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1. 「求人票の束は未来への扉だったはずなのに」 就労支援に通い始めた頃、支援員は分厚い求人ファイルを笑顔で見せてくれた。「今は売り手市場です。たくさんありますよ!」 その言葉に俺は少しだけ胸が熱くなった。これまで短期離職ばかりで自信を失っていたけど、障害者雇用なら、きっと受け入れてくれるはずだ。「俺にもまだチャンスがある」 だがページをめくるたびに現実は冷たかった。「PC入力は必須」「Excel…
1. 「求人が増えた、だから企業は強気だ」 「今は売り手市場だから、仕事は選べますよ」就労支援の説明会でそう言われたとき、期待してしまった。でも求人票を開くと現実があった。 たしかに数は増えた。でも、その条件を見た瞬間に、俺は「無理だ」と思った。「PC操作必須」「軽度の精神障害歓迎」「発症歴はあるが現在安定している方」。求人は増えても、欲しいのは“障害者の姿をした健常者”だった。 「売り手市場だか…
逆転の発想で、障害者の就職に効果がありすぎる? なのに評価されない「IPS」って何だ47NEWSに2025/7/10に掲載された記事です。働いていない精神障害…
―開示したことで、閉じられた未来― 1. 「障害をオープンにしてください、サポートしますから」 弊社では、障害をオープンにした就労を推進しています。「安心して働ける環境づくり」を謳い文句にしています。求人票には「合理的配慮を行います」「障害者雇用促進中」とデカデカと書く。 ええ、それは間違っていません。でも、本音を言うとですね、オープンにしてくれたほうが管理がしやすいんですよ。「何ができないか」…
“安心して働ける場所”の正体 ―障害者雇用という優しい監獄―
1. 「安心できる場所を用意しました」 私たちの会社は、障害者の方にも「安心して働ける場所」を提供します。求人票にも堂々と書きます。広報誌でも特集を組みます。社会的責任を果たすポーズもバッチリです。 でも、本音を言えば「安心」させるのはこっちの都合でもあります。当事者が混乱しないように、トラブルを起こさないように、企業にとっても安全な環境を作る。それを「配慮」という言葉で包み込むんです。 2.…
〜開示すれば楽になるはずだったのに〜 1. 診断は、俺の秘密兵器だった 発達障害の診断を受けたのは、就活でボロボロに落ちたあとのことだった。「配慮があれば働ける」「開示すれば支援が受けられる」そう言われたけど、俺は黙ってた。 怖かったんだよ。障害者雇用しか選択肢がなくなるのが。健常者として採用されたい自分がいた。「配慮」なんて言葉を口にするのも負けだと思った。 でも本音は逆だった。「理解してほしい…
1. 法定雇用率という“ノルマ” 障害者雇用は「社会貢献」だと言われる。でも現実は義務だ。 法定雇用率を下回れば企業は納付金を取られる。達成すれば減免される。だから企業は枠を埋める。それだけだ。 助成金も出る。一人雇うごとに、国から金が入る仕組み。「社会参加の促進」って建前は立派だが、企業からすれば人件費を相殺できる補助金だ。 誰も「生活を支えよう」なんて言ってない。「経費を削減しろ」「国の罰金を…
「障害者雇用だから安心」なんて嘘だ - 精神科看護師Kのブログ 〜「居づらさ」で追い出される合理的配慮の正体〜 1. 「障害者雇用=一生安泰」なんて幻想だった 「障害者雇用なら解雇されにくい」「法定雇用率があるから大事にされる」そんな話を何度も聞いた。 俺も信じてた。就労移行支援でも、面接でも、支援員からも言われた。「安心して働けますよ」って。 でも実際は違った。確かに、いきなりクビにはしない。でも「辞めさせる手段」はいくらでもある。それが“配慮”の顔をした…
「無理せずにね」が「お前はいらない」に変わる瞬間 1. 期待を持たせる面接の甘言 「障害者雇用だからこそ、安心して話してください」「何でも相談してください」面接官は人事のプロ。柔らかい表情でこちらをほぐす。「配慮を伝えても大丈夫」というムードを演出する。 俺も言った。「刺激が強いとパニックを起こします」「マルチタスクは難しいです」「急かされると頭が真っ白になります」 面接官は深くうなずきながら、…
