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「いいことを、教えてあげる」 ノワールは、大きな口をカパッと開けて、ニヤニヤ笑いを浮かべる。「どうせ…ろくでもないことなんだろ!」ピーターが、大きな声を張り上…
「オジサン…何で、ここにいるの?」 それでもアキは、聞かずにはいられない。だがオジサンは、聞こえない様子で、そのままスタスタと歩いている。(なんで、何も話して…
「上の方?上の方って、どこ?」「それって、これから行くところ?」「どんな所なんですか?」 アキとカガリとユウジが、代わる代わるオジサンを問い詰める。少しでも、…
「ねぇ、オジサンは今まで、どこにいたの?」 アキはさり気なく、探るような目付きで、オジサンの背中を追いかける。トントンと階段を上りながら、オジサンは前を向いた…
「あ~ごめん、ごめん」 何食わぬ顔をして、ユウジが帽子屋に向かって、手を振る。「何かあったのか?」ピーターも、アキに向かって尋ねる。「ううん、何だかちょっと……
そんなこととはつゆ知らず、オジサンは機嫌のいい顔をして、笑ってこちらを向いている。「あの人…きっと、操られているのよ。 だって…ここの主とオジサンが、仲良く…
もともとこのオジサンは、地下室に隠れて、この館の主に復讐の機会を狙っていたような人だ。「ちょっと、性格が丸くなったのかなぁ」もっとも、よくわからないけどね……
「上がるの?」 一行は一瞬、ひるむ。もしも上がったら…帰れなくなるのではないのか…と、警戒しているのだ。ポロローンどこかで、ピアノの音が聞こえる。「あっ」「誰…
ゴーン ゴーン ゴーン…大きくて、アンティークな柱時計が、時を刻んでいる。おそるおそる、家の中をのぞき込む。確かに、火事で焼け落ちたはずの部屋が、寸分たがわ…
「あ~っ、さっき気が付いたよ! 驚いたなぁ~ いつの間にか、知らない所にいるんだからなぁ」 あくまでも、オジサンはにこやかに答える。今の所は、不自然な所はなさ…
確かに、おかしいとは思っていたけれども。それでもアキは、認めようとはしない。はぁ~と、ナイトがため息をつく。「それじゃあ…あの人のこと、どのくらい、知ってる…
「えっ」「まさか!」 アキとカガリは、顔を見合わせる。「オジサン?」「ねぇ、オジサンなの?」二人は、声を合わせて叫ぶ。「ちょっと、待って! オジサンは…この屋…
城の入り口には、大きな鉄の取っ手が付いている、ずっしりとした大きな木の扉だ。ナイトはソッと、手を触れる。ギィ~ッと、大きな音を立てて、その扉が開いた。「やは…
一行は横一列に並んで、じぃっと目の前の城を見上げる。「確かに…これは、あの森にあった城だ」ゼペットさんがつぶやく。「あっ、やっぱり、そうですよね?」アキが思…
「そうよね!」 それでこそ、アキちゃんだわ!カガリはポンと、アキの肩を叩く。すると…「私たちも、いるんだけど…」空から舞い降りて来た一軍から、声がする。「あっ…
「ねぇ!」 あわててアキが、声を張り上げる。「あそこに行ったら、何があるの?」何だかよけいに、わからなくなったじゃないのよぉ~モヤモヤとした気持ちで、アキは声…
「そんなもの…何に使うの?」 今さら、必要?だって、もうすでに、入っているのに…アキは、不思議に思う。そんな二人のやり取りを見ると、「やっぱり、これは、仕組ま…
「わかっているくせに!」 フン!とアキが眉をしかめる。「ボクは、何も知らないよ… ただ、キミたちを、見ているだけだし」ノワールは相変わらず、のらりくらりと返す…
「やぁ」 四人に前に、フワッと黒猫が現れる。「あっ」「ノワール!」「何しに来たのよ」アキとカガリが、責めるような口調で言う。「あれぇ~ご挨拶だなぁ」器用に、シ…
「ねぇ、覚えてる?」 アキはカガリに、向き直る。「あそこに来た時…あの屋敷が消えたのを」「そうだっけ?」カガリはまっすぐに、あの古城を見つめる。「そうだよ」「…
「ペガサス?」「えっ?どこ?」 アキの声に、四人は一斉に、空を見上げる。真っ白な霧のすき間から、ゆっくりと穴が開いたように、何かが近付いて来るのが見える。「え…
一生懸命、納得させようとするけれど…それを言ったら、どこも同じように見えてしまう。「あの木の幹だって、見て! あのコブのような所… あのあの大きな木のウロだ…
「ねぇ、ここ、何だか見たことがあると思わない?」 いきなりアキが、カガリに向かって声をかける。「え~っ、森なんて、みんな同じようなものなんじゃあないの?」ユウ…
「アリスの世界が、ここまで続いているのかしら?」 アキもカガリに、話を合わせる。「じゃあ、あのイモムシさんみたいなのも、会えるのかしら?」まるで、ピクニックに…
深い森の中で、ポツンポツンと、光の玉が浮かんでいる。「あれ、なぁに?ホタル?」重苦しい空気を変えようと、カガリがわざと明るい口調で話しかける。「ホタルじゃな…
