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「いや…聞いて…ない!」 ピクッと肩をそびやかせると、一目散に走りだす。「おい、ちょっと!」「待ってよ!」ショータとアキが、飛び付こうとする。「あれで追いかけ…
「あっ、はがしたのがバレたら、マズイから… そのままにしておいて」 すぐにショータが、カガリを止める。「えっ、でも…」「いいから、いいから」 ショータは、何を…
「ショータ、まさか!」「えっ?」「取り付けたの?」「それって、ホントか?」「いつの間に?」 口々にアキたちは、ショータを取り囲む。へへへ…いかにも楽しそうに、…
「ちょっと、貸して!」 ショータは素早く、そのフタを開けて、カチリとボタンを押す。ピッピッピッピッ規則正しく、赤い点が反応をする。「あっ、無事だ!壊れていない…
人は見かけによらない、というけれど…まさしくそれだ!何と帽子屋は、アキたちが探していた、クローバーの一員だった。(だけど、この人…頼りになるのかなぁ?)若干…
あちゃ~!聞いていたのか?アキは慌てるけれども。「諸君!とにかく、ハートの女王の所へ向かおう! あの方に、大将になってもらって、戦の指揮をとってもらうのだ!…
「あ~っ、ついに、この日が来たか! 機は熟した! 伝説の勇者が、ついに現れたのだ!」「はっ?」 ちょっと、この帽子屋のオジサン、気は確かか?1人興奮して、ベラ…
「なんで、キミの友達が、さらわれたってわかるんだ。 どうして、スペードの女王が、そんなことをするんだ? 何のために? 気のせいってことも、あるんじゃあないのか…
「お世辞はいいわよぉ~お世辞は!」 さっきショータたちに言われたことを、まだ根に持っているのか、アキはブスリとしている。「キミ、名前は?」「アキ」「アキちゃん…
「地図?いいえ、ないと思うわ」「そうなのかぁ」 普通、遊園地ならば、案内図とか見取り図があるはずなのだが…「そうなんだぁ~」またもショータが、何事かを考えてい…
「そうねぇ~」 アリスは頬に手をあてて、考え込む。そのポーズをとっていると、ピンク色の頬が、さぁっと赤味が増す。「よくわからないけど…ここは、寄せ集めの世界な…
「そうなのかなぁ?」 カガリは意外そうに、ポカンとする。「そんなこと、ないのになぁ~」ちょっと残念そうに、アリスはハッキリとそう言う。「とっても陽気で、楽しい…
「それなら…あの城がどこへ向かったのか…探すつもりなんですよね?」「はい」「それを知っているのが…アリスさんの師匠なんですか?」クルリとアリスの方に、顏を向け…
ペガサスはスーッと、アキたちの目の前に降り立つ。「おぉ~」思わずユウジは、声をもらす。あらためて見ると、ツヤツヤとした毛づやのいい、とても美しいペガサスだ。…
「あら、なぁに? あなたたち、ゴーストと友達なの?」 アリスは楽しそうに、アキたちを順繰りに見る。「うん、まぁ~」アリスにバカにされるか…と上目遣いで見るけれ…
「オーライ、オーライ、オーライ!」 まるで車を誘導するように、アキは大きく腕を振り回す。ショータもユウジも、ペガサスが降りやすいようにと、スペースをあける。「…
だがアキは、相変わらずそのままの姿勢で、「こうしていたら、助けが来るかも…」と、一向に腕を下ろそうとはしない。「それって、救難信号のつもりか?」「誰を呼んで…
何だか、ちょっと来ただけのつもりが、とんでもないことになってきた…未だ姿を見せないラスボス(もしくは陰の親玉?)は、何を企んでいるのか、まったく見えてこない…
確かに、それが得策なのだろうが…何の解決策にもならない。「あ~」アキはためらいがちに、言葉を探す。「ありがと」だがどっちみち、ケイタを探しに行かないとならな…
それにしても、不思議な煙だ。やけに煙たくて、強烈なにおいがする。目をシパシパとさせるアキに向かって、「今日のパイプは、特別だからねぇ」うっとりとした顔で、イ…
「あの…お取り込みのところ、悪いのですけど…」 すっかり蚊帳の外にされた、イモムシが四人に話しかける。「あっ、ごめんなさい」すっかり話し込んじゃって…アリスが…
お城の裏道を通り抜けて、赤くペンキで塗ったバラの下をくぐり抜ける。「あぁ、ここって…おしゃべりをするお花のところ?」早速カガリが、声を弾ませる。「そうよ!よ…
ようやくアキは、泣くのは止めて、カガリと目を見合わせる。「そうよ!怖いどころか…愉快な人たちよ!」ニコニコしながら、ぐぃっとアキを助け起こす。「それって…ウ…
さっきチラリと見えたのは、やはりケイタだったのかぁ~アキはガクリと、頭を垂れる。「うわぁ~ん、また、フリダシだよぉ~」カガリに向かって、そう訴えると…ウワァ…
「えっ」「なに?」 アキはあらためて、後ろを振り返る。そういえば…脱出することに夢中で、そこまでは気が回らなかった。「なんだ?」ショータもつられて、振り返る。…