【障害者雇用の“枠の中の格差”】「同じ障害者枠なのに、俺はずっと底辺だった」
1. 「同じ“障害者枠”でもスタートラインが違う」 障害者手帳を取って、やっと面接にこぎつけた。「障害者雇用枠だからハードルは下がる」って聞いた。でも面接会場に来てみれば分かる。同じ「障害者枠」でも、経歴も資格も全然違う。 高学歴の人。大手で経験積んでた人。TOEIC高得点。資格も職歴も揃ってる。「障害特性はあるけど、戦力になりますよ」って顔してる。 俺?短期離職だらけ。Excelだって使えるのは…
【障害者雇用の“配慮”という名の隔離部屋】「どこにも居場所がなくなった俺の話」
1. 「採用時は期待された」 面接では笑顔で迎えられた。「大丈夫ですよ、うちは障害への理解があります」「一緒にやっていきましょう」 俺も嬉しかった。障害者雇用だけど正社員。周りに胸を張れると思った。支援員も「よかったですね、これからですね」と言った。 配属先の上司も最初は優しかった。「困ったら何でも言って」「焦らなくていいよ」 でも、それは最初だけだった。 2. 「使えない、という烙印」 仕事を…
1. 「前の場所は無理だった」 前に通ってた就労移行支援は、正直きつかった。「就職を目指す」っていう目標がハッキリしてて、履歴書も面接練習も「就活、就活」って空気。 俺も最初はやる気あったけど、面接で落ち続けて、グループワークで浮いて、何も言えなくなった。 「自分のせい」なのは分かってる。でも無理だった。それで通えなくなって、親にも「次はどうするの」って責められて、また探した。 2. 「新しいと…
【発達障害】「支援員は優しいけど、私のしんどさは伝わらない」
1. 「“大丈夫だよ”って言われるたびに」 私は就労移行支援に通ってる。家族に「行ってみたら?」って言われて、正直しぶしぶだったけど、仕事も続かなくて貯金も底をついて、もう逃げ場がなかった。 支援員さんはすごく優しい。「大丈夫だよ」「焦らなくていいよ」「一緒に考えようね」笑顔で言ってくれる。 でも、そのたびに胸が苦しくなる。私が抱えてる「無理」が、伝わってない気がするから。 2. 「履歴書を直す…
1.「貯金なんて一瞬でなくなった」 あの頃はまだ、わずかな貯金があった。短期の仕事を続けては辞め、また探して、を繰り返す中で少しは貯めた金だ。でも仕事を失ってからは、減る一方だった。 家賃を払った。食料を買った。光熱費を払った。それだけで、通帳の残高は笑えるくらい減った。不安で眠れなくなった。「次の支払い、どうする?」頭の中で繰り返す。 2.「節約は自分をすり減らす」 次に切ったのは食費だ。
1.「診断はついたけど、何ももらえない」 俺には診断名がついてる。発達障害、軽度の知的境界域、気分障害の既往。病院にも通った。カウンセリングも受けた。でも、障害年金は通らなかった。 「生活に支障は?」「働けないほどの状態ですか?」そう聞かれて、結局は「働けるでしょ」で終わる。確かにベッドから一歩も出られないほど寝たきりじゃない。でも職場には適応できない。人間関係が詰む。
1. 「就職を諦めたわけじゃない。でも現実はA型」 俺は発達障害だ。診断名も付いた。就労移行にも通った。面接も何度も受けた。 でも、結果は全部不採用。支援員もハローワークも「次があるよ」とは言ってくれたけど、心のどこかで「もうA型しかないね」って空気を出してた。 就職を諦めたつもりはない。でも、食ってくためにはどこかで働かないといけない。そこで紹介されたのがA型作業所だった。 2. 「“一般就労…
「最終面接まで行ける人」だと信じたけど、どこにも採用されなかった
1. 「やっと最終面接まで来た」 何度も落ちた。書類も、一次面接も、電話の対応も全部練習した。ハローワークの職員とも何度も面談して、「空白期間の説明」も「志望動機」も、嫌になるほど書き直した。 ようやく、ある会社で最終面接まで行った。「よくここまで頑張ってくれました」「お人柄は素晴らしい」そう言われて、胸の奥が熱くなった。 「やっと働けるかもしれない」親に小さく報告した。支援員にも嬉しそうに話した…
