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【あらすじ&ひとりごと】 今回は伊岡瞬さんの『不審者』 平穏な家庭に突如現れた「不審者」によって、日常が崩壊していく様子を描いたサスペンス・ミステリです。 平穏な日常が一変する恐怖と、それに立ち向かう家族。結末はどうなるのか、不審者をどう排除するのか。ハラハラでした。 主人公・折尾里佳子、心配性で小心のため高校生のときにつけられたニックネームが「リトル」。会社員の夫・秀嗣と5歳の息子・洸太、義母・治子と暮らしながら、在宅でフリーの校閲者として働いている。 ある日、秀嗣がサプライスで客を招くが、それは両親の離婚によって20年以上音信不通だった兄・優平だった。 クラウドファンディングの会社を立ち上…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、所蔵の小説を読み直しております。 今回は伊岡瞬「本性」。 2018年発表作品。 本性 (角川文庫) 作者:伊岡 瞬 KADOKAWA Amazon 伊岡瞬は1960年生まれのミステリー作家。 本作は関わった男を虜にし破滅に導く謎の女〈サトウミサキ〉を巡る物語。 前半は主に彼女に関わる男性の各視点から、後半は彼女を追い詰めて行く2人の刑事の各視点から語られていく構成となっています。 前半を読む限りこれは結婚詐欺に纏わる犯罪の話なのかなと思わされますが、後半から一気に遠大な復讐の物語であることが明かされて行きます。 追い詰めて行く刑事の…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、所蔵の小説を読み直しております。 今回は伊岡瞬「悪寒」。 2017年発表作品。 悪寒 (集英社文庫) 作者:伊岡瞬 集英社 Amazon 伊岡瞬は1960年生まれのミステリー作家。 50歳を超えてから専業作家になった遅咲きの作家さんですね。 物語の主人公は大手製薬会社の中年男性社員。 東京本社での不祥事の責任を取らされる形で山形県の系列子会社に左遷されています。 妻子を東京に残して鬱屈した日々を送るある日、妻から不可解なメールが。 その数時間後にその妻を本社常務の殺害容疑で逮捕したとする警察からの連絡が入って・・・と云う感じで話の幕…
【あらすじ&ひとりごと】 今回は伊岡瞬さんの『仮面』。 何の後ろ盾もない無名の人間が、過去や自身を消す仮面をかぶり手を染めながら、頂点へと近づいたとき、些細なことからその仮面にヒビが入って、一気に崩壊していくミステリ。 作家・評論家としてテレビで活躍するほどになった三条公彦。そして、その助手である久保川克典。二人は米留学後、事務所を構え、明日の生活もままならない中で、成功のためには手段は選ばず、ここまでのぼり詰めてきた。 そんなとき、パン店経営・宮崎璃名子の白骨遺体が発見され、さらに主婦・新田文菜が行方不明という事件が発生する。 捜査にあたる刑事・小野田と宮下は、この二人が繋がっていたことに気…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、所蔵の小説を読み直しております。 今回は伊岡瞬「代償」。 2014年発表作品。 代償 (角川文庫) 作者:伊岡 瞬 KADOKAWA Amazon 伊岡瞬は1960年生まれの作家さん。 デビュー10年目に書かれた本作において大きく世に名前を売ったかと。 物語は二部構成になっています。 第一部では暖かい家庭で不自由なく生活していた小学生の圭輔が、遠縁に当たる達也一家に関わったことから家族を失い過酷な思春期を過ごすことになる姿が描かれます。 第二部では長じて弁護士となった圭輔が、重犯罪容疑で逮捕された達也の依頼によりその刑事弁護を引き受…
