メインカテゴリーを選択しなおす
キム・ヘジン 「中央駅」(彩流社)「打ち捨てられた人間」といういいかたがあります。「アウシュビッツの囚人写真家」という小説を読みながら、その本に掲載された写真や、主人公の淡い恋の物語の中でに、
阿部了・阿部直美「おべんとうの時間3」(木楽社) 近頃気に入って、ボンヤリお座りするときに持ち込んで読んでいます。第3巻なのですが、第1巻から読み始めたわけではありません。 この国の、あっち
大道あや「ねこのごんごん」(福音館書店) 帰る家がわからなくて、おなかがすいて、さまよっているチビのノラが、ごちそうのにおいにつられて迷い込んだ家に、大きな老猫とアホ犬と、たくさんのニワトリがが
「100days100bookcovers no19」(19日目) 藤原新也『風のフリュート』+『ディングルの入江』(集英社) SODEOKAさんがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を取り上げた文章から思いついた、次へのとっかかりは
『海辺の王国』ロバート・ウェストール作 坂崎麻子訳 徳間書店
「100days100bookcovers no20」(20日目) 『海辺の王国』ロバート・ウェストール作 坂崎麻子訳 徳間書店 SODEOKAさんが選んだ小泉八雲の『骨董・怪談』から、KOBAYASIさんはどこに飛ぶのかしら?八雲
ユージン・スミス「ユージン・スミス写真集」(クレヴィス) ユージン・スミスの写真集が2017年に新しく出ていて、「文学」でいえばアンソロジーというのでしょうか、彼の写真家としての生涯の仕事を、時代
「100days100bookcovers no21」五味太郎 「ときどきの少年」(新潮文庫) フェイスブックの画面にあるロバート・ウェストールという人の『海辺の王国』という本の写真を見て何の覚えもありませんでした。
谷川俊太郎「ベージュ」(新潮社) 谷川俊太郎の新しい詩集です。2020年7月30日に出版されています。図書館の新入荷の棚で見つけました。 どこ? ここではない うん ここではないな そこかもしれ
息が詰まるようなこの場所で_外山 薫 読書好きではない私がさらっと読めた1冊です!オススメの理由は↓↓↓下段に 娘と息子で違う進路を歩んでいま…
《2004年 書物の旅「ぼくが50歳だった頃、教室で」その22》牧野信也『イスラームとコーラン』(講談社学術文庫) 講談社BOOK倶楽部 一学期に中国の話が出てきて、ふ
週刊 読書案内 いがらしみきお「誰でもないところからの眺め」(太田出版)
いがらしみきお「誰でもないところからの眺め」(太田出版) 「ぼのぼの」のマンガ家いがらしみきおが、2014年ころに「at-プラス」(太田出版)という、ちょっと硬派の雑誌に連載していたマンガの完成形
週刊 読書案内 竹村優作・ヨンチャン「リエゾン1」(講談社)
竹村優作・ヨンチャン「リエゾン1」(講談社) 八月のマンガ便にありました。読み終わって、悪い印象ではないのですが、なぜか不安でした。 お医者さんを主人公にした漫画は、手塚治虫の「ブラックジ
週刊 読書案内 吉田秋生『BANANA FISH』(小学館・全19巻)
「100days100bookcovers no33」(33日目) 吉田秋生『BANANA FISH』(小学館・全19巻) YAMAMOTOさんご紹介の『夜と霧』は、ナチスの強制収容所での体験について書かれた古典的名著です。私は思春期
朝倉裕子「詩を書く理由」(編集工房ノア) 大人になっても 大人になっても しゃがみ込んで こどものように 泣きたいときがある 母になっても 電車に乗って隣町あたりへ行き 捨てられた
冨原眞弓「ミンネのかけら」(岩波書店) 市民図書館の新刊の棚で、何の気なしに手に取った本です。著者名に、何となくな記憶はありましたが、書名の意味もわからないし、「ムーミン谷へと続く道」と
絲山秋子「逃亡くそたわけ」(講談社文庫)「ブルーアワーにぶっ飛ばす」という映画を見終わって、そいう言えばという感じで、絲山秋子の「逃亡くそたわけ」という作品を思い出しました。映画は「ロード・
早良 朋「へんなものみっけ!(第3巻)」(BIG SPIRITS COMICS)