1.「正社員面接に落ち続けて」 もう何十社落ちただろう。短期離職を突っ込まれるたびに言い訳を用意した。「キャリアチェンジを試みまして」「家庭の都合で…」「自己分析をし直したくて」言いながら死にたくなった。 面接官は全部お見通しだった。「またすぐ辞めそうだね」って目で見る。質問が減る。書類の束に戻される。「結果は後日連絡します」なんて社交辞令だ。結果が来るわけがない。 ある日、帰りの電車で鏡に映った…
1.「求人サイトを見るたびに」 「正社員募集」「未経験歓迎」「長期安定」画面の向こうにはそんな言葉が並んでる。クリックすると、職務経歴書をアップロードしろって言われる。開くたびに、短期離職だらけの履歴がこっちを睨む。 「何度書き直してもダメだな」心の中でそう呟く。それでも応募する。送るたびに、「また落ちるんだろうな」って思ってる。でも送らないと詰む。金がなくなる。働かないと死ぬ。 2.「面接と…
精神障害者の雇用──企業はなぜ向き合い始めたのか?NEWS PICKSに2025/6/27に掲載された記事です。2018年の法改正以降、精神障害のある人の雇用…
障害者雇用促進法とは?法定雇用率の引き上げに伴う雇用義務、未達成の場合の罰則・影響
国・地方公共団体や民間企業には、従業員数に対して一定割合以上の障害者を雇用する義務があるのをご存知でしょうか。 この法律が障害者雇用促進法であり、障害者を雇用する割合が法定雇用率です。 ではそもそも障害者雇用促進法とは何か、どんな目的で制定
【発達障害当事者が語る】「非正規雇用は“踏み台”じゃなく“檻”だった」
1.「俺はここで“実績”を積むはずだった」 俺は30代後半、発達障害の診断あり。社会からドロップアウトして、やっと拾ってくれた仕事は契約社員のフルタイム。「まずはここで実績を積んで、正社員を目指しましょう」面接でも支援者でも、みんなそう言った。 でも蓋を開けたら、仕事内容はルーチン。意見を言う機会はない。成長できる仕事でもない。「昇格は実績を積んでから」と言うけど、実績を積めるような仕事は回ってこ…
【発達障害当事者が語る】「短期離職と転職回数が俺の首を絞める」
1.「履歴書を書くたびに、自分のダメさを突きつけられる」 俺はいわゆる“短期離職の常習犯”だ。最初は「やってみなきゃわからない」って転職を繰り返した。でも発達障害特性で人間関係が上手くいかない。マルチタスクが崩壊する。業務の優先順位を間違える。パニックになって頭が真っ白になる。 気付いたら続けられない職歴ばかりが増えた。半年、1年、長くても2年。そのたびに「もう次こそ頑張る」って自分を励ますんだけ…
【面接落ち続けるリアル】「雇われない未来を想像して、それでも履歴書を書く地獄」
1.「履歴書を何十枚書いたか、もう覚えてない」 書いたところでどうせ落ちる。わかってるのに、まだ書く。履歴書を量産する日々だ。志望動機はコピーしたような言葉しか出なくなる。「御社の理念に共感しました」「障害者雇用で長く働きたいです」 本音は「雇ってくれ」だ。「何でもする」「最低賃金でもいい」「雑用でも構わない」でもそんなこと書けないから、嘘みたいな言葉で白紙を埋める。 ペンを持つ手が震える。何十回…
【双極性障害×職場】「躁の才能だけ盗まれて、俺自身はゴミ箱に捨てられる話」
1.「面接は嘘じゃなかった。嘘になる病気だった」 俺は嘘をついたつもりはない。「改善提案が得意です」「人と話すのも問題ないです」「すぐ成果出せます」全部、本当の俺だった。 ──躁の時は、な。 面接は躁の時に行った。頭はキレキレ、ロジックも通る、アイデアもバンバン出せる。自信満々で受け答えして、面接官を笑わせた。「ぜひ来てほしい」 内定をもらって「やっと人生変わる」と思った。──でも変わったのは俺じ…
【発達障害当事者女性の経験談】「貧困は“女の人生を終わらせる”呪いだった」
1.「金がない、夢もない、選択肢もない」 私、30代後半。発達障害グレーゾーン診断あり。ASD寄りでコミュニケーションに難があって、ADHDみたいに注意が飛ぶ。精神科には通ってる。でも障害年金は通らなかった。 金がない、っていうのは「選択肢がない」ってことだ。健康にも気を使えないし、美容院も行けない。服も靴もヨレヨレ。電車賃を節約するために歩く。友達付き合いも消えた。婚活? 恋愛?
