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『眠りの森』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 1992/4/15 読みやすさ ☆☆★読みやすい東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、今回は『卒業』から数年後を描いた2作目『眠りの森』を紹介させていただきます。ドラマ『新参者』シリーズで阿部寛さんが演じる加賀刑事のイメージが強い作品ですが、ノスタルジックな舞台設定で描かれた原作も謎解きが楽しめる作品ですよ。 『眠りの森』 『眠りの森』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 浅岡未緒(あさおか みお) 高柳静子(たかやなぎ しずこ) 高柳亜希子(たかやなぎ あきこ) 柳生講介(やぎ…
刑事 加賀恭一郎の実力が垣間見える『どちらかが彼女を殺した』
『どちらかが彼女を殺した』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 1996/6/6 読みやすさ☆☆★読みやすい東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、3作目は独特のストーリー展開が魅力の『どちらかが彼女を殺した』を紹介させていただきます。2作目の『眠りの森』から時代は進み、1990年代半ばの加賀刑事の活躍を描いた物語です。 『どちらかが彼女を殺した』 『どちらかが彼女を殺した』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 和泉園子(いずみ そのこ) 和泉康正(いずみ やすまさ) 弓場佳世子(ゆば かよこ) 佃潤一(つくだ じゅんいち) 物語…
『悪意』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社双葉社、株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 1996/9/20 読みやすさ ☆☆★読みやすい東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、4作目は『悪意』を紹介させていただきます。3作目の『どちらかが彼女を殺した』と同じ時系列、1990年代半ばの加賀刑事の活躍を描いた物語です。 『悪意』 『悪意』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 野々口修(ののぐち おさむ) 日高邦彦(ひだか くにひこ) 日高理恵(ひだか りえ) 藤尾美弥子(ふじお みやこ) 物語の始まりは作家の日常 世界観はデジタル創世記 キーワードは手記 『悪…
加賀恭一郎の目線で読者自身が謎に迫る、『私が彼を殺した』東野圭吾
『私が彼を殺した』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 1999/2/5 読みやすさ ☆☆★読みやすい 東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、5作目の『私が彼を殺した』を紹介させていただきます。物語の舞台は、4作目の『悪意』から1~2年進んだ1990年代後半。経験を重ねた加賀刑事の、巧みな捜査技術が光る物語です。 『私が彼を殺した』 『私が彼を殺した』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 穂高誠(ほだか まこと) 神林美和子(かんばやし みわこ) 神林貴弘(かんばやし たかひろ) 駿河直之(するが なおゆき) 雪笹香織(ゆきざさ…
『赤い指』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 2006/7/25 読みやすさ ☆☆★読みやすい 東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、7作目の『赤い指』を紹介させていただきます。物語の舞台は、6作目の『嘘をもうひとつだけ』と同じ時系列か少しだけ進んだ2000年代前半。加賀恭一郎シリーズが「新参者シリーズ」と呼ばれる直前の作品です。 『赤い指』 『赤い指』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 松宮脩平(まつみや しゅうへい) 金森登紀子(かなもり ときこ) 前原昭夫(まえはら あきお) 前原八重子(まえはら やえこ) 前原直巳(…
加賀恭一郎目線で嘘を暴く短編集『嘘をもうひとつだけ』東野圭吾