早良 朋「へんなものみっけ!(第3巻)」(BIG SPIRITS COMICS) 「生き物系」行動派学芸員清棲あかり先生と、名前もキャラも影の薄い薄井透くんの織り成す「博物館物語」、「へんなものみっけ!」の第3
草間彌生「わたしの芸術」グラフィック社 草間彌生の「わたしの芸術」を借りてきました。90歳なんですね。巻頭に評論家の建畠昭のインタビューがあります。 建畠 自己形成期のバックグラウン
浦沢直樹「あさドラ(2)」BIGS PIRITS COMICS SPECIAL
浦沢直樹「あさドラ(2)」BIGS PIRITS COMICS SPECIAL お待たせしました、浦沢直樹の長編マンガ「あさドラ!」(小学館)第2巻、最新刊です。 「ゆかいな仲間」、ヤサイクンのマンガ便です。 さて
佐伯一麦「アスベストス」(文藝春秋) いつの間にか、大家になってしまった佐伯一麦の2021年秋の新刊、「アスベストス」(文藝春秋社)という短編(?)集を読みました。 目次 せき らしゃか
松田青子「英子の森」(河出書房新社・河出文庫) 「スタッキング可能」(河出文庫)で登場したのが10年前です。当時、若い本読みの方からすすめられて読みました。その後「あばちゃんたちのいるところ」(中公
別役実「台詞の風景」(白水Uブックス) 今でも、この本が新刊書店の棚にあるのかどうか、いささか心もとないのですが、面白いものは面白いということで案内しましょう。劇作家の別役実さんの演劇コラム集
真藤順丈「宝島」(講談社)「さあ起きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきた 」
もう10年以上も昔のことになるが、生まれて初めて育った家と町を出て、沖縄で暮らし始めた「ヤサイクン」からこんな手紙を受け取った。 《「巨大大国アメリカと日本がまた小さな島国沖縄を襲ってきた
《先生は「おい静」といつでも襖の方を振り向いた。その呼びかたが私には優しく聞こえた。返事をして出て来る奥さんの様子も甚だ素直であった。ときたまご馳走になって、奥さんが席へ現われる場合
僕自身が受験生だった頃、繰返し読んだ現代文の参考書がありました。その参考書がなんと筑摩書房から文庫として復刊されています。高田瑞穂「新釈現代文」(ちくま学芸文庫)。 《人間の理解や知識は、関心と経験
もう、十年も昔のことになってしまうが、このブログのもとになる「読書案内」を高校の生徒さんたちに配っていたことがあった。最近、原稿を保存していたファイルが壊れつつあることに気づいて「さて、どうしたも
北原白秋の童謡が気にかかって調べていて、こんなのを見つけました。ご存知でしたか。 「五十音」 北原白秋 水馬赤いな。ア、イ、ウ、エ、オ。 浮藻に小蝦もおよいでる。
ぼくの枕もと、つまり、寝転がったままで手の届く範囲には手に入れたけれど読まないままの本が、ちょっと口に出して数をいうのがはばかられるほど、もう、積み上げることが出来ないから箱に入れて何とか背表紙だ
♪♪盗んだバイクで走り出す 行き先もわからぬまま 暗い夜の帳の中へ 誰にも縛られたくないと 逃げ込んだ この夜に 自由になれた
林純一「ミトコンドリア・ミステリー」(講談社・ブルーバックス)
もう、十数年昔のことです。三年生の教室で出会って、浪人していた人がいました。小論文の入試があって対策に付き合ってほしいという電話が自宅にかかってききました。義理というか、人情というか、まぁ、ぼくに
黒川創「鶴見俊輔伝」(新潮社) この本は五百ページを超える分厚い本なのですが、三百ページを超えたあたりにこんな文章が引用されています。 今でも昨日のことのように思い出し
島田雅彦という作家が、「海燕」という雑誌から、「優しいサヨクのための嬉遊曲」(「島田雅彦芥川賞落選作全集 (上)」 河出文庫所収)という作品で、さっそうとデビューしたのは1983年。 ようやく学校を
大岡信「古典を読む 万葉集」・「詩人・菅原道真」(岩波現代文庫)
「折々のうた」の大岡信が亡くなって二年がたちました。以前こんな案内を、高校生に向けて書いたことがあります。 大岡信(おおおかまこと) この名前を聞いてピンと来る人は新聞をよく読む人