──「働きたいのに、ペンを持つ手が止まった」 1.「診断が救いになると思ってた」 最初は「発達障害という診断を受けたら楽になる」と本気で思ってた。ずっと理由がわからなかった自分の不器用さ、場の読めなさ、段取りの悪さ。名前がつけば説明できる。「自分のせいじゃない」って、そう思いたかった。 でも実際には、診断は終わりじゃなくてスタートだった。「合理的配慮を求めろ」「就労移行支援を使え」「障害者雇用で
──「能力」より「愛想」、それが俺の落ち続けた理由 1.「真面目」は褒め言葉じゃないと知った 30代にもなると、面接でこう言われることが増えた。 「真面目そうですね」「誠実なのは伝わります」 でも、そのあとに続くのは決まっている。「ただ、うちはコミュニケーションが大事でして…」「柔軟性が求められるんですよね」 ──要するに「お前は空気が読めない」ってことだ。ASD傾向がある俺は、ずっと真面目にや…
【発達障害・グレーゾーン】30代の転職活動は「選ばれない」を知る時間
──「もう若手じゃない」「でも即戦力じゃない」その谷間で溺れる1.「若いわけじゃないけど、経験者扱いはされない」30代前半。「20代とは違いますから」と言われる。「もう若手じゃないですから」とも。でも、即戦力かと言われればそうでもない。専門
──落ち着きのなさを“印象”で切られる社会で 1.「じっとしている」だけで評価される世界に生きている 転職エージェントに言われた。「○○さん、書類はいいんですが、面接での“印象”が惜しいですね」 ──惜しい。この言葉が、何度刺さってきたことか。 俺は、面接のとき、気づけば指をいじってしまう。視線が泳ぐ。貧乏ゆすりをしてしまう。落ち着きがないと言われればそれまでだ。けれど、それは“やめようと思って…
【発達障害・グレーゾーン】「俺ってなんか、仕事が続かないだけの人」
──自覚も診断もないまま、履歴書に職歴だけが増えていく 1.気づけば、また辞めていた。「何が悪いのか」はいつも分からない 俺は、これまで何度も仕事を変えてきた。バイトも契約社員も、正社員もやった。だけど、どれも長く続かなかった。最短は1週間、最長でも1年とちょっと。気づけば履歴書は、職歴だけが並ぶ“墓標”みたいになっていた。 最初は思ってた。「職場が合わなかったんだ」次は「上司との相性が悪かった…
【ASD】転職活動、それは「人柄が見えない」と言われ続ける地獄
──能力より“感じの良さ”を測る社会で、俺たちは何度も落とされる 1.「スキルは問題ないけど…」で終わる面接地獄 履歴書には、ちゃんと書いた。前職では、与えられた業務を正確にこなし、ミスも少なかった。評価も悪くなかった。だから転職活動だって、実績で勝負できると思ってた。 でも、面接官はこう言うんだ。 「お話は分かりやすかったです。でも、少し印象が…」「もう少し柔らかい雰囲気だと良かったかも」
【ASD】「感情が見えない」と言われ、誰からも相談されなくなった
──黙って働いていたら、“人じゃない何か”になっていた 1.「感情が見えないね」と言われ続けた 俺は仕事に感情を持ち込まない。それは、無感情なのではなく、感情を顔に出すのが苦手なだけだ。 職場では、嬉しくても笑えないし、怒っていても声を荒げたりできない。だから、ずっとこう言われてきた。 「何考えてるか分からないよね」「機嫌悪いのかな?って思っちゃう」「感情が見えない人って、ちょっと怖いよね」