「だとしたら…かなり、手ごわい相手だろうなぁ」 あくまでも冷静な顔付きで、ショータがボソリと言う。「じゃあ、まさか…」「お化けカボチャに襲われるの?」アキとカ…
「ケイタのがない…」「また?」 ショータの手元を、ユウジがのぞき込む。「ねぇ、それって、どういうこと?」アキもつられて、のぞき込む。「うーん、よくわからないけ…
「何があっても、知らないぞ」 ボソッと、ナイトがつぶやく。「それを守るのが…我々の仕事だろ?」ルークは、クローバーのマークを指し示す。「あ~あ」ナイトはため息…
それは…これまでとは違い、とても古びたアンティーク調の扉だ。「これ?」さっきとは、どこか…雰囲気が違う。かなり年季の入ったしろものだ。「そうだ」トンと、ナイ…
「はっ?何を言っているの?」 思わずアキの声が、大きくなる。「そんなの…答えるまでもないじゃない」アキが、さらに大きな声を上げる。「ちょっと、アキちゃん、落ち…
(もう、ナイトってば!) カガリは、舌打ちをしたい気分になる。せっかく気を取り直したアキも、再び「あぁ~」と頭をかかえる。「じゃあ…ケイタは、あのまんまなの?…
さっきまで、炎に包まれていたのが、ウソみたいだ。ドア一つ隔てた向こうは…どうなっているのだろう? オレンジ色の光に照らし出されて、SFチックな廊下が、まっす…
「でも…」 そんな二人の会話に、アキが割って入ってくる。「私たちだって…クローバーじゃないのに、あそこを出入りしたのよ。 ということは…ほかの人が入るのも、可…
「ここは?」 さっきとは一転して、静けさに包まれている。「これって…お城の中?」「まさか!城はどこも…大混乱しているだろ?」アキとカガリに向かって、ナイトは子…
「こっちだ!」 棒を振りまわして、ナイトが部屋に飛び込んで来る。「早く!早くしろ!」ルークの声が響いて…四人は転がるようにして駆け出す。 炎は床をなめつくし…
「えっ」 思わずアキは、ピタッと立ち止まる。「アキちゃん、ダメよ!だまされたら」カガリは、アキの反対側の腕を引っ張る。「えっ、でも…」ケイタは?女王の言うこと…
さらに女王が、トンとつま先で、床をたたく。すると氷の結晶が、床にジワジワと広がっていく。「まずい!」ショータが声を上げた瞬間、ぱぁ~っとオレンジ色の光が、自…
「あぁら、何を怖がっているの? 私はそんなに…おっかなくなるわよ。 どう?優しいでしょ?」 ふふふ…キンと響く声で、女王は笑う。だが、目は笑ってはいない。その…
あの女王に、何をされるか、わからないだろう…そう言われてしまうと、さすがのユウジも「うーん」とうなってしまう。「私たち…一度しか、会っていないけど… やけに…
「えっ?なんで?」「さぁ、わからない」 そもそも発信機って、ついたり消えたりするようなものだろうか?三人には、やはりわからない。「もしかして、何か障害があると…
「ねぇ、この馬は、どうしたの?」 ようやく、ハッと気づいたように、アキが聞く。「ペガサス?」「でも、色が違うわ」アキとカガリが言い合うのを、ショータとユウジは…
「まさか…また、女王に連れて行かれたの?」 そういえば…氷の女王の姿が、どこにも見えない。「しまった!逃げられたかぁ~」油断もすきもあったもんじゃあない。アキ…
「やったぁ~!」 アキがはしゃいで、ピョンピョンと跳ねるのを見ると…カガリも思わず、万歳をしたくなる。鉄格子を、枠ごとゴトッと外す…という暴挙をやり遂げたので…
「あっ」「うそっ」 アキとショータとユウジが、そろって声を張り上げる。「カガリちゃんも、手伝って!」アキは、後ろを振り返る。「いっせぇ~のぉ~せっ!」ドン!二…
ここにはベッドがないので、シーツもない。窓はあるけれど、はめごろしで、カーテンはついてはいない。するといきなりアキが、ガン!と鉄格子を蹴る。「ちょっと、アキ…
「アキちゃん、大丈夫か?」 ショータが駆け寄ると、小さな穴蔵のようなところに、閉じ込められている二人を見つけた。「ショータ!よくわかったねぇ」嬉しそうに、アキ…
「アキちゃん!どこにいるの?大丈夫か?」 今度ははっきりと、ショータの声が聞こえる。「ほら、聞こえる?」カガリの方を振り向く。「ここよ、ここ! 私は、ここにい…
何しろ自分たちは、鉄格子にはばまれている。ケイタは、今は自分たちの味方とは、なり得ない…(ワナにはめられたら、どうしよう?)ケイタに、そんな悪知恵が働くのだ…
「なに?何があったの?」 アキはどうにかして、鉄格子を叩き壊そう…と頑張っているのだが、一旦あきらめる。カガリは愕然として、力が抜けていたけれど、それでもフッ…
「そんなに騒いでいたら、疲れるだけだぞぉ」 冷ややかにそう言うと、ケイタは面倒臭そうに、プィッとソッポを向く。(ケイタ…心まで、女王に乗っ取られたの?)アキは…