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にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山が、夜空のもとでその存在を感じた「大いなる者の意志」は、何を目論んでいるのか。 紀元前五世紀ころのインドに、第二次世界大戦の頃の軍用機とそ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山たちの一行が、マドラの第二広場とも言われる公園に出かけて見ると、人だかりが出来ていた。その中の一人に、一体何事なのかと尋ねると、神々の軍団が
一F 四月二日 熊田の予測である鑑識の到着予定時刻は既に一時間をはるかに超えて、検視から導かれる犯人の確定に熊田の期待が薄らいだ。一階の食堂に安藤アルキの姿を見つけた、声をかけることは躊躇ったが、あちらはこちらの様子を何度か盗み見ていたのは確認が取れていた。タバコの消費に対しての収穫の少なさは壊滅的な状況と言わざるをえない。非情だ。熊田が捜査の合間に挟む喫煙は、得てして捜査方針の考察のため、一呼吸置くためにブースに隠れ、息を潜めるのであるが、今日は事件の概要を纏め上げる初期段階で既にタバコに手を伸ばす。もちろん、一人の捜査で自由が認められたことも大いに関係している。 外は薄い雲が延々と伸びてい…
文面を洗う。曲もちょうど頭に戻る。 内容を簡潔に言えば、衣装デザインの発注である。着用者は有名な人物らしい、何十点かのサンプル品の制作が仕事を引き受ける最低条件で、しかもそのラインを突破しても報酬は支払われるらしいのだ。一体どういった了見だろうか、玉井は肘をついて、画面を見つめた。 何を言っているのだろうか、という疑問が生じれば、それは何を言っているのかすら、わかっていない証拠。ならばさらに立ち返り、より抽象的に捉えるべきだ。誰の加減だろうか、そうか、社長の捉え方で考えているのだった。いつの間にやら私は反対に取り入れられていたんだ。 抽象的とは、考えるに、大まかに大雑把に物事を捉えること。具体…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 この時代に釈迦がいるとすれば、仏教思想が観念の世界へ帰って行くのは、まだずっと後の事だから、神山たち一行はシヴァ神に頼んでわざわざ、この時代へと
作業用ポッドに乗り宇宙空間にただひとり浮かんでいた。何の音もない広大な空間は上にも下にも右にも左にも果てしなく広がり、その無限の空間のなかにただ私1人が浮かんでいた。下の方に地球によく似た惑星が見えた。半分は暗闇に染まり、もう半分は光に当てられ色彩豊かな表情を見せている。私はその様を茫然と見つめていた。残りわずかな酸素が無くなった時、私の人生は終わりを迎えるのだろう。そして、ひとつのチリになって宇...
次項は、海外からの発注か、玉井は頭を抱える。すべて文面は英語であるのだ、翻訳を同僚に頼めはしない。かろうじて仕事の依頼ということまではわかるが、具体的な内容を把握するにも時間がかかりそうだ。翻訳ソフトにかけなくては概要すらつかめそうもないので、きっぱりと諦め、後回し。次の案件は、融資の申し出。融資。つまり、こちらに資金を借りさせてなしかしらの事業を行いませんか、ということだろう。資金の回転をお金を貸すことで促し、そこで生じた利益から銀行側の取り分を頂く算段。これは次の、事業拡張に関係しているか。社外からの提案である非関連の新規事業に、興味はない。異業種に取り組んでいるのはそこに活路を見出さなく…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 米国大統領、ウイリアム・ハロッズや内藤の懸念は当たっていた。 中国や北朝鮮は今、その海軍がほぼ無力化された事を気にする様子はない。自国に有利な
三F 大幅に遅れている作業をこれからどのように取り戻そうか。社長の代理の仕事は病院でこなした数件のみで、それ以来の取り組みだった。社長宛のメールが私に転送されている。不意に、周囲の視線が気になったが、誰も気にかけている同僚はいない。しかも、私が社長の仕事に取り掛かろうとしているとは夢にも思っていないはず、いいや、私が何をしていようと、もし社長がこの席に座っていようとも自分たちの仕事が最重要なのだ。私もそうだったはず。 音楽を再開。オリエンタルな響き。 メールは六件。とりあえず一件目から片付けるとしよう。効率は後回し。一件目はデザインの仕事とは思えないほどの大掛かりな、プロジェクトと言い換えたほ…
薄曇りの朝方、近所を散歩する気になった。薄らと雲が空全体を覆っていてすこし閉塞感を覚えた。やや右に湾曲しているこれといってなんの特徴もない道を歩いていると、道の右側の草むらで男が草刈りをしていた。前方の草むらで草刈りをする男はがっしりとした体つきをしていて、白いTシャツとウグイス色の作業ズボンを履いている。草刈りをする男は心ここに在らずといった感じで、ただ機械的に草刈機を左右に動かしている。刈り残...