『嘘をもうひとつだけ』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 2000/4/10 読みやすさ ☆☆★読みやすい 東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、6作目の『嘘をもうひとつだけ』を紹介させていただきます。他の作品にはない、短編集ならではのスピード感のある展開が楽しめる物語ですよ。 『嘘をもうひとつだけ』 『嘘をもうひとつだけ』の登場人物 加賀恭一郎(かが きょういちろう) 田沼洋次(たぬま ようじ) 萩原保(はぎわら たもつ) 葛原留美子(くずはら るみこ) 加賀恭一郎が経験を重ねる展開 物語の舞台は世紀末と新世紀と狭間 キーワードは嘘 …
加賀恭一郎が新参者として挑む日本橋の人間模様、『新参者』東野圭吾
『新参者』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 2009/9/18 読みやすさ ☆☆★読みやすい 東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、8作目の『新参者』を紹介させていただきます。物語の舞台は、7作目の『赤い指』から日本橋付近に変わります。『このミステリーがすごい!2010』を受賞し、翌年放送された阿部寛さん主演のドラマの影響もあって加賀恭一郎が日本中に知られるようになった物語。本作から加賀恭一郎シリーズが「新参者シリーズ」と呼ばれるようになった作品です。 『新参者』 『新参者』の登場人物 加賀恭一郎(かがきょういちろう) 上川菜穂(かみ…
日本橋で起きた事件に迫る加賀恭一郎シリーズ『麒麟の翼』東野圭吾
『麒麟の翼』 著者 東野圭吾 出版社 株式会社講談社 分類 ミステリー小説 出版日 2011/3/3 読みやすさ ☆☆★読みやすい 東野圭吾さんのミステリー小説の代表作「加賀恭一郎シリーズ」、9作目の『麒麟の翼』を紹介させていただきます。主人公の加賀恭一郎が日本橋署で働き始めた前作『新参者』から、加賀恭一郎シリーズは「新参者シリーズ」と呼ばれるようもなります。 『麒麟の翼』 『麒麟の翼』の登場人物 加賀恭一郎(かがきょういちろう) 松宮脩平(まつみや しゅうへい) 金森登紀子(かなもり ときこ) 青柳悠人(あおやぎ ゆうと) 青柳遥香(あおやぎ はるか) 青柳史子(あおやぎ ふみこ) 八島冬樹…
ふわりと軽く 飄々と こんにちは風◯りです☺️皆さまいかがお過ごしでしょうか❓ 今日は私の好きな作家さんの作品の紹介を♪ ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) [ 東野 圭吾 ]価格:748円(税込、送料無料) (2023/2/12時点) 楽天で購入 『東野圭吾著 ナミヤ雑貨店の奇跡』 東野圭吾氏と言えば推理小説のイメージが強いですが今回はあえて推理小説ではありません💦 なぜ❓推理小説を紹介しない⁉️と言われそうですが…もちろん推理小説も好きです💕どの作品も面白い✨ でも…今回思い付いた作品がこちらだったので『ナミヤ雑貨店の奇跡』の紹介をしたいと思います😅 こちらは映画化もされているので観たと言う…
「どう思う?」 だが神林君も、素直に教えるつもりはないらしい。ためすようにオジサンに見ると、さぁ~答えてくれ、と挑発的な態度をとる。「転校してまで、おまえがこ…
「あきらめるって、何を?」 すかさず、清子が聞く。「あきらめるも何も…ここは、ボクの家だ」やはりオジサンは、そう主張するので、「違うだろ」即座に、神林くんが言…
神林君は、宗太郎の困り顔に気付いたのか、宗太郎に向かってニヤッと笑ってみせる。「キミたち…ここで、何をしているんだ?」オジサンは急にニコニコしながら、こちら…
『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花』シリーズ【読書感想】と#自分と人の評価がズレてたもの
なにこれ、面白い!…と思った映画や本が世間ではクソ評価だったり。 反対にナニコレポンカスやん!…となった映画や本が世間では高評価だったり。 世の中と自分…
「暗黒童話」乙一|眼球が見せる映像を辿った先で見たものとは?
あらすじ:突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。
「アリス殺し」小林泰三|少女が見る夢と現実が繋がる不思議の国のおかしな邪悪ファンタジー
図書館で借りてきた本の一つ。タイトルがやや過激だけれど、「不思議の国のアリス」に関するお話という事で楽しみにしていた。まずは、想像以上の作品だったと言っておく。 「アリス殺し」のあらすじ 最近、不思議
「へぇ~」 ジロジロと宗太郎は視線を向けるけれど、この人どう接したらいいのか、正直まだ、迷っていた。 本当に、オジサンのパートナーだとしたら…まず間違いなく、…
夏におすすめの真相を知らずには閉じれないミステリー小説3選 2021
