメ『虚構推理 (In/Spectre)』】さすがは小説原作クオリティ!知的好奇心をくすぐる理知的な物言いと理論構築が魅力の名作アニメ。
虚構推理(In/Spectre),虚構推理,アニメ,小説,小説原作,ミステリー,古事記,日本書紀,
YouTubeでビデオコンテ「逃避行」を配信中です。最終回は12/26に公開します。 昔々ある北の地の海岸沿いに男がひとり住んでいた。断崖絶壁の途中にある洞…
恐竜の島に会いに行こう 宝の島続々編 第4章 ここから始まる…8
「ねぇ、みんな。どうして、ここにいるの?」 じいちゃんはわかるけれど、どうして颯太までここに?裕太の視線に気が付くと、颯太はにこやかに微笑むと「実はねぇ、裕太…
「お墓?」 こんな所に、お墓?アキはポカンと、口を開ける。「お墓って…誰のお墓?」屋敷の地下にお墓だなんて…この屋敷のオーナーの墓なのか?(人目を避けたいって…
五階の廊下は、妙に静かだった。誠一郎の足音が、重く響く。窓から差し込む夏の日差しが、廊下の床に四角い光の帯を作っている。その光と影の境界線を、ゆっくりと踏みしめながら歩を進める。 社長室の前で深く息を吸う。扉の横には「不動」という達筆な書が
こんばんは!暇人です。いきなり寒くなりました。昨日までのムシムシした感じが、嘘のよう~突然の寒さに、今日はあわててセーターを出して、ついでに断捨離もしました。…