コンテナガレージ
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ミステリー小説を愛するフリーライターが、自作の小説を投稿しています。
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  • がちがち、バラバラ 2-2

    午後。店の予約状況を鑑みて、従業員が続々、休憩という名の栄養補給になだれ込む。ほんの一時間ぽっきり。これでも美容師としては、長い時間の休憩に値する。週末はほぼ休憩が与えられないと考えて妥当な試算である。しかし、ほとんどが予約制に切り替わり、キャンセルの電話もネットでの予約状況確認システムを導入してからは、受付にいちいち手を取られる時間、労力が削減できたし、またネットによる口コミと手軽な予約のシステムで新規のお客が導入後には以前の一.五倍までに増加した。予約まで一時間をきると自動的にキャンセルができない仕組みを取り入れている。そのため、キャンセルをキャンセルする電話連絡が日に二、三度ある。予約の…

  • がちがち、バラバラ 2-1

    警察が訪れたのは忙しさがピークに達する午前の段階。颯爽と二人の刑事と名乗る人物が、昨日の事件について尋ねる。生憎、手がいっぱいでそんな暇はないと、言葉だけを聞くと乱暴やあつかましさが感じ取れるけれども、忙しいときとはおおよそ誰だって普段の余裕を持った態度が取れないのが一般的だ。私は弁解をしているのではない。常識の範囲内に生きている人間であると、主張しておきたいのだ。刑事の一人、女性が嫌に私に突っ掛かり、仕事の邪魔をしたかである。 「窓に塗られたペイントはあなたが落としたと、そうおっしゃるのですね?」若い、二十代前半か半ば、短い髪はルックスの高さをあからさまに誇示、本人は楽だから、そういった回答…

  • がちがち、バラバラ 1-2

    また考えが散らかる。昼の続きを書かなくては。 三神は別室のいわゆる書斎に移り仕事にとりかかった。自宅でも彼はノートパソコンを愛用している。デスクトップPCの購入は、ここ数年控えていた。負荷のかかるゲームをするわけでもなく、高画質の映像を求めてもいない。テキストの入力が主なPCにおける私の作業である。一世代古いOSであっても十分仕事はこなせてしまうのだ。ディスプレイに向かい、一時間で一休憩。それから、さらに一時間と時間が経過。体と相談しつつ、眠りにつく時間を考慮に入れたのが三回目の作業が終盤に迫る時間帯である。既に時刻は新しい日を告げていた。 三神が電源を落とそうとしたときに、ふとメールが彼の元…

  • がちがち、バラバラ 1-1

    昨日の正午過ぎ、S市中心部の通りで北西大付属小学校に通う九歳の少女が死亡しました。死因について、警察からの詳しい発表はありません。繁華街に近い場所で小学生がなぜ、平日の昼間に現場にいたのかについても不審点が残るといえるでしょう。さあでは、続いてはスポーツです……。 不可思議な事件の現場は深夜のニュース番組でトップを飾っていた。午後には快調に進んだゲラの構成が終了し、目下の仕事は新作の執筆を残すのみとなる三神であった。逼迫する状況が創作意欲を掻き立てるのは、ある意味では影に追い詰められ逃げ場のない心境によって仕事以外の意識を阻害する作用が働くためであると思う。締め切りをきっちり遵守する作家も一握…

  • あちこち、テンテン 8-7

    終業時間ギリギリまでお客が引かなかったため、ディナーの売り上げは好調であった。厨房を片づけて、小川安佐と館山リルカは裏の更衣室へ、ホール担当の国見蘭はカウンターで本日の売り上げの計算。黒皮の帳簿に売り上げを記入。このあたりはまだまだアナログである。これを僕がPCへ打ち込む労力を鑑みれば、いっそのこと紙に記帳された状態が最適とも思えるが、不慮の事故、災害も起こりかねない、二度手間であってもバックアップは必要かと、店の経営に、繁雑さに辟易する店主であった。 横殴りの雨が室内の古めかしい照明に反射、仄かな淡い光が窓に打ちつけられた水の軌跡によって窓、地面に張り付く。「お先に失礼します」「お疲れ様でー…

