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シュウの話、第137話。続く襲撃。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8. ビル風に長い黒髪が乱されるのも構わず、一聖は背負った相手に脅しをかける。「このヘンリー・トラス記念ビルの高さは約380メートル、8年前にゴールドコースト市国の貿易センタービルに更新されるまで世界最長の高層ビルだったワケだが、ま、ふつーの人間が屋上から身一つで落っこちりゃ、どーなるか分かるよなぁ?」「あ、あんたも死ぬだろ!?...
雨の日の拾い者、第3、4話(Novel Days版) 雨の日の拾い者、第3話(Novel Days版) 2017年11月18日(土)、ミノルの部屋 Ⅲ 早紀江がスマホを操作して「ほら、私のプロフがあるからそれを送る。ミノルのLINEのID教えて」とぼくのスマホを差し出した...
シュウの話、第136話。襲撃される一聖。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. まだ騒然としている王宮内で、一聖は思案に暮れていた。(妙なのは、なんで首相ともあろう人間がこんな暴挙に出たのか、だ) 王宮をそれとなく歩き回り、情報収集していく内に、監禁の際に軍や警察と言った王国内の武装勢力に、動いた形跡がなかったこと――即ち、マクファーソン首相が差し向けた兵士が王国の正規軍ではなかったことが明らかに...
雨の日の美術館、第3、4話(Novel Days版) 雨の日の美術館、第3話(Novel Days版) 2017年11月12日(日)、北千住の分銅屋 俺が美香さんを連れて行った居酒屋は、北千住の古い市街にある間口が三間ほどの小さな店だ。葦簀の簾が窓を隠し、食事処の提灯が下...
シュウの話、第135話。戴冠異議申し立て。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. カレン崩御からまもなく――国家元首不在では何かと不都合であるから、当然の流れであるとも言えるが――王室政府は大慌てでメルキンの即位に向けての支度を整えた。そのため崩御から3日後にはすべての準備が整い、謁見の間にて戴冠式が行われることとなった。 場面はいよいよメルキンが戴冠する直前となり、テレビ局をはじめとする各種メディ...
第1話 2017年11月17日(金) 2017年11月17日(金)、夜の公園にて 連日の残業でぼくのマンションの最寄り駅の改札をくぐった時には時刻は十一時半を回っていた。今日は終電2本前。まだ早い方だった。外は霧雨。傘を持っていなかったが、霧雨程度なら徒歩十五分だしそれほ...
第1話 2017年11月17日(金) 2017年11月12日(日)、上野の森美術館「怖い絵」展 俺は失敗したと思った。雨の日曜日にも関わらず入館を待つ長蛇の列。来てしまったので仕方なく最後尾へ並んだ。俺の前に突っ立っている女性二人組がスマホを見ながら「待ち時間は1時間だっ...
シュウの話、第134話。疑惑の新王。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5.《臨時ニュースが入りました。本日、トラス王室政府よりトラス王国国王、カレン・トラスの崩御が発表されました。67歳でした。また、同政府より第4代国王として、前国王の姪孫(てっそん)であるマーク・メルキン・トラス氏が即位する予定であると発表されました》「なーにが『即位する予定』だ、クソが」 ミッドランド市国、天狐屋敷。間一髪で...
時間はすでに18時を回っていたが、母と美穂の話は尽きる事がなかった。僕からすれば、どうでもいい話を延々と続けている。颯汰はお菓子をたくさん食べて、お小遣いも貰って初めはご機嫌だったがいい加減、退屈してきたようだった。僕は早く家に帰りたくて仕
シュウの話、第133話。旧トラス王国の政変。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 20代で王位を継いだカレン女王の在位は40年近くにも及び、長期政権による安定した治世が行われてきたが、その平和にも陰りが差していた。カレンが重い病に冒されており、余命いくばくもないことが判明したのである。「一刻も早く次の国王を定めねば……」 王室政府の閣僚たちが密かに集まり、緊急会議を開いていたが、そこに一聖の姿は...