夏におすすめ、ベランダや風が気持ちいい場所で読みたい本特集 本当に本が読みたくなる読書のブログをご覧の皆さま、こんばんは花水由宇(hanami yuu)です。季節の本を紹介させていただく、「夏におすすめ、ベランダや風が気持ちいい場所で読みたい本特集」コーナーです。今年の夏は、全8回で2つのテーマの「小説」、「エッセイ、ノンフィクション」「実用書」「ビジネス書、政治・経済の本」「思想・哲学、考え方の本」「読書の効果と読書術の本」「一般教養、サブカルと雑学の本」を紹介させていただきますね。第2回は、「真相を知らずには閉じれない小説」です。 夏におすすめ、ベランダや風が気持ちいい場所で読みたい本特集…
それが本当か、どうか、わからないのだが…神林くんはずいぶん堂々とした態度で、オジサンに向かって言い放つ。「リョウくん…?」清子が声をかけようとするのを、彼は…
「硝子の塔の殺人」知念実希人|硝子館を舞台にしたクローズドサークル×本格ミステリー
ゴールデンウィークに実家へ戻った。本棚の小説が増えていたので眺めていたら、母が「けっこう面白かったよ」と推薦してきた。それが「硝子の塔の殺人」だった。 表紙のイラストが魅力的すぎるし、館ものと知ってと
何か仲間割れでも、あったのか…どうもオジサンの様子が変だ。「今しかないな」神林くんがボソリとつぶやく。「わかった、何をしたらいい?」宗太郎が、彼にささやく。…
『魔眼の匣の殺人』のあらすじ感想とレビュー 今回は予言者が肝
シンカ あなたは超能力を信じますか? こんにちは、シンカです。今回は『屍人荘の殺人』シリーズ2冊目の、『魔眼の匣の殺人』を読んだのでその感想を書きます。ミステリなのでなるべくネタバレはしないように頑張りたい […]
「なぁ、ここって、圏外だったっけ?」 宗太郎は、ポケットに手を突っ込む。「どうだっけ?」清子が神林くんの方を、かえり見る。「たぶん…この部屋は、圏外だと思う。…
その男は、ひょろっとした体形の、鉛筆のように背の高い男だ。オジサンとは、どこで知り合ったのかは、わからない。近所の人でも、この町の人でもなさそうだ。互いに目…
「えっ」 予想外の展開に、宗太郎は思わず身がまえる。神林くんも、顏をこわばらせて、オジサンの視線の先を見つめる。さすがの清子も…宗太郎の後ろに回り込んで、隠れ…
「どうせなら…本当に…親たちが想像している人物に仕立てあげよう、 と考えたんだ」 朗々とそう言うので…「そんなバカな!」我慢出来なくなったのか、神林くんが大き…
第86話 花残 act.26 side story「陽はまた昇る」
失ってもなお、涯は英二24歳4月第86話花残act.26sidestory「陽はまた昇る」「長野の警察病院では、どう言われました?」穏やかなテノール、けれど耳朶ふかく叩かれるあまり穏やかな状態じゃないな?予想と英二は口ひらいた。「手には異常がないと言われました、でも吉村先生は違うご見解なのですね?」雪ひそやかな山里の診療所、けれど「神の手」と評される医師。その慧眼は穏やかに英二を見た。「左腕をこちらへ伸ばしてくれるかな、」言われるまま左腕を伸ばして、白衣の掌が受けとめてくれる。ふれられた小指やはり感覚が鈍い。「楽にしてくださいね、」言いながら左腕そっと台に置いてくれる。ふれる素肌ひんやり冷たい、暖房あたたかな診療所の外気がはかられる。「指の変形はないね、ちょっと肘の内側を叩くよ?」穏やかな声が告げて、左肘...第86話花残act.26sidestory「陽はまた昇る」
「おまえたち…聞く気がないのなら、もう話すのは止めようか?」 ふいにオジサンは、清子の顏をじぃっと見詰める。「何よぉ~」 まさか、脅す気?清子は急に、ふくれっ…
子供たち?宗太郎には、まだ、話がよく見えない。だが…とんでもないことが起きたのだろう…静かに、そう考える。 だがオジサンは、トンと立ち上がると、「そんなに騒…
なんで自分に聞くんだ?宗太郎は短く「さぁ?」と答える。「まぁ、いい」オジサンは、咳払いを1つすると…「元々あそこで、何をしているのか、と噂になっていたんだ」…
ふわりと軽く 飄々と こんにちは風◯りです☺️皆さまいかがお過ごしでしょうか❓ 今日はスピ系だけど冒険ミステリー小説の紹介を♪ 聖なる予言 (角川文庫) [ ジェームズ・レッドフィールド ]価格:836円(税込、送料無料) (2023/2/6時点) 楽天で購入 『聖なる予言』 タイトルからしてスピ系(スピリチュアル系)😅 でも内容は…🤔正統派(❓)ミステリー✨ 主人公の元に突然もたらされる古文書の話✨謎を解くには旅に出るしかない💦この辺りは『ダ・ヴィンチ・コード』に似ている😅(※個人の感想です) ダ・ヴィンチ・コード(4K ULTRA HD+ブルーレイ)【4K ULTRA HD】 [ トム・ハ…
ふわりと軽く 飄々と こんにちは風◯りです☺️皆さまいかがお過ごしでしょうか❓ 毎日氷点下の日が続いていますが体調を崩したりしていませんか❓そろそろインフルエンザの流行も心配な時期になり…😞でもコロナの方は少し落ち着いてきたようで収束を願うばかりです😊 さて今日はまずは質問から♪ 『皆さんはだれ❓』 普通に答えれば、住所や名前・他にも職業や親の紹介をしたり😄 ではもっと深く『今ここにいる皆さんは根本的に何❓』『何のために生きている❓』『なぜ生きている❓』『なぜ存在している❓』 ここまでくると答えられる人はほとんどいないはず…😅そしてきっと明確には誰も答えられない💦 今日はこんな謎(❓)について…
