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★★★神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十四話 更新★★★(2023/01/07)
2023年も月と地球と太陽と元気と陽気があればそれでイイ!本年もよろしくお願いいたします(^^♪********神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十四話:巫女の惚気そんな流行りのつがいの言葉で、私たちの運命を言いきらないでほしい。たったのカタカナ二文字で片付けないでほしい。私たちはとても複雑な絆なのだから。人はたいして特殊でもない、名づけがたい感情を、自分だけの一級品だと思いたがることがある。尊んで崇めたものに拭い難い瑕疵が見つかったとしたら、もはや自分を保てないような怖さが千歌音にはあった。([神無月の巫女二次小説其の一]→「夜顔」(目次)→「夜の蚕(ひめこ)」)********時は大正、場所は神さびた村。いまの姫子は心をわけあう運命の二枚貝の相手なのか。それとも、ただの巫女としてのいっとき...★★★神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十四話更新★★★(2023/01/07)
「おい、どうなんでぇ。姫ちゃんよぉ、姫宮のあのあんちくしょうの若造から言い寄られてんのか?あいつはやめとけよ。金にもの言わせて、うちの姉貴をかどわかして棄てやがった、とんだすけこまし野郎だぜ。奴だけは勘弁ならねえ」男がやおら膝をたてて、中指をたてる。なんだかよくわからないしぐさだが、とても下品なことだけは感じ取れる。「七朗太ったら。そんな恐れ多いことを口にしてはだめよ。あなた、首が飛ぶわ。ここは姫宮の息がかかった住まいなのに。それに、あなたのお姉さまは、あれでもあの若様に惚れていらっしゃったのよ。前に口寄せでそう説明して、あなたも納得したはずでしょ」「姫ちゃんの口から、あのうらなり野郎への惚気なんざ、聞きたくなかったぜ」七朗太は、ちっ、と舌打ちして、どかどかとあぐらを組み直した。大男がすこしでも動くと、こ...神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」(十四)
拙ブログで十数年来紹介しているアニメ「神無月の巫女」という作品は、今では百合の金字塔ロボットアニメと呼ばれる(一部界隈で)までに知名度があります。この作品も含めて、ゼロ年代以降は、アニメやら漫画でも、多くの百合テイストな作品が発表されてきました。私自身もいくつか鑑賞してはきました。けれども。もし日本を代表する純正な百合作品はなにかと言われたら、やはり、それは「マリア様がみてる」(著者:今野緒雪)だと思うのです。1998年に初刊が発行されて2008年までにシリーズは三十巻以上。集英社コバルト文庫の代表作。でも、この作品、20周年記念の2018年には公式であまり動きがなかったと記憶しています。2000年代前半は、かの美少女戦士セーラームーン同様、本来のターゲットたるティーンエイジの女の子のみならず、30代女性...「マリア様がみてる」は美しい人生のためのバイブル
けっきょく、森永のキャラメルは、その場にいる者──姫子と千歌音、そして、男、さらに数名の侍り女たちで分けあって頂くことにした。普段、お菓子などにありつくことの少ない年少の侍り女などは目を輝かせ、まるで宝石を扱うかのように丁重に眺めて、大事そうに頬張った。ここに乙羽がいてくれたら、…と思うと、千歌音は喉を通す気になれず、残り一個だけは手巾(ハンカチ)に包んでしまっておくことにした。その様子を、姫子はそれとなく見ていたが、なにも言わなかった。「でも、あなた、身体は丈夫そう。役に立てるわね、おつむはちょっと期待しないけど…。で、そろそろ仕事は見つかったの?」「まあ、なんとか食いつないでるよ。腕の調子も悪くねえ。まったく姫ちゃんは冗談が過ぎらあな。さすが、この俺様が嫁御に見込んだ女だけはある」千歌音は確信した。こ...神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」(十二)
「姫宮の若造がよ、遠乗りに出かけたあの日、あのでかぶつが襲ってきやがって…ちくしょう、姉貴は、…下敷きにされた。俺たちゃあ、てっきり、あんたら巫女があの邪神てのを操ってるって思ってたんだぜ…。姉貴は馬鹿だよ、奥方もいる糞野郎なんかに遊ばれやがって!あんな奴のこと庇う必要なんてなかったんだ!」あの日というのは、姫子の快気祝いをかねて、裏山に入ったあの早春のことだろう。姫子と千歌音は、あの巨神(おほちがみ)に遭遇し、あやうく、潰されるところだった。いま、思えば山に現れた武者すがたの巨神と、村を襲ったあの巨神──いまは、タケノヤミカズチとして巫女が使役できる神機とは、似て非なるものだったのかもしれない。こいつが鎖鎌であの巨体に応戦した勇気があるのは認めるが、それも裏心があってしでかしたこと。村人とぐるでこの自分...神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」(十一)
あいにく姫子は千歌音のまなざしに込めた想いに気付きもしなかった。この部屋の主であるのに、その場は姫子とこの珍客の賑やかしいふるまいに支配されている。こんなことが過去に幾度もあった。姫宮神社の邸内でも、姫宮のお館でも、姫庫(ひめぐら)でも。いつもそうだった。自分の気持ちを表沙汰にしない人間は、どこにいても月影のように扱われる。仔犬や仔猫にもみくちゃにされて、ぼろくなった着物の袂から男が大事そうに取り出したのは、小さな黄色の箱だった。マッチ箱のようなスライド式で、表面に西洋風のロゴで「森永キャラメル」と印字されてある。男の大きな手に掴まれると、骰子(さいころ)のように見える。蟻の住処のようなその品を、姫子が手にとってはためつすがめつ見ては、めっ!と男に叱りつけるような目線を送った。と言っても、姫子の問いただす...神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」(十)
