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旅をするならまずコトバから。 私の旅のモットーである。 ネパールでエベレストトレッキングをして味を占めた。 もっとゆっくりと山を歩きたい。 インドも旅してみたい。 ではネパール語を勉強しよう。 そんな気持ちでネパール語を勉強しようと思った。 ネパール語を勉強してから、トレッキングをしよう。 ネパール語とヒンディー語は似てるからなんとかなるか。 折しも、バックパッカーの雑誌「旅行人」も盛り上がっていたころ。 ネパールから入って、インドを回って、ネパールに戻って。 そんな計画を練っていた。 植村直己だったか、25歳までに旅に出ようと書いていた。 そろそろ旅に出ないといけないなあと思った。 山岳会の…
引き続きアジアの旅エッセイです。前回ご紹介したマミヤ狂四郎さんの『アジア裏世界遺産 とんでもスポットと人を巡る28の旅』は、著者みずから率先してトラブルに巻き込まれようとするフシがあり、一般の旅行者にはなかなか体験できないエピソードだらけでした。 一方、今回取り上げる宮田珠己さんの『旅の理不尽 アジア悶絶篇』(1995年)には、アジアを旅する人の多くが経験してきたであろう、ありがちなハプニングが並んでいます。 出だしからこんなふうに書くと〈凡庸な作品なのでは?〉と思われてしまうかもしれませんが、凡庸なエピソードを非凡な作品に仕上げてしまう点が宮田さんの凄いところ。マジでこの人、どうかしています…