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Bonjour, Yuri♪です。コロナ禍で人々の行動が制限されていた頃、ある種の本が、本屋の棚から消えて寂しかったことを覚えています。それって、どんな本だと…
前号で、1939年7月、8月と後の文芸評論家、中村光夫がツールの語学学校でフランス語の夏期講座を受けたと書いた。翌月の9月1日に第二次世界大戦が勃発するのであるから、のんきだと言えばそのとおりであるが、戦争直前の人々の暮らしというのは案外そんなものなのかもしれない。 中村は一緒に授業を受けたクラスメートのことを、著書「戦争まで」のなかで、記録している。クラスメートと言っても、国籍、年齢、職業など全く違う人々である。中村も次のように書いている。 「年齢も実に雑多で、何がおかしいのか、年中くすくす笑っている十七八のイギリスの男の子がいるかと思うと、恐ろしく呑み込みが悪くて何遍でも愚図愚図質問をくり…