「可愛い~」 思わずアキが、アリスに向かってつぶやく。「そ?あなたもよ、ありがとう」にっこりと微笑むその顏は、陶器さながらに真っ白で、爪は桜色の貝殻のように、…
「あのアリスって…他にアリスがいるの?」 クスクスと、女の子が笑う。青いエプロンドレス。白いフリルのついたブラウス。金髪の長い巻き髪。レースの大きなリボン。ク…
「えっ?」 なに? トランポリン?思わずアキは、ゆっくりとまぶたを開く。「えっ?今の…なに?」カガリも同じように、声を上げる。(まさか…死んだの?あの世にいる…
「あ、アキちゃん…」 ビクビクと、カガリは身体を震わせる。「いいから、私を信じて!」もう、待ったなしの状況だ。「カガリちゃん、目をつむって!」アキはそう叫ぶと…
「とにかく…ここから早く、離れた方がいい」 ナイトがそう叫んだ時…フワッと石の段が持ち上がったか、と思うと、天井が吹き飛ばされるのが、目に入った。「ヤバイ!ア…
「えっ?」 一体二人は、何を言っているの?アキはポカンとする。カガリはアキの肩に手をかけると、ヒタッと目を合わせる。「アキちゃん、しっかりして! このままだと…
「これって、きっと…何かあるってことだよね?」「だと思う。アイツ、そういうことは、キチンとしているからなぁ」 互いの考えを確認している。「何よ、二人とも」ドロ…
「やっちゃった…」 カガリは、ガクンと頭を垂れる。「アキちゃんらしくないですねぇ」「どうしたんだ?アキ」ようやくショータもユウジも、アキの側に近付く。「確かに…
「アキちゃん…」 何を考えているの?カガリは、二人のピンと張りついた空気の中、ハラハラしながら見守っている。ショータとユウジは、少し離れたところで、その様子を…
「ふーん」 なぜかナイトは、まったく平然とした顔で、アキを見返している。(一体、彼は何を考えているのだろう?)何だかナイトのことが、よくわからなくなる。「おや…
そこで、アキはひらめいた。「ねぇ~アリスを知ってる?」それとなく、水を差し向ける。「アリスですか?」キョトンとした顔で、カフはアキを見る。「あぁ~知ってます…
「あっ、それって、アリスでしょ?可愛い~」 すっかりご機嫌斜めのアキに、何とか取り入ろうとしているのか、カフはいきなり、はしゃいだ声を出す。「ちょっと、クルッ…
「ケイタを見掛けませんでしたか?」 何度目かの質問だ。本当は知っているんでしょ、とアキは思う。(とっとと、教えてよ!)とイライラしている。「いや…ご期待に添え…
まるでそこは、中世の要塞のようだ…「この階段、実は終わりがなかったりして…」ボソリと、ユウジがつぶやく。「やめてよね!」アキが怒鳴りつけると…トトトトト…後…
「ボクたち…完全に不法侵入者だなぁ」 なぜか楽しそうに、ショータがう。「そんなことを、言っている場合じゃあないでしょ」ブスリとアキは返す。 勢いで、乗り込んで…
すると先ほどから、黙っていたナイトがパッと動く。「しっ!静かに」押し殺した声で、注意をうながす。(えっ?なんで?)アキは、カガリと目を見合わせる。すると…ス…
(おかしい…静か過ぎる…) アキはそのことが気になり、落ち着かない気分になる。無事に人に見つかることなく、潜入出来たことに、喜んでいたのだが…(まさか…もしか…
「女王様は今頃、北の庭園で、クロケットをなさっています。 護衛もそちらの方に、行っていることでしょう。 中は手薄なハズです」 今はとにかく、ナイトの言葉を信じ…
「そんなことをしても…いいのか?」 ユウジが心配そうに、アキを見るけれど…幸い今、廊下には誰の姿も見受けられない。(チャンスだ!)アキは、面倒臭そうにうなづく…
「いいから、いいから」 アキは、カガリにそっとささやく。「アリス…さん、ですか?」その人は、疑いのまなざしを向ける。 「あの…マダム!ちょっと、よろしいですか…
「あっ、あいた…」「しっ!」 背筋をピンと伸ばすと、アキはユウジをたしなめる。扉からは、白い帽子のようなものをかぶった女の人が、顏をのぞかせる。「何か、御用で…
案の定、ノワールは、ショータの手をすり抜けて、姿を消した。文字通り、ドロンだ。「今頃…女王のところに、告げ口をしに行っているんじゃあないのか?」大丈夫か、と…
「えっ、まさか…本気でやるつもりなのか?」 バラの生垣をすり抜けて行く、アキの背中に、ショータが声をかける。正気の沙汰とは、思えない…そんなことは、死にに行く…
「おや、スペードの女王の所にいるんですか?」 わざとらしいくらいに、ノワールは大げさに驚いてみせる。「おい」ショータがぐぃっと、ノワールを捕まえようと、ユウジ…
「大丈夫よ」 カガリは軽く、手で合図をする。ノワールは、グルリと見回した後…ナイトにピタッと、視線を向ける。「おや、これは…また、見たことのある方が、お仲間に…