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『肉弾』(68)(1980.7.10.日劇文化「セレクションATGスペシャル」併映は『人間蒸発』)昭和20年夏、終戦間際に特攻兵となったあいつの悲哀に満ちた青春を、戦中派世代の岡本喜八監督が、痛烈な皮肉とユーモア、ペーソスを交えながら描く。最高の映画だった。これまで自分が見てきた日本映画の中でも上位に入るだろう。特にあいつを演じた寺田農がよかった。登場人物の一人一人が存在感を放ち、敗戦というものを庶民の側から描き切っている。ユーモアを交えながら戦争批判を感じさせるのは、さすがに岡本喜八の演出と脚本のうまさによるものだろう。あいつという主人公を狂言回しにして、さまざまな人物が登場してくる。それは黒澤明の『どですかでん』(70)と通じるところもある。その中で、戦争の滑稽さ、愚かさ、空しさが描かれ、時には笑わさ...『肉弾』
陽炎|昭和初期の熊本を舞台に、愛憎がうずまく料亭を巡って一人の女胴師の活躍を描く。
陽炎(かげろう)は、1991年公開の日本映画。昭和初期の熊本を舞台に、愛憎がうずまく料亭を巡って一人の女胴師の活躍を描く任侠アクション。脚本は「極道の妻たち 最後の戦い」の高田宏治が執筆。監督は「226」の五社英雄。撮影は「利休」の森田富士郎がそれぞれ担当。映画批評・あらすじ(ネタバレ)・スタッフ・キャスト・映画予告編・無料動画・配信情報。
『椿三十郎』(62)正義感に燃え、次席家老の汚職を正すべく立ち上がった9人の若侍たちは、敵に囲まれるが、偶然居合わせた浪人・椿三十郎(三船敏郎)の機転で難を逃れる。若侍たちは自分たちの甘さを後悔しながらも汚職を正そうと新たに誓い、彼らを見捨てておけなくなった三十郎と共に、巨悪に立ち向かうことになるが…。ラストの三船と仲代達矢との対決シーンは映画史上の名場面として有名。原作は山本周五郎の「日日平安」。黒澤映画3本立てhttps://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9b82cd9ed7edf5a2245107033de223ea森田芳光版https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/01bcf069220416028fca47da5259d21d「カムカムエヴリバディ」の...「BSシネマ」『椿三十郎』
2024年の元日は、結構好きな映画が各局で放送される。『乱』(85)(BS11)https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9d0a0c37c38bf8d3929daa77454c3293『男はつらいよ寅次郎忘れな草』(73)(BS松竹東急)https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b5fbc48bbd738218728fa97f526b0eb6『デーヴ』(93)(テレ東新春ロードショー)https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/06810d98456a40838a5ba60eb44f1615https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/01a45b7c64dfa92250a98865369d4169新春映画『乱』『男はつらいよ寅次郎忘れな草』『デーヴ』
『用心棒』(61)縄張りの跡目を巡り、二つの勢力が対立する馬目の宿。殺伐とした宿場町に、どこからともなく浪人(三船敏郎)が現れる。めっぽう腕が立つ浪人は、居酒屋の亭主(東野英治郎)から町の状況を聞き、二つの勢力をだまして、共倒れにしようと画策するが…。黒澤映画3本立てhttps://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9b82cd9ed7edf5a2245107033de223ea「BSシネマ」『用心棒』
NHK大河ドラマ「どうする家康」。次週はいよいよ、織田・徳川連合軍と武田軍が雌雄を決する長篠(設楽ヶ原)の合戦となる。この長篠の合戦が最も印象深く描かれた映画は黒澤明監督の『影武者』(80)だろう。以下、『全集黒澤明』(岩波書店)から抜粋。諏訪勝頼(萩原健一)の無謀な突撃命令に疑問を感じながらも、侍大将たちは馬上でこんな会話を交わす。「風林火山」「林」の旗印の内藤昌豊(志甫隆之)「風よ、火よ、これまでじゃな」「風」の旗印の馬場信春(室田日出男)「さらばじゃ、一足先に参るぞ」「火」の旗印の山県昌景(大滝秀治)「風よ、林よ、御屋方様の下でまた会おう」槍を合わせ、三方へ走り去る3人。徳川家康(油井昌由樹)「武田はこれで滅びまする」織田信長(隆大介)「山が動いてはそれまでよ」信長「鉄砲隊の者どもにしかと申せ。先ず...『影武者』長篠の合戦
「映画監督 小林正樹」677頁を読み終えた。 映画監督を扱った本は様々にあるが、本作の素晴らしい出来に感嘆した。 その著作に関してはブクログにもコメントを記しているので重複はしないが、映画監督である小林正樹の全体像と本人へのインタビューから作品に込められたメッセージや思い...
