メインカテゴリーを選択しなおす
【本】村上春樹『アフターダーク』~ゆっくり歩け、たくさん水を飲め~
1、作品の概要 『アフターダーク』は村上春樹の長編小説。 2004年9月7日に刊行された。 書下ろし長編小説。 単行本で288ページ。 装丁は和田誠。 深夜の東京を舞台に、23:56から6:52までの一夜の出来事が描かれた。 2、あらすじ 深夜の東京。 デニーズで一人本を読みながら過ごしていたマリに大きな楽器を持った大学生のタカハシが声をかける。 2人にはマリの姉のエリも含めてダブルデートをしたことがあった。 タカハシはトロンボーン奏者でバンドの練習に行くが、ホテル「アルファヴィル」のマネージャーである大柄な女性・カオルがマリに中国語の通訳を頼みに訪れる。 ホテルで男に身ぐるみを剝がされた中国…
【本】村上春樹『バースデイ・ガール』~20歳の誕生日に彼女がしたひとつの願いごと~
1、作品の概要 『バースデイ・ガール』は村上春樹の短編小説。 2017年11月に刊行された。 初出は、村上春樹翻訳の誕生日をテーマにした短編小説のアンソロジー『バースデイ・ストーリーズ』に掲載された。 イラストはカット・メンシックが担当。 1編の短編小説に挿画が多く掲載されている。 あとがきを含めて61ページ。 『めくらやなぎと眠る女 TWENTY STORIES』にも収録されている。 2、あらすじ 20歳の誕生日を迎えた女の子は、彼氏とも喧嘩した上に、体調を崩した他のスタッフの穴埋めでアルバイトをしていた。 女の子がアルバイトをしていたイタリア料理店では、フロアマネージャーがオーナーに毎日夕…
【本】村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』~少なくとも最後まで歩かなかった~
1、作品の概要 『走ることについて語るときに僕の語ること』は村上春樹が走ることと自身の小説とのつながりを語ったエッセイ集。(本人はメモワールと呼んでいる) 2007年10月15日に刊行された。 文庫版で262ページ。 1部の引用などを除いて書下ろしで書かれている。 タイトルは、村上春樹自身が敬愛するレイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』から取られている。(承諾は得ているとのこと) 2、あらすじ 1982年の秋から走り始めて、1983年にアテネーマラトンのマラソンオリジナルコースを1人で走破して以来、ほぼ毎年のようにフルマラソンに参加している村上春樹。 彼はいかに…
【ハルキスト推薦】Audibleで聞ける全15作品とこれから聞ける4作品を紹介
この記事では自称ハルキストのわたしが、Audibleで聞ける村上春樹作品の紹介をします。また、最新の長編小説「街とその不確かな壁」のAudibleナレーターの予想もしています。次に読む一冊の参考にしてみてください。
【本】村上春樹『1973年のピンボール』~古い光のような過去の想い、停滞と喪失、そして再生~
1、作品の概要 『1973年のピンボール』は村上春樹の中編小説。 1980年に刊行された。 村上春樹の2作目の小説。 第83回芥川賞候補作。 タイトルは、大江健三郎の『万延元年のフットボール』をもじったとのこと。 『風の歌を聴け』から始まり『羊をめぐる冒険』につながる『鼠三部作』の第2作。 700キロ離れた、「僕」と「鼠」の1973年の9月~11月の出来事を綴った。 2、あらすじ 「僕」は、東京で友人と翻訳事務所を設立し、翻訳の仕事をしながら繰り返しの毎日を送っていた。 そんなある日、ひょんなことから双子の女の子と3人で暮らすようになり、奇妙だけど穏やかな日々を過ごしすようになる。 一方、鼠は…
