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宋禁軍の童貫を倒した後は、軍閥として残った岳飛らを相手にした戦を行う他に、梁山泊をそれまでとは違った国にしていく試みを続けます。それは、一割の税と一年の徴兵を民に課し、それ以外に国が交易を行って国庫を満たすというもの。梁山泊の交易は、東は日本、西は遠く天山山脈の先までを視野に入れたものでした。 梁山泊と歩調を合わせ宋を滅ぼした金は、長江の南で即位した趙構を軍で追いますが、捕えきれず軍を北に帰しました。その後、趙構を帝とした南宋が建国されます。 岳飛は金軍、梁山泊軍などと戦いますが、金に対しては優位に立つものの、梁山泊軍相手では負け続けます。領民たちは不満を募らせ、ついに金軍と戦っている岳飛軍の…
思う存分に引き摺り回されて、最後の一行まで面白い 夏に読む本 「鉄鼠の檻」 京極夏彦
こんにちは、暖淡堂です。 手首の筋トレを兼ねて、この夏は京極夏彦さんの本を読んでいます。 で、やっと読み終わりました。 「鉄鼠の檻」 1996年1月5日発行となっています。 書店に並べられているのを、すぐに買ったはずです。 で、25年以上経って、この夏に再読。 面白かったです。 「鉄鼠の檻」京極夏彦 この本の基本データを記録してみます。 本文ページ数:825 (本文最終ページに印刷されているページ数) サイズ:173mm x 108mm x 49mm (コクヨ物差し) 本体重さ:630g (キッチンにあった秤) この本を、通勤時に電車の中で読み続けました。 そのおかげで手首が常に筋肉痛状態。 …
楊令伝 十二 九天の章 (集英社文庫) 作者:北方謙三 集英社 Amazon 中原までを領土に加えた金国。 遼と宋の敗退により一気に支配領域が広がったが、その内政は落ち着かず、朝廷内では早くも権力争いが起きていた。 阿骨打(あぐだ)と楊令との間で語られた理想の国家の姿は現実のものとなるのか。 金国内の権力争い 阿骨打亡き後は、弟の呉乞買(うきまい)が王位を継承していた。 呉乞買は阿骨打の息子らが成長するまでの繋ぎとして王位についたが、やがて自分の息子を皇太子につけたいという希望を持つようになる。 その結果、阿骨打の息子を正統とする派と呉乞買の息子を皇太子に推そうとする派の対立が発生する。 対抗…
北方水滸伝に続く楊令伝シリーズの第十一巻。 楊令の率いる梁山泊軍が、宿敵である童貫元帥の禁軍を破った後の物語です。 この巻で楊令の思い描く国の姿が明らかになります。 それは、一割の税と兵役だけの国。 国の警護や軍の維持は、梁山泊が行う交易から得られる利益で賄うというもの。 そのためには、利益の確実に得られる交易をしなければなりません。 交易を成功させるために、楊令は東は日本へ、西は砂漠の広がる西域へと梁山泊の人たちを送ります。 そして自らも西域に赴き、西遼の耶律大石と会いました。 楊令は耶律大石と語り合い、西域への道筋が通ったという確信を得て梁山泊に帰ります。 禁軍の将校だった岳飛は、童貫亡き…
思いがけず、本格ミステリーの風合い 夏に読む本 「狂骨の夢」 京極夏彦
こんにちは、暖淡堂です。 京極夏彦さんの本と北方謙三さんの本を、この夏は交互に読んでいます。 正直、京極さんの本の順番のときは、手首の筋力トレーニングにもなります。 で、今回紹介するのは以下の本。 「狂骨の夢」です。 物語の舞台は、三浦半島、房総の九十九里浜、信州、それから北陸、横浜など。 さまざまな登場人物が「骨」を中心にして蠢き続けます。 そして、メインの話の流れに斜めから「南朝」の係累の野望、古代出雲や、邪教とされた宗派の信徒たちの影などが差し込んできて、まさにめくるめく様相を呈します。 混乱に混乱を重ねた末に、京極堂が憑き物落としをそれぞれの登場人物に対して行っていきます。 その過程で…
世の中のゴタゴタは 憑き物落としで片付ける 夏に読む本 「魍魎の匣」 京極夏彦
こんにちは、暖淡堂です。 「巷説百物語」シリーズを再読していて、書棚の前に立つたびに、僕を呼び続けていた一連の本があります。 それは「京極堂」のシリーズ。 「姑獲鳥の夏」から始まるこの「京極堂」のシリーズは、いくつかのスピンアウトの作品群を含めて、かなりのボリュームで僕の書棚を埋めています。 で、ついに手に取ってしまいました。 自宅にあるのは下の写真にあるもの。 分厚い本で、本自体が自立します。 机の上に縦に立てて手を離してもそのまま立っています。 震度3くらいでは倒れません。 そのくらい分厚い本ですね。 で、冒頭でいきなり驚くような光景が描かれます。 それは、「箱にピッタリと詰め込まれた少女…
便りが無いのは元気な証拠、とは言うもののだいぶご無沙汰してました。青です。平日はあまり時間が取れず、週末も出かけたりして全然パソコンに触れていませんでした。全国的に梅雨入りしたどころか南の方は梅雨明けしたそうですが、いかがお過ごしでしょうか?毎日30度前後で暑いーーーーーちょっと前まで窓開けてたら涼しい風が入ったんですが、最近は無風の夜が多く、サーキュレーターを出しました。涼しい~でも7月入ったらエ...