シュウの話、第132話。ご意見番の鶴声。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 双月暦570年代における白猫党との戦いが彼らの分裂・内戦勃発と言う形で決着した後も、一聖は「フェニックス」の最高顧問とトラス王族の教育係を続けており、いつしか王室のご意見番としての地位を確立していた。 そのため6世紀末、第2代国王の後継者を定めるべく催された御前会議にも当然、彼女の姿があった。「オレの結論から言えば、...
シュウの話、第131話。勢力図激変の予兆。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 流石に8世紀最大のフィクサーとうわさされるだけあり、天狐は十重二十重の戦略・作戦によってラコッカ石油の、難民特区における地位と権力を固めさせていた。前述の、天狐にまつわるうわさを流し、盗みを働こうとするならず者たちを殺さず追い払っていたことも、その一環だった。特区内のならず者を退けると共に余計な争いを避けさせ、後に...
シュウの話、第130話。黒いうわさ?- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1.「ラコッカファミリー主体で石油会社を作る」と言う天狐の飛び抜けた発案はただちに実施され、難民特区には連日、諸外国から人員や資材が山のように集まってきていた。「なんだ、あの人だかり?」「ラコッカのとこらしい。なんでも石油、本格的に掘り出すんだとさ」「へー……?」 そのにぎわいを遠巻きに眺めるならず者たちは――長らく法の庇護と近代...
シュウの話、第129話。創業。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8.《オレの思惑もちゃんと話しておいてやんよ。じゃなきゃフェアじゃねーし、納得しねーだろーしな。率直に言って、オレは白猫党とトラス王国が大っキライだ。どっちにも1世紀単位の因縁があるもんで、な。ましてや他人の油田を奪って軍事転用しよう、アコギに荒稼ぎしようなんてこすい真似、見過ごすワケがねーだろ。だからお前らに肩入れするんだ。 この...
フランク・ロイド の 音楽 - パッヘルベル カノン だけ、ただそれだけ。
パッヘルベル、カノン、Pachelbel - Canon in D だけ、それだけ。 フランク・ロイド の 音楽 - パッヘルベル カノン だけ、ただそれだけ。 Pachelbel - Canon - Stringspace String Quartet Pachelbel...
シュウの話、第128話。フィクサー天狐。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. まだどこかとぼけた様子を見せているファミリーに、今度はカニートが、もっと現実的な説明を述べた。「あんたら、このスマホを見てくれ。このスマホの裏面、何が書いてある?」「会社名か? ピクスマニア」「そう。一流電子機器メーカーのピクスマニアだ。その現CEO……まあ、社長みたいなもんだが、そいつとテンコ・カツミ氏には関わりがあ...
シュウの話、第127話。石油をめぐる最も大きな問題。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. 顔も名前も知らない相手からの突然の提案に、カニートも、ロロも面食らった。「なんだって?」「あんた、一体誰なんだ? そんなこと突然言われて、『おう、いいぞ』なんて二つ返事で答えると思うのか?」《だろーな。だが状況は差し迫ってるはずだ。軍を足止めしたのはファインプレイと言えるが、ソレでグズのトラス王国を躍起に...
シュウの話、第126話。批判動画の反響と反応。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 王国軍批判の動画が公開されてから2日後、再びカニートが「学校」にやって来た。「王国は大騒ぎになってる。王室政府は――救助が最優先の国務だの何だのって言い訳して――派遣を行わない旨を正式表明した。それにちょっとネットを探れば報告サイトだの監視サイトだのが一杯立ってて、正義の味方気取りの国民が逐一王国軍の動きを伝えてる...
シュウの話、第125話。????リポート;トラス王国軍の非道を暴く!- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. かつては超大国・中央政府亡き後の希望の星、地域共同体「新央北」の誇る若く雄々しい宗主国であったトラス王国も、年月を経る内にあちこちが衰えてきているらしく、特に近年の凋落ぶりは著しかった。 と言うよりも年月を経た大国であるが故に、政財界には古い慣習と常識を重んじる保守層が多く、近年目覚ましい...
シュウの話、第124話。潜入取材者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「誰だ?」「……っ」 物陰の人間がたじろぐ気配を察し、足の早い者が数名、ばっと駆け出す。まもなく、明らかに特区の人間ではない、身奇麗な短耳の男を連れて戻って来た。「コイツ写真撮ってたっスよ、親父」「写真? ……ってあんた、見覚えあるな」 腕をがっちりとつかまれた短耳の顔をしげしげと見つめ、ロロはポン、と手を打つ。「ああ、そうだ...
