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映画「ロストケア」を見る。 主人公は高齢者の訪問介護センターの職員で、利用者や同僚から優しく熱心な介護者として慕われていた。しかし実は彼は多くの利用者の命を奪っていて・・・というお話。 高齢者の介護に振り回されて疲弊していく家族。自らの哀しい介護経験もあり、主人公は高齢者本人と家族を「救う」為に命を奪う。見応えがあり考えさせられるのは、彼の行為が発覚し逮捕されてからの担…
入所施設を運営する法人の保護者会に参加した。Kが入所するまでお世話になっていた通所施設の保護者や職員さんも来ていて久しぶりにご挨拶ができました。 Kよりかなり年上の人のお母さんが最近入所の申請をしたという。在宅の方が自由に過ごさせてやれるから、と思うとなかなか決心がつかなかったが、親の体力・気力的にはそういう生活を維持する限界が近づいていると。 聞けばその方と同年代(親 70代 子 40代 …
Kの入所施設で感染症対策のために制限されていた外出が緩和された。待ちに待った久々の「親子でお出かけ」だ。 入所前からよく連れて行った公園をのんびりと散歩する。以前と全く同じように、時々小石を拾ったり雑草をむしったりしながら歩くKの後ろ姿を見ているとなんだかこの2年離れて暮らしていたことが噓のようだ。全く変わっていないから。 その後和食レストランでお寿司を食べる。ここでもまた、以前と全く…
前回の続き。 時々考えるのだけどこの「理解させたいこと」というのもあくまで健常者サイドの常識や理屈だ。双方が「理解し合う」ことで穏やかに暮らすための歩み寄り、は必要だが、どちらがどれくらい歩み寄ればいいのだろう。 しかし「説明しても理解できないから」「繰り返すから」といって有無…
ノンフィクション作家の織田淳太郎氏がとある知的障害者施設に入職し、その現状を知って障害福祉の現状に疑問を持ち問題提起している本です。新刊案内で見てすぐに購入しました。 まず、入職先のグループホームと作業所の利用者対応。これがそのまま真実だとしたら本当にこわい。 知的障障害者への対応の基本のようなものは親の方も子が療育や支援教育を受ける過程である程度教えられるが、この本の中に出てくる
私のところのような弱小企業は、とてつもなく大変になりそうです。 どうしようという感じですね💦 障害福祉事業者の財務DB整備 25年度導入、経営を透明化(福祉新聞) #Yahooニュース https://news.yahoo.co.j
障害児がいる我が家。 年末年始は普段お世話になっているデイサービスもお休みなので、当たり前ですが家族で過ごします。 一口に障害児といっても色々とあり、その障害の程度も様々です。 発達障害や自閉症から、医療ケアを必要とする重症心身障害児まであります。 障害児を育てる家族でなければ分からない苦労や苦悩があります。 また障害児を育てる家族であれば、少し話をしただけでお互いの辛さを理解できる雰囲気があります。 家の場合医療ケアは必要としないのですが、脳性麻痺後遺症で重症心身障害児が1名おります。何が一番困っているのかというと、発語が未発達でありコミュニケーションが上手くとれないことです。本人も訴えを理…
元旦早朝、最初に食べたのはおせちでも餅でもなく残っていたクリスマス用シュトーレンだった。好物なので薄く切って少しずつ食べていた。それでもやはりお正月。 Kがいないお正月も2回目、ようやく「いないこと」に慣れてきた。慣れはしたけれど、それ故か「時々は会いたい」という気持ちは以前よりしみじみと湧いてくる。 11月に一度一緒に外出した後はKに全く会っていない。
先日息子の通っている学校のクラスの交流学級で、手作りのおもちゃを頂きました。 それが段ボールで作成してくれたタワー型のおもちゃです。 息子の障害と発達の程度を踏まえ、タワー型のおもちゃを作成してくれたことにとても感動しました。段ボールですが、とても温かみが伝わってきました。 加えて息子が食べ物が好きという背景まで踏まえ、おもちゃの背面に好きなピザやマック・ケーキ等とても素敵に描いてありました。 相手の背景まで考えて作品を作成することは、大人の私達でも中々できないことです。 障害児を育てている親として、とても嬉しかったです。 頂いたおもちゃは大切に、子供達と遊ばせてもらっています。 そのような心…