村上春樹の作品を読みたいけどどこから読むのが正解だろう?今回の記事ではそんな方に向けてオススメの小説を紹介します。 実は村上春樹作品は、一度挫折した人も自分の心の成長とともに読めることがあります。こちらの記事で読みたい小説がきっと見つかります。
子めがね「この物語は何を語ってくれてるの?」ススめがね「人は、願うことで在るべきところに身を置くことができるってことかな。」村上春樹さんの2023年4月に発売されたこちらの『街とその不確かな壁』。図書館ですぐに予約したのですが、順番は待てど
今回は、村上 春樹の『1973年のピンボール』を取り上げたいと思います。 ちょうど最近読み返しました。 この作品は秋になると読み返したくなります。 1、作品の概要 『1973年のピンボール』は、1980年に出版された村上春樹の2作目の長編になります。 「僕」が主人公の初期3部作の2作目になります。 1969年から1973年の出来事を時系列をバラバラにして語った物語で、離れ離れに過ごしている「僕」と「鼠」の物語を描いています。 基本的には1人称で、リアリズムの物語ですが、「僕」の物語はポップで会話も多く軽快な印象がありますが、「鼠」の物語は内省的で重々しい感じがします。 芥川賞の候補にもなった作…
村上春樹の長編を読む前に、「女のいない男たち」を春樹初心者に薦めたい
今回紹介するのは村上春樹の短編集なのですが、この「女のいない男たち」は村上春樹特有の喪失感を存分に味わえ、 しかも濃厚な村上ワールドを展開している物語が6つも入っています。 長編小説に挑戦するのをためらっている、そしてまだ村上春樹を読んだこ
私は20歳になるまで、村上春樹を食わず嫌いしていました。『ノルウェイの森』をチャラいベストセラーと誤解していたからです。ある日、年下の家族が高校の図書室で借りて面白かったと、宮部みゆきとセットで勧めてくれたことをきっかけに、読むようになりました。最初の宮部みゆき作品は『魔術はささやく』です。Boost Your Time(挨拶) ノルウェイの森 (講談社文庫) www.amazon.co.jp 1,232円 (2021年05月16日 06:24時点 詳しくはこちら) Amazon.c
【本】村上春樹『海辺のカフカ』~くぐり抜けた先でなされた世界との和解~
1、作品の概要 『海辺のカフカ』は村上春樹の書き下ろし長編小説。 2002年に新潮社より、上下巻で刊行された。 翻訳版が『ニューヨーク・タイムズ』紙で年間のベストブック10冊、世界幻想文学大賞に選出された。 蜷川幸雄の演出で、2度舞台化されている。 この作品が刊行されるタイミングでホームページが作られ、村上春樹自身が読者との交流の場を設けた。 現在はホームページは閉鎖されたが、メールのやり取りは『少年カフカ』に掲載されている。 運命の呪いに翻弄される15歳の田村カフカと、導かれるように四国へと旅する不思議な老人・ナカタさんの物語。 2、あらすじ 田村カフカは、15歳の誕生日に家出をすることを決…
【本】村上春樹『街とその不確かな壁』~心は空を羽ばたく鳥のように自由で、それだけ高い壁でも飛び越えてしまう~致命的にネタバレしている考察&感想
○村上春樹『街とその不確かな壁』の考察&詳細な感想を書いてみた[ネタバレ注意!!] 村上春樹『街とその不確かな壁』についての紹介と、簡単な感想を先日書きましたが、濃厚な感想&考察編も書いてみたいと思います。 ゴタゴタ感想を書く前に『街とその不確かな壁』について大筋の僕の感想を書くとすると、「めっちゃ良かった」です。 好きや嫌いや、良かったや良くなかったや、いろいろな感想があると思いますが、個人的には好きな作品だし、文章に無駄がないというか、成熟を感じさせれました。 hiro0706chang.hatenablog.com 今回も示唆的な内容や、暗示的な内容が数多くみられましたね。 壁や影が何を…
