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NYに住む無免許の私立探偵、マット・スカダーシリーズの12作目。マット・スカダーは55歳になった。仕事を減らして、事実婚の相手エレインの店を時々手伝ったりしてゆったりと暮らしている。スカダーのところに、PR会社のトップがやってきて調査を依頼する。年に一度だけ会って食事をする男たちの会は、現在のメンバーになってから32年になる。会員はまだ60歳代で、そのうちの半数近くが死んでいる。偶然とは言えないほ...
【NYが舞台、探偵小説】「獣たちの墓」ローレンス・ブロック著!
NYの私立探偵、マット・スカダー・シリーズです。このシリーズの魅力はハードボイルドの乾いた文体がリズム感よく続くことにあります。スカダーと登場人物との会話の味わいが心地よさを深めます。特に、スカダーが事実婚をしている相手の娼婦、エレインとの知的でゆったりとした会話、アイルランドを旅行しているミック・バル―と電話で話すアイルランドとアメリカの文化比較、黒人の少年TJとの軽妙だがNYらしさを表現するやり...
NYのヘルズキッチン地区に住み、元警官だった経歴を生かして無免許の私立探偵で糊口をしのいでいるスカダーもの。関連記事〉〉著者、ローレンス・ブロックの読書記事はブログに、9回アップしています。時は示されないが、野球のドジャースがワールドシリーズに進出しそうという文章があるので、1987年だろう。酒を断ったって間もないスカダーはひとりホテルに住み、アルコール中毒の自主治療協会の集会に参加するといった日...
「石を放つとき」ローレンス・ブロック…老夫婦の会話がさえる!
NYで探偵家業を営むマット・スカダー・シリーズ。最新作です。年齢を明かしていないが、小説では、ほぼ私立探偵から引退している。スカダーものの傑作、40年前に刊行された「八百万の死にざま」から35年を過ぎているので、素直に読めばスカダーは後期高齢者になる。スカダー・シリーズ読書記事は、ブログに8回、アップしています。小説にこんな記述……「男の人生における三つのステージ……青年期、中年期、そして元気そうだ期...
ローレンス・ブロック「八百万の死にざま」(田口俊樹訳:ハヤカワ文庫)
「100days100bookcovers no6」 ローレンス・ブロック「八百万の死にざま」(田口俊樹訳:ハヤカワ文庫) 村上春樹、レイモンド・カーヴァーと繋がってきて、はたと困りました。できればここから離れたいの
「聖なる酒場の挽歌」ローレンス・ブロック著…探偵、スカダーもの
ローレンス・ブロックの小説読書記事はブログに7回、アップしています。乾いた文章で、登場人物の動きを描きながら内面を照射してゆく小説だ。読書するリズムによく合う。それは翻訳がうまいからか。英語ではどのように表現されているのか。興味が湧いてくる。都内に行く機会があれば本屋に寄って「WHEN THE SACRED GINMILL CLOSES(聖なる酒場の挽歌)」を捜してみようかなと思った。探偵、スカダーが日々を反省する場として教会...
私立探偵マット・スカダー・シリーズの第1作。同シリーズの「倒錯の舞踏」「墓場への切符」「八百万の死にざま」の読書日記はここです。第5作「八百万の死にざま」でこのシリーズを知り、倒錯3部作の「墓場への切符」「倒錯の舞踏」で魅力にはまり、第1作ではどんな小説を書いていたのかと興味が膨らんだ。この小説は、シリーズ第1作だ。スカダーへの依頼は、警官時代の仲間を通してやってきた。ヴィレッジのアパートでめった切...
「冬を怖れた女」ローレンス・ブロック著…マット・スカダーもの
私立探偵、マット・スカダーもの第2作目です。著者ローレンス・ブロックの読書日記(4回アップ)はここです。NY市警の刑事ブロードフィールドから電話がある。その彼は警察内部の腐敗を暴露し、組織からつまはじきとなっていた。そんな折、ある娼婦が彼を恐喝罪で告訴した。彼は私立探偵のスカダーに潔白を証明するよう調査を依頼した。刑事ブロードフィールドを告訴した女性は彼のアパートで死んでいた。当然、容疑は彼にそそ...
著者、ローレンス・ブロックの読書日記は、ブログに6回アップしています。原題は「All the Flowers Are Dying」。すぐにジョーン・バエズが歌った「Where Have All the Flowers Gone」を連想する向きもあるだろう。だが、この小説は反戦の欠片もないし、文明批評もない。活劇はあるが。60歳をかなりすぎた私立探偵、スカダーはエレインと結婚してNYで静かな毎日を過ごしている。私立探偵としての最盛期は終わったのだ。現在は...
「死者との誓い」ローレンス・ブロック著…冤罪の男の死、元恋人の死
著者、ローレンス・ブロックの読書日記はここです。NYで生きる無免許の探偵、マット・スカダーもの。スカダーの知り合いの弁護士、グレン・ホルツマンが、深夜、マンハッタンの路上で殺害された。容疑者の男はベトナム帰りのホームレス。だが、容疑者の弟が「兄は殺人を犯していない」と、スカダーに捜査を依頼してきた。著者は、この事件の真相を追いながら、2000年のNY。つまり、死と隣り合わせの危険な区域で暮らす人間...