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アンドレ・モロア著「リヨテ元帥伝」、モロッコの保護領化を進めた軍人の戦略とは
前号で、漂流怪人・きだみのるが、フランスはどのようにして保護領モロッコを治めているのか調査し、それを「モロッコ紀行」にまとめたという話を書いた。きだは、多くのフランスの軍人と面談し、彼らの発言を「モロッコ紀行」に記録した。 モロッコ各地に駐留するフランス軍の将校が共通して言っているのは、軍事力だけでモロッコを支配することはできないということだ。モロッコ人の暮らしの改善を進めることが、モロッコ支配には不可欠であるという考え方だ。 具体的には、フランスが、医療、農業、水問題などの改善事業を各地で進めていることが、「モロッコ紀行」で書かれている。いわば、軍事と民生のハイブリッドな取り組みである。モロ…
1933年9月9日の東京日日新聞に、日仏合同の対満州投資調査が行われたとの記事が載っている。ネットで公開されている神戸大学経済経営研究所の新聞記事文庫のおかげで読むことができました。感謝。 満州での日本の権益を確かなものにするため、日本は国際社会の支持を取り付けるための様々な動きをしていた。その一環でフランスを巻き込むための日仏合同投資調査だったようだ。記事には次のように書かれている。 「英国が極東において反日的政策を露骨化しつつあるに反し仏国が満州おける日仏接近の実行計画を進めて来たことは頗る興味を惹きつつある」 さらに満州に対し、好意的な態度を表明するフランスの著名人として、前号で取り上げ…