シュウの話、第123話。百変化ショー。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2.「本当にケガしてねーのか?」「あんだけ撃たれまくってたじゃん」「ええ、まあ、はい、全然」 王国軍による二度目の襲撃を退けた後、ラックはファミリーに囲まれ、裸の上半身をあちこちからじろじろと見つめられていた。「ってかさっきの筋肉はどこ行ったんだよ」「こーして見るとただのおっさんじゃね?」「そりゃ贅肉的なのはないけどさー、筋...
「内向型」「HSP」「感覚過敏」「APD(聴覚情報処理障害)」「ASDグレーゾーン」……「生理痛」「PMS」などの悩みや体験談、思った事や学んだ事などを描いたエッセイ漫画を中心に掲載。 その他、創作漫画やオリジナルイラストなども載せてます。|オリジナル小説 紹介[2]|エッセイ漫画*内向型/HSP/生理痛 他
シュウの話、第122話。横暴と傲慢。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1.「石油湧出地確保を目的とする前回の出動につきまして、兵士が撮影した映像を解析したところ、合成や加工の類が見られないことを確認しました」 将校の報告を聞き終えても、会議室に居並ぶ幕僚たちの、興ざめ気味の顔色に変化はない。「だから?」「映像に映っている巨大生物は本物である、と」「何を言っているのかね? そんなものがいるはずはな...
今日も蒸し暑いです。今のところ 昨日ほど雲がないので、細いお月さまが見られるなぁ。 先日の雲を絵本に登場しそうな鳥にみえて 何かいないかなぁ…寝ているのは…
フランク・ロイド の 音楽 - Broken Peach & Proud Mary
フランク・ロイド の 音楽 - Broken Peach & Proud Mary Broken Peach - Proud Mary (TV Peachformance) Broken Peach - Proud Mary (TV Peachformance) Broke...
フランク・ロイド の 音楽 - HSCC 「HSCC」は「The Hindley Street Country Club」の略。化学式じゃないよ。 私は、つるっぱげのギターとベースのおっちゃんが安定感出して好き。 それと、たいがいの曲でボーカルを務める小柄でおっぱい姐ちゃん...
シュウの話、第121話。無明の中で生きると言うこと。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. 日中は授業や何かしらの工作作業、校庭を作り変えた畑での農作業で騒々しかった「学校」も、夕闇が迫るに従って、段々と静かになっていた。「電気通ってないからな。暗くなったら寝る、が基本だ」「発電機があるって言ってなかったですか?」 尋ねたラックに、ロロは肩をすくめて返す。「んなもん、もうブッ壊れちまってるよ。1...
フランク・ロイド の 音楽 - Sershen & Zaritskaya / NOAPOLOGY
Daria Zaritskaya はウクライナ出身のシンガー。 まだ28歳。身長165cm、体重55kg。この歌声を聴いてくれ。 Wham! - Last Christmas (ROCK COVER by Sershen&Zaritskaya) Wham! - Last C...
シュウの話、第120話。人生の分岐点。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8. 結局、根が真面目なロロが暴飲暴食したのは――腹を下したこともあって――最初の2日だけで、以降は朝と夕の1日2缶で過ごしていた。昼下がりに多少腹が減る感じはしたものの、今後の先行きがまったく見えない現状を彼なりに考え、節約に努めていたからだ。(今日も……脳天気なニュースばっかだな) ラジオで朝のニュースを聞き、それが終わったら...
逸(はや)る心と緊張感とで、アンドレスは武者震いのようなものを覚えながら、胸襟(きょうきん)を正す。 それは、まだアリスメンディとの面識のないジェロニモやペドロも同じようで、早朝の冷気の中にもかかわ
シュウの話、第119話。無法を眺める。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. 半日以上のたうち回った後、どうにか回復したロロは――やる必要など微塵もないはずであるが――校内を見回っていた。(……長年やってたせいか、気が落ち着くな。とは言え『じゃあベアリング好きか』って言われたら『見たくもねえ』って答えるけども。ま、あっちはタダ働きみたいなもんだったし) 既に街が、いや、国が崩壊して幾日も経つが、窓から...