こんにちは、暖淡堂です。 もう20年ぶりくらいに京極夏彦さんの本にハマっています。 再度熱中し始めたきっかけが、「巷説百物語」。 僕のもっているのは以下の本ですね。 「巷説百物語」京極夏彦 平成11年8月31日 この本は初版が平成11年(1999年)。 今から24年前です。 この頃は、僕個人の第一次京極夏彦ブームで、本が書店に並ぶのとほぼ同時に買っていたと思います。 で、今回読み直して驚いたのは、内容をほぼ忘れていたこと。 まったくフレッシュな気分で読めました。 年を取るのも悪いことではないですね。 自宅の書棚が宝物箱のようです。 それはそれとして。 最初に読んだ時にそれほど強い印象を抱かなか…
【読書記録】椎名誠 「海浜棒球始末記」 夏になると読みたくなる
海浜棒球始末記と浮き球 夏になると読みたくなる本のうちの一冊です。 過去にも読書記録でブログの記事にしていますが、今年も読んだので、今回の感想を書いておこうと思います。 最近は、同じ本を繰り返し読んでも、毎回楽しめます。 推理小説で、犯人や犯行の手立てがわかってしまったものでも十分にワクワクしながら読み進められます。 1年以上経っていたら、もうほぼ未読のものと同じような状況で。 歳をとると、経済的に読書ができます。 歳をとってわかったことでもあります。 で、椎名さんの本。 南の島で見かけた不思議な野球。 浜辺に落ちている浮き球と流木を使って遊ぶ野球です。 それに椎名さんと仲間の皆さんがハマりま…
この夏sacco家では、中2ピアノ男子・ジエンコを使って、「夏の読書 10冊読むまでおわれま10(テン)」という楽しい企画を行っております。スタートからの経過はこちら。① 夏の読書おわれま10(テン)② 10冊読むまでおわれま10(テン)第1週結果③ 本日の記事。なんと、2週、3週の報告を忘れ、気づいたらほぼ最終週…ごめんなさいね。でも、ジエンコは母の監督のもと楽しく読書を続けておりました。今読んでる本は...
Eleanor Coerr著の「Sadako and the Thousand Paper Cranes」を読みました。これは、1943年から1955年までの短い生涯を送った実在人物サダコに基づく物語です。佐々木禎子さんは、アメリカ空軍が広島に原子爆弾を投下したとき広島にいました。11歳の禎子は走るのが得意な活発な少女で、学級選抜ランナーに選ばれるほどでした。しかし、易疲労感が徐々に悪化し、病院で検査を受けた結果、放射線被曝による白血病と診断されます。い...
中2ピアノ男子・ジエンコの読書をサポートしているsacco。では、小5の妹、アート女子・レイコは、というと、言わなくても自分でどんどん読んでいます。夏休みのはじめのはじめは、読書感想文コンクールに出すために全国と長野県の課題図書を数冊読みました。それから、椋鳩十読書感想文コンクールの課題作品も。上記の中から、『捨てないパン屋の挑戦』と『アルプスの猛犬』を感想文の候補に選びました。他の本は、パッとしなかっ...
先週7月27日から始まった夏休み特別企画、「夏の読書 10冊読むまでおわれま10(テン)」1週間が経過しました。1週目の経過を発表します。第1回選書5冊の中からジエンコが最初に選んだのは、ジエンコは部活男子だし、夫が「映画もあるよ。見たことある?」とか言ってたので、興味を持って最初に手に取りました。勉強や遊びを挟みながら1日半ほどで読了。感想は、「最初は部活だったけど最後はアレな感じだった。」うむ。なかなか...
夏の読書 10冊読むまでおわれま10(テン) 第2次候補 追加
昨夜の記事、☆「夏の読書 おわれま10(テン)」の追記。リアルガチsaccoの本棚から、薄めの文庫を2冊候補に。さらに、この本棚の奥の方に(文庫本は奥行きがないので、スライド書棚でもないのに、前後2列に文庫本を入れているので、前列をどかさないと後列の本は採れない)ロアルド・ダールがいるはず。ダールなら、児童書のダールセレクションではなく、それから、このあたりが、saccoの本棚のどこかから見つかればよいのだ...
中2ピアノ男子・ジエンコ。ピアノ歴は10年目です。部活男子でもあります。ソフトテニス部。空手男子もやってますよ。空手は6年目。夏休みも忙しくなりそうです。中学生になってから忙しさにかまけて読書の時間が減っています。小学校の頃は、司書資格を持ち学校司書の経験もある母・saccoが読書のアドバイスをしていたので、小学生としてはかなりの読書力を持った男子でしたが、中学生になってまで親が本を紹介しなくてもよい...