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短編集「ティファニーで朝食を」再読② カポーティの珠玉の短編に酔いしれる
研ぎ澄まされた文体で登場人物の心を描き出す カポーティの短編集「ティファニーで朝食を」を再読しています。 前回は、表題作「ティファニーで朝食を」の感想や 映画と小説について書きました。 miyukey.hatenablog.com 今回は表題作を除いた3篇の短編についてご紹介したいと思います。 1、主人公は、カポーティ自身の姿か この短編集に収められた4篇の短編に共通することは 主人公が暗い過去や恵まれない生い立ちを持っているということ。 盗みをしなければ生きていけないほど貧しい家庭の生まれだったホリー(「ティファニーで朝食を」)、 幼くして引き取られた一家に折檻をされ続けて娼館へ来たオティリ…
カポーティ「ティファニーで朝食を」再読 ① 映画と小説・・・そして再読の醍醐味は
もう20年以上も前、高校生だった頃に感動した カポーティの「ティファニーで朝食を」。 ふと目に留まったティファニーブルーの ブックカバーがきっかけで、再読することにしました。 ティファニーで朝食を(新潮文庫) 作者:トルーマン・カポーティ 新潮社 Amazon 再読することの醍醐味は、 旧友に再会できた時のような懐かしい喜びを感じられること。 記憶の底に、かすかに残っている感動を思い出し 「ああ、そういえば、ここの箇所に胸を打たれたんだった」 「このストーリーが大好きだったなー」 と、感動を新たにできること。 そして、もうひとつは、初めて読んだ頃の自分とも再会できることです。 あの頃の自分と、…