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壁には、たくさんの鏡が等間隔で並べられていた。全身が映るほどの大きさはなく、胸から上が映るぐらいだった。若者の街で歩き疲れた私は、娘に案内された場所で、ジュースを買って席についた。並んだ鏡を眺めながら、なんだろうと考えていた。鏡の前に立つ姿を隠すように、カーテンが引けるようになっている。その脇にはヘアアイロンが置いてある。なるほど、ここで髪を直したり、アレンジしたりするのだなと理解したが、どうにも違和感を覚えた。フードコートでこんな光景をみるのは初めてだった。周りをみると、娘よりもまだ若い人達ばかりだ。もちろん私のような年齢の人はいなかった。 *** 家事もそこそこに、準備を始める。余裕があっ…