休日の外出先で懐かしい人に再会した。Kが幼い頃親子で参加していた、障害児の学童クラブ(現在の放課後デイサービス)を立ち上げるための親の会でお世話になった方だ。 養護学校就学からずっと、Kに関して次々と出てくる問題に右往左往している私にいつも的確なアドバイスやヒントをくれた。その時には「そんなの無理」と反発することもあったが、後からあれでよかったと納得する意見もたくさんあった。 …
Kがいない生活にも慣れてきた今日この頃。ようやく落ち着いて昔を振り返り考える気持ちの余裕がでてきた。 苦難の子育て真っ最中の時はとにかく「なんでこんな苦労をしなくちゃいけないの」と自分ばかりが理不尽な目に合っているように思えたものだ。でもよくよく考えればK本人もずっと辛かったろう。 考えなくてもわかりそうなものだが渦中にいると理性は飛ぶし正論も理屈も素直に受け取ることは…
選挙がらみで、気になっていた議員さんをリサーチ 「山本太郎」さん 参議院所属の国会議員なんですね。 れいわ新選組の党代表です。 細かい政策は別にして、ALSの方や障害者の方を国会議員として擁立し、国政に参加する姿勢は評価できると思っています。 当選した当時、国会議事堂がユニバーサルな施設ではないことのニュースが取り上げられてました。正に灯台下暗しだなと感じました。 私の中のイメージでは「元気が出るテレビ」のメロリンキューの姿が大きく残っています。 しかし、脱原発を掲げ、政治団体の党首として頑張っているなと感じてます。 当選するだけでも大変なのに、議席数を増やすことはもっと大変なことだと思います…
家のトイレの棚に写真の物が置いてありました。 妻に聞いてみると、子供のために購入したとのこと。 子供には発達障害があり、ちょっとしたことが上手くいかないと癇癪を起します。 トイレ動作だと、排泄後にトイレットペーパーが上手く取れない・巻けないことで癇癪を起すので、その対策ですね。 小さい子だと、トイレットペーパーを必要な長さ分取って、切るのは難しいかもしれません。また、片腕に障害のある方も、ペーパーを切るという動作が難しい方もいることでしょう。 私も使ってみたのですが、「1枚ずつ簡単に取ることができていいな。」と感じました。また柔らかく、肌への使用も問題ありませんでした。 災害の時や感染対策にも…
Kと同年代の障害者(重度)の入所を考えている保護者は多い。既に申請して待っている人もいれば、なかなか踏ん切りがつかず迷っているとか保留しているという人もいる。 迷っている理由もさまざまだ。 以前よく聞いたのは「施設の生活はかわいそう。家にいるのがいちばんなのだしまだ早い。」という声。これは周囲が困惑するほどの問題行動もなく、親もそれなりに健康で経済的にも問題ない家庭に多…
入所待機についてもう少し。我が家の場合です。 Kの入所を申し込む決意をしたのはやはりパニックや自傷が目に見えて減った頃。 学校卒業後少し落ち着いたものの成人してからまたちょっと荒れたが、その後少しずつ痣やこぶ、かさぶたが目立たなくなり、穏やかになって笑顔も増えていった。 そろそろ大丈夫かと判断して申請したのが6年くらい前。早いかな、とも思ったが私達が介助できなくなった時すぐに…
前回の続き。 「措置から契約」になり事業所は利用の希望を断ることもできる。入所施設やグループホームの利用を断られる理由で多いのは「脱走癖」と「強度行動障害」と聞いた。重度知的障害者の脱走や無断外出は命の危険に繋がるし、責任の所在をめぐって訴訟もおこっている。 最近テレビのドキュメン…
受け入れ施設 空きがない”障害者 延べ2万2000人待機 少し前(7月)のNHKのニュースサイトの記事。 この記事を最後まで読んでも「そうなるでしょうね」としか思えない、というのが自分と保護者仲間の感想だ。 「施設から地域へ」の号令がかかったのはKが中学か高…
先日久しぶりに息子と同じ病気にかかったご家族から「難病こども全国支援ネットワーク」を通じてご相談の紹介を頂きました。 ご相談を頂いたお子さんはわが家と同じように1歳半で二相性の急性脳症にかかったとのことでした。 ご病気から1年を経過して育児に励まれており、お話からも成長発達やリハビリのことを良く調べ、療育に熱心に取り組まれているご両親だと感じました。 相談内容としては、発熱時の対応や子供の成長発達の可能性や段階、地域でのリハビリの内容や回数についてでした。 自分自身もお話させて頂く中で、振り返りつつ当時同じような悩みや葛藤を抱えていたなぁなどと思いながらお話をしつつ情報共有させて頂きました。 …