私は誰のために生きているのだろうか、という問いかけを社は仕事に復帰してから幾度となく繰り返した。不安定なのだろうか。日々をこなすだけ、その時間を見つめる余力が足りていない。時間は削れるだけ削っている。テレビも見なくなったし、友人とは自然と疎遠になった、ママ友だって、仕事をしているから、会うことはほぼ不可能に近い。夜は家で過ごし、家事に追われる。纏いつく子どもの相手。格闘の末、眠ってからはもう私の体はいうことをきかないのだから、考える以前にまずは体力の回復に努めて、旦那を出迎え、二人ともへとへと。話し合う余裕はゼロに等しいし、話しても私は怒りをぶちまけるだけ。なので、一人でそっとつかの間のお風呂…
目次2~4コマNo.100~戦争と平和くんホールドアップくん鞭打ち!!SM塾No.103~トケルくん生きていればこそ晴れときどきくそNo.106~快楽殺人者くん星に怨みをポジティヴマンのお悩み相談室④No.109~ポジティヴマンのお悩み相談室⑤土手くん迷い犬くんNo.112~実録・拷問の世界ショック!これが拷問だ!!ドッペルゲンガーくんNo.115~地球の平和くんバカ呼ばわりくん輝ける瞬間(とき)の中でNo.118~心の闇くんいつかのメソークソスコス可愛いくんNo.121~激写くん悲恋くん極悪マンNo.124~極悪マン②極悪マン③極悪マン④No.127~極悪マン⑤極悪マン⑥極悪マン⑦No.130~極悪マン⑧極悪マン⑨極悪マン⑩No.133~極悪マン⑪うんこ屋さんはまったくんNo.136~人柱屋さん脅迫くん...四コママンガ・リンク表2
目次1~4コマNo.1~恐怖郵便男気くんチョーク投げ先生No.4~呪いの藁人形くん片手鍋くん両手鍋くん記憶喪失くんNo.7~いい湯くんストリーキングさんあさってくんNo.10~だまされたくん道くん仕事とYシャツと私No.13~かあちゃんが出臍くんでぶ部星の名はNo.16~将来の夢オールゴーストマイマザー正義マンNo.19~悪夢くんむなさわぎくんイマジンくんNo.22~のみこまれくんほのぼのくん職人気質さんNo.25~うっかりくん硬便くんバスガイドさんNo.28~絶望という名の電車因果応報くん探偵くんNo.31~終わりなき旅酒と薔薇の日々のぐそくんNo.34~想像妊娠くん家庭内暴力くん咳くんNo.37~究極の選択くん地底人くんはえたたきくんNo.40~ボロボロくんたとえくん山景くんNo.43~パントマイムく...四コママンガ・リンク表1
目次~短編ブログ仲間のポク太郎さんに、マンガのリンク表を作っていただきました(ポクさん、ありがとうございます)。マンガのスムーズな閲覧にお役立てください。短編『あいうえお』短編『軍人サークル』短編『地雷原’88』短編『どアホパンチ』短編『御手譚』短編『ゾンビーズ』1P『朝のテレビ占い』1P『MajiでKubi吊る5秒前』2P『四畳半天地創造』短編『茶色い疑惑』1P『スイッチくん』短編『終われない料理番組』1P『ビーフシチューくん』1P『クリームシチューくん』短編『熱いのが好きなんじゃ』1P『天使くんと悪魔くん』1P『メシア屋さん』短編『純情の果てに』1P『双頭くん』1P『便器男』1P『人間叩きくん』1P『秘密結社くん』短編『昼下がりの団地妻の生き血』1P『殺しのライセンス屋さん』4P『タイムマシンくん』1...短編マンガ・リンク表
今日の曲をホームページに置いておきました。 ピアノ曲「切り替える」を公開! - 独学ピアノブログ「ゼーレンフォルノーツ」ゴールデンウィークも終わり、 気持ちを…
ロン・フリードマン【リバース思考 超一流に学ぶ「成功を逆算」する方法】要約レビュー
創作活動をしているが、自分のオリジナル作品を創ることに苦労している。 ヒットするものってどうやって創るの? 創作の公式みたいなものがあるなら知りたい。 インターネットが発達して、誰でも自分の創作物を世の中に広めることが可能になりました。 し
