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さくら剛『中国なんて二度と行くかボケ! ...でもまた行きたいかも。』|読書旅vol.105
母のリハビリ生活が長引く最中に、ご両親の介護について綴ったさくら剛さんのnoteを一気読みし、著者に対する印象がガラリと変わりました(※詳しくはこちらから)。自然と涙が溢れてきました。 ただし、それを紹介するのは自分的に違和感。あくまでも当ブログのテーマは旅です。旅に出られない期間であっても、そのコンセプトは残しておきたい。 そこで、今回はnoteの代わりにさくらさんの『中国なんて二度と行くかボケ! ...でもまた行きたいかも。』(幻冬舎文庫)をピックアップしました。 日本発、アフリカ経由、中国行き タイトル通り本著の舞台は中国です。けれども、旅の始まりは南アフリカのケープタウン。「来週から北…
「ズルい言葉」とは、責任の有無をあいまいにできる言葉のこと。酒井順子さんは社会現象にもなった「負け犬の遠吠え」を書かれた方なんですね。そんな鋭い感性をもつ酒井順子さんの日常の言葉にまつわるエッセイ「ズルい言葉」。読んでいると「確かに!」と、
『父の詫び状』を読み、すっかりハマってしまった向田邦子作品。続いて読んだのが『男どき女どき』でした。 小説とエッセイが収録されている短編集であり、向田さん最後の作品集です。「男どき」とは勢いのある幸運の時、「女どき」は不幸の時を指す言葉だそ
千円で贅沢な気持ちになれる買い物。雑貨や食器、キッチン小物など、日々の暮らしを丁寧にしたい人向きのエッセイです。『群ようこの雑貨カタログ』に続き、日常の小物をモチーフにしたエッセイを読んでみました。作者の中野翠さんは着物や手芸にも詳しく、フ
【書評】山里亮太のエッセイ「天才はあきらめた」を読んだ感想|山ちゃんは努力の天才
現在放映中のドラマ「だが、情熱はある」の原作としても大注目の若林さん初のエッセイ本「社会人大学人見知り学部卒業見込」この記事では「社会人大学人見知り学部卒業見込」の内容や感想、若林さんの名言と共に作中のエピソードを紹介しています。人見知りが社会で生きるための教科書のような存在の一冊です。人見知りな方、これからの社会人生活に不安を感じている方にぜひ読んでほしい記事です!
男性から女性に、女性から男性になった方の談話も載っている『バンコクジャパニーズ列伝 いろいろあってバンコクにいます』を再読し(※詳しくはこちら)、ふとプーケット島を舞台にした能町みね子さんの実録エッセイ『トロピカル性転換ツアー』(文春文庫)が頭に浮かびました。 ※『トロピカル性転換ツアー』は、もともと2008年に『たのしいせいてんかんツアー』なるタイトルで竹書房より出版され、2013年の文庫化に併せて改題。 初の海外で性転換手術? エッセイスト、漫画家、イラストレーター、コメンテーターなど、マルチに活躍される能町さん。大相撲ファンの私にとっては、好角家の印象がとても強い方です。 もうちょっと突…
クーロン黒沢/皿井タレー/エポック伊藤『さわやかタイ読本: 国際奇人変人都市・バンコクへようこそ!』|読書旅vol.92
『東南アジア四次元日記』を再読し(※詳しくはこちら)、東南アジアのおもしろさを改めて確認したところで、今度はバンコクにズームイン。大作『さわやかタイ読本: 国際奇人変人都市・バンコクへようこそ!』(2002年/太田出版)をピックアップしてみました。 すがすがしい街ネタ中心? バンコクと言えば、アメリカの有力旅行雑誌『Travel + Leisure』の人気企画〈Best Cities〉で今年も東南アジアNo.1の座を射止めたほか、ツーリストの心を掴んで離さない魅惑の都市。 この街の魅力をありのまま伝えんと、いまから約20年前に立ち上がったのが、クーロン黒沢さんと皿井タレーさん、エポック伊藤さん…