【あらすじ&ひとりごと】 伊岡瞬さんの作品を読むのは『奔流の海』に続いて2作品目ですが、とても読みやすい文章で、サクサク読みながらもストーリー展開が頭にスルスル入ってくる心地良さがあります。事件に迫ってくると、もう一気読み必至。 本作は、一見、仲の良い家庭を演じながらも、それぞれが自分勝手に生活している一家が崩壊していく様を描いたサスペンス小説です。 地方都市ではあるが、かつてはセレブタウンと言われた場所の高台に建つ中古の戸建てに転居した山岸家。 中学生の真佐也は、不登校となり部屋に引きこもるが、友人の純二が日中両親の不在のときに遊びに来る。 父・陽一は中堅ゼネコンに勤め、家を空けることが多く…
読了本です。 残像 伊岡瞬 前科のある人たちと平凡な若者との出会いと それぞれの過去や普通の若者の暮らしとの対比が 普通に生きているつもりでも 自分が罪を犯す側になりえるんだな、と思いながら読みました。 最後はちょっとカリオストロの城っぽかった(*´艸`*) azuazuazukina.hatenablog.com \読んでいただきありがとうございます/ // //
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は伊岡瞬「痣」。 2016年発表作品。 痣 (徳間文庫) 作者:伊岡瞬 徳間書店 Amazon 伊岡瞬は1960年生まれで自分より一世代上の作家さん。 「代償」が代表作かな。 ここ10年ほど「イヤミス(嫌な気分になるミステリー)」作品でよく売れている印象です。 著者が得意とする警察捜査ミステリーのなかでも特に人気なのが真壁修刑事シリーズ。 本作はシリーズ中の時系列的には最初となるエピソード。 物語は東京・奥多摩分署管内で全裸の美女冷凍死体が発見されることにより幕を開けます。 それより一年前、本庁…
こんにちは。 マダムあずきです。 先週の読書記録です。 瑠璃の雫 伊岡瞬 最初はなかなか入り込めなくて これは挫折かな・・・と思いながらも 第2章からいろんなことがぐいぐいと読み進めました。 しばらく進めて行かないと 最初の伏線(?)と繋がらないですね。 2章から後半は倍速の速さで読み終えました。 繋がっていく瞬間とかが楽しいんですよね。 未読本がなくなってしまいました💦 本屋さんに行きたいな~ azuazuazukina.hatenablog.com \読んでいただきありがとうございます/ にほんブログ村 ランキング参加中ライフスタイル ランキング参加中雑談 ランキング参加中Think<書く…
【あらすじ&ひとりごと】 伊岡瞬さんの作品を初めて読みました。 『奔流の海』、タイトルからとても不穏な雰囲気を感じながら手に取りましたが、悲しい運命に抗って、その苦しみの中に必ず存在するであろう希望を求め、そして現実から逃げない強い意志を持ち生きる、そんなラストに心が救われました。 静岡県千里見町を襲った台風によって土砂崩れに巻き込まれ、避難時にすり替わってしまった赤ん坊。その不運な運命をたどり、本当の自分を探し求めるひとりの大学生の物語です。 そして、一年前に父親を交通事故で失った千里見町で旅館を営む一人娘のストーリーも同時に進行していきます。 その二人の主人公が登場して、それぞれのストーリ…
初めて読んだ伊岡小説。主人公の子どもが虐げられ、また別の少女も事件に遭うなど、重苦しい場面が多い作品。主人公が少しずつ救われていく過程に涙がにじむ。 主人公と老人の絆が本書の核だが、その絆が直接描かれる場面はほとんどない。隠すことにより、絆の強さがさらに際立つのだ。「秘すれ...
赤い砂 伊岡 瞬 本屋に寄って、平積みのポップを見てかったんだっけか? コロナ禍になってすぐぐらいだったかな? ポップの内容は忘れてしまいましたが、読み終えて…
こんにちは。マダムあずきです。 母さんごめん 松浦晋也 後半にお母さんに手を上げてしまうあたりや 「死ねばいいのに」と独り言が止まらないとか 親と子という関係の先で 人間でいられるか鬼になるか 正常と狂気の間 一線を越えるかとどまるか 介護者の現実・・・ ワタクシは実母の介護、障害児育児で感じたことと重なり ギリギリのところまで行ったことのある人の 正直な心の描写に胸を打たれました。 我が家(実家)のことですが 実際に24時間付きっきりで実母を介護した父は その日限界に近づいていて 夜中の吸引で 「もう勘弁してくれ」とつぶやいたそう。 そしてウトウトして次にふっと隣を見たら 母は息を引き取って…