シュウの話、第118話。ロロの幸運。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. やはり結果的には、ロロは幸運な男だと言えるのかも知れない。 一向に市民権が得られず、銀行口座も作れない難民のままだったこと。そして24時間交代制の非常勤用務員と言う、薄給かつ過酷な職務にしか就けなかったことが、結局はすべてロロに味方したのである。街が暴徒であふれかえっていた時も、そして統一トラス王国が軍を派遣した時も、非...
シュウの話、第117話。国家崩壊の3日間。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. ありがたいことに段ボール箱の中には新品の電池も入っており、ロロは何の問題もなくラジオを聴くことができた。 問題だったのは、ラジオで流れていた内容だった。《……繰り返します。WTNB、西トラス国営放送は、すべての業務を停止しました。繰り返します……》「……は?」 そのまま1分ほど聴き続けていたが、同じ内容がただひたすら繰り...
柴犬です🐶、こんにちは。やんちゃな王子の物語が外伝までようやく終わり、ホッとしています。ご一読いただいた皆様、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。(__)それにしても疲れました(T_T)、小説は年2回くらい書ければ上等と思
シュウの話、第116話。静かすぎる朝。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. その日、ロロはそれまでの7年間ずっと続けてきたように、朝の7時半きっかりに小学校に出勤した。いつもなら既に鍵は開けられ、校門が全開となっているはずだったが――。「あれ?」 校門は固く閉ざされたままであり、鍵もかかっている。(なんだよ……? ハミルのやつ、珍しく寝坊したのか?) とは言えロロも用務員なので、校門の鍵は持参して...
シュウの話、第115話。罪と罰と、そして因果と。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 雨が小ぶりになったためか、ようやくおんぼろセダンの空調が効き始め、車内は暖かくなり始めた。「ま、繰り返すようだが到着までは時間がかかる。俺にしても無言で前だけじーっと見てるってのは退屈でたまらん。ラジオ付けたところで、聞こえてくんのは白猫党の流すうぜえ時報とウソだらけのニュースばっかりじゃ、聞く気にならん。だ...
ここしばらく、表紙をお任せする人を探していたのですが、ついについに、この人!と思えるかたを発見。そして、快く引き受けていただけることに! 色々考えているうちに、アニメ的なイラストのよういに、くっきりとした線ではなく、ほどよく抽象的な絵のほうがいいのでは?と思うようになりました。物語は、読者の心のなかで再生されて、はじめて完結する、そう考えると、絵のなかに読者の想像力を働かせる余地を残したほうがいいのでは?と思ったのです。そして見つけたのが、このかたのX(Twitter)の投稿です。 初心者向け】Watercolor水彩画作品集-7 (ヨット&ニューヨーク) 2023年6月22 https://…
シュウの話、第114話。亡命の秋。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 普段のラックであればああしてパニック状態になった時、そのまま四半日ほどうずくまってどうにか平静を取り戻せると言った程度なのだが、ロロに食堂へ連れて行かれ、「おーい、こっちにキャベツと唐辛子のパスタ2つな!」と勝手に注文され、そのまま届けられた料理を夢中で平らげ、ふう、と一息ついて食後のお茶を口に運んだところで、自分の調子が...
やんちゃな王子のための失われた王国 外伝 最終話-物語の持つ力-
僕は食事はそこそこに、浴室へ向かいながら物語の締めくくりを思い描いていた。それは偉大なる豪商、イルファンのその後の命運についてだ。目が開けると、そこには見知らぬ萱葺き屋根の天井があった。さっきまで弟のヒースの叫び声のようなものが聞こえていた
ようこそ、当スナックへお越しくださいました。 私はマスターの、素姓乱雑(そせいらんぞう)」です。 前回までお話しした 「かいこ」 のあらすじは、 ”道に迷った翔梧は一夜の仮宿を頼もうと思い、幾つか明かりが見えるうちの一軒に向かった。そこで偶然出会った「兄」と名乗る男と翔梧は、酒を飲みながら互いを語り合う” というものでした。 それでは第3話に入ります。「小さい頃から住んでいるというならこの家だ。覚え...