  • あちこち、テンテン 8-6

    「はい、弁解の言葉もありません」「根拠はありませんが、現象につながりを求めるのは安易な行動で、選択肢を増やすだけのこと。そういった事実があった、その程度認識だけにとどめておくのが肝要です。後、言い残したことは、なんでしょうか。色もあまり意味はないのかと思います」「塗料もでしょうか?」「警察は一体何を調べているのですか?殺害した犯人を捜しているのですか?」殺害という言葉を強調して店主は諮問する。「少女の自殺、とはまったく考えていません」「なぜです?少女には拳銃を手に入れられないから?」「それもありますが、大口径の拳銃です、少女が自分に銃口を向けた体勢で引き金を引けるとは思えません」「なるほど。で…

  • あちこち、テンテン 8-5

    「死因は?」「これはオフレコでお願いします。あなたもよろしいですか?漏れれば、情報漏えいで罪に問われるかもしれない、聞かないという選択肢もあります」「心配いりません。彼女にはもっとやるべきことが山積してます。噂話に興じる余裕などないはずです。そうですね?」「あっ、はい、ええ、……大丈夫、だとは思います」慌てて館山は激流に飲まれたように店主の浮き輪に手を伸ばして安易に返答をしてしまう。「銃で撃たれていました」熊田が重く話す。「入射角は?」店主が即座に先を促す。「さすがに回転が速い。ええ、それが下から上に向かってです」「正確な角度は?」「十五度から二十度の間と思われます」「寝ていたのは自ら寝たのか…

  • あちこち、テンテン 8-4

    「別人だったのでしょう」店主が即答する。興味を示す様子は微塵も見せない。「黒い傘、赤の斑点、緑のコートをまったく無関係の他人が同様の格好で同じ時間に出現しますか?」熊田は試すように早口でまくし立てる。「別人ではあって他人ではない。示し合わせたかもしれない。緑のコートと黒い傘と赤い斑点はまったく同一のものであると確証はなされているのでしょうか?」「いいえ。ただ、事件は報道されている、関係性が認められるなら、被害者およびそれに類似する格好の知り合いを知る者から、事情が打ち明けられるでしょう」勢いの強まる雨に館山は開けたドアを閉めた。腕を組み彼女は顎を上げてじっと熊田を睨みつける。「他人にかまけてい…

  • あちこち、テンテン 8-2

    「店長、優しいんですね?」「僕が?なんで?教えて欲しいからその答えを言ったまでだよ。変わらないだろう、いつもと」肩をすくめた店主は再び白菜を切る。「朝とは言い方が違いますもん。間接的に安佐へも投げかけたのかなって」「どうだろうか。うーん、改めて思い返すと、そうとれなくもないか。まあ、僕が何を言っても本人の意識は本人にしか変えられない」「このままでは、まずいって思ってます?」「人のことがそんなに気になるの?」「すいません」首を縦に振って館山は雑談、ほとんどが小川安佐の心配を店主の注意によって、われに返り、メニューの開発に戻った。 時間が数十分経過。店内はいたって静か。揚げ餃子の餡が完成してもすぐ…

  • あちこち、テンテン 8-1

    二時二十二分。文字の羅列。デジタルの表示は三つの揃った数字を毎日一から五までをカウント。必然でも偶然でも、何かの予兆でも、まして研ぎ澄まされた勘ではまったくない。業者だろうか、ドアベルがお客の入店を断る時間に鳴った。「ただいま戻りました」館山である。両腕に大きな袋。近くの高価格帯の食材を扱うスーパーの名が茶色の紙に刻印。腕にも本屋の青い袋をぶら下げた館山である。それら一体を彼女のスペース、前任者が残したピザ釜が鎮座する表に面したガラス張りの一角になだれ込むように乗せた。 店主は尋ねた。「どうしたの、それ?メニュー開発のため?」「今週分の食費が全部飛んじゃいました。これで逃げられません」悲しいの…