2010年発売の『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』に感化され(※詳しくはこちら)、私も読書を通じて目前に控えたW杯出場国を疑似旅行しようと、手始めに日本が戦うグループEからドイツとスペインに関する本を直近2回で紹介しました。 しかし、我が家の本棚には2戦目の相手国=コスタリカに特化した書籍もなければ、開催国であるカタールの本もありません。 すっかりやる気の失せた私は、W杯出場32か国の踏破(読書で)をあっさり諦め、いつもの調子で旅情を掻き立ててくれる作品を、何の脈絡もなく気の向くままに取り上げていくことに決めました。無理はするもんじゃないです。 旅に出るため会社を辞めた…
村上敦伺・四方健太郎『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』|読書旅vol.88
ボケボケしていたらサッカーW杯まで1か月を切っていました。今回のカタール大会は異例の11~12月開催。欧州リーグがシーズン真っ只中で中断を余儀なくされ、強豪国を中心に準備不足も懸念されるなど、つい最近までイマイチ盛り上がりに欠けていた感は否めません。しかし、流石に開幕が間近に迫ってくると、否応なしにワクワクしてくるものです。 そこで今回はこのワクワク感をさらに加速させるべく、アシシこと村上敦伺さんとヨモケンこと四方健太郎さんの共著による『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』(2010年/双葉社)をピックアップしてみました。 W杯出場32か国を踏破しよう! ブログから派生した…
「パリってやさしくないよね。“優しく”ないし、“易しく”ない」。これは前回ご紹介した川内有緒さんの『パリでメシを食う。』に出てくる男性起業家の言葉。 パリで活躍する日本人10組を追った同作では、他にも「最初のうちはパリなんて大嫌いだった」と口にしている方がけっこうな割合でいました。しかし、それでも皆さんはパリに住み続けようと決心されたわけです。 観光地としてではなく、暮らす場所としてのパリの魅力って何だろう? 私の中でこんな疑問が湧きました。そこで、今回はタイトルもドンピシャな『それでも住みたいフランス』(2006年/新潮社)を選んだ次第です。 優雅でオシャレ……ではあらず? 著者の飛幡祐規さ…
みんかの #創作同人電子書籍 レビュー:古川 透「ウィザードリィおじさんⅠ」#評論 #エッセイ #テキスト【no.1184】
レアアイテムを求め魔物を屠る苦行に挑む…RPG黎明期のシリーズに挑んだ令和の日記。 ウィザードリィというコンピュータRPGゲームをプレイした記録を描く、評論エッセイテキスト作品。 ウィザードリィというのは1981年に発表されたコンピュータRPGのさきがけとも言える作品です。なのでこの評論は40年前の思い出……かと思いきや、ウィザードリィ外伝という1991年から発表された作品を、令和になってからプレイした記録を綴ったも...
今週多くの学校で入学式が行われ、それに先駆けて4月1日にはトヨタやパナソニック、ローソンといった大手企業の入社式の様子もニュースで流れていました。新入生と新社会人やそのご家族の皆様、本当におめでとうございます。 新入生や新社会人でなくとも、学生さんにはクラス替えがあったり、会社員さんの中には異動や組織再編があったりと、春は1年でもっとも環境の変化が起こりやすい時期。少しの不安と、それを上回る期待で心をざわつかせている方も多いのではないでしょうか。 今回はそんな季節にピッタリの書籍、川内有緒さんの処女作『パリでメシを食う。』(2010年/幻冬舎)を選んでみました。 ちなみに、コツコツ貯めた海外移…
先月買った本の中に「一生働く」と言う86歳で現役看護師の著者のエッセイがある。まだ読めていないのだが、読みたくてうずうずしている。そう言う状態って結構好きだったするので、もうちょっと塩漬けにして今はアメリカの戯曲を読んでいる。