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「え~っ」「ウソだろ?」 ショータとユウジが、ゲンナリとした顔で、不満そうに声を張り上げる。「そんなに、イヤ? それならほかに、方法があるのなら教えてよ」逆に…
「氷の女王の城は、遠いですよ」 ジャックは、アキに向かって話しかける。「そうだねぇ~確かに歩いて行くのは、大変そうだ」ルークがそう言うと、遥か彼方の森の奥の方…
「おい、そこの! 人のことを、笑いに来たのか?」 すぐにピシッと、節くれだった指を突き出す。(変に刺激をすると、厄介だぞ)ショータはすぐに、思い直す。「ごめん…
「えっ?」「ケイタ…私たちのことを、忘れたの?」「もう…帰って来ないの?」 アキとカガリは、手を握り合って、悲鳴のような声を上げる。「嘘でしょ? じゃあ…ケイ…
「えっ」「なに?」 まさか、カラスの大群か?四人は上空を見上げる。 すると真っ黒なマントを身にまとったルークと、トランプの兵隊たちが、カラスに乗っていた。「え…
「えっ」「なに、あれ」「ドラゴン?」「ペガサス?」 四人は目をこらす。帽子屋の姿は、もう見えない。まさか…一足先に逃げたのか?一瞬、アキの頭をよぎる。 ドドド…
「うーん、そうきたかぁ」 ショータはうなる。「で、どうなの?」四人の瞳が、ナイトに向けられる。「わからない」ポンと返す。「わからないって?」「どういうこと?」…
「ケイタ…大丈夫かなぁ? まさか…異次元の世界に、連れて行かれていないかなぁ」 カガリがボソッとつぶやくと…「それだ!」いきなりショータが、声を上げる。「えっ…
「大丈夫かなぁ?」 何だかスッキリしないまま、再び帽子屋の後に続く。ノシノシと歩く帽子屋は、何だかさっきよりも、勢い付いている。(何だか…うさんくさい気がする…
「なんだよ、ギャーギャーうるさいなぁ!」 先に切れたことは棚に上げて、帽子屋は耳に手を当てて、わめき散らす。アキはクルリと背を向けると、アリスに向かって「ねぇ…
「はぁ?」「何を言っているの?」 子供たちは、呆れた声を上げる。誰のせいで、こういうことになったと思っているんだ?ムチャクチャだ!四人は口々に、文句を言う。「…
「なんで、消えたと思う?」 だが帽子屋は、少しも動揺することなく、アキに向かって尋ねる。「なんでって…どこかに隠れたんでしょ?」それしか、方法が考えられない。…
この帽子屋は、見た目よりも若いのかもしれない。カガリたちは、取り押さえるのに必死だ。「じゃあ…なんで、スペードの女王は、ケイタをさらったの? なんでお城ごと…
「えっ?」 帽子屋は異常なくらいに、ビクッと肩をすくめると、その場に立ちすくむ。あやしい…アキはガシッと、帽子屋の肩をつかむと…「ねぇ、どこに行くつもり?」逃…
アキは、自慢することではないけれど、超がつくほどの方向音痴だ。しかも、発信機の差す位置など、こうして見ていても、さっぱりわからない。「へぇ~」気の抜けた声を…
「わかった」ここでこじらせると、また厄介なことになる…ユウジはそう思ったのか、あっさりと引き下がる。 「ケイタ、いるかな?」「いるに決まっているだろ」「今、ど…
「え~っ、なんで? そんなことが、あるわけがないじゃない!」 すぐにアキが、大きな声で怒鳴りつける。「キーキーキーキー、やかましいな! おまえは、サルか?」シ…
「ねぇ~もしかして、使いからを知らないんじゃあないのかなぁ」 アキがポツリと言うと「そんな、まさか! そんなこと、あるわけがない」すぐにユウジが、反論する。…
「いや…聞いて…ない!」 ピクッと肩をそびやかせると、一目散に走りだす。「おい、ちょっと!」「待ってよ!」ショータとアキが、飛び付こうとする。「あれで追いかけ…
「あっ、はがしたのがバレたら、マズイから… そのままにしておいて」 すぐにショータが、カガリを止める。「えっ、でも…」「いいから、いいから」 ショータは、何を…
「ショータ、まさか!」「えっ?」「取り付けたの?」「それって、ホントか?」「いつの間に?」 口々にアキたちは、ショータを取り囲む。へへへ…いかにも楽しそうに、…
「ちょっと、貸して!」 ショータは素早く、そのフタを開けて、カチリとボタンを押す。ピッピッピッピッ規則正しく、赤い点が反応をする。「あっ、無事だ!壊れていない…
人は見かけによらない、というけれど…まさしくそれだ!何と帽子屋は、アキたちが探していた、クローバーの一員だった。(だけど、この人…頼りになるのかなぁ?)若干…
あちゃ~!聞いていたのか?アキは慌てるけれども。「諸君!とにかく、ハートの女王の所へ向かおう! あの方に、大将になってもらって、戦の指揮をとってもらうのだ!…
「あ~っ、ついに、この日が来たか! 機は熟した! 伝説の勇者が、ついに現れたのだ!」「はっ?」 ちょっと、この帽子屋のオジサン、気は確かか?1人興奮して、ベラ…
