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著者は第二次世界大戦下のビルマを舞台にした小説を多く書いている。戦争文学を一途に書いてきた感があるが、2017年に刊行した「いくさの底」ではビルマ戦線を舞台にミステリの要素を加えた。以来、力量が一気に上がった。古処誠二の小説読書記事はブログに、5回アップしています。「敵前の森で」はビルマを舞台にしたミステリ小説だ。冒頭から数ページ読み進めたところで、なんと腕を上げたのかと舌を巻いた。以前とは違って...
大東亜戦争中のビルマ戦線。北部カチン州に駐留する日本人軍曹とビルマ人との交流を描いた小説。著者は戦闘や市民が受ける被害には直接に触れず、日本人軍曹とビルマの人々との価値観の違いから生ずるずれを描きながら、双方が共存するための方法や存在を認め合うための考え方を読者に問いかけている。ビルマの北部で西隈軍曹は兵站勤務に当たっている。軍の指示により、施設を建設するためビルマ人を集め、ペスト感染予防のために...