──優しくされたあと、静かに居場所がなくなる 1.「相談してくれてありがとう」そのあとで急に冷たくなった ある日、思い切って上司に話した。「自閉スペクトラム症の特性があり、曖昧な指示や雑談中心のやりとりが苦手です。もし可能であれば、情報は書面や明確な形で共有してもらえると助かります」 上司は穏やかに頷いてくれた。
──ADHDの脳では、昨日できたことが今日できない 1.一回のミスで、「あの人、注意力ないよね」と言われた 俺はADHDだ。注意の切り替えが苦手で、頭が散らかりやすい。でも、仕事を始めたころは、必死に集中していた。タスクはノートに書き出し、タイマーをセットして、確認を何度も繰り返した。周囲からも「ちゃんとしてる人」だと思われていた。 でも──ある日、納期を1日間違えた。
──職場は、会議より“雑談”で動いていた 1.「みんな知ってたよ?」でも、俺は聞いてない 俺はASD、いわゆる自閉スペクトラム症の傾向がある。雑談が苦手だ。何を話せばいいか分からないし、空気を読むのも下手だ。 だから、職場でも必要最低限の会話しかしないようにしてた。挨拶、報告、相談、それだけ。 でも、ある日突然、こう言われた。 「え、それ伝えてなかったっけ?」「みんな知ってたよ? 昼休みに話して
──ASDという理由で“理解されないまま”終わる話 1.「わからないことは聞いてね」の罠 入社初日、「わからないことは何でも聞いてください」と言われた。だから俺は、本当にわからないことを全部聞いた。・「“適当に”って、どこまでやればいいですか?」・「“臨機応変”って、どう判断すればいいですか?」・「この言い回しは、文字通りですか? 比喩ですか?」 ──3日後、空気が変わった。「もうちょっと考えて…
「あなたは、何が苦手ですか?」「どんな配慮があると助かりますか?」「働くうえで、どんな目標を持っていますか?」 就労支援の面談では、こうした質問が当たり前のように投げかけられる。しかし、黙って俯いたまま何も答えられない利用者を前にすると、他の支援者は口をそろえて言う。 「この方、自己理解が浅いですね」「通所が安定してから、また支援しましょう」「本…
「自己責任、甘えるな、努力不足」──それは支援者を黙らせる呪文だった
1.その言葉を口にしたのは、利用者ではなく、支援者だった 「自己責任です」「甘えすぎなんじゃないかな」「もう少し努力が必要ですね」 この言葉を最初に口にしたのは、私じゃなかった。支援を受けている利用者でもなかった。隣の席にいた、同僚の支援員だった。 利用者が実習を途中でやめたとき、面接に落ち続けて絶望しているとき、トラブルを起こしたとき、職場でうまくいかず早期退職したとき。 そのたびに、支援員たち…
仕事を管理する人が1人長く休んでいたり人手不足で仕事が回らなかったりする職場から脱出してきました。余裕が無いから、職場の雰囲気はぎすぎすですよ。そのうえコミュニケーションもあんまりとれていないから、ど
「“履歴書の書き方”より、“生き延びる方法”を教えてほしかった」
. 支援って、なんだったんだろうな 「次はこの求人に応募してみましょう」「職務経歴書のこの言い回し、いいですね」「空白期間は“自己研鑽”って表現してみましょうか」 ──毎日、支援員と一緒にパソコンを前に座って、書類を書いてた。書いて、直して、また書いて。書いても書いても、書類はどこにも届かなかった。
「空白を埋めてから来てください」──面接官は今日も選別している
1.見た目は普通、履歴書には“空白”──さて、どう見るか 今日の応募者、30代後半。職歴の欄にぽっかり2年間の空白。「体調を崩して……」と、目を伏せて言った。 俺は頷く。理解ある風を装って。 でも正直に言えば──その時点で「落ちたな」と思っている。 だってそうだろう?社会は待ってくれない。2年も3年も“何もしなかった人”に、今さら何ができるって言うんだ。 俺の仕事は、戦力を選ぶことだ。