シュウの話、第113話。ファミリーと、ラックの日常。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. ともかくロロの元に身を寄せることとなり、ラックは「ファミリー」の暮らしに、形から入ることにした。「そんじゃ始めるぞー」 まず、朝の9時――荒廃した難民特区であっても、時計とチョークくらいはあるらしく――ロロが教壇に立ち、「ファミリー」たちを集めて授業を行う。出席しているのは子供だけではなく、10代後半、20代...
シュウの話、第112話。安息の地を守るために。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 貧しさと混沌のるつぼであるはずの難民特区の中であるにもかかわらず、「ファミリー」の食卓は豊かなものであった。「はふ、はふっ……」「んぐ、うぐ、……ぷはーっ!」 場に並んだ料理はラックの目から見ても、まともな食堂に並んでいても何らおかしくない、食欲を大いに刺激される出来だった。「どうした? 食べないのか、ラック」「あ...
シュウの話、第111話。パパ・ラコッカ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 結論から言うと――あの胸を撃たれたはずのリーダーは、しっかり生きていた。「ふぅー……思ったより胸にずしんと来たぜ。もうちょっと薄かったらヤバかったかもな」 銃撃されることをあらかじめ予想していたため、胸に鉄板を仕込んでいたのである。「マジで死んだかと思って、流石にビビったっスよ」「アタマ狙われないようにヘルメット被ってた...
登場人物 森絵美 :文系大学心理学科の2年生、明彦の恋人 宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部。横浜出身 神宮寺奈々 :絵美の大学の同級生 加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻 杉田真理子 :明彦の大学の近くの...
シュウの話、第110話。石油を巡る確執。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 油田に到着した兵隊たちを待っていたのは、武器を手にした荒くれ者たちだった。「一応確認するがよ」 と、その中の一人、明らかにリーダー格の熊獣人が角材を手に、兵隊らに質問する。「あんたらはどこの誰だ? この油田をどうするつもりだい?」 兵隊らの先頭に立っていた将校が、それに答えた。「我々はトラス王国陸軍第16大隊の者だ。...
シュウの話、第109話。地の底から湧き上がるもの。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. いろんな きおくが まざりあう…… ……おれは…… ……おれは……俺は闘技場の人気選手で……あの頂上決戦……市国の人気者だ…… ……市国には……武者修行に来て……元々は……焔流……修行……教団の……あれ…… ……闘技場なんて行きたくない……怖い……殴らないで……痛い……やめて…… ……痛い……ドクター……もう無理です……痛い……熱い…… ……寒いよ……暗い…… ……いや...
電話をかけると、意外な事に2.3コールであっさりと兄の声が聞こえた。「よう、シュン。久しぶりだな。どうしたんだ?何かあったのか?」「何かあったじゃないよ。さっき、母さんから留守電が入っていた。マサ兄が交通事故にあったって。怪我の具合はどうな
それから、アリゼが兄の船が座礁した件を口にする事は一切無かった。海が穏やかな日は漁に出かけ、帰ってからは畑仕事に黙々と精を出し何事もなかったように日々を過ごした。アイニにもお話を読んで聞かせたり、散歩に連れて行ったりしていつも通り面倒もみて
アリゼはうつ伏せになって、月明かりを頼りに兄からの手紙を何度も繰り返し読み返したが、やがて手紙を地面に放って仰向けになって泣いた。『何でだよ?何で兄さんが俺なんかに嫉妬なんかしなきゃいけないんだ。兄さんみたいになりたかったのは俺なのに…。』
いまさら気が付きましたが、「緑綺星」第3部の地図を描いてませんでした。と言うわけで掲載。作中でも言及していた通り、「白猫夢」にて東西分裂した央南連合は、再統一を目論む西側と独立維持を望む東側とで戦争が勃発。紆余曲折の末、黄家が大交通網を開発することで、再統一が成されました。その大交通網は「緑綺星」時には央南全域を網羅しており、あっちこっちに高速道路や新幹線のような超高速鉄道が敷かれています。七瀬・...