五F 社ヤエは夫に連絡を取りたかったが、なかなかでない。通話中らしい、こんな時間に誰と話しているんだか、いけない、怒るのはよそう、決めたんだ。一呼吸置いて、落ち着いて発言に気を遣うと。子どもが生まれて仕事に復帰してからは、いつも何かにつけ、気の休まる暇がなく、慌てた状態が通常だったので、つい子どもにもそれから旦那には私が常識の範囲外を見つけるたびに怒りをぶつけていたんだ。そしてあるときに、不意に、洗濯物と格闘しながら何気なく耳を傾けた夫の話、節度をわきまえた行動を改めないのならば、これ以上一緒に暮らせない、と真剣に言い渡されて、改心したのだった。 纏わりつく音楽。 見えていなかったのは私のほう…
路地裏の三叉路に風が吹き付ける。通路と通路の真ん中の洲になっている敷地に店を構える主人はサンバイダーが大きく音を立てて唸るのを横目にコーヒーカップを磨いていた。時折、コポコポとサイフォンが音を立てた。「それでお神輿は今年はやらないんですか?」バイトのカナエが客の西条にそう聞いた。西条はカウンターに座り、雑誌を読みながらコーヒーを飲んでいた。「ええ、やりませんね。今年だけじゃなくて今後はやらないでし...
それでも席を離れなかったのは、社長の死について考えていたからである。特別に恩義のある人物とまではいえないにしても、それなりの功績は認める。あまり人を認めないが、彼女は仕事やデザイナーの想いを汲んでくれたはずだ。だからこれほどまでに会社に人が集まったのだ。 新しい突拍子もない仕事を持ちかけて、あの場に行かなければ、第一発見者にはならずに済んだのに、武本は後頭部に両手を組んで斜め上、無機質な代わりばえのしない灰色の天井を見やった。現場に訪れたときのあの男の名前は、安藤といったか、あいつはどうにも挙動不審だった。トイレから戻ったときに、室内をあれこれ物色していたんだから、疑いたくはなるさ。会議室中央…
陳情令 第38弾⑵AIに聞く「AIによる、金陵の赤ちゃんの頃からドラマに登場するまでの物語」
¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨赤字が自分の質問青字がAIの答え黒字が全部書き起こした後の自分の追記感想です。下線と大文…
四F 間の悪い。昨日の作業とは一転、限られた時間内で二つの案件仕上げなければならないのか。武本タケルは、個人ブースで二つ作業に取り組む方針を考えあぐねていた。席についてから、もうかれこれ十分はロスしている。短い時間……となると、休憩は取りやめに、しかし休憩は作業効率を考えれば全体的にはマイナス。後半の能率低下に繋がるのは、身にしみて感じている、スケジュールから取り外すわけにはいかない。とすれば、外の散歩を切り捨てるしか方法は残されていないのか。また、刑事が事情をタイミング悪く聞きに訪れる場面も想像しやすい、そのときにために休憩を取っておくという考えもできなくもないか。 武本はクライアントの優先…
食堂で刑事を見かけた、喫煙室で面倒臭さそうにタバコを吸っている。そういえば、刑事に話した内容は少しだけ事実と違ったところがあったのだ。一度、廊下正面の社長室のドアをノックしたのだ。セキュリティは万全だと思っていたため、ドアレバーに手はかけなかったが、もしあそこでドアを引きあけていたら、僕が死体を見つけたのかもしれない。それにだ。武本という人が、僕よりも先に会議室にやってきたというが、彼は一度部屋を出ている。トイレに行くと告げて席を立った。トイレはエレベーターの真向かいに設置されてる。だから、一度廊下に出る必要があるのだ。どのぐらいの時間だったかは覚えていない。短時間で済むほうの生理現象に思える…
懇願する女の首に鎌をあて、横にひいた。鮮血がほとばしり、女は横にどっと倒れた。涙を流しながら半目を開けて口をパカパカしている女が動かなくなると後ろから悲鳴が上がった。次の狙いを定め、鮮血に染まった鎌を握りしめると悲鳴の主に飛びかかった。パトカーのサイレンが響く。きっと交通違反か何かだろう。向こうが交通違反で、こちらはマナー違反だ、と僕は思いながらミカの寝顔をみた。ぐぅぐぐぅぅ、ぐぅぐぐぅぅ、、すぴ...