以前難病こども支援ネットワークを通じてご相談を受けた中で、一番相談を受けた内容について書きたいと思います。 それは急性脳症発症後の子供の成長発達についてです。 子供に障害が残るだけでも大変ショックなことである中で、その後の子供ことを考えるとどうしても不安になるのは当然のことだと思います。 実際私もそうでした。 当時主治医にも聞きましたが、先生もはっきりと答えてはくれませんでした。 大人とは違って子供はこれから必要な動作を獲得していくものなので、先生も家の子供が将来どれくらいまで成長発達できるかは言えなかったんだと思います。 子供の就学にあたって、サポートノートを作成したのでそこからの抜粋になり…
いつもの差し入れを手にまたまたKの面会に行く。いくつか事務的なことの説明を受けながらKの様子を観察するが、特に変わったところはない。表情も顔色もいいし、ひとまずは安心。 最近の様子を聞く。これもまた特に変化なし・・・でもなかった。 「このところ、日中の作業や活動に少しずつですが参加できるようになっています。」 これは意外な、そして嬉しい変化だ。入所時の目標は以下の…
Kに会いに入所施設に行った。コロナ感染増加で8月からまたしばらく帰宅や外出ができなくなり、短時間の面会のみ。お菓子や絵本などの差し入れを抱え、事務室の受付に預ける。直接見せるとそちらに気持ちがいってしまい、落ち着かなくなるから。 職員さんに連れられてきた時の表情もよく変わったところもなさそう。 いつもと同じ、最近の様子を聞いて連絡事項があれば伝える。その間Kは私や夫の手をとったり軽くジャ…
パラリンピックの閉会式がマスコミを賑わしていた昨日、わたしの障害者認定が下りました。こりゃひょっとして、次回のパラリンピックに出場する資格を得たのかな?と思って調べてみると、障害者(厳密に言えば厚労省が認定する障害者)ならば誰でも出場資格を得られるわけではなく、その条件は、「肢体不自由(上肢・下肢および欠損、麻痺)、脳性麻痺、視覚障害、知的障害」に限られるようです。腎臓機能障害の透析じじいには参加資格がありませんでした。障害者手帳という名前ですが、形式は1枚のカードです。あらためて障害者手帳を手にし、自力では生存できない(=継続的に透析治療を受けないと死ぬ)立場であることを実感しました。透析患者の福祉ついては、こちらの本の「社会資源の活用」を読んであらかじめ多少の知識はあったのですが、手帳受け取り時に区役...障害者手帳が交付
「2024年度障害福祉サービス等報酬改定」が話題になっている。全体を把握するのは容易ではなく厚労省のサイトも広範囲すぎて把握できない。福祉界隈で話題にはなっているのだが、サービスを受けている側の凡人にはその全貌がいまひとつわかりにくいのだ。 わかりにくいが、なんだか問題になっているらしい、とい…
ご了承下さい 公開後、アメンバー記事に移行する場合があります 8月11日(日)晴れ時々くもり 連休まっただ中! というより、ちまたはお盆休み・・・かな…
夏休み、といってももう我が家には縁遠いものになっしまった。このブログの初期の頃を見返すと、長期休みのスケジュールをどう埋めるかでキリキリしていた自分がいる。 当時のことを思い出すと今も胃が痛くなる。長期休みが始まるひと月前にはカレンダーとにらめっこしていた。 Kが就学した頃はまだ放課後デイサービスの制度などなくて、支援学校の親達と協力してくれる人達で自主的に「障害児学童クラブ」
予想通りだ。Kが入所している施設から、コロナ再流行のためまたしばらくの間帰宅や連れ出しを見合わせてほしい、という通知が届いた。 別の施設でクラスターが発生したり通所利用者が感染したりしているらしい。Kの前回の外出・帰宅は滑り込みセーフ、だった。そういうこともあるか、と距離を取れる散歩道や個室のレストラン、そして自宅、というコースだったので結果的にもセーフ。 自然公園の…