【本】村上春樹『街とその不確かな壁』~そう、心とは捉えがたいものであり、捉えがたいものが心なのだ~
1、作品の概要 『街とその不確かな壁』は村上春樹の新作長編小説。 2023年4月13日に新潮社から刊行された。 書き下ろし。 ページ数は655ページ。 電子書籍も同時に発売された。 装画をタダジュンが担当。 1980年に『文學界』に掲載された、単行本収録の中編小説『街と、その不確かな壁』を書き直した作品。 2、あらすじ 17歳のぼくは、16歳のきみに恋をしていた。 文通をして、電車を乗り継いでお互いの街でかけがえのない濃密な時間を過ごしていた2人。 ある時、きみが語った高い壁に囲まれたある「街」の話。 今目の前にいるきみは本当の自分ではなくて、影だと言う話を聞かされるぼく。 ある時、突然きみと…
【本】村上春樹の新刊『街とその不確かな壁』がいよいよ発売!!その本を買わなければならない。なんとしてもー。
☆昨日4/13は村上春樹の新刊の発売日でした!!☆ いやー、めでたい!! 何がめでたいって、昨日4/13が村上春樹の新作長編小説『街とその不確かな壁』の発売日だったのですよ!! 前作『騎士団長殺し』より、実に6年ぶりの新作長編小説ということで、ファンや読書好きの人たちは大盛り上りでしたね。 発売日まで今か今かと待ち続けていよいよ発売日を迎えました。 本当は発売日当日は仕事を休みにしたかったのですが、そうもいかず。 ずっとそわそわしながら一日と過ごしました。 休憩中にツィッターをみていると、買いましたっていうツイートが続々・・・。 うわぁ、俺も休み取っとくんだったよ~、とか悶絶しながら仕事をして…
【本・村上春樹】村上春樹の作品の感想まとめ&名刺代わりの村上春樹作品10選!!
☆村上春樹作品の感想をまとめてみます☆ このブログの運営も3年を超えました。 色々書いてはおるのですが、作家さんによっては作品が複数になる方もいるので、まとめ記事を作ってみました。 まぁ、カテゴリーもあるんですけどね・・・。 これからは過去記事の貼り付けもこの記事をひとつペタっと貼ればいいので良いかな、と。 村上春樹はやっぱり何だかんだ一番好きな作家で、何度も何度も再読しています。 もう25年以上読んでいますが、全く飽きないどころか歳を経たことで、余計に深く惹かれるようになった作品も多くあります。 例えば19歳の時に読んだ『ノルウェイの森』と、45歳の時に読んだ『ノルウェイの森』は感じ方が全く…
昨日は地下鉄で行って良かったです。思っていたより行きも帰りも人が少なくて、なにより冷房も効いていて快適でした。7月に入ってから地下鉄定期券を買うのをやめてから、自転車通勤をしてきたけれど、1回地下鉄に乗ると、もうダメかも。今日も地下鉄にする予定。なにせ熱中症アラートが毎日出てますから。今日は、自転車で最寄りの駅まで行き、駐輪場に自転車を停めて、そこから地下鉄に乗るという超贅沢コースにします。駐輪代10...
村上春樹さんチノ・デルドゥカ世界文学賞受賞おめでとうございます〜私なりの春樹ワールドを語る
日付が2022年5月19日になったばかりの頃、村上春樹さんにチノ・デルドゥカ世界文学賞が授与されることになったとのニュースが飛び込んできた。今宵さっそく、喜びを噛み締めながら家族と一緒にお祝いの宴を設けました。おめでとうございます🥂 【パリ共同】フランス学士院は18日までに、イタリア出身の文化人チノ・デルドゥカ氏の名前を冠した世界文学賞の今年の受賞者に作家の村上春樹さんが選ばれたと発表した。賞金は20万ユーロ(約2700万円)で、ノーベル文学賞に次いで高額とされる。 *村上春樹さん関連記事⇨ 小説ノルウェイの森が四半世紀たっても映像で脳に記憶されいた このところ村上春樹ワールドが波打ってる 先…