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きのうは等々力の方へ散歩、帰りにみたカフエに心が動いたが、前日も美術館のカフエに入ったじゃないかと、自制した。せんじつ、求人のチラシが郵便受けに入っていた...
以前、古書店で購入した「チャリング・クロス街84番地」を引っ張り出し、昨日はほぼ1日中この往復書簡集に浸っていた。 「チャリング・クロス街84番地」へレーン・ハンフ(編著) 江藤淳(訳) ニューヨーク在住の女性作家 へレーン・ハンフさんとロンドンの古書専門店員 フランク・ドエルさんとの往復書簡をまとめたもの。 マークス社(フランクさんが働く古書専門店)に届くへレーンさんからの注文は、手紙にげんなまドルを同封するという原始的なスタイルで、これが1949年から20年間続いた。 好みがはっきりしているので、その注文にはいつも妥協がなく、送られてきた本が気に入らなければ容赦なくその旨を伝えた。 もしか…
谷崎潤一郎の作品群ではしばしば母恋いのテーマが展開される。これは評論家江藤淳も指摘することである ― 「(谷崎潤一郎)氏の心の底には、幼いうちに母を喪ったと感じさせる深い傷跡が刻印されていたはずである。そうでなければ「母を恋い慕う子」というライト・モチーフが、谷崎氏のほとんどすべての作品に一貫するはずがない」(「谷崎潤一郎」「江藤淳著作集 続2」所収)。江藤淳自身、4歳の時に実母廣子を失い、晩年に美しい「幼年時代」を著した母恋いの人であり、晩年に長い谷崎論執筆を準備していただけに、この指摘は鋭い。 抱擁してくれるはずの母親は外出を好み、その不在は常態化し、乳母とふたりで寝る谷崎は悲しみを抱え込…
反米感情の産物としてのWGIP論 ーまだ「大東亜戦争はつづいている」と叫ぶ人々
1 江藤淳のウォー・ギルト・インフォメーションプログラム1999年、突然自殺した江藤淳氏が、その10年前の1989年に出した『閉された言語空間』を発端としたWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム War Guilt Information Program)論とはいかなるものなのか?この著作は江藤氏が1982年2月号から86年2月号まで4年間をかけて月刊誌『諸君』に連載した文章をまとめたものだ。...