Kが2回目の帰省をした。施設から連れ出すのは3回目だが、2回目は家に寄らずに散歩と外食だけで戻ったので家に来るのは2回目。 今回は迎えに行った帰りに市内の自然公園(涼しい山の中)を散歩してからファミレスで昼食。その後帰宅して入浴し、ゴロゴロしつつおやつを食べて施設に戻った。意外だったのは、以前と違ってそれほどためらう様子もなく施設に戻っていったこと。 食事の時の箸の使い方が器用になったり…
新参者の分際でKの入所施設の保護者会役員になってしまった。(続・入所施設保護者会 参照) 新参者、といっても私も還暦を過ぎている。今の時点で各種会議に参加している保護者(親)は70代から80代。上記の記事で書いたように親も子も「高齢者」だ。 ちなみに現在の役員さんの中には…
前回入所施設の保護者会に参加してKと面会した時のこと。 面会時間が終了し、「またね」と手を振ってドアから外に出た時にちょっと驚いた。廊下に並ぶ各個室のドア、そのいくつかから同じような角度と位置で利用者が顔を覗かせていたのだ。笑顔や好奇、表情はまちまちだったが興味深そうに廊下にいる保護者…
年に1⁓2回開かれる施設の保護者会。保護者同士の懇談会や本人との面会もあり、とのことで出席した。 私と同年配の入所利用者も少なくない。当然保護者も高齢だが中にはきょうだいと思われるご家族もいた。 最近の全体の様子や今後の行事予定を聞き、その後各利用者の個室で面会へ。ノックしてドアを開けると、家にいた時と同じようにベッドに座ってお気に入りのおもちゃや絵本を持っている。 「Kくー…
Kと同じ支援学校を卒業した人のお母さんと話をする機会があり、近況を聞いた。 その人のお子さんは現在通所施設を利用しているが最近気になることがあるという。 最近女性の職員さんが減り、女性利用者のトイレ介助等の手が足りない。仕方なく同じ事業所が運営する別の通所施設に移った女性利用者もいるとか。お母さんがずっと施設で付き添うわけにもいかず、迷った末の選択だったのだろう。 昔は男女問わず状況…
とうとう実現しました、K君初めての帰省! 一年振りですよ! 職員さんの「いってらっしゃい」の声に送られて車に乗る。この時点から表情が明るい。我が家に到着して車を降りるとまず私と夫が庭で写真をパシャパシャ撮りまくる。室内に入ってまたパシャパシャ。 お昼ご飯は大奮発のお寿司。先にネタを食べてあとからシャリをつつく、という習慣は相変わ…
Kの初めての帰省の日が近づいている。彼が1年以上不在だった我が家の時間を戻さねばならない。 それほど大きな変化はないと思う。しかし壊されないように補強していたものをはずしたり、残しておいた絵本やDVDの置き場所が変わっていたりする。 半日程度とはいえ油断はできない。完全に、というのは無理だとしてもある程度の現場回復は必須なのだがこれが意外と難しい。 勝手に窓を開けないようにし…
前回の続き。 たったひと月で3割の職員が退職、まずこれが尋常ではない。KSB瀬戸内海放送の方の詳しい記事ではパワハラがあったとか運営に関して内部告発があったとか書かれているが、そういったことの蓄積の結果なのだろう。 労働環境に不満が出やすい、でも辞…
「知的障害者支援施設 入所の継続求める保護者らが提訴」(NHK香川 NEWS WEB) このニュースの見出しを最初に見た時すぐには内容を把握できなかった。以下、リンク先記事の要点のみ引用です。 去年6月から7月にかけて職員のおよそ3割…
前回の続き。 保護者会役員の改選、ということで進行役の役員さんが出席者に個別に問いかける。 「自分も高齢で」「持病があって」などの理由で辞退する人が2⁓3人続いた後で。 「そちらの方は・・・」と、なんだか私がいる方向に役員さん…
入所施設の保護者会に参加した。Kが入所してほぼ1年、コロナ対策緩和後は少しずつこういう会合が再開されている。 保護者、といっても既にご両親共に他界している入所者も多く、ご兄弟かと思われるような年代の人も見かけた。入所者の中でKはかなりの若手なのだ。 で、最重要議題。「役員改選」。 これはもう子育てをしていれば小学校の頃から何度も直面する問題で、全無視して逃亡という手…
Kの面会に行く。今回は本人が生活しているユニットや個室まで行って様子を見ることができた。 室内は以前見た時とあまり変わらず整頓されている。事前にいつもより念入りに清掃しているのだろうな、とは思うがそれでもしっかり管理が行き届いているように見える。 担当の職員さんに最近の様子を聞く。特に変化はなく、食事も入浴も排泄も順調とのことで基本的な部分はひと安心。 Kはベッドに座って「おかあさんと…