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 米国大統領のハロッズから提案を受けた内藤は、新しい「世界の枠組み」を日本亡命政権が中心となって作ると言う意味を理解しようと苦しんでいた。 一連
三F→一F 三十分。時間を決め、仕事の方針を打ち出す。安藤アキルは遅れた時間の取り戻しをこれまでの方針を潔く捨て、新しいアプローチの仕方に焦点をおき、貴重で希少な時間内にありったけの力を費やした。あまりにも時間に対してルーズに取り扱っていたのだと、気づかされた。時間を細かく再設定する、まずは三十分に区切るとしよう。時間の感覚を体に刻み込ませるのだ。時間は敵でしかなかったはずが、こうして短いスパンで向き合うと、制限時間までに通過点がはっきり見えてくる。追い詰められたときに襲うめまぐるしい思考、そういった感覚に似ている。 一時間。もうかれこれ一時間が過ぎていた。作業のアイディアは確実に前よりも思い…
いったい自分のおかれた状況をいつ抜け出せるのか、彼は食べ進める箸の運びを止める。代わりにコーヒーを傾けた。 ここまで歩いた短時間に、新商品を身につける流行好きの姿を確かめられた。開発の準備期間は三年、現物化の許可にこぎつけて二年、計五年の歳月を注ぎ込んだ商品がまさに今人の手に、いいや腕に渡って、もうそれは満足といってもいい。商業目的とはいえ、開発者の根本は純粋に未知の領域に思えた私の突飛な発想の具現化、それだけが望み。ブルー・ウィステリアという世界規模の看板はそのためにこちらが利用しているようなものだ、会社自体への貢献度によって報酬の増減があろうとも、私は金銭を天秤に掛ける、ほとんどの開発者に…
昼下がりの市内、テイクアウトのランチを片手に男はコーヒースタンドのちょうど切れた列の最後尾に並んだ。洋風建築を思わせる飲食店の行列に並んだ時はそちらもずらりと人が並んでいたのだった。目の錯覚に思えたが、よく考えれば、コーヒーの出来上がりは数分程度、対してランチのテイクアウトは注文を受け取り、品物を運び、手渡し、料金を徴収するんだ、比べること自体が間違いというもの。 仕事は休み。週末が稼ぎ時なので、平日に休みが回る。 警察の質問に、答えた。男は思い返す。 当日の飛行が法律に抵触するとは思えない。私は飛行船のパイロットで、停電のあの日は飛行船のフライト予約が埋まらなかったので、飛行船は格納庫に納ま…
アパートの外は曇り空で薄暗く強い風が吹いていた。伸子はアパートのリビングで咲江に連絡するためにスマホを手にして文字を打っている。咲江は高校時代の友人である。お互いに気を遣い合う仲だった。2人が対面する時、座りが悪い空気感が漂う。それでも離れないのはどういう訳なのかわからない。伸子は高校卒業後、インフラ系の会社に就職し、隣町の支店に配属となった。咲江は専門学校に進学して医学療養の知識を学んだのち、県...