  • あちこち、テンテン 7-4

    「いじめてるように見えたかい?」「いえ、問題ありません」館山は若干涙声で感情をこらえて、続ける。「私、作ります。今日からですか明日からですか?」作るの主語は、僕がこれまでに作った店のメニューだろう。「そうだな」店主は一拍間をおく。「明日からにしようか。ただし、そうするとランチの付け合せは作れなくなるな」「はい、はーい」店主の後方、牛刀を持った小川安佐が天井に勇者にしか抜けないとされる剣をかざす。「私がその役目をおおせつかるというのはいかがでしょうか?」「あんたにはまだ早いよ」口調で感情の起伏がはかれる館山は落ち着いている、心配はないだろう。「作ってみなくちゃ、おいしいかもしれませんよ。発想はい…

  • あちこち、テンテン 7-3

    説教じみたしゃべりは館山には堪えたみたいであったが、彼女は店主の言葉を反芻し吸収、飲み込み、飲み下し、繰り返し取り込もうとしていた。料理は二品目をチョイスした。ひよこ豆がいいアクセント、もやしとの愛称が抜群にいい。ナンプラー独特の匂いも少量ならば気にならないはずだ。厨房の小川安佐は話に割り込むことなく、珍しく黙々と作業をこなしていた。今日は口数が少ないように、店主からは見えた。気のせいだろうか。具合でも悪いのか。怪我をしない程度ならば見過ごすことにしよう。 ランチは営業時間の三十分の前に用意した分の仕込みが底をついてストップ。数十人のお客を逃してしまった。観測の甘さである。しかし、これも経験の…

  • あちこち、テンテン 7-2

    午前十時に小川安佐が出勤、その三十分後に国見蘭が揃う。小川安佐の作業は通常の業務、店主の指示に従い食材の下ごしらえ。無論、店主も一緒になって作業をとり行う。外から覗かれるガラス窓の付近にて館山は一時間で試作品を二品作り上げた。日ごろ、メニューの考察に時間を割いている証拠である。言われた傍から彼女は複数の候補を浮かべていたにちがいない。どのような人物が料理人に向いているか、交わされた修行時代の店での議論を思い出す。こだわりが強い者は料理を作ることをいとわない。楽しむ人も、仕事が長く続く。しかし、提供するのはお客にであって味に理解を示す人間だけで決してないのだ。むしろ、そういった人種に提供する機会…

  • あちこち、テンテン 7-1

    肉対肉の構図がひらめいた店主は鶏肉を解凍する。十枚のモモ肉。一枚を四枚から五枚に等分、四十人前から五十人前が作り出せる計算。十分だろう。隣町の警察が捜査をしているのが気に掛かった。管轄外での捜査は縄張りを持つ警察が嫌がる行為ではないだろうか、また不思議に管轄の警察も聞き込みにはやってこない。まだ捜査に取り掛かっていないとも考えられる。また、お客の二人の会話の内容にはかすかではあるが、目撃証言にズレが生じていた。気がついても特に先だって伝えたりはしない店主である。 無造作にドアが開かれた。「あれっ。店長、もう来ていたんですか。私が一番だとばっかり。今日のランチ決まりました?」館山リルカが店に入る…

  • あちこち、テンテン 6-5

    「床を、床を綺麗にしてもらうよ。落書きは犯罪だっ」声が裏返る宅間。「仲の良いお友達との殴り合いの喧嘩は暴行と判断されるのかしら?両者の間には信頼が認められるわ、けれどもそれは目には見えなくて一方が認めてももう一方が否定すれば、二人は喧嘩ではくくれなくなる。あなたが、私を認め、目をつぶれば、これは犯罪にはなりえない。子供の落書きを咎めたりするかしら?警察に突き出すの、壁を汚したからって?」天井の迫った駐車場に段階を踏んだ音声が高まる。「判断してよ!あなたの基準で!あなたの思想で!あなたの心持で!あなたが決めてよ、わかっているはず。忘れたふりがうまいのよ。だからこの文字を書いたの。助けて欲しいんで…