十代の終わりから、二十代の初め、詩と出会い、読みはじめる。そういう体験は、今の若い人たちにもあるのだろうか。 「智恵子抄」の高村光太郎、「春と修羅」の宮沢賢治、「在りし日の歌」の中原中也。やが
最新情報 石塚真一「BLUE GIANT SUPREME 8」(小学館)
「ヤサイクン」のマンガ便、石塚真一の「BLUE GIANT SUPREME 8」(小学館)をが届きました。 ヨーロッパの若いミュージシャンと競うように腕を磨く、宮本大。8巻の前半は、同じ21歳。おなじ
大沢真幸「不可能性の時代」(岩波新書)・「虚構の時代の果て」(ちくま新書)
大沢真幸「不可能性の時代」(岩波新書)・「虚構の時代の果て」(ちくま新書) 註:この記事は2008年に高校生にむけて書いたものです。 京都大学の社会学教授大沢真幸(お
《2004書物の旅 その14》 岩田靖夫「ヨーロッパ思想史入門」(岩波ジュニア新書) 「西洋史を勉強するのならギリシア哲学とキリスト教思想の二つをまず読みなさい。その二つがわからなければ、ヨ
柴崎友香「ショートカット」(河出文庫) 「今この時」が「今この時」に書かれている小説、そういうことがありうるのだろうか。やっぱりそれはあり得ないというものなのだが、そうはいっても、そう書こ
藤森照信「人類と建築の歴史」(ちくまプリマー新書) 筑摩書房が今年(2005年)のはじめから出し始めた「ちくまプリマー新書」というシリーズがある。中学生に狙いをつけている感じだが、小学校の高学年ぐ
松村由利子 「子育てをうたう」(福音館) 著者の松村由利子さんは1960年生まれの歌人だそうです。毎日新聞社にお勤めになって生活家庭部とか、科学環境部に所属して記者をなさっていたようですが、
米本浩二「魂の邂逅」(新潮社) 2018年に読売文学賞をとった『評伝 石牟礼道子――渚に立つひと』(新潮社)の米本浩二が、題名の上では石牟礼道子と、彼女の、文字通り生涯にわたる伴走者であった渡辺京二との関
石牟礼道子追悼文集「残夢童女」(平凡社) 石牟礼道子が亡くなって二年たちました。平凡社から追悼文集が「残夢童女」と題されて、2019年の夏に出版されました。 それぞれ「傍にて」、「渚の人
ジル・バシュレ「わたしのネコがちいさかったころ」(平凡社) 図書館の新入荷の棚で見つけました。ネコの話だと思いました。まったく人をくった「ネコ」のお話しでした。 ジル・バシュレというフ
週刊 読書案内 蓮實重彦「映画への不実な誘い 国籍・演出・歴史」(青土社)
蓮實重彦「映画への不実な誘い 国籍・演出・歴史」(青土社) 市民図書館の新入荷の棚に転がっていました。元東大総長の映画評論家、蓮實重彦の新刊のようです。ぼくにとって蓮實重彦という人は40年ほど前に
絵 ベン・シャーン「ここが家だ」 文 アーサー・ビナード(集英社)
「ここが家だ」 絵ベン・シャーン 文アーサー・ビナード 和合亮一の「詩の礫 起承転転」の中で、「『米美術館、福島だけ貸し出し拒否ベン・シャーン巡回展』によせて」という詩に出会いまし
井上荒野「ひどい感じ」(講談社) 娘が語る父親。直木賞作家井上荒野が、父であり、戦後文学の孤高の作家井上光晴の素顔を語ったエッセイ。穏やかに言えばそういうことになります。 しかし、たと
木田元「闇屋になりそこねた哲学者」(ちくま学芸文庫) それぞれの時代には、それぞれの青春があります。十七歳、十八歳という年齢は、自分自身がオリジナルでありたいということを強く意識する一方で、時代
小林信彦「生還」文藝春秋 作家というべきなのか、評論家というべきなのか、はたまた、編集者というべきなのでしょうか。最近では「本音を申せば」(文春文庫)と題して、週刊誌に連載を続けて
今村夏子「むらさきのスカートの女」(朝日新聞出版) 「こちらあみ子」(ちくま文庫)の今村夏子さんが芥川賞をとりました。そこはかとなく、ひいきしていた作家なので、喜びましたが、「この人が芥川賞
週刊 読書案内 リービ・英雄「英語でよむ万葉集」(岩波新書)
リービ・英雄「英語でよむ万葉集」(岩波新書) 2022年の秋からでしょうか、リービ英雄という小説家に惹かれています。「天路」(講談社)という最新作を読んだことが始まりですが、「模範郷」(集英社文庫)