ハートネットTV 能登半島地震 障害者の避難生活はいま を見た。 障害者の入所施設も被災して建物も壊れ、断水でまともな食事もとれない。 利用者は安全のため個室から体育館へ集められる。いつもと違う、環境変化に敏感な人達はそれだけで不安定になる…
先日Kの面会に行ったところ、やや表情が暗く以前にもよく見られた自傷の痣があった。これまで割と表情がいいことが多かったのでちょっと不安になる。 おおむね落ち着いているのだが時々自傷がみられるという。発熱して行動制限されたこと、そして何より最近の天気や気温の変化。Kがイライラする原因としては充分すぎる。そういう時によく痣を作っていたものだ。 やはりこういうのを見ると少し切なくなる。以前もよく…
入所施設からKが発熱していると連絡があった。前日から咳をしており手がいつもより温かいので体温を測ると38度、嘱託医のところで検査をしたところインフル・コロナともに陰性。しかし発熱後少し時間をおくと陽性判定になることもあるので完全シロとは言い切れず、念のため自室でずっと過ごしているという。 熱は38度くらいであまり苦しそうでもなく、食事も完食。施設内では完全に陰性と判定された風邪症状の人はいたが…
まもなくKが入所してから季節が一巡りする。月に一度は面会に行き、顔を見てお菓子や絵本を差し入れ職員さんに生活の様子を聞く。 最初の頃はちょっと複雑な表情を見せていた。別れ際の握手をした手をなかなか離さずそのままついてくるようなしぐさもあった。 すこし経つと、最初から明るい顔で登場。親の顔より先に差し入れの袋を目敏く見つけてしきりに「ください」のしぐさを繰り返す。帰り際にやはり手をなかな…
前々回アップした ハートネットTV 特集「強度行動障害」 の感想最後に「少し思うことがあった」と書いた。今回はその「思うこと」を書いてみます。 番組中、私はネット上でリアルタイムのSNSやいわゆる実況画面を並行して見ていた。同じ時間に同じ番組を見ている…
今週2回に分けて放送された ハートネットTV 特集「強度行動障害」を見た。 そこで紹介されていたご家庭の様子はもう他人事には見えない。Kも昔はよく自傷で顔が腫れてしまったり流血したりを繰り返したものだ。程度の差こそあれ、同じように悩む保護者を見…
ここで感想を書いた相模原障害者殺傷事件の映画化作品「月」。辺見庸氏の小説が原作、ということで読んでみた。 冒頭から何これ、設定から別物じゃん・・・と困惑した。終盤クライマックスまでは。そこからは一気読み。 まず、映画の主要人物でそのまま登場するの…
年末近くなるとKが通っていた施設ではB型作業所にあたるお菓子工房でクッキーの注文販売がある。12月上旬に利用者に注文票が配られ、希望者はこれに記入して提出する。 そして気付いた。今年はただ待っていても注文票は届かない! Kはもう通所利用者ではないのだ。しかし、私はそのクッキーを毎年楽しみにしていた。クリスマスにあのクッキーが食べられな…
さて。このブログも今月でなんと18周年を迎えます。 Kが12歳、思春期を迎えて自傷等の問題行動がひどくなった頃に突発的に書き始めた。Kはそれなり成長したが、特に発展もなくちんたら続いているだけ。でも「重度知的障害児を育てる」というノーヒントのダンジョンを手探りで進む、という日々の中で、考えたことや感じたことを文章にする作業は楽しかった。なにより自分の気持…
Kは春に入所してから一度も帰宅していない。地元の他の施設は少し前から制限付きの帰宅ができるようになったがKが住む施設は面会と差し入れのみ。 Kがいない初めての冬。寒いから、と鍋物を作ると「K君は白菜とホタテが好きだったね」とか。 ショッピングモールに行けば「このお店の前で必ずフライドポテトをねだられた」とか。 スーパーに行けば「K君がいないから…
「月」感想続き。多分これが最後。 作品に対する感想の中に重度障害者の入所施設で働いている、働いたことがある、という人のものもぽつぽつとあった。その中には程度の差こそあれ不快を表明しているものが少なくない。実際にやまゆり園で働いていた、という人はかなり怒りをあらわにしていた。その文章からは現場を知るからこそ感じる無念のようなものがひしひしと伝わってきた。あえてリンクは貼りません。以下、その感…