SCIS化学犯罪捜査班-天才科学者・最上友紀子の挑戦-を読んで。
中村啓著のSCIS化学犯罪捜査班-天才科学者・最上友紀子の挑戦-を読んだ感想おすすめポイントをご紹介
ガランとしたその部屋には…人のいた気配は、どこにもない。空気も、どんよりとよどんでいる。時もそのまま、止まっているような…そんな感じがしていた。何もない部屋…
読書の秋におすすめ、謎と恐怖を知りたくなる4冊の小説 2022
読書の秋におすすめの4冊の小説 読書の秋におすすめの本特集、いよいよ小説の紹介です。今回の「読書の秋におすすめの本」シリーズは、「実用書」「ビジネス書、政治・経済の本」「エッセイ、ノンフィクション」「思想・哲学、考え方の本」「一般教養、サブカルと雑学の本」「読書の効果と読書術の本」「小説」の7つのジャンル全てを更新予定です。第7回と第8回は、小説を2つのテーマに分けて紹介させていただきます。まずは、第7回「謎と恐怖を知りたくなる」4作品の中から、ご自分に合った恐怖の作品を探してみてはいかがですか? この秋、読みたくなる1冊が見つかりますように。 読書の秋におすすめの4冊の小説 秋の夜長に謎と怪…
「えっ…」 清子は思わず、口を閉じる。「だって、リョウ…」あなた、それでいいの?くやしそうに、オジサンを振り返る。「それは…」言い淀んでいると「あなたらしくな…
推理小説・ミステリー小説とは?現代の定義とミステリーの3つの条件
推理小説・ミステリー小説とは? 読書の豆知識 推理小説・ミステリー小説とは?今回の読書の豆知識は、推理小説・ミステリー小説の定義とストーリーに欠かせないミステリーの3つの条件から、読者家 花水由宇(hanami yu)なりの答えを見つけてみましたよ。推理小説が生まれた背景と歴史、推理小説に欠かせない登場人物の役割とともにまとめさせていただきますね。 推理小説・ミステリー小説とは? 推理小説・ミステリー小説の定義とは? 江戸川乱歩による推理小説の定義 推理小説とミステリー小説の違い 推理小説の誕生と日本国内での発展 推理小説の誕生 江戸川乱歩と日本の推理小説 ミステリーの3つの条件「謎」「伏線」…
「へぇ~そうなのかぁ?」 ふーん…相変わらず、オジサンのニヤニヤ笑いが止まらない。「ま、いいかあ」そう言うと、台の上にトンと腰を下ろす。「町の人たちの噂を聞い…
(なんだ?思わせぶりだなぁ) 宗太郎は、神林くんのことも気になるけれど…オジサンの様子が、どうしても気にかかる。なぜそんなに、余裕の表情でいられるのか、どうし…
第86話 建巳 act.38 another,side story「陽はまた昇る」
Thataftermanywanderingskenshi―周太24歳4月第86話建巳act.38another,sidestory「陽はまた昇る」憧れで、恩人で、大好きな友だち。そんなふうに祖母を想ってくれるひと。そうして今、淹れてくれた茶の香ふわり清々しくて周太は微笑んだ。「ありがとうございます…祖母のことそんなふう仰ってくれて、嬉しいです、」うれしい、こんなにも。だって自分は祖母を知らない、ずっと昔、生まれる遥か前に亡くなったから。それでも今こうして向きあうテーブル、研究室の窓辺に学者は朗らかに笑った。「こっちこそよ、斗貴子さんのお孫さんだなんて。しかも私の講義を受けてくれるんでしょう?どうしよう、嬉しい、」メゾソプラノ朗らかな目もと、皺やわらかに滴が光る。ほら?こんなふう悼んでくれる、僕の家族のこ...第86話建巳act.38another,sidestory「陽はまた昇る」
「あなたたちって、ホント…仲が悪いのねぇ」 まるで犬猿の仲じゃないのよ、と清子はため息をつく。オジサンは、清子に向かって意味あり気にウィンクすると「そんなこと…
1月の読書メーター読んだ本の数:19読んだページ数:5671ナイス数:1382(ありがとうございます)【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」…
(やっぱり…) 宗太郎は確信する。(清子は、何か知っているんだ)それは、確実だ…と悟る。「私は…そんなこと、言ってたっけ?」ごまかすように、そう言う。だが…そ…
「あのジイサンは…親戚の中でも、鼻つまみ者だったんだ。 道楽者と言っている人もいたくらいだ。 正直、法律スレスレのこともしていた、という噂だし、 じいちゃんの…
神林君が、ウソをつくとは思えないが…あのおじいさんが、そんなことを言ったとは、到底思えない。自分が知っているはずのおじいさんが…どんな人だったのか、残念なが…
「まぁ、百聞は一見にしかずだ」 オジサンは扉に近付くと、取っ手に手を触れる。ガタガタと音を立てるだけで、開く気配がしない。「やっぱり、そうなるよなぁ」そうつぶ…