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今週のお題「好きな小説」 もうずいぶん前に読んだのですが 私の好きな小説は 東野圭吾さんの『秘密』です 語彙力のない私がこの小説のスゴさを伝えることは難しいですが… 読み終わった瞬間鳥肌がたちましたよ ゾワゾワーってなりました このゾワゾワーを共有したくて 読んだことのない人に 「とにかく読んでみて」「黙って読んでみて」「騙されたと思って読んでみて」と猛プッシュしてしまうのです 東野さんの作品は映画になることも多いので 原作を読んだ後に映画を見たり 映画を見た後に原作を読んだりすることもあるのですが 『秘密』に関しては映像を見る気になりません 私の頭の中には登場人物の姿や声が出来上がっているの…
短編集「ティファニーで朝食を」再読② カポーティの珠玉の短編に酔いしれる
研ぎ澄まされた文体で登場人物の心を描き出す カポーティの短編集「ティファニーで朝食を」を再読しています。 前回は、表題作「ティファニーで朝食を」の感想や 映画と小説について書きました。 miyukey.hatenablog.com 今回は表題作を除いた3篇の短編についてご紹介したいと思います。 1、主人公は、カポーティ自身の姿か この短編集に収められた4篇の短編に共通することは 主人公が暗い過去や恵まれない生い立ちを持っているということ。 盗みをしなければ生きていけないほど貧しい家庭の生まれだったホリー(「ティファニーで朝食を」)、 幼くして引き取られた一家に折檻をされ続けて娼館へ来たオティリ…
おはようございます^ ^ 今回は私が読んで心に残った小説を紹介したいと思います。 色々と考えさせられた作品で、オススメしますとは言いません。 タイトル 『アントキノイノチ』 著者 : さだまさし(まさやん) そう、あの歌手として有名な、さだまさしさんです^ ^ わざわざ書く必要もないが、ひょっとして若い人は知らないかもと思い紹介しておきます。 さださんの作品は《解夏》《精霊流し》 《眉山》《風に立つライオン》と今回紹介する《アントキノイノチ》を読みました。 他の作品ももちろん良かったし、オススメ度は高いのですが、私の中ではこの《アントキノイノチ》が1番読んで心に残りました。 正直、かなり重い内…
【本】西 加奈子『ふくわらい』~それを恋というのなら、こんなに美しい感情はない~
1、作品の概要 『ふくわらい』は、西加奈子の長編小説。 2012年に朝日新聞出版より刊行された。 第1回河合隼雄物語賞受賞、「キノベス!2013」1位。 文庫本で294ページ。 特異な環境で育ち、愛も友情も知らずに育った編集者の鳴木戸 定(なるきど さだ)が、彼女なりに世界を愛し始めるまでの物語。 2、あらすじ 鳴木戸 定は、感情の表出があまり見られない一風変わった女性で、幼少の頃に熱中した福笑いが唯一心動かされることで、大人になってからも、空想の中で他人の顔を福笑いのように解体して楽しんでいた。 母親の多恵からは深い愛情を受けて育つが、病弱な母は早逝し、冒険紀行家の父について世界中を回る旅を…
【好きな小説】山川健一『水晶の夜』。戦争が目前に迫り崩れ落ちていく世界の中で、必死に抵抗して、正しく生きようとする若者が主人公の小説。繊細で冷静だった不良の主人公が、最後の章でエネルギーを爆発させる。山川健一の最高傑作。...