  • あちこち、テンテン 6-4

    「生活のためにのみ生きている、息をつなぐのは苦しいことだと知っていながらも、やっぱり生活は大事か?」私の声だ、少女の口からは宅間の声が聞こえる。どうしてだ?状況を見込めない。私は話してはいなし、聞こえたのは少女の口からだ、間違うものか。音が反響したと思えない。機械的に収録した音?いいや、滑らか過ぎる。笑っている少女。動かないのに、生きていて、それは私の声色で話しかける。異質。幻。昨日の寝つきが悪かった、もしかすると夢かもしれない。窓口の椅子で私は眠っていて、無理な体勢だから恐ろしい夢を見させて起こそうとしているんだ。「なにをいっているんだい。君、学校はどうしたの?」精一杯の受け答えだった。けれ…

  • あちこち、テンテン 6-3

    立ち上がる少女の口元が赤に染まっていた。驚きを隠せない、一歩後退する。何か動物を肉に食らいついたような口元の汚れ方。恐怖がよぎる。私は食べられてしまうのではと、宅間は左右、逃げ道を探す。少女が一歩前に左足を踏み出す。それに呼応して宅間も後ずさり。冷涼な空気は汗の冷却効果だ。戦慄なのでは決していない。これが幽霊というものだろう。霊感の類はまず持って私には備わっていないと思っていたが……。 にこやかとは言い切れないが、赤い口は左右に力なく引かれている。緑のコートだろうか、きっちり首までファスナーが絞まっている。また一歩の接近。「な、何か、用かな?お父さんか、お母さんが車を預けているのかな?」子供だ…

  • あちこち、テンテン 6-2

    頭を振る。狭い、窓口を出た。じっと座っているからだと、体を動かす。回転機構の真円のアルミ、滑り止めの凹凸。危険を知らせる黄色いランプと、食物連鎖の頂点に立つ肉食動物のイメージカラー、黒と黄色の縞々が車の出入り口を囲う。黄色の回転灯は赤色と緑もあったように思うが、それぞれ効果が異なるのだろう。緊急性を伝えるという意味ではどれも同じなのでは、色の違いを見出せない、宅間隆史である。 ぼんやりと外をまた眺めた。人が通過。うん?宅間は疑った。顔を突き出す。わざとらしく目をこすってもみる。少女が姿を見せたのだ。通行人のように左から右、右から左の登場ではなく、上から下の落下による登場である。ここはビルである…

  • あちこち、テンテン 6-1

    宅間隆史は同僚を休憩に入れて立体駐車場の勤務をこなしていた。日の傾きを待つ静かな時間、人が流れて時たま、車が一台、二台と入ってくるのみ。忙しさとは無縁の生活。かつてはスーツを着こなし会社に勤め、この町へ通っていた。しかし、今といえば、比較すれば嫌悪感しか抱かない。嫁もわざとらしく大げさに下がったの。給料に文句のひとつも言ってくれれば多少は楽で私に居場所も与えられるのに、彼女は気を遣い、何も言わない。ただ、苦しさややりきりなさ、日々の食生活の切り詰め、衣服は去年の物を、もちろん休日の娯楽は転職してからはどこへも出かけていない。息子はかろうじて幼稚園へと通わせているが、嫁にも働いてもらっている。幸…

  • あちこち、テンテン 5-3

    「質問の意図がわかりかねます」店主はあからさまに不機嫌に顔を曇らせる。先ほどの言葉が伝わっていないらしい。もしくはわざと苛立たせる為の作戦か?それだったら大成功、掌握術を心得ている。侮れない。侮る?立ち向かってどうするというのだ。「答えてください、とても重要なことです」鼻を掻く仕草で熊田はここぞとばかりに低音で発言。「一人です」僕は目を瞬く。「質問の意味をお答えください」「無理を言って店を開けてもらうと、アリバイが生まれる。この店に滞在していたなりよりの証拠が出来上がる。だからですよ」入り口の種田が斜に構えて会話に割って入った。おとなしそうな印象とは裏腹の声質、女性では低音の部類に入る、しかし…

