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三人席のうち、真ん中の席に腰を下ろした。窓側には、娘がいる。西へ向かった新幹線は途中で母を乗せ、さらに西へと向かった。 島にある唯一の宿に着いたのは、もう夕方だった。 長旅で疲れた体を少し休ませ、窓越しに見える彼らの元へ足を運ぶ。彼らは食欲旺盛で、持参した人参とキャベツを無心に食べる。ただそれを眺めているだけで、のどかな時が流れる。娘が行きたいといって、初めて知ったこの島には、野生のうさぎが生息している。 せっかくだからと、うさぎの島から足を延ばし、市街地を越え、また島へと渡る。笑い声に視線を向けると、海外からの観光客に随分と馴れ馴れしく、食べ物を持つ手に鼻をくっつけるように、つきまとっている…