「ないとは言い切れないね」 「そうですか、それはそれは」次の仕事を彼女は探す。「先輩、先輩って」 「……なに?」 「休憩ですよ。それ私が代わります」 「うん、そうね。もう休憩の時間か、あっという間だ、びっくり。じゃあ、お先に休憩いただきます」 「店長、気に触ることでも言ったんじゃないんですか?」厨房を出る館山を見送って、小川がこっそりと僕に真相を確かめた。 「意見の変更は受け付ける、これはいったかな」 「店を離れる、これは結構堪えますよ、店長とは違うんですから」しんみりと小川が呟いた。国見の位置に彼女は陣取る。ステンレスの壁面を物悲し気に見つめる小ぶりな瞳、片目がみえた。 引き続き店が明日も存…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 内藤は迷っていた。内藤個人としてはアメリカ合衆国連邦政府大統領、ウイリアム・ハロッズの提案を是非にも受け入れたかった。 内藤とて、日本国と言う
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 江戸期の空間にいた「モロ」が、すでに海野のいない航空母艦『信濃』へと、時空を飛ばされて来た。「モロ」には今自分のいるこの船が、どのような役割りを
「安佐、あんた、どうしちゃったの。えらく優等生な答えじゃない」ホールから国見が言った。姿が見えないのは、カウンター席に座っているためだ。 「馬鹿にしてもらっちゃあ、こまりますんで。私は実はこう見えて、スマートに物事を考えられる才能に溢れているわけなのです、はい」 「溢れすぎて、こぼれちゃうから、普段のあなたは抜けているのね」国見が的確に矛盾点を強打する。 「騙されましたね。それは相手に油断させるためですよ。ようしようし、蘭さんもひっかかりましたね、くふふふふ」 「今日は何曜日?」国見が訊く。 「火曜日ですよ」 そがれた勢い、流れに水を差された小川は、会話の内容をすっかり脇に置き去る。 「あれれ…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 魚類からの進化系である異次元人の「モロ」は江戸中期の松野原村へと時空を超えてやって来た。そこで海野や伊藤平左衛門、漢方医の鴻池雪斎らと知り合い
ドアが閉まって、小川の大げさため息が聞こえる。事実、大変だったのだろう。ただし、僕は感謝の弁は述べないつもり。当然のことであり、だけれど褒めて欲しいという提供側の労わりはあえて取り除くべきだ、そう店主は考える。気にかけているが、本筋はそこではないことを感じ取れてくれたら幸い。もしも、見過ごしこちらの配慮のなさに嫌気がし、窮状を訴えてこようものなら、時と場合、頻度によっては厳しくこちらの考えを言い渡すつもり。だが、一度は伝えているのであって、やはり二度目の言及は面倒、これが僕の正直な意見だ。付け加えるとすれば、自らの気分を律する事態も店に関わるものとしては、統制が取れるべきと捉える。 テイクアウ…
彼女ならば、と店主の確証は割合でいえば、五割以下だろう。見守る、成長を促す、チャンスを与える、どれも店主の考えには当てはまらない。すべてはお客に還る。それこそが店の存在理由、と店主は考える。彼女たちが僕の仕事の意味を理解し、体現、料理を作り、提供し、お客に与え、お客は次に足を運ぶ流れを生むことが店の理想だ。 小川が店をばたばた出入り、蒸し器に次の一団を送り込むと、出来上がった料理を持って店外に運ぶ。レジは外に作っていた。肌寒さを出来上がりの湯気でお客の待機時間を紛らわす作戦を取ったのだ。到着時刻どおりに姿を見せるバスよりも、次の駅を出た地下鉄のアナウンスの方が苛立ちと焦りを取り去ってくれる。 …