1.「この空白期間、何をされてましたか?」 面接官に、そう訊かれるたびに思う。 ──あんたは、“壊れてた”って言えば納得するのか?──それとも、“何もしてません”とでも言えば気が済むのか? でも俺は、今日も口をつぐむ。そして、都合のいい嘘をつく。 「資格取得の勉強をしてました」「家族の介護がありまして」「ちょっと体調を崩してまして……」 嘘だけど、ある意味、本当でもある。
1. “障害者雇用で落ちたなら、一般で頑張るしかない”と思ってた 障害者雇用の面接に何社も落ちて、「あなたの特性には合わない業務です」とか、「配慮が難しい職場でして」とか、そんなのばっかり言われて。配慮を求めすぎたのか? それとも、俺の障害が“重すぎた”のか? 結局、働く場所なんて選んでる余裕なかった。年金もない。貯金も尽きかけてる。じゃあもう──普通に働くしかないだろ。
難病でも安心して働ける支援サービス【atGPジョブトレ 難病コース】
難病専門の就労移行支援【atGPジョブトレ 難病コース】魅力ある就職・転職のサポートとは?①【atGPジョブトレ 難病コース】とは?〜難病のある方の新しいキャリアを支援〜「atGPジョブトレ 難病コース」は、パーソルダイバース株式会社が運営する、難病を抱える方専門の就
1.配慮されるはずの職場で、空気を読めと言われた 「障害者雇用なら安心ですよ」そう言われて入社した職場で、最初に渡されたのは業務マニュアルでも雇用契約書でもなく、“職場の暗黙のルール”だった。 ・休憩は“空気を読んで”取る・皆と歩調を合わせて仕事を進める・“できないこと”より“できること”をアピールする ──それ、全部、障害者雇用じゃなくても言われるやつだろ?でも、これが現実だった。
1.“理解ある職場”という幻想 私は、発達障害グレーゾーンで、軽度のうつ病持ち。だけど診断があいまいなまま就活して、正社員での雇用にはことごとく落ちた。だから、次は「障害者雇用で探そう」と思った。周囲からも、「そういう制度があるんだから、活用すればいいじゃない」と、軽く言われた。 「無理せず働ける職場」「配慮がある会社」──そういう求人票の言葉を信じて、応募した。何社も何社も
“年齢=就職歴なし”が許されるのは、何歳までか──答えは、最初から決まっていた
■【冒頭】──求人票を見ても、そこに“俺”の居場所はない 最近、求人サイトを開くことすら億劫になった。理由は単純で、「年齢不問」と書かれていても、“実際は若い人を求めてる”ってことくらい、俺ももうわかってきたからだ。 支援施設で紹介された求人も、面接に進んだ時点でうっすら察する。「ああ、今回も“若くて元気な人”が欲しいんだな」って。
■【冒頭】──落ち続けて1年。今日も「お祈り」だけが届いた。俺が就活を始めてから、もうすぐ1年になる。届いた内定はゼロ。届いたのは定型文だけ。「慎重に選考を重ねた結果…」「今回はご縁がなく…」「今後のご活躍をお祈り申し上げます」メールを開く
「まずは週5で働くことを目指しましょう」「フルタイムが無理なら、短時間でも」「まず“普通の”生活リズムに戻すところからですね」 そう言われ続けて、何年経っただろう。“普通”の働き方ができない俺たちは、今日もまた、「努力不足」と呼ばれている。 1|「働く=フルタイム」が前提の社会 発達障害グレーゾーン、精神障害、神経発達特性。いろんな名前がついているけど、俺たちが日常でつまずく理由は、だいたい共通…