『優駿ORACION』(88)(1988.8.7.日比谷スカラ座)夢や希望の勘違い宮本輝のベストセラー小説をフジテレビが映画化。北海道の小さな牧場で生まれた一頭の子馬の成長を軸に、日本一の競走馬を育てることを夢見る牧場主親子(緒形拳、緒形直人)、馬主となった会社社長(仲代達矢)の娘(斉藤由貴)や、腹違いの弟(吉岡秀隆)など、さまざまな人間模様を描く。ドラマ「北の国から」シリーズを手がけた杉田成道の映画デビュー作。競馬はレースを展開する馬と騎手だけのものではなく、その馬一頭に、さまざまな人々が夢や希望を託し、馬にも血統という目に見えない重荷があり…というように、一頭の馬にまつわる多様なドラマを描くだけで、感動的な物語を作ることは可能なはずである。恐らく、未読の原作にはそうした諸々がもっとうまく描かれているの...「BSシネマ」『優駿ORACION』
「人間の條件」は仲代達矢さん主演の第6部作、総上映時間は9時間31分にもなる映画です。1959年から1961年にかけて公開されました。若かりし頃の田中邦衛さん、中村玉緒さん、菅井きんさん、岸田今日子さんも出演しています。戦争という過酷で残酷な状況下における人間性を描いた作品で色々考えさせられる映画です。是非観て下さい。
『乱』(85)『影武者』に比べると黒澤自身が楽しみながら撮っているように思えるhttps://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9d0a0c37c38bf8d3929daa77454c3293「BSシネマ」『乱』
乱|黒澤監督の最後の時代劇! 日仏合作の壮大な戦国絵巻!裏切りや憎しみの中で殺し合う絶望的な人間の姿を”天からの視点”で俯瞰した究極の悲劇。
乱(らん)は、1985年公開の日本・フランス合作映画。物語はシェイクスピアの悲劇『リア王』と毛利元就の「三子教訓状」を元にしており、架空の戦国武将・一文字秀虎の家督譲渡に端を発する3人の息子との確執、兄弟同士の骨肉の争いと破滅を描く。映画批評・あらすじ(ネタバレ)・スタッフ・キャスト・映画予告編・無料動画・配信情報。
二百三高地 2月19日(日)23時59分まで まるまる無料配信w
帰って来て、荷物下ろして………雨降って来たからテントや寝袋干すのは また後日。 使った鍋釜類でも洗っておきますか。😅 こんな日は……… ランキングに…
<< あらすじ >>「亡国のイージス」でタッグを組んだ阪本順治監督と作家の福井晴敏が再び手を組み、戦後数々の詐欺話で登場してきた“M資金”を題材に描くエコノミック・サスペンス。2014年。敗戦目前の日本軍が秘かに隠匿したとされる莫大な秘密資産“M資金”。亡き父と同じ道を歩む真舟雄一は、そんなM資金をエサに架空の融資話で詐欺を繰り返すヤリ手の詐欺師。ある日、謎の男Mが真舟に近づき、驚愕の依頼を持ちかける。それ...