「なんで、キミの友達が、さらわれたってわかるんだ。 どうして、スペードの女王が、そんなことをするんだ? 何のために? 気のせいってことも、あるんじゃあないのか…
「お世辞はいいわよぉ~お世辞は!」 さっきショータたちに言われたことを、まだ根に持っているのか、アキはブスリとしている。「キミ、名前は?」「アキ」「アキちゃん…
「地図?いいえ、ないと思うわ」「そうなのかぁ」 普通、遊園地ならば、案内図とか見取り図があるはずなのだが…「そうなんだぁ~」またもショータが、何事かを考えてい…
「そうねぇ~」 アリスは頬に手をあてて、考え込む。そのポーズをとっていると、ピンク色の頬が、さぁっと赤味が増す。「よくわからないけど…ここは、寄せ集めの世界な…
「そうなのかなぁ?」 カガリは意外そうに、ポカンとする。「そんなこと、ないのになぁ~」ちょっと残念そうに、アリスはハッキリとそう言う。「とっても陽気で、楽しい…
「それなら…あの城がどこへ向かったのか…探すつもりなんですよね?」「はい」「それを知っているのが…アリスさんの師匠なんですか?」クルリとアリスの方に、顏を向け…
ペガサスはスーッと、アキたちの目の前に降り立つ。「おぉ~」思わずユウジは、声をもらす。あらためて見ると、ツヤツヤとした毛づやのいい、とても美しいペガサスだ。…
「あら、なぁに? あなたたち、ゴーストと友達なの?」 アリスは楽しそうに、アキたちを順繰りに見る。「うん、まぁ~」アリスにバカにされるか…と上目遣いで見るけれ…
「オーライ、オーライ、オーライ!」 まるで車を誘導するように、アキは大きく腕を振り回す。ショータもユウジも、ペガサスが降りやすいようにと、スペースをあける。「…
だがアキは、相変わらずそのままの姿勢で、「こうしていたら、助けが来るかも…」と、一向に腕を下ろそうとはしない。「それって、救難信号のつもりか?」「誰を呼んで…
何だか、ちょっと来ただけのつもりが、とんでもないことになってきた…未だ姿を見せないラスボス(もしくは陰の親玉?)は、何を企んでいるのか、まったく見えてこない…
確かに、それが得策なのだろうが…何の解決策にもならない。「あ~」アキはためらいがちに、言葉を探す。「ありがと」だがどっちみち、ケイタを探しに行かないとならな…
それにしても、不思議な煙だ。やけに煙たくて、強烈なにおいがする。目をシパシパとさせるアキに向かって、「今日のパイプは、特別だからねぇ」うっとりとした顔で、イ…
「あの…お取り込みのところ、悪いのですけど…」 すっかり蚊帳の外にされた、イモムシが四人に話しかける。「あっ、ごめんなさい」すっかり話し込んじゃって…アリスが…
お城の裏道を通り抜けて、赤くペンキで塗ったバラの下をくぐり抜ける。「あぁ、ここって…おしゃべりをするお花のところ?」早速カガリが、声を弾ませる。「そうよ!よ…
ようやくアキは、泣くのは止めて、カガリと目を見合わせる。「そうよ!怖いどころか…愉快な人たちよ!」ニコニコしながら、ぐぃっとアキを助け起こす。「それって…ウ…
さっきチラリと見えたのは、やはりケイタだったのかぁ~アキはガクリと、頭を垂れる。「うわぁ~ん、また、フリダシだよぉ~」カガリに向かって、そう訴えると…ウワァ…
「えっ」「なに?」 アキはあらためて、後ろを振り返る。そういえば…脱出することに夢中で、そこまでは気が回らなかった。「なんだ?」ショータもつられて、振り返る。…
「可愛い~」 思わずアキが、アリスに向かってつぶやく。「そ?あなたもよ、ありがとう」にっこりと微笑むその顏は、陶器さながらに真っ白で、爪は桜色の貝殻のように、…
「あのアリスって…他にアリスがいるの?」 クスクスと、女の子が笑う。青いエプロンドレス。白いフリルのついたブラウス。金髪の長い巻き髪。レースの大きなリボン。ク…
「えっ?」 なに? トランポリン?思わずアキは、ゆっくりとまぶたを開く。「えっ?今の…なに?」カガリも同じように、声を上げる。(まさか…死んだの?あの世にいる…
「あ、アキちゃん…」 ビクビクと、カガリは身体を震わせる。「いいから、私を信じて!」もう、待ったなしの状況だ。「カガリちゃん、目をつむって!」アキはそう叫ぶと…
「とにかく…ここから早く、離れた方がいい」 ナイトがそう叫んだ時…フワッと石の段が持ち上がったか、と思うと、天井が吹き飛ばされるのが、目に入った。「ヤバイ!ア…
「えっ?」 一体二人は、何を言っているの?アキはポカンとする。カガリはアキの肩に手をかけると、ヒタッと目を合わせる。「アキちゃん、しっかりして! このままだと…
「これって、きっと…何かあるってことだよね?」「だと思う。アイツ、そういうことは、キチンとしているからなぁ」 互いの考えを確認している。「何よ、二人とも」ドロ…