  • あちこち、テンテン 5-2

    「パトカーが止まれば、事件でしょうし、警察の訪問で確定的です。あくまでも予想です」「あなた以外の従業員は何人です?」熊田は種田に代わり質問を続ける。「三人ですが」一店一店、周辺に同様の質問を投げかけるのか、店主は疑問を感じる。「あの、先にお聞きになりたいことを話していただければ、互いに有効的な時間を確保できると思うのです」「こちらの理解はあまり受け入れられないのが通常でして、つい回りくどい聞き方になってしまう。それでは、単刀直入に聞きます、ランチタイム後、仕込みの時間に店を訪れた人物を覚えていますね?」「ええ、常連のお客さんです。あの方がなにか?」「その人物が書いた短編小説の一編に状況が酷似し…

  • あちこち、テンテン 5-1

    ハンバーグの大々的な勝利はお預けに終わった。六対四の割合の場合は継続経過に移行し、翌週に同じメニューで割合をはかり、そこで七対三の割合に分かれるとハンバーグをメニューに定期的に登場させる。また、支持が七割に達しないときは、もう一品を変えて動向を見守る。選択時間の削減のためにランチメニューは二品である。これは決して作り側の手間を省くためではない。 店主は、ハンバーグを今日のメニューから一旦退け、ビーフシチューと競わせるもう一品を早朝の厨房で思案していた。本来ならば昨夜に決めているはずである。この頃の季節は夏から秋の匂わせる時期にさしかかり残暑によって日中は外気温を上げるが、だらだら汗をかくほどの…

  • あちこち、テンテン 4-3

    「大丈夫ですか?」心配している声も声色で真剣さの度合いが測れる。鼻で笑う私。店員はいぶかしげに見つめる。背の高い店員、彼目当てのお客もこの店では多数。当の本人はそれに気づかぬように振舞い、羨望を受けてきた自信は外側の鋼で覆い、内部はだらしなく非対称。「何もされていない、大丈夫よ。それよりも、この窓ね、問題は」重さに耐えかねて塗料は垂れる。まだ、彼女の姿は見える。捕まえられる距離だ。けれど、私は窓の対処を考えていた。店員は、緑の後姿を見つめている。「予約のお客さんって今日は何人?」仕儀は聞いた。「えっと、五時と六時半に一人ずつです」「新規のお客さんを今日は取らないように。五時までにお客さんのサー…

  • あちこち、テンテン 4-2

    そうやって取り込まれないようにいくつの私を抹殺してきたんだろうか、仕儀は煙を吸い込み、差し入れを無理やり二口で押し込んで店に戻る。差し入れを携えた常連客は髪を切りそろえるのとセットだけであったので一時間と少しで応対が終わった。これで心おきなく休憩に入れると、肩をまわした刹那に、通りを不可思議な格好で人が歩いていく。 おかしいのはそれだけではなく、傘には蛍光塗料のような発色の赤が斑点のように塗られていた。ワンピースというよりか、カッパ、ポンチョのように真緑の姿着で、色黒の素足。動きが普通ではない。顔は笑っているようで悲壮感が漂っていた。店の前を通り過ぎて姿が見えなくなる。仕儀は駆け足、入り口まで…

  • あちこち、テンテン 4-1

    飛び込みのお客と予約客の対応に追われ、その日は朝から休憩する暇もなく常に立ちっぱなし、三十代後半あたりから立ち仕事のきつさが身にしみて体を蝕むさまをまざまざと見せつけられている仕儀真佐子は、正午をとっくに過ぎた時刻に、十分の休憩に入った。裏の休憩室は簡易台所と一台のコンロ、それに換気扇にたたまれない折りたたみの丸テーブルに二脚の椅子で詰まる二畳ほどの広さである。タバコを吸わない若手が煙の匂いを嫌っているが、ここは私の店なのだからと、一応の説得や圧力を込めて言い含め、何とか、換気扇の下での喫煙を許されていたのだった。小窓は換気用のためのもので、空けるとビルの裏側が覗きそこからは、室外機のオンパレ…

