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『赤毛』(69)(1980.8.11.)例によって三船プロ製作の締まらない映画かと思いきや、非常に面白くて驚いた。御大・三船敏郎の豪快さ、多彩な脇役陣、岡本喜八監督によるユーモアを含んだストーリー展開などが相まって、飽きることなく見入ってしまった。幕末の赤報隊の悲劇に、百姓のええじゃないか一揆を絡ませ、百姓上がりの無知だがお人好しの赤毛の権三(三船)を中心に、女郎たち、若い百姓たち、代官(さすがの伊藤雄之助!)、そして官軍など、さまざまな人間たちを、時にユーモラスに、時に悲しく描いている。岡本喜八流の明治維新への皮肉が効いている。その点で、高橋悦史扮する浪人がしばしばつぶやく「葵が錦に変わっただけじゃねえか」というセリフが印象的であり、この映画のテーマを象徴していると思った。共同脚本は広沢栄。『赤毛』
『敦煌』(88)(1988.8.20.日比谷スカラ座)11世紀、中国・宋の時代。科挙の試験に落ちた趙行徳(佐藤浩市)は、新たな希望を求めて新興国・西夏へと向かう。道中、西夏軍漢人部隊を率いる朱王礼(西田敏行)に徴用され同行することになった行徳は、人々との出会いや戦いを経て、敦煌の文化遺産を守るため奔走することになる。舞台は中国、シルクロード、砂漠と聞いて、『アラビアのロレンス』(61)のことを思い出し、果たして「ロレンス」のように自然の景観に負けない映画に仕上がっているのかという危惧が浮かんだ。加えて、この映画と同じく井上靖の原作を映画化した『天平の甍』(80)を見た際に感じた、中国人に扮した日本の役者が、日本語でセリフを語ることに対する違和感を覚えずに済むかということ。この2点が見る前に引っ掛かっていた...「BSシネマ」『敦煌』
『隠し砦の三悪人』(58)戦国時代、秋月家の武将・真壁六郎太(三船敏郎)は、生き残った雪姫(上原美佐)と隠し砦に潜んでいた。六郎太たちは、一獲千金をもくろむ農民の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)に軍用金の黄金を背負わせて敵陣を突破し、友好国へ逃げ込もうとするが…。次々にふりかかる絶体絶命の危機を大胆に切り抜けていくハラハラドキドキの大脱出劇。『スター・ウォーズ』(77)のジョージ・ルーカスをはじめ、多くの映画作家に影響を与えた、黒澤明監督の傑作時代劇。佐藤勝の音楽も素晴らしい。(94.11.)もはや新たに書くことなどないと思うほど、もう何度も見ているというのに、またしても面白かった。これは一体どういうことなのだ。ところで、今回は、レナード・マルティンの『MOVIESGUIDE』で、この映画についての「三船...「BSシネマ」『隠し砦の三悪人』
『用心棒』(61)縄張りの跡目を巡り、二つの勢力が対立する馬目の宿。殺伐とした宿場町に、どこからともなく浪人(三船敏郎)が現れる。めっぽう腕が立つ浪人は、居酒屋の亭主(東野英治郎)から町の状況を聞き、二つの勢力をだまして、共倒れにしようと画策するが…。黒澤映画3本立てhttps://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9b82cd9ed7edf5a2245107033de223ea「BSシネマ」『用心棒』