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宮田珠己『ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記』を読んだ感想
皆様こんにちは、霜柱です。 宮田珠己さんの『ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅行記』(白水Uブックス)を読みました。
3回連続で宮田珠己さんのエッセイに関する感想文の投稿です。何かすみません。しかも、近作ならまだしも、すべて20年以上前に書かれた作品ですが、どうか引き続きお付き合いください。 サラリーマン時代の雄姿 今回は、2000年に刊行され、そこから7年の時を経て文庫化に至った4作目『わたしの旅に何をする。』(幻冬舎文庫)をピックアップ。 ベースとなるのは、前回の『ときどき意味もなくずんずん歩く』と同じく、雑誌『旅行人』での連載です。本編の始まりは以下の通り。 私はついこの間までサラリーマンであった。結局退職したのだが、ええぃ会社なんか今すぐ辞めてやる、そうだ、今すぐにだ、という強い信念を十年近く持ち続け…
宮田珠己『ときどき意味もなくずんずん歩く』|読書旅vol.102
こちらのページで書いた通り母の手術をきっかけに生活が一変。隣でリハビリの応援をしたり(※応援するだけで、実際は何の役にも立っていない)、他愛のない会話をして退屈しのぎの相手になったりする毎日を送っています。 母と過ごす時間は穏やかそのもの。不満もストレスもさほどありません。ただし、そうは言っても「旅に出たいな~」とか、「母にかまけて働かないのはよろしくないぞ」とか、あれこれ思わなくもないです。 ましてや、日常生活もままならないくらいの大怪我を負ってしまった母の身になってこの先の未来を想像すると、流石に胸が苦しくなります。 そうした状況下でうっかりネガティヴ・モードに突入しないよう、最近は宮田珠…
宮田珠己『ジェットコースターにもほどがある』|読書旅vol.101
大型連休っぽいアクティヴィティーを何ひとつしないまま、GWが後半戦に突入してしまいました。残りの3日間も特にアガる予定は控えていません。 そこで少しはレジャー気分を味わおうと、今回は『ジェットコースターにもほどがある』(集英社文庫)を選んだ次第です。 絶叫ライドを乗り倒せ! 2002年リリースの単行本をベースに、2011年に加筆・修正して文庫化された本著は、石ころやベトナム盆栽、迷路、海の変な生き物など、さまざまな方面に関心を寄せる旅行作家の宮田珠己さんがジェットコースターをテーマに編んだエッセイ。 端的に説明すると、著者が北米・台湾・日本のジェットコースターを乗り倒し、その感想をひたすら綴っ…
◆読んだ本◆ ・書名:明日ロト7が私を救う ・著者:宮田珠己 ・初版出版社:本の雑誌社 ・初版発行日:2023/7/26 ◆おすすめ度◆ ・ロト7のめり込みエッセイ度:★★★★ ・笑える身辺雑記度:★★★★ ・宮田節絶好調度:★★★★ ◆感想◆ 著者がロト7を当てるべく、約10年に渡って奮闘してきた全記録! っていう雰囲気を醸し出しつつ、コロナ禍で仕事や人生に危機を感じた著者の、爆笑身辺雑記。 様々な当選数字...
路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅/宮田珠己 散歩エッセイのイメージ画像
◆読んだ本◆ ・書名:路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅 ・著者:宮田珠己 ・初版出版社:亜紀書房 ・初版発行日:2023/11/25 ◆おすすめ度◆ ・斜め上行く散歩日記度:★★★ ・変なもの好きな著者が、さらにターゲットを拡張度:★★★ ・自分の住んでるところを散歩したくなる度:★★★ ◆印象的なシーンを生成AIで画像化◆ 物語の印象的だったシーンなどを生成AIを使って画像にしてみました...
こんにちは。6月末で定年退職を迎えた独身男性です。昨日は、作家・エッセイストの宮田珠己(みやた たまき)さんの講演会「本の迷路をずんずん歩く」に行ってきました。
2010年発売の『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』に感化され(※詳しくはこちら)、私も読書を通じて目前に控えたW杯出場国を疑似旅行しようと、手始めに日本が戦うグループEからドイツとスペインに関する本を直近2回で紹介しました。 しかし、我が家の本棚には2戦目の相手国=コスタリカに特化した書籍もなければ、開催国であるカタールの本もありません。 すっかりやる気の失せた私は、W杯出場32か国の踏破(読書で)をあっさり諦め、いつもの調子で旅情を掻き立ててくれる作品を、何の脈絡もなく気の向くままに取り上げていくことに決めました。無理はするもんじゃないです。 旅に出るため会社を辞めた…
引き続きアジアの旅エッセイです。前回ご紹介したマミヤ狂四郎さんの『アジア裏世界遺産 とんでもスポットと人を巡る28の旅』は、著者みずから率先してトラブルに巻き込まれようとするフシがあり、一般の旅行者にはなかなか体験できないエピソードだらけでした。 一方、今回取り上げる宮田珠己さんの『旅の理不尽 アジア悶絶篇』(1995年)には、アジアを旅する人の多くが経験してきたであろう、ありがちなハプニングが並んでいます。 出だしからこんなふうに書くと〈凡庸な作品なのでは?〉と思われてしまうかもしれませんが、凡庸なエピソードを非凡な作品に仕上げてしまう点が宮田さんの凄いところ。マジでこの人、どうかしています…