  • あちこち、テンテン 3-4

    店主が国見蘭の代わりに答えた。「許すのは誰?同年代とお客さんの世代とではまた意見は食い違うと思う。見え方、捉え方に平均は存在しない。だから僕は評価を下さない。あくまでも表には出さずにね。言葉に出さず思ってもいいだろう、しかしそれを共有するために店での安易な評価の裁定は控えてもらいたい」 二人の店員はきっちりと厳しい表情でうなずいた。その時ホールから呼び声、オーダーである。国見蘭が厨房を離れた。 「あのう、店長?」持ち場に戻る小川が店主の後ろを通過し、二歩引き返す。「予約のお客さん、夕方のこと話していましたよ」 「夕方?」完成した料理をデシャップに、そして呼び鈴を鳴らす。小川のほうは一切見ない。…

  • あちこち、テンテン 3-3

    「店長が甘いから安佐がいつまでの手順を覚えようとしないんですよ」 「今日はテンパっただけで、予約のお客さんだって覚えてましたよ。四名様ですよね、蘭さんにも言われましたもん。それにジャガイモだって皮をむいて、茹でてる空いた時間、予約の下ごしらえに取り掛かろうって思ってたんです」 「ホールまで聞こえてますよ、お客さん入れますので、話すなら静かにしてください。まったく」国見蘭の努めて冷静な言い方で口論は収束し、厨房は調理される食材の音声が前面に押し出された。 午後の客入りは大体ゆったりとした出足、皆はきっちり昼食を食べている、夕食には早すぎる時刻だ。午後五時から六時にかけてちらほらお客の姿が目に付く…

  • あちこち、テンテン 3-2

    「具体的な日時はいえないよ」 「リルカさんはだってもう料理を任されています。私と年だってあまり変わらないのに、なにがいけないのですかね」 「なにがいけないと思う?」店主の問いに安佐の快活な返答が途切れる、店主は間髪いれずに続けて話す。「明確な基準は設けないつもりだ。味の良し悪しはぶれない再現性が第一。僕ではなくても作れてしまう料理をここでは提供している。国見さんも小川さんも作れる料理だ。難しい工程は組み入れてない。だからこそ作れると小川さんは主張するんだろう。ただ、皮むきは誰のためであるかを人に聞いている段階ではまだ料理を作らせたくはない。おいしいとは思うよ、君の料理は。けれど、うん、それだけ…

  • あちこち、テンテン 3-1

    小川安佐は甘い香りを放つもうほとんどコーヒーの要素が希釈された飲み物を片手に、休憩から戻る。カウンターの片付け忘れた皿とグラスが目に入ると彼女は休憩時間の把握を間違えを想起、カウンター内にかかる時計に走った。「良かった。また、休憩を自分で引き伸ばしたのかと思いましたよ」少なくとも近くには誰もいない。店主はフライパンで牛肉ときのこを炒め、国見蘭はホールでテーブルを合わせ予約席を作っていて、さらに館山ルリカは休憩に入り、姿はなかった。予測として、彼女は店主に言ったのであろう。または、百歩譲って大声の独り言。「店長、誰かお客さんが来ていました?カウンターに人の名残があるんですよ。雑誌の取材をとうとう…

  • あちこち、テンテン 2-3

    三神は身を乗り出す。窓に手をつけて地上を覗いた。傍を歩いていた店員も三神の機敏な動作と視線の先に興味津々。しかし、ウエイトレスの立場を堅守、勇んで覗くことはしなかった。 傘は異様な跳躍をみせたように、三神は思う。手を離し、上空に放り投げたのでは決して再現できない滞空時間の長さである。突風が吹いたのか、ビル風も考えられるが、屋内から観測するには風に流される比較的柔軟な物体が必要。しかし、世界的に綺麗と形容される日本の街に風に飛ばされるゴミは早々落ちてはいない。 風を受ける傘は何一つ微動だにせず、歩道に転がっていた。 和装であった。アスファルトの人物はロングヘアーの巫女のような格好。赤と白のコント…

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