恥ずかしながら 「砂の器」 は初めて見た。本当は野村芳太郎監督の奴を観たかったのだけれど有料だし どうせ無料ならドラマ版もソコソコ旧い作品だからイイかと思って…
「東急名画座(渋谷東急2)」2 『遠野物語』『おこんじょうるり』
1983.3.17.『遠野物語』『おこんじょうるり』『遠野物語』柳田国男の原作は、民族説話集であり、この映画で描かれた時代とは何の関係もないらしい。ということは、スタッフは、昔話を近現代(明治末期)に置いてみることによって、“近現代の遠野物語”を作ることを試みたのだろう。しかも、これが今現在の遠野を舞台にして描かれたなら、全くの夢物語で終わってしまい、日本版のロミオとジュリエットのような男女の純愛話がしらけてしまったかもしれないが、時代を明治にすることで、違和感を少なくしている。そして、幻想的な伝説や、江波杏子演じる巫女の姿、あるいは仲代達矢の琵琶法師の世界と、階級差、貧富の差、戦争が引き起こす現実の悲劇を交差させることで、ただのファンタジックな純愛ものの域からも脱している。加えて、撮影が素晴らしい。駆け...「東急名画座(渋谷東急2)」2『遠野物語』『おこんじょうるり』
『バッシング』(05)(2006.3.15.)堂々めぐり渋谷で、イラクでの日本人人質事件のその後を描いた『バッシング』の試写。人質となった女性をモデルに、帰国後に彼女が受けた批判や中傷、差別の嵐(だからこのタイトル)を描いているのだが、ヒロイン自体も一種の問題児のように描かれているためか、どちらにも感情移入ができず、一体何が、誰が悪いのか?という思いが強くなり、後味が悪いことこの上ない。恐らくこれは、小林政広監督がわざと使った手法なのだろうが、これではバッシングを浴びせた社会が悪いのか、彼女自体の行動や発言に問題があるのかの堂々めぐりにしかならない。寒々とした北海道の風景、主演の占部房子の屈折した演技などに見るべきところはあるのだが…。という困った印象だったので、その監督へのインタビューの話があった時はい...小林政広監督の思い出
阿佐ヶ谷ラピュタでは5月22日から8月13日まで大空真弓特集をやっていて1週間ごとに1本ずつ合計11作品が上映されている。その中のひとつ「白と黒」という映画を見てきた。有名弁護士・宗方(千田是也)の妻・晴江(淡島千景)が殺害された。まもなく宗方家へ侵入した強盗の脇田(井川比佐志)が逮捕されると担当検事・落合(小林桂樹)の取り調べのもと晴江殺しについても自供を始める。このスピード解決の裏で複雑な心境を抱える者...
映画やドラマのリメイク作品のそれぞれのキャスト(配役)の比較してみました。リメイク扱いではない、同じ原作や同じテーマの作品のキャストも比較しています。昭和・平成・令和の作品、素敵な俳優さんを見比べ。
『影武者』(80)(1980.5.16.東洋現像所・技術検討試写会)黒澤明、5年ぶりの新作。『どですかでん』(70)『デルス・ウザーラ』(75)の枯れたような心境から、もう一歩死に近づいたような暗さや重みが感じられるが、その分、難解なところもある。この映画には、『用心棒』(61)や『椿三十郎』(62)で三船敏郎が演じたスーパーヒーロー的な人物は一切登場せず、戦国時代の武将たちがひたすら人間くさく描かれている。演技陣では、武田信玄と影武者の二役を演じた仲代達矢をはじめ、山崎努、大滝秀治、室田日出男、根津甚八、清水鉱治ら、一癖ある芸達者たちに、織田信長役の新人・隆大介が加わり、見事なアンサンブルを見せる。その中に入った勝頼役のショーケンが、何とも気の毒に見えた。長篠の戦いでの武田軍の壊滅シーンは、バックに流れ...「BSシネマ」『影武者』