シンプルに手を加えたサツマイモの人気は予想をはるかに上回った。当初サツマイモの素揚げを作る予定を、今日の今さっき、変更を加えた。お客さんが食事場所まで戻る時間を想定したら、三十分の時間経過では味が極端に落ちてしまう。油を吸いきってしまし、酸化が早急に進行するだろう、想像が支配した。よって、薄いてんぷら粉を衣につけて、サツマイモのてんぷらはサツマイモまんと共に、サツマイモを生地に練りこむパスタのセットメニューとして形態を変えた。この程度の変更を従業員たちは毎日にさらされる。たぶん、彼女たちにとっては変化率の低い僕の要求と、感じているだろう。 調理台を覆い隠すステンレスのバット、濡れ布巾をひらりと…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 古代インドの世界には、様々な思想家や行者がひしめいていた。街には苦行を見世物にする者達も多く存在した。様々な修行者と言う人たちの考え方は然し、そ
「はっきりと、まあ」車列の先頭から徐々に停止の波が打ち寄せる、車がひとつ前の車両の数十センチ後方へ速度を落とす。「だけど、大勢の中から選別するのって、いけないことかな。思うにさあ、最初の好みもそれ以外も含めた括りから選ぶのと変わりがないように感じる」 「ええ、ですから、はじめにすべての人に、ということを述べたのです」 「僕の頭が悪いって、遠まわしに言ってる?」 「いいえ。一度促したのだと、事実を伝えたまで。悲観的な側へ鈴木さんは極度に物事を捉える傾向があります、それはやめたほうがいいです」 鈴木はか細いため息を鼻から息を少量だけ放つ。「いつもながらに、種田の指摘には感服するよ」 「褒め言葉とし…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 戦艦『大和』のいる第一艦隊の周囲の霧が晴れた。『大和』のブリッジからは、ハルゼイ艦隊の航空母艦二隻が炎上しているのが見えている
桜が終わる頃、次々に花が咲き乱れる。そんな春爛漫な季節を写真に撮りたい。 ワンコのお散歩は公園へ。道端や花壇の花を撮ってみました。 春の花 花には撮るべき日がある 個体によって違いがある つつじの垣根 たくさんの花から主役を決める キンセンカ 花の魅力をトリミングで表現する 生け花のように自然に生えている花 まとめ 花には撮るべき日がある 美しく咲いている花を見かけると、写真に残したいと思う。大抵はワンコのお散歩のときと、買い物に行くとき。いつもスマホを持っていかないので、次は持っていこうかな…、と考えたりする。 しかし、いざスマホを持って出かけ、撮影しようとすると、何だか違和感があることも。…
また、頼ってしまった。種田は顔をしかめる。まったく、情けない。一般市民を頼る警察に信頼などを置けるものか。仕方ないと言い訳を立てたのは、しかし私自身だ。種田は、フロントガラスの向こうで煙草を吸う鈴木を見つめる。彼は雨よけに張り出した庇の裏側を覗く、鳥の巣が見えた。ツバメの巣のようだ。 鈴木が車に戻る。 「手紙に隠された暗号とやらは見つけられた?」エンジンをかけて鈴木がきいた。お尻に入れた財布を取り出す動作で、助手席側に顔が迫る。が、すぐに弾かれたように交わる近距離の視線は、互いの射程圏内を確認させることで、危険を察知、鈴木はぱっと、定位置に腰を落ち着けた。胸元に財布を入れ換える。 海道に合流し…
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 神山が倒れた。 さすがのシヴァ神もこれには驚いた。 「さあて、困ったのお!神山には、儂よりも確かな知識がある。これから会う人物が、釈迦かど
「じっくり腰をすえて応対する無駄の解消と訪問回数の減少が見込めるのは、願ってもない、手放しでは喜べないにしても、とても理に適った前向きな選択と私は今さっき考え付きました。互いの限られた一日の有効的な利用のため、この提案を受け入れてくることを大いに心から願っています。ええ、そうですね、そろそろ時間が気になるのでしょう、約一分で、それでは事件の説明に移りましょう。ああ、ただし、いっておきますが、あくまでこれは予測であり、不確かな要素がたぶんに含まれた想像であることを、お忘れなく。はい、急いでますか、ええ、私もあなたたちとのおしゃべりで大幅な作業の遅れが発生してます。明らかに喫茶店の店員の業務を逸脱…
にほんブログ村 にほんブログ村 手力男に付いて古代インドに向かうのは海野である。神山との久しぶりの体面に、海野は心を躍らせた。古代インドで釈迦との邂逅を果たし「般若」を何とか大人しくさせる事が出