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< 人は 頭で事の善悪を判断するけど 人の好悪は腹で決める のかもです > 江戸城。半蔵門を出て甲州街道を西へ少し。先を歩く1人の旗本が左へ折れると、低い坂を下って平河町方面の夕闇に溶け込もうとしている。あとを追いかけるようにもう1人の旗本が駆けていく。 「おうい、そんなに急ぐこともあるまい。もう少しゆっくりと」 先を歩いていた旗本が足を止めて振り返った。嘉永6年6月5日の宵である。 現在の暦でいえば7月10日。前日の雨もあって、江戸はかなり蒸し暑くなっていた。追いついた男が息を切らせながら言った。 「ももんじ屋か?」 「ああ、おぬしもか」 「ああ、そうだ。浦賀の黒船は城と同じぐらい大きいそう…
1853年、アメリカ東インド艦隊司令官マシュー・ペリー率いる黒船4隻が、浦賀沖に姿を現しました。黒船来航・・・それは、2世紀半続いた江戸幕府の終焉の始まり・・・外圧に、攘夷を叫ぶ声、幕府の権威は低下していきました。そんな時代に幕府をしょって立つことになったのが
【将軍継承問題】後編 1866年(慶応2年)第二次長州征討の途上、謎の急死を遂げた家茂に代わり、15代将軍となった一橋家(水戸)出身の徳川慶喜。ご存知の通り、江戸幕府最後の将軍となります。正室である妻は、五摂家の公家、一条家から迎えています。在職期間は僅か1年間であり、江戸...