姫子が障子を開けたとき、室内は騒然としていた。千歌音が脇差しを抜こうと構えたそのせつな、野良法師に向かって、二重三重に包囲網が築かれた。邸内のどこかに控えていたのであろう仔犬たち、仔猫たち、出てくるわ、出てくるわ。いっせいに牙を剥き、爪を立て、噛みついたものだから、たまらなかった。千歌音はもちろん、控えていた侍り女たちも唖然としていた。その獣たちの山なりに押しつぶされた男を見下ろしていたのは、姫子であった。あ、という口のまま、目だけで笑んでいる。「まったく困った弟御さん」ひ、ひめひゃんよぉ。たずげでぐで。濡れ手ぬぐいを口にあてたようなくぐもった、いささか情けない声で、助命を請う男。姫子が二本指をそっと唇にあてる。ひゅるりと指笛を吹くと、仔犬や仔猫たちはいっせいに飛び降りて、開け放った障子を無尽蔵に突き破っ...神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」(九)
★★★神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十二話 更新★★★
********神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十二話:巫女の縁談「それは残念。わたしは心に決めた人がいるの。そのうち祝言でも挙げるかも」その言葉にぎょっとしたのは千歌音である。ひょっとして、最近大神神社に通い詰めなのはそのためなのか、あの大神殿は後継ぎがいないので、有望な巫女である姫子を縁戚の男と添わせて、夫婦養子にしたいのではあるまいか、とまで、さらぬだに考量が広がってしまう。そのように邪推してしまうのも、つい一箇月まえほどのあのできごと──洞窟から生還した後での姫子のからの「ご褒美」を、千歌音はただの慰労のための戯れではないか、と思ってしまうわけで。([神無月の巫女二次小説其の一]→「夜顔」(目次)→「夜の蚕(ひめこ)」)********時は大正、場所は神さびた村。いまの姫子は心をわけ...★★★神無月の巫女二次創作小説「夜の蚕(ひめこ)」第十二話更新★★★
神無月の巫女アニメの話数に合わせ、とうしょ全十二回としたこのブックレットレビュー企画。今回はすこしおまけをつけて十三回目更新となります。ひさびさにブックレットを読みなおして幸福感に包まれた、企画記事でした。アニメDVDじたいは再生メディアの事情でもう観られなくなってしまったので、紙で読むしかありませんね。動画視聴もできるのだけども、円盤のような付録特典があるわけではない。ぜひとも、その魅力を、この作品を動画経由で知ったらしき、若く新しい世代に知ってほしいと思ってはじめたのがこのシリーズ記事なのです。動画を倍速で見て物語のあらましを掴んでわかったつもりになるのもいいですが、できれば二度三度とくりかえし観てほしい。このアニメは一度観ただけではわからない部分もあります。なにせ私がそうでした。このブックレットを精...アニメ「神無月の巫女」ブックレットについて(十三)
公式が動くと、ファン界隈が騒ぎ出す。お前個人の与太話なんぞ聞きたくないわいとお叱りを受けそうなことを、新しい情報にかこつけておしゃべりしてしまうことがあります。別に誰が聞いているわけでもないのに、ワタクシ、しっかりファンを心得ておりますのよ、という無駄な矜持か、自己存在のアピールか。さて、今回もそんな記事です、あしからず。コロナ禍でも今年のコミケは盛況のようで、恒例の夏コミに、私のお気に入り作神無月の巫女の原作者先生も参加されたということでした。で、気になるツイートが。以前発売されたという神無月の巫女および京四郎と永遠の空のアクリルスタンド。ヲタク系の通販サイトでは即売されてしまったようですが。この夏コミで在庫わずかにあるとのことで直売されるそうです。京四郎のほうの、ひみことかおんのアクスタ。作品本編より...あの伝説の神無月の巫女公式小説が夏コミでよみがえる?!
2018年の神無月の巫女のアマゾンプライム放映にちなんではじめたこの企画記事。放置もいいところで、最終巻めにたどりつくまでに、なんともう4年も経過してしまいました。スミマセン(土下座×百万回)。漫画「姫神の巫女」があってそこに衷心していたとか、コロナ禍ネタをもりこんだ二次創作がすこぶる楽しかったとか、神無月の巫女占いネタの日記でひとりよがりに笑っていたとか、ちょっと他のジャンルに逸れたとか。脱線理由はありますが、あいかわらず自分の計画性のなさに呆れます。懺悔なさい。その昔のむかし。まだ私がブロガーでもなかった頃に覗いていた先輩gooブロガーさんがアニメの感想を書こうとしたら最終回には感極まって書ききれなかったとこぼしていましたが。言い訳いたしますと、私もまた、同じ境地であります。この作品に限らないですが、...アニメ「神無月の巫女」ブックレットについて(十二)
グリッドロケーターを利用するコンテストや、FT8などで自分のグリッドロケーターを知る必要が出てくるのでしょう、度々、下記の過去記事へのアクセスがあります。グリッドロケータの範囲が判る地図https://blog.goo.ne.jp/radiojack/e/f2db2fd3ea9666c9de280ac63513ef7d上記サイトの地図がGoogleMapでなくなってしまったのか、地図の精度があまりにも粗くて使い勝手が悪くなってしまっています。同様のことが出来るK7FRY局のサイトを紹介します。たまたまかもしれませんがトップページからのリンクが切れているので、直リンクは下記です。https://www.k7fry.com/grid/右側の入力欄の上側に適当なロケーターを入れるか、地図をクリックすると下の図の...グリッドロケータの範囲が判る地図(Part2)