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『純粋理性批判』(1781年初版/1787年改訂版)は、イマヌエル・カントが著した哲学の主著であり、**近代哲学における画期的転換点**とされます。 この書物の目的は、「人間の理性は何をどこまで正当な仕方で認識できるのか」という問いに答えることにあります。以下に概要を整理します。 --- ## 1. **目的:理性の限界と能力の批判** カントの基本的な問いは: > 「**我々は何を知ることができるのか?**」 こ…
『純粋理性批判』には、概念的・抽象的な事柄がたくさん出てきます。 「直観」とはどのような作用か? 「空間」とは何なのか? 「時間」とは何なのか? それらは丁寧に詳細に説明されてはいるのですが、文章を読み進むだけでは、今ひとつ理解が及びませ
光文社文庫版『純粋理性批判』全7巻のうち、2巻までを読了しました。 読み始めたのが2021年8月24日なので、丸3年ほどかかったことになります。 毎週1~2節という読解のペースは変わっていません。 スローペースではあるものの、途切れてしま
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 十八世紀の啓蒙時代を代表する哲学者イマヌエル・カント(1724-1804)はプロイセン王国ケーニヒスベルクで生まれ、生涯のほとんどをその地で過ごしました。ルター派の敬虔主義的な家庭で育ち、その教えを基盤とした寄宿学校へと通います。ラテン語、宗教学、哲学などが基本の授業に組み込まれ、人生の早い段階で思想というものに触れることになりました。当時の西洋では「哲学」に関して現代ほどの理解が及んでおらず、政治や軍略を重視する国の姿勢が反映され、立場もさほど重要視されていませんでした。しかし、ヨハネス・ケプラーやガリレオ・ガリレイによる研究、ルネ・デカル…